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Software Defined Storageって何?わかりやすく解説!

基本的な内容を解説

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庄司 知代 (Tomoyo Shoji)
庄司 知代

ここ数年、「Software Defined~」という言葉をよく耳にします。中でも、Software Defined Storageは特に注目されている技術です。では、そもそもSoftware Defined Storageとは何なのでしょうか? 

まず、「Software Defined~」という言葉を日本語にすると「ソフトウェアによって定義された~」という意味になります。つまりSoftware Defined Storageはソフトウェアによって定義されたストレージのことであり、この他にも様々な「Software Defined~」があります。 

「ソフトウェアによって定義されたストレージ」とは?

Software Defined Storageの意味は、国際団体であるSNIA(ストレージ・ネットワーキング・インダストリー・アソシエーション)によって明確に定義されています。それによると、下記5つの項目を持つものをSoftware Defined Storageと定義しています。 

  1. インフラ管理の自動化 
  2. 標準化されたインターフェース 
  3. 仮想化されたデータパス 
  4. 柔軟な拡張 
  5. リソースの透過性 

いずれも少し硬い表現なので噛み砕いて言うと、Software Defined Storageというのは統一された管理インターフェースによってインフラ管理を自動化し、仮想化環境を容易に作ることでリソースの拡張や使用を自由に行えるストレージと言えましょう。 

もっと噛み砕いて言えば、管理のしやすいストレージプールということですね。 

身近なSoftware Defined Storageは何か

では、皆さんにとって最も身近にあるSoftware Defined Storageと言えるストレージ製品とは何でしょうか?それは、昨今注目度が高まっているハイパーコンバージドインフラがその一つです。 

ハイパーコンバージドインフラとは、システム要件に必要なサーバ・ストレージ・ネットワーク・仮想化ソフトウェア、さらにストレージ機能を統合し、コンパクトな筐体に搭載した製品です。 

では、先述したSoftware Defined Storageの条件でもある5つの項目を基準に考えてみましょう。 

  1. インフラ管理の自動化 

    ハイパーコンバージドインフラに搭載されている機能やAPIを活用することで、面倒なインフラ管理を自動化し、管理者負担を大幅に軽減します。 

  2. 標準化されたインターフェース 

    インターフェースの特徴としてはGUIベースで使いやすいものが多く、サーバノードやストレージノードなど異なる要素を単一画面で管理できます。 

  3. 仮想化されたデータパス 

    ハイパーコンバージドインフラでは容易に仮想化環境を構築できます。筐体には複数のサーバが搭載されており、これらはネットワークで繋がっているためリソースの共有が可能です。 

  4. 柔軟な拡張 

    ハイパーコンバージドインフラを導入することは、スケールアウト環境を構築することでもあるので、リソース拡張の際はサーバの買い足しで対応できます。 

  5. リソースの透過性 

    サーバやストレージのリソースは一つのプールで管理されるため、システムごとに柔軟なリソースの割り当てができます。 

    以上のように、ハイパーコンバージドインフラはSoftware Defined Storageとしての要件を満たしてるので、最も身近なものと言えましょう。 

ハイパーコンバージドインフラを導入するメリットは?

身近なSoftware Defined Storageであるハイパーコンバージドインフラを導入するメリットはどこにあるのでしょうか? 

まず、最も大きなメリットがインフラ調達にかかる時間を大幅に短縮できるという点です。従来のシステム環境では、新たなサービスを立ち上げる際、インフラ調達がそのスピードを阻む原因となっていました。その内訳を考えるとサーバーやストレージなどシステムの要素を個別に購入する必要がありますし、組み合わせた状態での将来を見越したキャパシティプランなどです。 

近年では特にビジネススピードが急激に上がったため、システム構築にこれまで以上の速度が強く求められています。 

そうした中、ハイパーコンバージドインフラがこのスピードに対応する有効な手段として採用されています。 

ハイパーコンバージドインフラはサービス立ち上げに必要な各機能を統合し、かつ出荷段階で各コンポーネントの連携や接続が検証されています。従って、企業は調達から立ち上げまでかなり迅速に取り組めるという利点があります。 

次に初期投資を抑えらえるというのもハイパーコンバージドのメリットです。サービス立ち上げ時に必要なシステム要件というのは、現在の要件に基づくため将来の需要ほどの大きなものではありません。 

その点、ハイパーコンバージドインフラは現在必要な分だけで良く、将来リソースが足りなくなったら容易に拡張できるメリットがあります。つまり、常に適正な投資を続けられるというわけです。 

最後に紹介するメリットは運用負担を軽減できるという点です。従来のインフラ環境で往々にして存在する問題がインフラ管理です。サーバ・ネットワーク・ストレージ・仮想化ソフトウェアなど、それぞれのコンポーネントの管理は分断化しているので、すべてを適正に管理しようとすると、それなりの手間と時間がかかってしまいます。 

一方ハイパーコンバージドインフラでは、各コンポーネントが予め統合されているので、管理は単一画面で行える他、バージョンアップへの対応なども最小限に済みます。IT戦略強化のため情報システム人材の活用が叫ばれる中、管理者の運用負担を軽減することはとても大切なことです。 

以上のメリットを考慮すると、ハイパーコンバージドインフラは導入が進み大手企業だけでなく、中小企業にとっても非常に有効なインフラ環境です。ただし、次のようなデメリットがあることも念頭に置いておきましょう。 

ハイパーコンバージドインフラのデメリット 

  • 一つの筐体に複数の機能を統合しているため、完全に最適化されたコンバージドインフラよりもパフォーマンスが低下する可能性がある 
  • コンピュートやメモリ、ストレージが一体化されており一つでもリソースが足りなくなると全てを追加する必要がある(遊休リソースが増える) 
  • 新興ベンダーが提供しており、データ保護などの機能や既存システムとの連携が弱い 
  • 各ノードがサーバ・ストレージ双方の機能を有しているので、一つがダウンするともう一方もつられてしまう可能性が高い 
  • ハイパーコンバージドインフラを導入・運用するために新たな知識とスキルが必要になる 

こうしたハイパーコンバージドインフラのデメリットをカバーするには、これらを解消するような機能や構成を持つ製品を選ぶことがまず大切です。例えばNetAppが提供するNetApp HCIなら、従来言われていたようなハイパーコンバージド インフラの課題は解消されています。 

まとめ

今後の情報システム業界では、今まで以上に「Software Defined~」という言葉を耳にするようになるでしょう。それほどに従来のインフラ環境には限界が近づいており、新たなインフラが市場を席捲しつつあるのです。中でも特に重要なSoftware Defined Storageは、これを機にぜひ覚えておいてください。 

このブログは2023年8月まで公開していましたストレージチャンネルからの転載となります。 

庄司 知代 (Tomoyo Shoji)

庄司 知代

2019年4月よりNetAppに入社。IT業界でのマーケティング業務にて長年に渡り培ってきた経験を活かし、ABM、イベント企画・運営、コンテンツマーケティング、広告など幅広くフィールドマーケティング業務に従事しています。

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