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ミッションクリティカルシステムとは? 意味や定義を解説

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庄司 知代 (Tomoyo Shoji)
庄司 知代

近年、企業や組織にとって根幹をなし、ビジネスやプロジェクトの存続に関わる重要なシステムとして、「ミッションクリティカルシステム」が注目を集めています。本記事では、このシステムの概要や関連用語について解説するとともに、システム障害時の対策についてご紹介します。

ミッションクリティカルシステムとは

「ミッションクリティカルシステム(Mission Critical System)」とは、「Mission(任務・使命)」と「Critical(危機的な・重大な)」を掛け合わせた語で、文字通り企業や組織の存続に欠かせない、任務を遂行するうえで重大なシステムを指します。ミッションクリティカルなシステムに障害が発生したり、動作が停止あるいは中断されたりすると、業務に大きな支障をきたすおそれがあります。

どのようなシステムを指すのか?

ミッションクリティカルシステムは極めて重大なシステムの総称ですが、一般的には24時間365日の正常な稼働が欠かせないシステムを指します。具体的な例としては、金融機関の基幹業務システムや製造業の基盤システムなどが挙げられます。とはいえ、業界・業種問わず企業や組織にとって重要な意味合いをもち、業務を遂行するうえで核となるようなシステムであれば、それはミッションクリティカルなシステムといえるでしょう。

ミッションクリティカルシステムと類語との違い

ミッションクリティカルシステムの類語として、「ビジネスクリティカルシステム」「セーフティクリティカルシステム」「ライフクリティカルシステム」の3つがあります。これらはいずれも、企業や組織の業務に関わる重大なシステムという意味では、ミッションクリティカルシステムと同様ですが、システムの影響範囲が異なります。以下では、各システムとミッションクリティカルシステムとの違いについて解説します。

ビジネスクリティカルシステムとの違い

ビジネスクリティカルシステムとは、企業のビジネスの根幹をなす業務システムを指します。業務遂行上における中核的なシステムという意味では、ミッションクリティカルシステムと大きくは変わりません。しかしこちらは、より「企業の利益」にインパクトを与えうるシステムであるという点で異なります。

セーフティクリティカルシステムとの違い

セーフティクリティカルシステムとは、警察や政府機関などが関わる治安に影響を与えるシステムや、航空機や原子力発電所などが関わる絶対的な安全性を求められるシステムのことです。ミッションクリティカルシステムと比べ、その影響範囲が「人の安全」を中心としている点で異なります。

ライフクリティカルシステムとの違い

ライフクリティカルシステムとは、病院や消防署などが関わる、人命に直接影響を与えるシステムのことです。ミッションクリティカルシステムと比べ、より「人の命」に重きを置かれたシステムといえます。前述のセーフティクリティカルシステムと影響範囲が近いことから、しばしば同様の意味で用いられることもあります。

ミッションクリティカルシステムの障害で起こることは?

ミッションクリティカルシステムはその性質上、わずかな時間の中断や停止であっても、業務遂行に多大な影響を与えます。システムの中断によって生産が止まり、売上の低下を招いたり、顧客が使用するシステムの停止であれば企業の信用失墜につながったりと、企業や組織にとって大きな損失をもたらしかねません。このような大きな損害を防ぐためには、当該するシステムの継続稼働に十分な注意を払う必要があります。

ミッションクリティカルシステム障害への3つの備え

障害や誤作動などが許されない領域であることから、システム設計や運用による体制維持が不可欠です。障害に対応するための重要な施策としては、主に以下の3つが挙げられます。

機器やサーバーの複数設置

システム全体の停止を防いだり、運用継続を図ったりするため、基幹システムと同じ機能や役割をもつ機器・サーバーを複数設置します。そして、すべての機器やサーバーが停止しない限りシステムを存続できるように、それらを冗長構成にしましょう。また、並列化して負荷を分散することで故障に備えるのもポイントです。これらは障害対策における最も基本的な手段といえます。

予備サーバーの設置とスタンバイ

予備サーバーを設置して待機(スタンバイ)させておき、障害発生時に速やかにシステムを復旧できるようにします。スタンバイ方式には「ホットスタンバイ」「ウォームスタンバイ」「コールドスタンバイ」の3つがあります。

ホットスタンバイ

稼働中のシステムと同様のシステムを用意し、データも常に同期しておく方式です。これにより、障害発生時に瞬時に切り替えができます。その分、3つの中で最もコストが高くなる点はデメリットです。

ウォームスタンバイ

予備システムも起動させておくことはホットスタンバイと同様ですが、最低限の機能のみ稼働状態にしておく方式です。3つの方式の中では、コスト面・復旧時間ともに中間に位置します。

コールドスタンバイ

予備システムを稼働させず(電源を入れず)に待機させておく方式です。障害発生後に起動しシステムを稼働状態にするため、復旧に時間を要しますが、コスト面では最も負担が少なく済みます。

それぞれメリット・デメリットが異なるため、システムに合わせて適した方式を採用することが重要です。ミッションクリティカルシステムに限っていえばシステムの安定稼働が重要視されるため、可能であればホットスタンバイの採用が望ましいでしょう。

遠隔地へのデータバックアップ・機器配置

予備システムを用意していても、自然災害時などに本番・予備システムともに故障してしまうケースもあります。特に自然災害が比較的多い日本では、このようなケースも考慮しておく必要があるでしょう。

対策としては、本番システムと予備システムを地理的に離れた位置に配置しておくのが有効です。これにより、万一本番システムに障害が発生した場合も、継続的な稼働やデータ損失の防止が期待できます。

ストレージ管理によるシステム障害対策に「NetApp」

ミッションクリティカルシステムにおいては、システムの安定稼働はもちろん、データを安全に保管することも重要です。特に近年のビジネスシーンでは、ビッグデータの利活用を求められることが多く、データ損失はそのまま利益の損失に直結します。したがって、データを安定的に保持するストレージ管理システムが必須といえます。また、安定的に保持するだけでなく、その利活用も含めトータルで充実したシステムであれば、なおよいでしょう。

そのようなストレージ管理に強みをもつ企業として、「NetApp」があります。NetAppは長年の経験から、データの安定保管にとどまらず、その利用方法の最適化やセキュリティ保護など、ストレージ管理の総合的な技術を有しています。MicrosoftやGoogle、Amazonなど大手IT企業を顧客にもつことからも、その信頼と実績が伺えます。

NetAppのサービスをストレージ管理システムとして採用することで、システム障害による重大なデータ損失を防げるだけでなく、データの利活用まで含めたトータルなサポートも期待できるため、企業・組織にとって多大なメリットを得られるでしょう。

まとめ

ミッションクリティカルシステムとは、企業・組織の存続に欠かせない重大なシステムを指し、そのシステムが停止すれば多大な損害を被ることになります。それを防ぐためには、システムの冗長・並列化や、予備システムのスタンバイなどが必須です。

また、データの重要性が高まっている昨今では、システムの停止を防ぐことに加え、データの安定保管も喫緊の課題となっています。自前でデータ管理を工夫するのも手ですが、NetAppのストレージ管理サービスなどを利用することで、ミッションクリティカルシステムにおけるデータ損失を防ぎ、より安定した業務展開が望めます。重要なシステムの保守性を高めたい企業様は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

このブログは2023年8月まで公開していましたストレージチャンネルからの転載となります。

庄司 知代 (Tomoyo Shoji)

庄司 知代

2019年4月よりNetAppに入社。IT業界でのマーケティング業務にて長年に渡り培ってきた経験を活かし、ABM、イベント企画・運営、コンテンツマーケティング、広告など幅広くフィールドマーケティング業務に従事しています。

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