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NetAppが解決するハイブリッド/マルチクラウドに関する6つの課題

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NetApp Japan
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景気や社会が不安定な時代には、IT投資をコントロールすることが必要になります。オンプレミスとクラウドに関していえば、売上が落ちているときにはクラウドを活用して、システムのリプレースを最小限に絞り込みます。逆に売上が伸びているときには、クラウドよりもオンプレミスの設備投資を行い、社内のシステムを拡充する傾向にあります。

NetAppは、オンプレミスの時代を起源として、ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの時代に至るまでストレージとデータ管理のソリューションを提供してきました。ストレージの歴史とともに培ってきたノウハウがあります。さらに2020年から傘下企業を増やして、サービス提供へのシフトを加速しています。

NetAppの事業戦略を簡単に整理した上で、ハイブリッド / マルチクラウドを活用するときの6つの課題と解決策を解説します。

クラウドの変化とNetAppの事業戦略

クラウドの進化に合わせて、NetAppはアプライアンス販売からサービス提供へ事業をシフトしてきました。2020年から企業を買収して競争力の強化をはかっています。

新たにNetAppの傘下になった3社を解説します。

まずTalon Storageは2020年3⽉に買収した企業です。Talon FAST/Core/EdgeをNetApp Global File Cacheとして提供しています。リモートワークのファイル共有を⾼速化するソリューションで、クラウド上にデータを集約して全世界からの⾼速アクセスを実現します。

次にCloud Jumperは2020年4⽉に買収した企業で、そのソリューションはNetApp Virtual Desktop Serviceとして展開しています。VDI基盤に必要な環境を提供し、RDS(Remote Desktop Service)やWVD(Windows Virtual Desktop)をサポート。GUIの操作でAWS、Azure、Googleの複数のテナント制御を実現します。

最後にSpot (旧Spotinst)は、2020年6⽉に買収した企業です。AWS、Azure、GCPのコストパフォーマンスに優れたスポットインスタンスを提供します。

NetAppには、オンプレミスからクラウドまで統合された幅広い製品群とソリューションのポートフォリオがあります。リモートワーク、AI / 機械学習、IoT やエッジコンピューティングなど最新の動向に対応し、開発環境として重要度が増しつつあるCI/CD、Dev&Opsなどの領域、コンテナデータ永続化とオーケストレーション、さまざまな自動化など、その領域を拡充しています。

NetAppが提案する6つの課題と解決策

ハイブリッドクラウド、マルチクラウドを展開するときに「こうしたい」という要望と課題には典型的なものがあります。NetAppのポートフォリオと実績を踏まえて、典型的な課題に対する解決策を挙げていきましょう。

1.ストレージ容量不足を解決したい
課題
オンプレミスのストレージコストを削減し、社内におけるアプライアンスの物理的な設置⾯積を最小限にしたい場合です。利用データが急増してもストレージを増設せずに、リプレース時期までしのぐようなケースになります。

解決策
この場合では、ユーザーの利用を中断せずに容量を増やす必要があります。NetAppの⾃動階層化ソリューションには、ONTAP/Cloud Volumes ONTAPの機能であるFabricPoolを利用する方法と、FabricPoolの従量課金制でSaaSによって提供されているCloud Tieringを利用する2つの方法があります。

このとき、アクセス頻度の低いデータを⾃動階層化してクラウドストレージに移行して、オンプレミスの容量を削減すると、ユーザーは階層化を意識せずに利用を続けることができます。自動階層化の期間を指定したり、階層化のON/OFFをボリューム単位で指定したり、さまざまなコントロールが可能です。

2.仮想デスクトップ環境でファイルを一元管理したい
課題
複数の部門や事業所で多数のリモートワーカーが仮想デスクトップ環境(VDI)を利用する企業では、オンプレミスのストレージでは管理が煩雑になります。クラウド上の1か所にデータをまとめて、事業拠点や⾃宅から⾼速にCIFSアクセスを実現することが理想です。

この課題は、オンプレミスとクラウドの両⽅にVDI基盤があり、異なるVDI環境を単⼀の操作性で管理するケースです。Windows Virtual Desktopの管理を簡易化したい場合も含まれます。

解決策
クラウド上のNASサービスとキャッシングソリューションを組み合わせて、VDI環境の管理サービスを併用します。

NASサービスとしては、Cloud Volumes ONTAP for AWS/Azure/GCPもしくはCloud Volumes Service for GCP/AWS、Azure NetApp Files を利用します。

キャッシングソリューションはGlobal File Cache を使います。キャッシングによる⾼速なファイルアクセスとファイルのロック機能を提供し、データの整合性も担います。クラウドストレージでは無償で提供されています。高可用性の構成でCloud Volumes ONTAPを利用する場合は10サイトまで無料で、10サイト以上またはCloud Volumes ONTAPのシングル構成は別途費用がかかります。

VDI環境の統合管理には、Virtual Desktop Serviceで行います。マルチクラウド環境におけるVDIの統合管理、必要となる関連サービスの統合管理を提供します。

ハードウェア環境としてNetApp HCI with NVIDIAのオプションもあります。

3.クラウド移行の概算費用と必要な容量を検討したい
課題
オンプレミスからクラウドにリフト アンド シフトする場合、運用の概算費⽤を確認することが重要になります。移⾏もとのオンプレミス環境を調査し、クラウドに必要なサーバーなどのリソースと容量を検討して無駄なサイジングを省くことが課題です。

解決策
ライセンス販売のOnCommand Insight、サービスとして提供されているCloud Insightsによって、サーバーのリソースやストレージ容量などの分析ができます。

4.クラウドのインスタンス費用を削減して効率化をはかりたい
課題
クラウドの利用では、急激な容量の増加に備えてリザーブドインスタンス、オンデマンドインスタンスを確保する場合があります。しかし、構成を最⼩限にして、スポットインスタンスの利⽤⽐率を上げたほうが効率的です。インスタンス強制終了を事前に確認して、別のスポットインスタンスに⾃動で切り替える運⽤負荷の軽減も必要になります。

あるいは、Kubernetesのノード利⽤料⾦を削減するニーズもあります。PODのリソース要件にしたがってインスタンスを自動的にスケールアウト / インさせたり、複数のインスタンスタイプを混在させながらスポットインスタンスを活⽤したり、効率化を実現することが課題です。

解決策
インスタンスの入れ替えを⾃動化するサービスを利⽤します。Spot/Spotinstのサービスは、AWS、Azure、GCPに対応しています。スポットインスタンスがない場合は、OnDemand/Reservedインスタンスの利用を考えるとよいでしょう。

5.クラウドを活用しつつ、オンプレミス間のデータ移動をしたくない
課題
クラウド上で計算のためのリソースや便利なサービスを活用したいと考えていますが、オンプレミスとクラウド間でデータを移動しないことが条件です。1カ所にまとめたデータをオンプレミスや複数のクラウドから利⽤したり、必要に応じて複数のクラウドでリソースを使い分けたりするような場合になります。

解決策
この課題に対しては、マルチクラウドでアクセスできる場所にデータを保存し、⾼速な回線で接続します。NetApp FAS/AFFシリーズのストレージを使い、回線はEquinix Cloud Exchange、AT TOKYO Business Exchange (ATBeX) / クラウド接続サービスなどを利用します。

NetAppでは、NetApp Private Storage というハードウェアと回線を組み合わせたソリューションを提供しています。マルチクラウドに接続可能なデータセンター事業者の回線サービスを利⽤し、複数のクラウドやオンプレミスのストレージと接続するソリューションです。

6.大容量のオブジェクトストレージをオンプレミスで使いたい
課題
パブリッククラウドは従量課⾦のために便利ですが、一方でペタバイトクラスの大容量のデータを扱う場合は膨大なコストが必要になります。計算処理のときだけクラウドを利用して、データ保持コストを下げることが課題です。

解決策
オブジェクトストレージ基盤を⾃前で構築するとよいでしょう。StorageGRIDのストレージソリューションを利用します。

StorageGRIDには、ソフトウェアアプライアンス版、ハードウェアアプライアンス版、コンテナ版があり、多様なニーズに対応します。ライセンスとハードのセット販売もしくはライセンス販売だけで提供され、利用に合わせてライセンス体系を選択します。

オンプレミスとクラウドのデータコピーには、Cloud Syncを利用します。Cloud Syncによって、AWS S3、Azure BLOB、GCP GCSとStorageGRID間で⾼速コピーが可能になります。

まとめ

ハイブリッドクラウド、マルチクラウドを成功させるには、3つのポイントがあります。まず、シームレスにデータを連携できること。次に、統合した管理機能があること。そして、適切な環境を選択して、適切ではなかった場合には当初の環境に後戻りできる仕組みを構築することです。

オンプレミスのアプライアンス販売からハイブリッドクラウド、マルチクラウドの時代を見据えて、NetAppはサービスを拡充してきました。したがって、さまざまな課題に対して解決のシナリオを用意しています。

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