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ONTAP向けNVMe/TCPの発表

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Ricky Martin
Ricky Martin
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NetAppが、データ ファブリック ビジョンの発表とあわせてクラウドへと大きく舵を切ったことは周知の事実です。お客様のクラウド移行を支援してきたNetAppのリーダーシップと成功は、NetAppのクラウド ビジネスが3桁の成長率を達成していることや、NetApp® ONTAP®ソフトウェアがあらゆる主要なパブリック クラウドで利用できることからも明らかです。さらに、Microsoft AzureとGoogle Cloudのどちらでも、NetAppテクノロジが直接ネイティブ コンソールの一部として提供されています。また、ファイバチャネル(FC)は優れたテクノロジではありますが、主要クラウド プロバイダがFCを組み込んだサービスを提供していないことも、周知の事実です。 

たしかに従来型のFCインフラに対しては根強い需要があり、そういったインフラの多くはNVMe over Fibre Channel(NVMe/FC)に移行するものと思われます。しかし、仮想化やクラウドの界隈では、イーサネットやTCPなどクラウドの基盤であるインターネット プロトコル ファミリーと比較して、FCは旧式のテクノロジとみなされています。旧式とみなされているがゆえに、データセンターでクラウドのメリットを最大限に引き出すことを優先するアーキテクトの多くが、通常はFCを含めずにソフトウェア定義型プライベート クラウドを設計しています。特にプライベート クラウドをハイパーコンバージド インフラ(HCI)上に構築する場合には、これが該当します。HCIは新しいものではありませんが、プライベート クラウド アーキテクトは、トランザクション処理、分析、機械学習などのストレージ消費量が多いワークロードに対する純粋なアプローチに付きものの非効率性に気付き始めています。この気付きが、分離型HCIや非対称ストレージ構成の普及につながっています。こういった用語に馴染みのない方のために要点だけ言うと、これはHCIサーバ ファームに専用のストレージ デバイスを追加することであり、大半のストレージ専門チームにとっては非常になじみ深いアプローチのはずです。 

NVMe over Fabrics(NVMe-oF)には、分離型HCI構成向きの明確なメリットがありますが、それだけでは新しいFCへの需要を喚起するには十分ではありません。専用ストレージの追加は、多くの人にとって非常にハードルが高いため、ストレージ チームに新しい専用SANの実装を依頼することは、まずあり得ません。ほとんどの場合、この問題を解決するために選ばれてきたのがiSCSIです。しかし、このシリーズの1つ目のブログ記事2つ目のブログ記事を読んだ方ならご存じのように、SCSIの時代は急速に幕を閉じつつあります。妥当な代案になりそうなのがRDMA over Converged Ethernet(RoCE)ですが、残念ながらFCoEと同様に、これらのHCIベースのプライベート クラウドを支えるネットワークの多くは、RoCE用に設定されていません。RoCEを機能させることは可能かもしれませんが、多くの場合、構成の変更は簡単ではなくhttps://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.vsphere.storage.doc/GUID-B764140D-BCF3-4C99-8169-E5B058757518.html 、お客様の多くは、ミッションクリティカルなプライベート クラウドのためにネットワークをいじることを望みません。

そこでNVMe/TCPの登場

NetAppが公開前のテクノロジに関する情報をお知らせすることはそう多くありませんが、これは秘密にしておくにはあまりにも惜しいテクノロジです。NetAppでは、ONTAPの今後のリリースにNVMe over TCP(NVMe/TCP)ターゲットの完全サポートを含める予定です。このサポートにより、NVMe/FCのメリットをほとんど損なうことなく、ネットワーク要件が大幅に簡易化されます。FCを導入する必要はありません。また、ネットワークやサーバ ファーム全体でデータセンター ブリッジング(DCB)、フロー制御の設定、ネットワーク カードのファームウェアをトリプルチェックする必要もありません。TCPを実行できれば、NVMe/TCPを実行できます。NVMe/TCPがネットワーク ストレージにもたらすメリットについて詳しくは、こちらをご覧ください。CliffsNotesバージョンが必要な方には、この資料のスライド16の箇条書きが役に立つはずです。このスライドによると、TCPには次のようなメリットがあります。

  • 場所に非依存 — どんな場所でも動作します
  • 開かれた技術 — TCPはおそらく最も普及している通信プロトコルです
  • ハイパフォーマンス — 優れたパフォーマンス拡張性を提供します
  • 大規模環境と長距離に最適
  • 開発が活発 — 主要な企業によってメンテナンスと機能強化が開発されています
  • 転送中の暗号化をネイティブにサポート可能

iSCSIと似ているところもありますが、ほぼすべての点でiSCSIよりも優れています。「近年、NVMeベースのオールフラッシュ アレイの採用が予想以上に進んでいることから、エンタープライズ ストレージ業界は、NVMe over Fabrics(NVMe-oF)などの新しいテクノロジによって今後もますます進化すると思われます。中でも、どこでも簡単に導入できるNVMe/TCPが、重要なテクノロジとして市場の主流になると予想されます。NVMe/TCPは、イーサネット ベースであるためハードウェアへの新たな投資が不要で、特にハイブリッドクラウド環境に適しています」と、IDCでインフラ システム、プラットフォーム、テクノロジ グループ担当リサーチ バイス プレジデントを務めるEric Burgener氏は述べています。

 

ONTAPでのNVMe/TCPのサポートは、ハイブリッド クラウド全体に導入できる新しいテクノロジを創出するという、NetAppのビジョンを改めて示すものです。クラウド主導のData-Centricなソフトウェア企業ならではの強みは、まだあります。すばらしいことに今回のサポートは、単なる後付けの応急措置ではなく、ONTAPへの組み込みとして提供されます。つまりお客様は、NetAppのエコシステムに付属するクラウドとデータセンター関連のあらゆる機能から、さまざまなメリットを引き出せます。下の図は、NVMeハイブリッド クラウドのユースケースを表したものです。


 

次のようなメリットを得ることができます。

  • アプリケーション対応のNetApp Snapshotコピーとクローンを使用して、ソフト障害、ユーザ エラー、ランサムウェアからデータを保護できます。幅広く導入されているアプリケーション、オペレーティング システム、仮想化、クラウド製品との相互運用性を通じてリスクを軽減できます。
  • NetApp SnapMirror®機能でディザスタ リカバリとデータ モビリティを簡易化し、データセンター間やクラウド間で同期 / 非同期のレプリケーションを行えます。
  • ミッションクリティカルなアプリケーションとデータベースのテストと開発のライフサイクルが加速します。本当の意味で統合されたインフラにより、NVMe/FCネームスペースが実行されている従来型のベアメタル データベース構成を、別の場所にありNVMe/TCPが実行されているハイブリッド クラウド構成にレプリケートして1箇所にまとめられます。
  • 確かな信頼性と優れたサービス品質(QoS)機能により、サービスレベルの可用性が保証されます。
  • ONTAPの米国国防省セキュリティ技術導入ガイドに裏付けられた、強化されたマルチテナントの堅牢なセキュリティにより、安心して使用できます。 

業界他社の現状

Pureはすぐに「後追い」を迫られることになると予想しますが、このブログ シリーズですでに触れたように、Pureの既存のNVMe-oFソリューションはパフォーマンス面で精彩を欠いていることから、多くの顧客は変化を感じないかもしれません。

Dellについては、2019年後半にようやくPowerMaxでNVMe/FC陣営に加わったもののhttps://www.theregister.com/2019/09/10/fcnvme_optane_dell_powermax/、その段階では多くの但し書きが付いている状態でしたhttps://www.delltechnologies.com/asset/en-ie/products/networking/industry-market/h18009-fc-nvme-deployment-considerations-and-best-practices-wp.pdf。その後、欠けていた機能をPowerStoreに追加し、NVMe/FCを打ち出せるようになるまで1年を要しました。また、NVMe/TCPに対応する気配はありませんhttps://www.dell.com/support/kbdoc/ja-jp/000130110/powerstore-info-hub-product-documentation-videos#Zero。それ以外では、DellがNVMe対応をうたってから2年が経過した今でも、Unity向けのNVMe機能は提供されていません。そういった状況をふまえると、Dell Unityアレイを購入した顧客は、大規模なアップグレードを行わなければ、エンドツーエンドのNVMeのメリットを享受できないものと思われます。

その他のスタートアップ企業の中にも、PureがDirectFlashのメリットを語るように、NVMe/TCP対応を掲げる企業が登場しています。しかしいずれの企業も、大規模なプライベート クラウドやハイブリッド クラウドを手軽に安心して使用するための組み込み機能を網羅した、クラウド対応かつエンタープライズ対応の製品だとNetAppが考える製品を、すぐに世に送り出せるような状態ではないと思われます。

今後の見通し

NetAppは、エンドツーエンドNVMeをめぐる競合状況をリードしています。そのリードをさらに広げるべく、NetAppは、ONTAPの今後のリリースでNVMe/TCPへ簡単にアップグレードできる道筋を提供します。このソフトウェア アップグレードでは、お客様の既存資産の価値を維持しつつ、プライベート クラウドやハイブリッド クラウドの計画にONTAPを簡単かつ安全に統合できるようにするデータ保護機能と自動化機能が、すべて組み込みでサポートされます。NetAppは、クラウドの次の世界に向けて、将来のニーズに対応したセキュアなオンプレミス資産の導入も支援していきます。誰もが今いる場所に明日もいるとは限らないからです。 

詳細については、NetAppのNVMeのメリットとユースケースに関するページや、NetAppがフラッシュに最適な理由に関するページをご覧ください。すぐに導入したい場合は、NetAppのエキスパートにご相談ください。エキスパートが既存のインフラを最大限に活用できるよう支援します。

法的免責事項:本ドキュメントとNetAppの戦略、ならびに今後行われる可能性のある開発、製品、プラットフォームの方針と機能は、いずれも予告なく変更される場合があります。本ドキュメントに記載された情報は、何らかの資料、コード、または機能を提供することを誓約または約束するもの、あるいは法的に義務付けるものではありません。本ドキュメントは、明示または黙示を問わず、いかなる種類の保証もなく提供されます。当該保証には、商品性に対する黙示的保証、特定目的に対する適合性、あるいは権利侵害のないことが含まれますが、これに限定されません。本ドキュメントは情報提供のみを目的としたものであり、契約書に組み込むことはできません。本ドキュメントに含まれる誤りや記載漏れについて、NetAppは責任を負いません。NetAppは、本ドキュメントまたは関連するプレゼンテーション内に記載された業務に対し、一切の履行責任を負いません。また、本ドキュメントまたは関連するプレゼンテーション内で言及された機能を開発およびリリースする責任も負いません。

Ricky Martin

Ricky Martinは、NetAppでハイブリッド クラウド ソリューションのポートフォリオを軸とするグローバル市場戦略を主導し、NetAppとNetAppのお客様に影響するトレンドを明らかにするための、テクノロジに関するインサイトと市場に関する情報を提供しています。IT業界において40年近い経験を持つRickyは、2006年にシステム エンジニアとしてNetAppに入社し、NetAppの人工知能、機械学習、大規模データ レイク向けソリューションの開発と推進など、NetApp APAC地域でさまざまな主導的役割を果たしてきました。

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