ストレージエリアネットワーク (SAN) とは

ストレージエリアネットワーク (SAN) は、サーバーとストレージデバイスを接続する特殊な高速ネットワークで、一般的に高スループットと低遅延を必要とするビジネスに不可欠なアプリケーションに使用されます。SANはブロックストレージを一元化し、共有プールにデータを保存できるようにすることで、一貫したデータ保護やセキュリティの実現、ディザスタリカバリの実施を可能にしています。

SANストレージエリアネットワークでは、データはLUN (論理ユニット番号) と呼ばれる論理ユ ニットに保存されます。LUNは、共有ストレージプールからプロビジョニングされたストレー ジのブロックです。サーバーはこれらのLUNをローカルディスクストレージと見なし、パーテ ィション分割とフォーマットを行い、ローカルストレージと同様にデータの保存に使用しま す。SANは、複数のコンポーネントやデバイスに障害が発生しても耐えられるよう、高い可用 性および回復力を備えています。

ストレージエリアネットワーク (SAN) は、パフォーマンス重視のビジネスに不可欠なアプリケーションに最適です。一般的なSANの活用例には、以下のようなものがあります。

• Oracleデータベース：このデータベースは多くの企業にとってきわめて重要なもので、非常に高い可用性とパフォーマンスを必要としますが、SANストレージがそれを提供します。
• SQL Serverデータベース：Oracleデータベースと同様に、SQLデータベースもミッションクリティカルなデータには高性能なストレージを必要とします。
• 仮想化の導入：VMware、KVM、Microsoft Hyper-Vを使用する大規模な導入には、信頼性の高いストレージが必要です。SANは、さまざまなパフォーマンスニーズの何千もの仮想マシンをサポートしています。
• 仮想デスクトップインフラ (VDI)：多数の仮想デスクトップに対応する環境では、SANネットワークによってデータの一元管理が可能になるため、保護機能とセキュリティが強化されます。
• SAP (ERPシステム)：SANアーキテクチャは、その信頼性とパフォーマンスから、大規模な企業資源計画 (ERP) システムや顧客関係管理 (CRM) システムに最適です。

SANとNASを比較した場合、明確な違いが見られます。どちらも集中型のネットワークストレージですが、データの管理方法や使用するプロトコルが異なります。SANは一般的に、パフォーマンス重視のアプリケーションに使用されるブロックレベルのストレージで、NAS (Network Attached Storage) はファイルベースで、使いやすさ、拡張性、低コストに重点を置いています。NASストレージとSANストレージは、パフォーマンスと複雑性に基づいて対比されることがよくあります。

• SANストレージはイーサネットまたはファイバーチャネルベースで、低遅延と高パフォーマンスに重点を置き、通常、データベースや仮想化に使用されます。
• NASストレージコントローラはファイルシステムを所有し、それをサーバーに提示することで、WindowsやUNIX/Linuxサーバーのように見せることができます。
• 高パフォーマンスを必要とする場合にはSANソリューションが好まれますが、NASはファイル共有と管理のしやすさで選ばれることがよくあります。

ストレージエリアネットワークでは、サーバーとストレージデバイスを接続するのに使用されるプロトコルがいくつかあります。

1. ファイバーチャネルプロトコル (FCP)：最も広く使用されているSANプロトコルのFCPは、ファイバーチャネルを利用した高速通信で、パフォーマンス重視の環境に適しています。
2. iSCSI (Internet Small Computer System Interface)：もう1つの一般的なSANプロトコルであるiSCSIは、SCSIコマンドをIPパケットでカプセル化し、トランスポートにイーサネットを利用します。より費用効率の高い方法です。
3. Fibre Channel over Ethernet (FCoE)：iSCSIと同様に、FCoEはファイバーチャネルフレームをイーサネットパケットでカプセル化するため、既存のIPネットワークをSANトラフィックに柔軟に使用できます。
4. Non-Volatile Memory Express over Fibre Channel (FC-NVMe)：この比較的新しいプロトコルは、フラッシュストレージへのアクセスを高速化し、並列コマンドのサポートによって高パフォーマンスを実現します。

SANとNASはどちらも集中型ストレージソリューションですが、その活用例とパフォーマンスのニーズは異なります：

• SANは、データベースや大規模な仮想化導入など、高いパフォーマンスと低遅延を必要とする場合に適しています。
• NASは、ファイル共有や一般的なデータストレージなど、拡張性と使いやすさが優先される環境に適しています。

SANストレージとNASストレージのどちらかを選択する際には、パフォーマンス、拡張性、管理のしやすさ、総所有コスト (TCO) などの要素を検討します。

ストレージエリアネットワーク (SAN) のバックボーンとなっているのは、そのアーキテクチャです。SANアーキテクチャは通常、以下のもので構成されています。

• SANサーバー：データリクエストの管理に必要な演算能力を提供します。
• SANストレージデバイス：実際のストレージユニット (ディスク、SSD) を収容し、LUNに格納されたデータを接続先のサーバーに提供します。
• SANネットワーク：サーバーとストレージデバイス間の高速通信により、低遅延と高速データアクセスを実現します。

SANネットワークを適切に設計しておくことは、コンポーネントの故障時でもデータの可用性を確保し、パフォーマンスを維持するのに非常に重要です。

SANストレージを検討する際には、パフォーマンス、容量、拡張性の要件によって価格が異なる可能性があるため、ストレージエリアネットワークの価格を評価することが重要です。オールフラッシュSANのような高性能ソリューションは、より高速で低遅延ですが、その分コストも上がります。しかし、信頼性の高いパフォーマンスを必要とする場合、SANベースのストレージは、クリティカルなワークロード用のローカルストレージと比較して費用効率の高いソリューションです。

予算に制約がある場合は、ハイブリッドストレージシステムのような構成で安価なSANストレージという選択肢があります。ハイブリッドストレージシステムは、フラッシュと従来の回転ディスクを組み合わせることで、コストとパフォーマンスのバランスの取れたアプローチを実現します。

NetAppはエンタープライズ向けSANソリューションの大手プロバイダーであり、ビジネスに不可欠なアプリケーションが求める高いパフォーマンスと信頼性を提供します。NetApp SANが業界をリードする理由は以下のとおりです。

• 高パフォーマンス：NetAppのオールフラッシュSANソリューションは、超高速パフォーマンスや、重要なワークロードに対する一貫した低遅延を実現します。
• クラウド接続：NetAppのハイブリッドクラウドインフラストラクチャは、クラウド環境間での柔軟なデータ移動とデータ保護を実現します。
• 他にはない可用性：NetAppは9999% (シックスナイン) を超える可用性を実現し、円滑なビジネス運営を支援します。
• TCOの削減：NetAppは、管理コストを抑え、効率的なストレージを提供することで、総所有コスト (TCO) を削減します。

NetAppは、Brocadeなどの業界パートナーと緊密に連携し、先進的なSANストレージテクノロジーを提供しています。例えば、Brocadeのファイバーチャネルソリューションは、SANネットワークに高パフォーマンスで拡張性のある基盤を提供し、NVMベースのSANへの移行を容易にします。

さまざまなSANプロトコルとアーキテクチャが用意されているため、仮想化、データベース、企業資源計画 (ERP) システムなど、特定のニーズに応じて適切なSANストレージソリューションを選択できます。NetAppの先進的なSANソリューションは、高水準のパフォーマンス、可用性、クラウド統合を実現し、今日のビジネスクリティカルなワークロードの要求に応えます。

NetAppのSANソリューションで、貴社のストレージニーズを叶える支援をさせていただきます。