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クラウドバックアップサービスとは|種類と選び方

 : クラウドバックアップの仕組みと導入ポイントを解説

目次

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Semion Mazor

クラウドバックアップサービスとは

災害対策とデータ保護を実現するクラウドバックアップの基本

クラウドバックアップ戦略とは、ファイル、データベース、あるいは仮想マシン全体のコピーを、二次的なオフサイト環境に送信する仕組みです。目的は、障害や災害が発生した場合に備えてこれらのコピーを保持することにあります。クラウドベンダーは、これらのコピーを保存するための二次データストアやサーバーを提供しています。

クラウドバックアップサービスにはいくつかの種類があります。データをパブリッククラウドに直接バックアップする方法、専用のクラウドバックアッププロバイダーを利用する方法、あるクラウドから別のクラウドへバックアップする方法、オンプレミス環境からクラウドにバックアップする方法などです。

本記事は、データセキュリティに関する包括的なガイドシリーズの一部です。

クラウドバックアップサービスの仕組み

仮想化ストレージと柔軟な管理によるデータ保護

クラウドバックアップサービスは、ソフトウェア定義ストレージ(Software-Defined Storage)として仮想化されたリソースを利用します。この仮想アーキテクチャにより、プロバイダーは大規模なストレージプールを構築し、複数の顧客に分割して提供できます。

これらのマネージドサービスを利用することで、専用の物理サーバーや仮想サーバー、テープバックアップ用のオフサイト設備、高額なテープドライブや専用バックアップソフトウェアは不要になります。

仮想化ストレージ

ソフトウェア定義ストレージにより、クラウドプロバイダーはストレージをバイト単位で管理し、マルチテナントアーキテクチャを活用して各アカウントを完全に分離します。これにより、異なる顧客データの隔離が確実に実現されます。

クラウドバックアップサービスの利用者は、頻繁に使用するデータを複数の地理的ロケーションに保存できます。例えば、オフィスの近くにあるベンダー所有のデータセンターを利用すれば、高速アクセスが可能です。

バックアップターゲットとアクセス方法

Amazon Web Services(AWS)や Microsoft Azure などのクラウドストレージプロバイダーは、クラウド上にサーバーを作成し、バックアップターゲットとして利用できる IaaS モデルを提供しています。

多くのクラウドバックアップサービスは、ソフトウェアやユーザーからはネットワークドライブのように見える専用ソリューションを提供します。柔軟性が高い一方で、追加料金が発生する場合や、保存データの保護のために別途コストが必要になる場合があります。

さらに、クラウド顧客は NAS(ネットワーク接続ストレージ)などのローカルストレージリソースを仲介として利用することも可能です。この方法により、頻繁に使用するファイルをローカルネットワーク上に保存し、高速にアクセスできます。

管理とストレージ階層

クラウドバックアップベンダーは、データ量や需要、セキュリティ、帯域幅の変動条件に応じた管理ツールを提供します。シナリオによっては、可変的なデータ保持要件も考慮されます。これにより、管理者が指定した期間を超えたファイルやフォルダを自動的に削除することが可能です。

また、ストレージ階層(頻繁アクセス用ストレージやアーカイブ用ストレージなど)は料金が異なります。顧客はポリシーを定義し、利用頻度の低いデータやコンプライアンス目的でのみ保持されるデータを、自動的に適切な階層へ移動させることで、コストを最適化できます。

クラウドバックアップソリューションの 4 つの種類

データをクラウドに保護するための代表的な選択肢

クラウドにデータをバックアップするには、いくつかの方法があります。

パブリッククラウドへの直接バックアップ

データをパブリッククラウドストレージサービスにコピーする方法です。自社で用意したバックアップソフトウェアを用いてデータをコピーし、クラウドサービスはその安全な保存先として機能します。

バックアップソフトウェアは、クラウドサービスと連携できる必要があります。一般的には、Amazon S3 API などの標準的なクラウドストレージAPIをサポートしていることが求められます。また、必要に応じて独自のデータ保護対策を実装することも可能です。

サービスプロバイダーへのバックアップ

多くのクラウドプロバイダーは、マネージドデータセンターにデータを書き込むバックアップサービスを提供しています。この場合、ベンダーが提供するバックアップソフトウェア、またはサービスプロバイダーとシームレスに統合できる汎用バックアップソフトウェアを使用する必要があります。

クラウド間(C2C)バックアップ

C2C(Cloud-to-Cloud)バックアップサービスは、あるクラウド環境から別のクラウド環境へデータをバックアップします。これにより、IaaS 環境や SaaS アプリケーション上のデータをコピーできます。目的は、レジリエンスの向上単一クラウドプラットフォームへの依存低減です。通常、C2C サービス自体がバックアップ処理を実行するソフトウェアを提供します。

オンプレミスからクラウドへのバックアップ

オンプレミスでのバックアップ管理を行いながら、クラウドサービスへのデータバックアップを可能にするハードウェアソリューションを利用する方法です。これらのアプライアンスは、ディスク容量、バックアップサーバー、専用バックアップソフトウェアを統合したオールインワンのバックアップ環境を提供します。

一部のソリューションでは、1つまたは複数のクラウドベースのバックアップサービスやクラウドプロバイダーと統合できます。これらのアプライアンスは、最新のバックアップコピーをローカルに保持しつつ、クラウドプロバイダーにコピーを転送します。これにより、ローカルコピーから直接復旧できるため、時間と転送コストを節約できます。

クラウドバックアッププロバイダーを選ぶ際の 10 のポイント

信頼性・機能・コストを見極めるための評価基準

クラウドバックアッププロバイダーを評価する際に考慮すべき重要な側面は以下のとおりです。

  1. パフォーマンス — ネットワーク規模、並列バックアップ数、クラウドストレージターゲットの性能によりプロバイダーごとに異なります。選択するサービスが RPO(目標復旧時点)RTO(目標復旧時間) を満たすことを確認してください。
  2. セキュリティ — 暗号化と認証情報管理は必須です。理想的には、プライベートキーの利用、複数クラウドアカウント、オブジェクトロックもサポートも必要です。バックアップとプライマリデータの間に論理的な「エアギャップ」を設けることも重要です。
  3. 効率性 — データが効率的にクラウドに書き込まれる必要があります。WAN 最適化やブロックレベルの重複排除、クラウド転送前のオンプレミスでの圧縮・重複排除が有効です。
  4. 信頼性 — バックアップの信頼性をどのように保証するかを確認しましょう。保存場所や、他サービスと併設されリスクがないかをチェックしてください。
  5. コンテンツ管理 — 一部ベンダーはアーカイブ、検索、eディスカバリー、ランサムウェア保護などの付加価値機能を提供しますが、追加コストが発生する場合があります。
  6. データモビリティ — オンプレミスとクラウド間でデータを容易に移動できることが必要です。オンプレ仮想マシンをクラウドで起動するには、関連ドライバーの組み込みなどベアメタル対応が重要です。
  7. 機能の充実度 — 提供されるバックアップ機能の成熟度を従来製品と比較しましょう。理想的には、保持ポリシーやスケジュールの自動化が可能なマネージド機能を備えるべきです。
  8. コスト — データ保護コストは複雑です。容量あたりの料金に加え、クラウド外への転送やストレージ階層ごとに異なる料金が発生する場合があります。
  9. 可用性 — プロバイダーが提示する SLA が自社の RPO と RTO を満たしているか確認し、必要であれば交渉しましょう。
  10. 地理的カバレッジ — プロバイダーがどの地域でサービスを提供しているか、データセンターの所在地を確認してください。これはパフォーマンスやコンプライアンス、データ主権に影響します。

まとめ: 信頼性と必要な機能を満たしつつ、可能な限り低コストで利用できるサービスを選びましょう。その際、データモビリティやユーザーの地理的分布なども考慮することが重要です。

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