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NetApp Innovation 2014 Tokyo イベントレポート 後編

ネットアップ株式会社は、2014年1月16日、ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区)において技術者向けカンファレンス「NetApp Innovation 2014 Tokyo」を開催しました。NetApp Innovation 2014 Tokyoでは、「最強クラウドの作り方」と銘打ち、NetAppが提唱する「Unbound Cloud」に向けた取り組みをお伝えするとともに、このビジョンに基づく最新のソリューションと革新的なテクノロジを紹介しました。また、NetApp製品の新機能を解説するショーケース、スポンサー企業による最新ソリューションの展示も行われました。本イベントに事前登録を済ませた方は2,500人以上にのぼり、当日の会場には数多くのお客様が足を運んで下さいました。

午前中の基調講演に続き、午後にはパートナー企業やNetAppのスタッフによる技術セッション、パートナー企業の最新ソリューションやNetApp製品およびサービスを紹介するショーケースが開催されました。後編では、NetAppのスタッフによる主要な技術セッション、ショーケース、懇親会の模様をお届けします。

NetApp Innovation 2014 Tokyo イベントレポート 後編

NetApp Innovation 2014 Tokyo イベントレポート 前編(基調講演)

  • NetAppのスタッフによる技術セッション A-1
  • AWSとNetAppの不思議な組み合わせを極めて真面目に語ってみる

セッションA-1では、ネットアップ株式会社 テクノロジSE部 システムズエンジニアの田中雄一郎と株式会社クニエ テクノロジー・プリンシパルの広木太様が、「AWSとNetAppの不思議な組み合わせを極めて真面目に語ってみる」と題して、NetApp Private Storage for AWS(Amazon Web Services)を中心としながら、AWSとNetAppの組み合わせが実現する新たな価値と展望を解説しました。

クラウド間のデータ移動手段としてNetAppストレージを上手に活用

世の中にあるクラウドをNetAppの視点で分類すると、サーバ仮想化製品を活用した企業内のプライベートクラウド、日本国内でサービス展開しているクラウドサービスプロバイダー、クラウドを展開する規模が桁外れに大きなハイパースケールクラウドプロバイダーの3つがあります。これらのうち2つ以上のクラウドを組み合わせているお客様はまだ少なく、それは契約の煩雑さというよりも、むしろデータの移動やクラウド間でのデータ共有に課題を抱えていることが大きな理由です。これに対し、NetAppは、クラウドで扱われる大容量データを運ぶ手段としてNetApp ストレージを活用するアプローチを提案しています。田中は、「NetAppストレージを介して大容量データのスムーズな移動を行い、クラウド間の粗い連携を目指します。こうした取り組みを通じてクラウドをもっと便利に使えるようになれば、世界中に数え切れないほどあるクラウドの中から最適なサービスを選択し、これまでになく柔軟なハイブリッドクラウドを構築できるでしょう」と説明しています。

近年、企業のクラウド利用が進む中で、ハイパースケールクラウドの代表格であるAmazon Web Services(AWS)を採用する企業が増えています。NetAppは、こうしたAWS環境と企業のプライベートクラウドを連携させるため、NetApp Private Storage for AWSの提供を開始しています。NetApp Private Storage for AWSは、AWSとAWS認定コロケーション施設を高速専用線(Direct Connect)で接続し、コロケーション施設に設置されたNetAppストレージをAWSの環境から利用できるようにするソリューションです。通常、災害対策システムを実現するにはリモートサイトにもサーバを設置する必要があり、非常に多くのコストがかかります。これに対し、NetApp Private Storage for AWSを利用すれば、災害発生時にのみAWSのサーバリソースを利用し、業務システムを迅速に仮復旧できます。

自社とコロケーション施設内のNetAppストレージを接続する方法にはいくつかのパターンがあります。最もシンプルなのは、双方のNetAppストレージを直結し、SnapMirrorによるデータ同期をとる方法です。1:1の接続だけでなく、複数サイトや複数の企業から多:1で接続することも可能です。次のパターンが、自社内のバックアップ機とコロケーション施設内のNetAppストレージを接続する方法です。通常、バックアップ機はデータの終着点となりがちですが、ここからさらにコロケーション施設へとデータ移動を行うことで、バックアップ機の有効活用が可能になります。さらに、バックアップサイトとコロケーション施設を連携させる方法や、コロケーション施設にレイヤ3スイッチのみを配備し、バックアップサイト内のNetAppストレージをAWS側から直接利用する方法もあります。

クラウド間のデータ移動手段としてNetAppストレージを上手に活用

壇上でNetApp Private Storage for AWSにまつわる5つの疑問を解消

次に、ネットアップの田中とクニエの広木様が掛け合う形で、NetApp Private Storage for AWSにまつわる5つの疑問に答えていきました。

1つ目の疑問は「NetApp Private Storage for AWSが必要なシチュエーション、ユースケースは?」です。これに対し、広木様は「オンプレミス環境とAWS間で大量のデータを転送するケースが挙げられます。インターネット越しのデータ転送は低速で時間もかかりがちですが、NetAppストレージを組み合わせれば差分転送などの技術を活かして高速化を図れます。また、災害が発生したときにだけAWSのEC2を立ち上げてシステムを迅速に復旧したり、Amazon S3やGlacierを活用してマルチティアバックアップを実現可能です」と回答しています。一方、田中は「AWSでは、Availability Zoneのメンテナンスによって特定のAvailability Zoneでサービスが停止する場合があります。このとき、自社のEC2インスタンスを動かし続けるには、別のAvailability Zoneで動作するEC2インスタンスに引き継ぐ必要があります。このときに、データを共有する仕組みとしてCIFSやNFSでアクセス可能なNetAppストレージが役立ちます」と説明しています。

2つ目の疑問は「ハイブリッドクラウドを使うことで安くなるのでしょうか?」です。これに対し、広木様は「クラウド=低コストではありません。5年くらいのランニングコストで考えると、購入したほうが安価になるケースもあります。ただし、必要なときにすぐ使える、プログラマブル(ソフトウェア制御、自動化)である、いつでも変更できる、使っただけの費用しかかからないといった、クラウドならではのメリットもあり、そこに価値を見出せる用途ならクラウドを採用すべきでしょう。例えば、用途や時期によって規模が急激に変化するシステム、ビジネス上の理由から変化が常に求められているシステム、テスト・開発環境などが挙げられます。クラウドの導入は、コスト削減というよりも、むしろ費用対効果の向上やコスト構造の変化につながるものとお考え下さい」と回答しています。

3つ目の疑問は「NetAppとAWSのストレージ機能は競合しないのか?」です。これに対し、田中は「まったく競合しません。AWSの仕組みは、AWS側のストレージ機能(ブロックベースのメインストレージはAmazon EBS)を利用することが前提となります。NetApp Private Storage for AWSは、あくまでもAWSに足りない部分を補うもので、AWSとの共存・補完できる関係にあります。例えば、Amazon S3との比較においても、ファイルシステムを活用したいならコロケーション施設のNetAppストレージ、インターネット上からアクセスしたいならAmazon S3を使い分ければよいでしょう」と回答しています。

NetAppとクニエがNetApp Private Storage for AWSの共同検証を実施

4つ目の疑問は、「NetApp Private Storage for AWSに向いている処理は?」です。NetApp Private Storage for AWSでは、EC2が動作するデータセンターと距離の離れたコロケーション施設にNetAppストレージを設置する場合があり、ストレージへのアクセス時にレイテンシが発生します。NetAppとクニエは、このようなシステム構成が実際のアプリケーションにどれくらい影響を及ぼすかを確認するため、共同で性能検証を実施しました。

広木様は、その検証結果について「コロケーション施設内のNetAppストレージからAWSのEC2に対してSMB 3.0でデータのリードを行ったところ、並行してアクセスするノード数が10台を超えてくるとDirect Connectの帯域幅に近い1,000MB/sec以上のスループットが得られました。一方、SAPクライアントコピーの所要時間を計測したら、EC2とEBS間では6時間30分程度だったのに対し、EC2とコロケーション施設内のNetAppストレージ間では9時間30分以上かかりました。EC2からコロケーション施設内のNetAppストレージに対するping応答時間は約3ミリ秒でしたが、これはインターネット上のサーバにアクセスする応答時間(10ミリ秒以上)より短いものの、LAN環境の応答時間(1ミリ秒以下)より長い数字です。つまり、SAPクライアントコピーのようなスケールアウトしづらい処理では、ネットワークのレイテンシが悪影響を及ぼすことを意味しています。今回の検証結果を考察すると、特にERPの用途では、SnapManagerシリーズを用いてデータベースの複製を行なった後、開発・テスト環境を稼動させるようにすれば、NetApp Private Storage for AWSの真価を発揮できると考えられます」と回答しています。

5つ目の疑問は、「NetApp Private Storage for AWSをサービス提供する計画は?」です。これに対し、田中は「NetApp自身がこのようなサービスを提供する計画はありませんが、こうしたサービスを展開したいパートナー企業を積極的に支援していきます。そのうちの1社が、基調講演でも紹介されたDay1 Solutionsです」と回答しています。

NetAppとクニエがNetApp Private Storage for AWSの共同検証を実施

  • ネットアップのスタッフによる技術セッション A-2
  • 検証結果から理解する失敗しないフラッシュ活用法!

セッションA-2では、ネットアップ株式会社 システム技術本部 パートナーSE部 システムズエンジニアの岩本知博が、「検証結果から理解する失敗しないフラッシュ活用法!」と題して、最新のNetApp EF550オールフラッシュアレイを組み合わせたNetApp流のフラッシュ活用方法を紹介しました。ここでは、フラッシュデバイスの基本的な特徴を取り上げた上で、NetAppのフラッシュ技術の紹介、さらには数々の実機検証を通じて導き出された失敗しないフラッシュ活用法を解説しました。

卓越したパフォーマンスを達成するNetApp EF550オールフラッシュアレイ

近年では、多くのベンダーからさまざまなオールフラッシュアレイが発売されています。こうしたオールフラッシュアレイは、大きく分類するとサーバ内のPCI Expressスロットに装着する拡張カードタイプ、そして外付けのエンクロージャタイプがあります。拡張カードタイプは、カード上にフラッシュメモリを直接搭載している関係から、ベンダー独自の実装によってオールフラッシュアレイが実現されます。これに対し、エンクロージャタイプは、エンクロージャ内のコントローラが多数のSSDを制御する形となるため、SSDとコントローラ双方の実装を組み合わせてオールフラッシュアレイが構成されます。

NetAppが発売する最新のNetApp EF550オールフラッシュアレイは、SSDの性能を最大限に引き出す後者のアプローチをとることで、450,000 IOPSの性能、12GB/secのスループット、1ms以下の低レンテンシを達成しています。NetApp EF550は、全世界で65万台を超える導入実績を誇るNetApp EシリーズにSSDを搭載したモデルであり、2Uラックマウントのコンパクトな筐体に800GB SSD×最大24台(最大19.2TB)を搭載可能です。データ保護には、RAID 6 をベースとするDynamic Disk Pool(DDP)を採用し、データ、パリティ、スペア領域をプール内の全ドライブに分散します。これにより、従来のRAID グループと比べてリビルド時間が最大10倍も高速化されています。SSDの保守契約期間は最長5年で、ドライブの故障だけでなく、書き込み回数上限に達した場合、もしくは寿命に近づいてアラートが発生した場合にも無償でのドライブ交換に対応します。

NetApp EF550にSSDもしくはHDDを搭載して技術検証を実施

オールフラッシュアレイの性能は、ベンダーの実装に大きく依存します。オールフラッシュアレイは、HDDを搭載したストレージと比べると、ワークロードの違いによって性能が左右されやすく、特に不得意なワークロードでは著しく性能が劣化します。このため、ベンダーが公表しているカタログ値だけでなく、実際の検証結果をワークロードごとに把握することが重要です。そこでNetAppは、お客様にNetApp EF550を適切に使っていただけるように、NetApp EF550(比較のためにSSDまたはHDDを搭載)を組み合わせた実機検証を実施しました。

I/Oワークロードは、RAID 10、RAID 5、RAID 6(DDP)構成時のアクセス性能を計測しましたが、ランダムI/Oの性能はリード、ライトともにSSDがHDDを大きく凌駕しています。また、シーケンシャルI/Oは、SSDのリード性能がHDDを大きく上回り、ライト性能はHDDとほぼ同等になりました。岩本は、「24台のSSDを搭載した構成では、ランダムリードが420,000 IOPS、ランダムライトが138,000 IOPSで、オールフラッシュアレイにふさわしい卓越したIOPSが得られました。また、スループットはランダムリードが7.8GB/sec、ランダムライトが5.4GB/secで、DWH アプライアンス並の数字をはじき出しています。多くのオールフラッシュアレイが2~4GB/sec程度ですから、かなりの高スループットといえます」と述べています。

NetApp EF550にSSDもしくはHDDを搭載して技術検証を実施

混合ワークロードを持つデータベースシステムで高い導入効果を発揮

オールフラッシュアレイの活用において、特に重要なのが性能とコストのバランスです。今回の検証では、SSDとHDDを搭載した場合のシステム価格も取り入れ、それぞれの価格性能比を算出しました。ランダムI/Oの価格性能比は、SSDがHDDよりも優れ、ランダムリードでは約10倍、ランダムライトでも約4倍を達成しています。一方、シーケンシャルI/Oは、絶対的な性能こそSSDが優れているものの、価格性能比はHDDのほうが優れています。このような特性を踏まえると、データベースシステムやユーザあたり30~40IOPSを超えるような仮想デスクトップ環境など、さまざまなワークロードが混合しているシステム環境でNetApp EF550(SSD搭載)のメリットが発揮されます。

本セッションでは、混合ワークロードの例としてデータベースシステムを挙げています。データベースシステムは、1日の中でワークロードが大きく変化し、日中にはランダムI/Oが中心となるオンライントランザクション処理(OLTP)、夜間にはシーケンシャルI/Oが中心となるバッチ処理やデータバックアップが実行されます。NetAppは、特にデータベースシステムでの有効性を確認するため、Oracle Database 12c(Oracle RAC)環境とNetApp EF550を組み合わせた実機検証を実施しています。ここでは、オンラインショッピングサイトを想定したワークロードを生成し、OLTP性能の傾向を確認しました。また、表や索引の全件検索、表と表の結合処理、大量データのライト処理など、バッチ処理に関する性能も同時に計測しています。

岩本は、実機検証の結果に基づきながら「基本的には、サーバ側のキャッシュヒット率を高めることでOLTP性能が向上します。物理メモリの増設やデータベース設計の最適化によってキャッシュヒット率を改善できますが、それには多くの工数とコストがかかります。一方で、SSD構成のNetApp EF550なら、キャッシュヒット率が低下しても高いOLTP性能を維持可能です。このため、負担にならない程度のチューニングだけを実施し、あとはNetApp EF550で性能を補ってしまう方法がおすすめです。また、バッチ処理については、I/Oの割合が多い処理内容ならSSD構成が有利ですが、ストレージI/Oよりもサーバ側のCPUで処理する割合が多いケースではHDD構成と性能差が出ません。NetApp EF550は、他社のオールフラッシュアレイと比べて特にシーケンシャルI/O性能が高いので、このような特性を活かせるバッチ処理が多くを占めるなら、NetApp EF550を導入する価値があるといえそうです」と考察しています。

混合ワークロードを持つデータベースシステムで高い導入効果を発揮

  • NetAppのスタッフによる技術セッション B-3
  • NetAppストレージの活用でSAPのライフサイクルを自動化する仮想ランドスケープを実現

セッションB-3では、ネットアップ株式会社 テクノロジSE部 部長の杉本直之と富士通株式会社 富士通-SAPコンピテンスセンターの河原哲也様が、「NetAppストレージの活用でSAPのライフサイクルを自動化する仮想ランドスケープを実現」と題して、SAPが提供するプライベートクラウド管理ツール「SAP LVM(SAP NetWeaver Landscape Virtualization Management) 2.0」とNetApp FASシステムの組み合わせによって、仮想化SAP環境の高速展開と運用の自動化につなげられることを紹介しました。

仮想ランドスケープのメリットを最大限に引き出すNetAppストレージ

経営の多角化、M&A、グローバル化など、企業を取り巻く環境は常に変化しています。そして、企業経営の中核にあるERPも、こうした企業環境の変化に追従していくことが求められます。ERPの代表的なソリューションであるSAPは、パッチや新しいリリースの提供を通じて変化に対応できる環境を整えていますが、柔軟性に欠ける従来型のITインフラでは、このようなSAPの取り組みに足並みを揃えきれませんでした。そこで近年注目されているのが、ハードウェアへの依存から脱却できる仮想ランドスケープです。仮想ランドスケープでは、ハードウェアから業務システムまでを垂直型に統合した運用環境が望ましく、ここでさらにNetAppストレージを組み合わせることで、Sandbox環境の迅速な構築、災害対策の実現、迅速なバックアップ/リストアといったメリットを手に入れられます。

多くのお客様が、本番クライアントの検証環境にコピーする際に、データ容量の増加によってサービス停止が長期化するという課題を抱えています。このような課題は、仮想ランドスケープの導入とともに、NetAppストレージを組み合わせることで解決可能です。NetAppストレージの優れた仮想クローニング技術(FlexClone)を活用すれば、ほぼ無停止でSandbox環境を構築できるためです。杉本は、FlexCloneの活用例としてSupport Package(SP)の検証を挙げ、「従来方式では既存環境に与える影響を懸念してSPの適用を見送るケースがありましたが、NetAppストレージなら本番機のコピー環境を迅速に構築し、本番業務システムのリリース計画に影響を与えることなくSPの検証作業を行えます。このため、4半期ごとの計画的なSP適用も可能になります」と説明しています。

FlexCloneは、SnapMirror先のデータにも適用できることから、SnapMirrorで別筐体に対するデータバックアップを実施しながら、バックアップデータに対するFlexCloneを実行することで、災害対策環境の構築とその実行訓練につなげられます。杉本は、「仮想ランドスケープによって運用ライフサイクル全体が最適化されますが、とりわけNetAppストレージを組み合わせることで、その効果を最大限に高められます。NetAppストレージは、SAP社で稼動しているストレージの90%以上を占め、NetApp社内の外部向けサービスもまたSAPアプリケーションが広く用いられています。このように、両社のソリューションはきわめて親和性に優れているのが大きな特徴です。さらに、SAP LVM 2.0の導入によって、ストレージ、サーバ、OS、アプリケーションなどを高度に統合しながら、仮想ランドスケープの運用プロセスに対する標準化と自動化を実現します」と述べています。

仮想ランドスケープのメリットを最大限に引き出すNetAppストレージ

共同検証の結果に基づいてシステムプロビジョニングの時間短縮効果を説明

壇上では、富士通の河原様からSAP LVM 2.0とNetApp FASシステムによる技術検証の報告がありました。富士通は、日本を代表するITベンダーとして、15年にわたりNetApp製品をOEMで提供しています。また、ハードウェアの提供にとどまらず、システムインテグレーションも含めたパートナーシップを締結しています。同社は、SAPの基幹ストレージとしてNetAppストレージの組み合わせを推奨し、SAPジャパン社内にはSAP、富士通、NetApp共同の常設デモ環境が設置されています。また、3社はSAP LVM 2.0に関する技術検証も共同で実施しています。ここでは、システム操作、仮想化ソフトウェアとの連携、システムリロケート、システムプロビジョニング、near Zero Downtime Maintenance(nZDM) for EP(クローンシステムへのSP適用と本稼働への切り替え)、Auto Capacity Management(負荷状況に応じたDIの動的追加・削除)などの検証が行われました。

SAPのシステムプロビジョニングには、ソースシステムとまったく同じシステムを作成(複製)するSystem Clone、ソースシステムのデータを使って別のシステムを作成するSystem Copy、ソースシステムの最新データにコピーシステムを更新するSystem Refreshという3つの方式があり、従来のシステム環境ではいずれも複雑で手間のかかる作業でした。SAP LVM 2.0は、こうした手間のかかる複雑なSAP Basisタスクを自動化しますが、さらにNetAppストレージのFlexCloneを活用することで所要時間を大幅に短縮できます。

河原氏は、「今回の共同検証によれば、200GB仮想ディスクに対するSystem Cloneの所要時間は、VMベースが120分だったのに対し、NetAppストレージを活用すれば7~8分に短縮されました。同様に、System Copyの所要時間は、VMベースが150分だったのに対し、NetAppストレージではLinuxが30~35分、Windowsが40~45分でした。さらに、System Refreshの所要時間は、VMベースが450分だったのに対し、NetAppストレージではLinuxが80分、Windowsが120分に短縮されました」と説明しています。河原氏は、壇上でSAPジャパンの常設デモ環境にもアクセスし、SAP LVM 2.0のシンプルな操作とNetAppストレージによる時間短縮効果を披露しました。なお、今回の共同検証に関する詳細なレポートは、近日中に公開される予定です。

共同検証の結果に基づいてシステムプロビジョニングの時間短縮効果を説明

  • ネットアップのスタッフによる技術セッション A-4
  • 今から始めるclustered Data ONTAP 8.2 ~そのメリットと新機能~

セッションA-4では、ネットアップ株式会社 システム技術本部 テクノロジSE部 フィールドエキスパートの竹谷修一が、「今から始めるclustered Data ONTAP 8.2 ~そのメリットと新機能~」と題して、clustered Data ONTAPが提供するメリットとclustered Data ONTAP 8.2の新機能について、実機によるデモを交えながら解説しました。

仮想化を強く意識して再設計された最新OS「clustered Data ONTAP」

次世代のData ONTAPとして登場したclustered Data ONTAPは、この直近1年でインストール数が6倍以上に増え、NetAppの製品ポートフォリオを支える重要なテクノロジとなっています。clustered Data ONTAPは、RAID-DPやWAFLといったコア技術、さらにはアグリゲートやボリュームなどの考え方を踏襲しつつ、仮想化を強く意識したアーキテクチャへと再設計されています。clustered Data ONTAPは、複数のコントローラ間でクラスタを構成する物理層、仮想ストレージ(SVM:Storage Virtual Machine)を提供する論理層、SVM上でストレージサービスを提供するサービス環境から構成されます。従来のData ONTAP(7-Mode)では、ディスクシェルフの増設によって容量の柔軟な拡張をサポートしていましたが、clustered Data ONTAPでは、クラスタを構成するコントローラの増設によって容量と性能の両方を同時に拡張できます。

上位のホストやクライアントに対して仮想ストレージを提供するSVMは、これらのサーバやクライアントとLIF(論理インタフェース)経由で接続されます。物理的なインタフェースに頼る7-Modeでは、インタフェースがダウンするとサービス継続のためにテイクオーバーが行われ、接続の復旧には30~60秒の時間がかかります。これに対し、clustered Data ONTAPではテイクオーバーが行われず、LIFが他ノードに移動してサービスを継続します。長くても数秒ほどの接続断にとどまり、高い可用性を維持できます。なお、コントローラの障害時には7-Modeと同様にテイクオーバーが行われますが、最新のclustered Data ONTAP 8.2ではデータアグリゲートを順次テイクオーバーしていき、最後にOS領域をテイクオーバーする手順がとられ、停止時間を最小限に抑えています。

用途に合わせてTransparent Vol MoveとAggregate Relocateを使い分ける

clustered Data ONTAPは、Transparent Vol MoveとLIF Migrationを組み合わせることで、ノード間での透過的なボリューム移動に対応します。このような機能を活用すれば、システムを停止させることなく、データ再配置による容量計画、負荷分散、機材リプレースなどを実施できます。ただし、Transparent Vol Moveでは、バックグラウンドでクラスタネットワークを経由したデータコピーが行われることから、ボリューム移動に時間がかかり、また移動先にも空き容量が必要になります。そこで、clustered Data ONTAP 8.2では、Aggregate Relocate(ARL)が新たにサポートされました。

ARLは、アグリゲートのオーナーをオンラインで変更するだけなので、数秒ほどで処理が完了し、また移動先にも空き容量を必要としません。壇上では、竹谷がソリューション展示スペースに置かれたデモ機にアクセスし、Transparent Vol MoveとARLのデモを披露しました。Transparent Vol Moveは実データの移動があるために長い時間がかかりますが、ARLは短時間で処理が完了することが伝えられました。竹谷は、「ARLは、アグリゲート単位での移動、そしてHAペア間での移動に限定され、プロトコルによってはセッション断も発生します。このような特徴を理解した上で、例えば機器のリプレースやノード間の負荷分散を迅速に行う手段としてぜひご活用下さい」と説明しています。

用途に合わせてTransparent Vol MoveとAggregate Relocateを使い分ける

QoSやデータ保護機能が強化され、Windows環境との親和性もさらに向上

clustered Data ONTAPベースのストレージ基盤は、さまざまなシステムで同時に利用される関係から、これらのシステム間でストレージリソースを適切に分配していくQuality of Service(QoS)機能が求められます。そこで、clustered Data ONTAP 8.2ではQoS機能が新たに追加されています。QoSポリシー(IOPSもしくはMB/secの上限値)を設定することで、特定のSVM、ボリューム、LUN、ファイルに対してQoSを実行でき、マルチテナント環境における高負荷ユーザの抑制、クラウド環境におけるサービスメニューの提供、他のVMに悪影響を及ぼすモンスターVMへの対処などに役立ちます。壇上では、clustered Data ONTAP 8.2のQoS機能によってファイル単位でのIOPS制御が可能であることを示す実機デモが披露されました。

clustered Data ONTAP 8.2では、ARLやQoS以外にもさまざまな機能が追加されています。まず、ボリュームベースのSnapMirrorとSnapVaultへのサポートが挙げられます。他のノードやクラスタに対してボリュームのレプリケーションを行うことで、DRサイトにデータバックアップを行うと同時に、災害発生時にはDRサイト上で一時的なシステム運用も可能になります。また、Windows Server環境との親和性に優れたSMB 3.0やOffload Data Exchange(ODX)もサポートしています。サーバとストレージ間をSMB 3.0で接続すれば、Hyper-VのゲストOSイメージをCIFS領域に保管でき、オンラインでのボリューム拡張・縮小、Snapshot、重複排除など、NetAppの機能をより効率的に活用できます。ODXは、WindowsのCopy Offload機能と連係して動作します。データコピーの処理をストレージ側にオフロードできるため、コピーの高速化とホスト側のリソース負担軽減につながります。

QoSやデータ保護機能が強化され、Windows環境との親和性もさらに向上

全世界のシステム基盤で導入が進んでいるclustered Data ONTAP

clustered Data ONTAP 8.2は、クラスタインターコネクトスイッチが不要なSwitchless Cluster、冗長性のない1ノード構成のSingle Node Clusterを新たにサポートし、clustered Data ONTAP環境がさらに導入しやすくなっています。また、データ移行支援ツール(7MTT:7-Mode Transition Tool)も無償で提供され、重複排除、Snapshotなどの設定を維持したまま、7-ModeのNASボリュームをclustered Data ONTAP 8.2環境へと安全かつ迅速に移行可能です。このような取り組みも後押しとなり、全世界で1,200社以上、日本でも50社以上のお客様がclustered Data ONTAPを利用しており、システムのインストール数もすでに3,200以上に達しています。

竹谷は、最後に「次期バージョンのclustered Data ONTAP 8.3では、7-Modeがついに廃止されます。このため、今後はclustered Data ONTAPの採用機会がさらに増えていくと予想されます。clustered Data ONTAPは、リリースされてから3年8ヶ月(前身のData ONTAP GXを含めると約8年)が経過し、動作の安定性も一段と高まっています。実際、clustered Data ONTAPのサポートケースは急激に減少し、新規システムでは7-Modeとサポートケース発生率がほとんど変わりません。皆様にはぜひ安心してclustered Data ONTAPをお使いいただければと思っております」と述べています。

全世界のシステム基盤で導入が進んでいるclustered Data ONTAP

clustered Data ONTAP スタートアップ レンタルキャンペーン

NetAppは、clustered Data ONTAPを使ってみたいお客様を対象に、お得なキャンペーンを実施しています。このキャンペーンでは、NetApp FAS2220 シングルコントローラ(SATA 2TB HDD×12台を内蔵)と初期インストレーションサービス、簡単セットアップガイドをパッケージ化し、月額19,800円(税別)という手頃な価格でご提供します。7月25日までの期間限定となりますので、ぜひ早めにお申し込み下さい。

  • 最新のストレージソリューションを一堂に集めたソリューション展示
  • ソリューション展示スペースには、NetAppが提唱する最強クラウドを牽引するパートナー各社が集結し、豊富なソリューションと最新テクノロジを一同に展示しました。 スポンサーブースでは、NetApp製品とともに使用されるサーバやネットワークスイッチ、システム高速化の鍵を握るフラッシュ製品、クラウド環境の運用管理を支援するソフトウェアソリューションなど、パートナー各社のさまざまなソリューションが紹介されました。当日、スポンサーブースに出展したパートナー企業を含む、NetApp Innovation 2014 Tokyoのスポンサーは以下の通りです(会社名50音順)。

    Platinum Sponsor

    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    兼松エレクトロニクス株式会社
    シスコシステムズ合同会社
    シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
    富士通株式会社
    丸紅情報システムズ株式会社

    Gold Sponsor

    アセンテック株式会社、日本セーフネット株式会社
    株式会社網屋
    ヴイエムウェア株式会社
    株式会社シマンテック
    日本マイクロソフト株式会社
    株式会社ネットワールド
    レッドハット株式会社

    Session Sponsor

    新日鉄住金ソリューションズ株式会社
    ニフティ株式会社
    ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社

    Exhibition Sponsor

    インフォサイエンス株式会社
    CommVault Systems Japan
    ソフォス株式会社
    UPSソリューションズ株式会社

    Novelty Sponsor

    ダイワボウ情報システム株式会社

    Training Sponsor

    グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社

    最新のストレージソリューションを一堂に集めたソリューション展示

    NetAppブースでは、NetAppの最新ソリューションやテクノロジを紹介するコーナーが設けられました。ここでは、NetAppでマーケティングや技術営業、SEなどを担当している説明員が、来場者の皆様に対してさまざまなご相談を個別にお受けしました。また、展示会場内ではNetAppのホットな情報を簡潔にお届けするミニシアターも開催されました。当日、NetAppブースに設けられた説明コーナーは以下の通りです。

    •   clustered Data ONTAP

    7-Modeから進化したclustered Data ONTAPの新機能および特徴について

    •   フラッシュ製品ポートフォリオ

    最適なフラッシュ技術を適材適所で選択できるNetAppのフラッシュポートフォリオとその魅力について

    •   NetApp Eシリーズ

    特に高スループットを必要とするソリューションに最適なストレージ環境を提供するNetApp Eシリーズについて

    •   OnCommandポートフォリオ

    NetAppストレージの管理製品群であるOnCommandポートフォリオについて

    •   NetApp Private Storage for AWS

    Amazon Web Services(AWS)とNetAppストレージの連携ソリューションについて

    •   Microsoft関連ソリューションS

    SMB3.0に対応したHyper-V、SQLやExchangeに代表されるMicrosoftの各種アプリケーションとNetAppストレージの連携ソリューションについて

    •   VMwareソリューション

    NetAppが実現するVMwareとの統合ソリューションについて

    •   Citrix 3D VDI on NetApp

    3Dアプリケーションを扱う業務環境の仮想デスクトップ基盤(3D VDI)にNetAppストレージを組み合わせたソリューションについて

    •   ERPソリューション

    SAPをはじめとする主要なERP製品とNetAppストレージの連携ソリューションについて

    •   プロフェッショナル・サービス

    ビジネスニーズに応える最適なストレージ環境を迅速に構築し、安全に運用していただくためのプロフェッショナル・サービスについて

    •   NetAppレンタル・従量課金

    ハードウェアを提供するメーカーならではの柔軟なファイナンスプラン(レンタルや従量課金プログラム)について

    •   NetAppサポート

    お客様のニーズに合わせたサポートレベルの提供と高付加価値サポートについて

    •   NetApp University

    NetAppが提供するトレーニングや認定資格について

    •   NetApp Connect

    社内のNetAppストレージに保管されているファイル群をiPhoneやiPadから閲覧できるソリューション「NetApp Connect」について

    NetApp Connect

    NetApp Connect

  • イベントの最後を飾る懇親会「Innovation Happy Hour !! 」を開催
  • 全セッション終了後には、ショーケース会場内において、イベントに参加された皆様との懇親会が開催されました。特設ステージでは、サッカー、リフティングを通じてアートを伝えるフリースタイルフットボールチーム「球舞」によるスペシャルステージが披露され、会場を大いに盛り上げていました。また、豪華景品が当たる大抽選会も行われ、幸運なお客様はギフトカード(5万円分)、人気のタブレット端末、携帯ゲーム機とソフトのセット、便利な家電製品などを当てていました。

    イベントの最後を飾る懇親会「Innovation Happy Hour !! 」を開催

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