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NetApp はストレージ専業から“データ管理ソリューション”のベンダーへ
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NetApp Innovation 2018 基調講演レポート
ネットアップ株式会社は 1130 日、 「NetApp Innovation 2018」 を開催した。年次イベントという位置づけではあるが、今年はすでに、 「NetApp Innovation 2017 Tokyo」22 日に開催されている。年内に 2 回という速いペースでの開催について、日本法人の代表取締役社長 岩上純一氏は、基調講演冒頭で「すでに時代は 1 年ごとに製品を発表していく時代ではない。われわれは常に先へ先へと進化を続けている」とコメントした。

「今回のイベントのテーマは大きく 2 つある」とする岩上氏。そのうちの 1 つは今年 6 月に発表し、 11 月には国内提供を開始したハイパーコンバージドインフラ (HCI) 製品である 「NetApp HCI」 だ。そしてもう 1 つは、 NetApp が「ハイパースケーラー」と呼ぶクラウドベンダーとの協業である。これらのテーマを踏まえ、米国本社から来日したエグゼクティブ2名が、今後の NetApp の事業戦略を語った。

企業が直面する IT の新たな必須課題に対応する
NetApp エグゼクティブバイスプレジデントのジョエル・ライヒ氏は、「世界はデータ中心として急速に変化している。かつてデータはビジネスを加速させるイネーブラーだったが、現在はデータがビジネスそのものとなっている。現在ビジネスの主体はデータ中心のモデルへと変化しており、今後はデータ指向の企業が発展していく」と述べた。

しかしながら、データを管理する難しさについてもライヒ氏は指摘する。 IT インフラはオンプレミスだけにとどまらず、クラウドへとシフトしている。そのため、データは複数のオンプレミスやクラウドのロケーションに分散しており、ビジネスの現場では複数のデータソースから目的のデータを取得する必要がある。

また、多様化するデータは常に動的に変化している。「分散化したデータはサイロ化のリスクを抱えており、デジタルトランスフォーメーションを阻害する要因となる。また、さらに SaaS などの利用が進むことで、データサイロ化が発生してしまうこともある」(ライヒ氏)。

このようなデータ管理の課題を解決するため、 NetApp ではデータ管理ビジョン「データファブリック」を推進している。データファブリックでは、クラウドやオンプレミスを問わず IT 全体でデータ管理を統合して簡素化し、データの可視化、アクセスと管理、保護とセキュリティを実現する。また岩上氏も「すでにデータファブリックはビジョンではなく、実際に実現できるソリューションだ」とアピールしている。

 

Data Management Vision

さらにライヒ氏は、多くの企業で「ハイブリッドクラウドの活用」「次世代データセンターの構築」「データ管理とストレージのモダナイズ」という新たな IT の課題に直面していると指摘している。

Harness Build Modernize

ハイブリッドクラウドの活用については、まさにデータファブリックが実現する統合されたデータ管理がその答えと言えるだろう。

また、新たなクラウドへの対応として、パブリッククラウドからも利用可能な NFS のサービスの提供も開始する。すでに発表されているサービスとしては、 Microsoft Azure から利用可能な 「Azure Enterprise NFS」 が挙げられる。 2018 年前半にプレビューが開始される予定となっている Azure Enterprise NFS について、米 NetApp クラウドビジネスユニット シニアバイスプレジデントのアンソニー・ライ氏は、 「NetAppONTAP の技術を提供し、 Microsoft のサービスとして販売される。 Azure のコンソールから直接 ONTAP の機能を利用することができる」と説明した。

また、 Amazon Web Services(AWS) においても 「NFS Hybrid Service for AWS」 の提供を予定していることが発表されており、 「VMware Cloud on AWS」 にも対応するという。

Azure Enterprize NFS

そのほか、 NetApp がハイパースケーラーとして名前を挙げたクラウドベンダーには、 Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloud、Alibaba Cloud があり、これらのベンダーとも協業していくという。

ライ氏は 「2018 年中にクラウドオーケストレーションサービス 『NetApp Cloud Orchestrator』 の提供を開始する」と述べ、これらのハイパースケーラーにおけるマルチクラウド環境において、アプリケーションを VM 、コンテナ、マイクロサービスなどの形態で自由に展開できるようになると説明した。

NetApp Cloud Orchestrator

次世代データセンターの実現とストレージのモダナイズ

次世代データセンターのソリューションとしては、オブジェクトストレージの 「StorageGRID」 、オールフラッシュアレイの 「SolidFire AFA」 、コンバージドインフラストラクチャの 「FlexPod SF」 、そして NetApp の新たな施策となる HCI 製品 「NetApp HCI」 が紹介された。 HCI として後発であることは NetApp 自身も承知しており、他社との差別化のポイントはやはり「ストレージ」だ。 NetApp HCI はオールフラッシュストレージ 「SolidFire」 がベースとなっている。

ONTAP

NetApp HCI のコンピューティングノードのハイパーバイザーには VMware ESXi 、ストレージノードは SolidFire Element OS を採用しているため、可用性・信頼性を確保することはもちろん、オープンなアーキテクチャ採用によってベンダーロックインは発生しないという。

さらにライヒ氏は「次世代の IT にはオープン性やアジリティが求められる。 HCI によってベンダーロックインが起きれば、新たなサイロが発生することになる。 NetApp HCI はパフォーマンスを保証してアプリケーションの導入に伴う不安を解消し、柔軟にスケールし、 IT 運用を変革するためにインフラを自動化する」と述べ、 NetApp HCI が拡張性に優れている点や、データファブリックとの親和性をアピールした。

NetApp HCI

ストレージのモダナイズには、フラッシュストレージや新たなデータ管理で対応するという。フラッッシュストレージ製品は「 EF シリーズ」、 「All Flash FAS」、SolidFire AFA、FlexPod、FlexPod SF、NetApp HCI を紹介した。 NetApp のフラッシュストレージは、低レイテンシアクセス、高速転送、ワールドクラスのデータ管理に、データファブリックを掛け合わせることで、エンタープライズクラスのソリューションを実現するという。

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Flash Storage Products

AltaVault とは

これまで 「AutoSupport」 という名称で提供されてきたデータの予測分析機能は、強力な機械学習機能と人工知能を備えた新たなサービス 「NetApp Active IQ」 としてリブランディングされた。

これまで同様にストレージ使用容量の監視・予測、ソフトウェアアップグレードに関する自動アラート、システムのボトルネックに関するリアルタイムの分析などの機能を提供することはもちろん、リアルタイムで新たなビジネスチャンスを創出する洞察を提供することができる。

また、チャットボットによるサポート機能 「Elio」 も紹介された。 Active IQElio は、 Watson コグニティブ・コンピューティングを活用し、日々蓄積される膨大なデータを学習することでサービス品質を向上するという。

active IQ

watson

クラウドサービスの拡充や HCI の提供など、すでに NetApp は単なるストレージベンダーとは言えない存在となっている。基調講演後に行われたメディア向けラウンドテーブルにおいてライヒ氏は、「このままいくとストレージ専任のベンダーは絶滅危惧(きぐ)種になってしまう」と危機感を明確に表明しており、確実にオンプレミス環境が減少していくことが予想される中、今後も同社は新たなビジネスを展開していくことになるだろう。

『出典:クラウド Watch 2017125 日掲載記事 「NetApp はストレージ専業から“データ管理ソリューション”のベンダーへ NetApp Innovation 2018 基調講演レポート」』

https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/1094977.html ) の内容を一部抜粋し掲載

2017 年 11 月 12 月

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