Windows Server 2012 のODXの効果について検証してみました
Windows Server 2012のリリースから結構な時間が経ち、さまざまな情報が多く出てきていますが、ストレージ連携の機能についてはあまり具体的な内容がでてきてい無いことに気づきました。 まず最初に我々がご提供しているストレージOSのData ONTAPがODXに対応するのはclustered Data ONTAP 8.2からとなります。この検証ではclustered Data ONTAP 8.2のベータ版を使用していますので、実際にリリースされる正式版と差異がある可能性がありますので、あらかじめご承知おきください。 では、ODXとは何なのかおさらいしていきましょう。 ODX 今までサーバー間でデータをコピーや移動すると 「データ読み取り → 転送 → データ書き込み」という処理をサーバーが行なっていました。これをストレージに命令(トークン)だけ出して、実際の処理はストレージに実行させることで、データ移動を高速に処理させるだけでなくサーバーの負荷を下げるという効果も見込めます。またネットワークをデータが流れないのでネットワーク環境にもやさしい機能です。 検証は2パターン行っています。NetAppのストレージにLUN接続しているWindows Server 2012同士の処理とNetAppのストレージにLUN接続しているWindows Server 2012からNetAppのCIFS領域への処理の2つです。 では、検証結果について見て行きましょう。 検証1 Windows Server 2012からclustered Data ONTAPのLUNに接続するとこんなWindowsからはこんな風に見えます。 ちゃんと名前の所に「NETAPP LUN C-Mode」と出てきていますね。 検証結果
ファイルコピー時間:37分28秒
使用ネットワーク帯域:約800Mbps
ODX有効時
ファイルコピー時間:43秒
使用ネットワーク帯域:約280Kbps
ファイルコピーが37分から43秒へ劇的に早くなっています。ネットワーク帯域も単位がMbpsからKbpsに変わってますね。 CPUのリソースについても載せようと思ったのですが、検証環境のServer負荷が低すぎて効果があったと判定できないレベルでした。ただ、ODX有効時は2~3%は必ず低くなっていましたので、運用中で負荷の高いHyper-Vだったり同時マイグレーションを行うような環境ではこの数%が効いてくるかもしれません。 検証2 ODX無効時
ファイルコピー時間:18分24秒
使用ネットワーク帯域:約980Mbps
ODX有効時
ファイルコピー時間:18秒
使用ネットワーク帯域:約5Mbps
ファイルコピーが18分から18秒へ劇的に早くなっています。使用するネットワーク帯域も980Mbps から5Mbpsに変わってます。
全体的にLUN間の処理よりもLUNからCIFSにファイルコピーを行ったほうが処理の速度が早くなっています。ストレージはサーバーやクライアントからファイルコピーやファイル作成等の要求を受け付けるとODX処理可能かどうか判断し、環境に応じてストレージとして一番効率のよい方法を使って処理を行います。 既存のData ONTAPやclustered Data ONTAPをご存知の方は「Aggregate間でもODXは効くの?」「ヘッドをまたいだ処理でODXは効くの?」という疑問を持たれると思います。 最初に書いたとおりまだclustered Data ONTAP8.2はベータですので変更があるかもしれませんが、構成にとらわれずにODXがきちんと効くと、色々な処理に応用できそうです。 今回の私の検証ではファイルコピーを行いましたが、別のメンバーが行った検証ではHyper-VからSMB3.0の共有フォルダに127GBの容量固定VHD Diskを作成するのに約20秒程度と、非常に高い効果が見られました。 この原稿を執筆している時点ではclustered Data ONTAP8.2はクローズドベータを行なっていまして、エントリーいただいた国内のお客様にも参加いただいていますが非常に高い評価をいただきました!
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