今後 3 年間に渡り、世界の主要なビジネス収支が、デジタル化した、あるいはデジタルによ って補強された製品やサービス分野に集中していくことから、マクロ経済全体がデジタルト ランスフォーメーション(DX)によって再構築されるとみられます。構造化されているか否 か、人が生成したか機械によるものか、データセンターへの格納かクラウドかを問わず、デ ータこそが競争優位の新たな基盤です。膨大な量の極めて多様なデータを駆使してパターン を発見し、画期的なアイデアを追求することで、企業は競争の激化する事業環境を勝ち抜く ことが可能になります。

御社はすでに他社の新しい創造的なビジネスモデルによる斬新な変化の影響を受けています か。データ主体の DX に関する御社自身の成熟度について評価しましたか。御社は次の 2 つ のいずれかと言えるでしょうか。「データ生存企業(Data Survivor)」か、あるいは「データ 成功企業(Data Thriver)」か。「データ生存企業」とは、DX によって強化、推進される事業 戦略を策定する必要性を認識しているものの、取り組みは依然としてプロジェクト単位で行 われている企業です。したがって、進捗は予測不能であり、再現もできません。これに対し 「データ成功企業」とは、デジタルテクノロジーの使用において積極的に斬新な変化を進 め、新たな市場に影響を及ぼしている企業です。「データ成功企業」では、エコシステムか らのフィードバックが恒常的にビジネスのイノベーションへのインプットとなっています。 これについては、有力金融機関であるシティバンク(以下、Citibank)の興味深い例がありま す。数年前 Citibank では、顧客の人口動態の変化、オンラインによる接客の増加、顧客基盤の グローバル化の影響を受けて、顧客の維持と増収達成の課題に直面しました。顧客は、銀行 の支店に出向くことなく、顧客ニーズをサポートできる柔軟なオンラインバンキングを求め ていました。Citibank ではこれに対応するため「CitiExpress Bank in a Box」を立ち上げ、見込み 顧客がモバイルアプリケーションの Citi Velocity を通じて、ローンの申し込み、銀行口座の開 設、そして取り引きの開始さえも含め、数多くの窓口業務に相当する処理を完了できるよう にし、さらに銀行の ATM もこれに対応させました。この取り組みの背後にあった考え方は、 顧客中心、全世界共通のプラットフォームのサポート、デジタルパートナーシップの構築、 そして新たな販売チャネルの創造でした。この取り組みは Citibank にとって大きな成功とな り、数百万ドルの増収に寄与しています。

IDC では最近、大規模および中規模企業の事業部門のエグゼクティブ、IT 部門のリーダー、 そしてテクノロジーに精通した従業員を対象とした全世界的な調査を実施しました。調査対 象者の役職には、最高データ責任者、アナリティクス専門家、DevOps 担当者/クラウドアー キテクトなどが含まれていました。本調査では、すべての業種、企業に渡って「データ成功 企業」が存在し、これに属さない企業よりも迅速に新規顧客や新たな収益源を獲得している ことが明らかになっています。

「データ成功企業」におけるデータ主体の DX の取り組みと加速化の要点を簡単に挙げると 以下のようになります。

  • DX 投資に関する「データ成功企業」の最重要なビジネス目標は、戦術的優先事項と 戦略的優先事項の間でバランスが取れており、それらの目標には新規顧客の獲得や新 たなデジタル収益源の立ち上げなどが含まれている。
  • DX のための IT 投資と統合の戦略は、インフラストラクチャのモダナイゼーションか らクラウドサービス(パブリックおよびプライベート)の利用まで、そして新たな DevOps スキルの整備からコンテナや NoSQL データベースの導入まで多岐に渡ってい る。
  • 「データ成功企業」では多様なデータフォーマット(半構造化データおよび非構造化 データを含む)を重視し、オンプレミス/オフプレミスに分散したデータを活用して 業務に生かしている。また、積極的にハイブリッドクラウドを使用している。
  • 「データ成功企業」のデータに関連する課題は、セキュリティやコンプライアンスか らデータアクセス、品質、分析までさまざまである。これらの課題に対処するため に、データ活用を専門とする担当者が割り当てられ、かつ、データ分析/運用のテク ノロジーが用いられており、「データ成功企業」のほとんどで最高データ責任者が配 置されている。

「データ成功企業」になるための変革は継続的なプロセスです。成功、適用可能性、 イノベーションは、従業員と顧客の両方に大きな価値をもたらす新たなテクノロジ ー、プロセス、ビジネスモデルへの投資による進化に前向きに取り組むリーダーシッ プの文化から始まります。IDC では企業に対して、目標とするビジネスの成果を達成 するために、人材、プロセス、テクノロジーを含む包括的な変革を実施することを勧 めています。データ主体の DX のフレームワークを活用して「データ成功企業」への トランスフォーメーションを迅速に進めるには、IDC の White Paper『 「データ成功企業」への道:データ主体のデジタルトランスフォーメーション(DX)』(sponsored by NetApp Inc.)をダウンロードしてご一読ください。