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第三回:
ネットアップなら"工場出荷時状態から"3分で構築できます
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はじめに

前回はネットアップストレージを使うことにより、vSphere環境におけるストレージ運用を大幅に改善、時間短縮できるネットアップならではの機能を紹介しました。そこで触れたネットアップ独自のRAID-DPについて触れてみたいと思います。実はこのRAID-DPにはRAIDグループを瞬時に拡張できるだけなく、信頼性、パフォーマンスなど他のストレージには無い魅力があるのです。

NetAppのRAID4

ネットアップのストレージでは、創業時からRAID4を採用しています。ストレージについての技術書などにはRAID4は使い物にならないなどと紹介されていることもあり、ネットアップがRAID4しか無かった時代(RAID-DPを出す前のお話です)にネットアップのRAIDの仕様をお客様に紹介した際には、よく驚かれたことを覚えています。そして私自身も先輩社員に教わったときにはとても驚いた記憶があるのですが、実はネットアップがRAID4を採用したことにはちゃんとした理由があったのです。

通常のRAID4の場合、専用のパリティディスクに負荷が集中してしまい、書き込み時のパフォーマンスが悪いため、パリティを分散させたRAID5が主流ということが定説となっております。しかしながら、ネットアップの場合にはこのRAID4のデメリットをNVRAMというコンポーネントを実装することで、デメリットどころか、それをアドバンテージに変えているのです。
通常、一般的なランダム書き込みはストレージに対して大きな負荷となりますが、ネットアップの場合には一旦NVRAM上にデータを溜めておき、一定の間隔で一気にRAIDグループ上にストライプ書き込みを行います。そのため、書き込みやパリティ計算のためにディスク上から読み込む無駄なI/Oを削減することができ、一般的なストレージより高速な書き込みを実現しているのです。
そしてこのNVRAMですが、ネットアップFASのコントローラ上にバッテリで保護されたメモリとして配置されており、システムの電源をいきなり切ったとしても、書き込み前のデータを失うことは無い仕様になっているため、NVRAM上にデータが入った時点でクライアント側に書き込み終了の迅速な応答ができるようになっているのです。
NVRAMのサイズについては機種ごとに異なりますが、NVRAMが溢れるような状態になるまでは、読み出し時の条件よりも高い性能を出せることもネットアップFASの大きな特徴となります。

ネットアップのRAID4の特徴について、NVRAMを使った高い書き込み性能やRAID拡張の容易さなどありますが、これらはソフトウェア・ハードウェアの何れかで実現するものではなく、ハードウェア、DataOntap(NetApp FAS専用OS)、ファイルシステム全体で実現しています。それ故、他社のストレージでは真似できるものではなく、特許を取得したネットアップを代表するテクノロジーの一つとなっております。

RAID4だからディスク増設が数秒でおわります

前回のコラムにおいてvSphere環境におけるストレージ拡張(RAIDの構成変更作業)が短時間でできることを紹介しましたが、こちらもネットアップのRAID4が故に実現できる機能です。ネットアップFASの場合、ディスクのフォーマットという概念はありません。その代わりに事前にスペアディスク上の領域に"0"を書きこまれた状態にしておきます(zeroingと呼ばれる処理)。そしてRAIDグループを拡張したい場合に、スペアディスクを追加するとパリティディスク上の計算結果が変わらないため、数秒で拡張することが可能になるのです。
また、ディスク追加ですが、特に制限はなく1本単位での増設が可能です。昔は追加した新しいディスクに書き込みが集中してしまうなどの動作がありましたが、現在においては既存ディスクの空き領域と合わせてストライプ書き込みを実行したり、リアロケート(デフラグ)処理をおこなうことにより、新規のディスクに対しての負荷を分散させることができるようになっております。

そして、瞬時にRAIDグループを拡張できる仕様が、vSphere環境に限る話ではありませんが、従来のSANストレージにおいての構成変更作業であれば、負荷の低い夜間や休日の時間帯に実施していた運用から平日の日中に実施できるようになったため、お客様の運用を大きく変えることができ、大変喜んでいただいています。

RAID-DPとRAID6は何が違うの?

RAID-DPもRAID6もそれぞれ2本のパリティディスク方式ですが、一番の違いはパフォーマンスです。通常のRAID6ですが、RAID5に比べてパリティディスクが増えることによる性能劣化が数十パーセント発生してしまうのに対して、ネットアップの場合はRAID4に比べて数パーセントのパフォーマンスペナルティに抑えているところがポイントとなります。
RAID6の場合2つのパリティに対するライトペナルティが多大な負荷となりますが、ネットアップの場合には前述のRAID4とNVRAMの動作でRAID-DP構成においてもパリティ計算に伴う処理を大幅に軽減しているのです。

一般的なストレージを使ってvSphere環境の構築を行う際には、やはり性能、信頼性の両方を考慮して、RAID10で構築されているお客様が多いと思いますが、やはり物理ディスクの半分の領域が無駄になってしまうことには不満を感じている方が多いようです。

ネットアップの場合には、性能と信頼性を兼ね備えたRAID-DPを利用できるので、利用効率を大幅に改善することができます。例えば20本の物理ディスクでRAIDを構築した場合、RAID10の場合には10本分の容量しか利用できないのに対し、ネットアップのRAID-DPであれば18本分の容量を利用することができます。
また、性能面についてもアドバンテージがあります。一般的にはRAID方式としてはRAID10が速いというイメージがありますが、図のようにRAID10では10本分のストライプしか効かない状態に対してRAID-DPであれば18本分のストライプの効果を得ることができるのです。

ディスク障害時においても性能劣化を抑える効果

ネットアップFASをご利用のお客様から時折「ディスクがよく壊れるのでは・・」とご指摘を頂くことがあります。
FASの仕様としてRapid RAID Recovery(Sick Disk Copy)という機能があります。
もし、壊れそうなディスク(エラー発生回数のしきい値がベース)を検出した場合、壊れる前にスペアディスクを呼び出して、動作しているうちにディスク上のデータをコピーして退避させる仕様となっています。
(予防交換をバックグラウンドでおこなっているため、お客様にはディスク障害が多いと感じてしまう背景になります)

たとえば、この機能が無く、ディスクが完全に壊れてからスペアディスクを呼び出した場合には、RAIDのリコンストラクトを実行するためにRAIDグループ全体に負荷がかかってしまいます。昔はディスク単体のサイズも小さかったこともあり、リコンストラクト時間も数時間程度で済みましたが、昨今においてはSAS600GB、SATA3TBディスクなどがメインストリームになってきていることもあり、ディスク障害時の性能劣化はストレージ管理者の大きな懸念点となっています。
もし、ディスク障害に伴う性能劣化が半日~1日続いてしまったことを想像するだけで、ぞっとしてしまいますが、ネットアップFASであれば極力そのリスクを低減させている仕様であることはお客様に評価いただいています。

NetAppストレージなら"工場出荷時状態から"3分で構築可能

こちらにたどり着くまでに、初回の記事から時間がかかってしまいましたが、前回のコラムにて紹介したFlexVolume(仮想化されたボリューム)とネットアップFASのRAID4(DP)の仕様により、極めて短時間でvSphere環境用のストレージを構築することができるのです。

図では工場出荷状態のネットアップFASをESXに接続するために必要な設定手順を紹介しております。
さすがに1分で構築することは難しいですが、なれた技術者の方であれば2分程度でESX用のストレージとしてセットアップ作業を終えることができます。
これらの6つのオペレーションですが、それぞれがシンプルなコマンド(もしくはGUIオペレーション)と非常に短い処理時間で実行されるため、全体のストレージ構築作業の工数、時間を大幅に削減することができ、(あまり大きな声では言えませんが)貸出機程度の構成であれば、営業のメンバーがセットアップして出荷していたりするほど簡単なオペレーションにてストレージのセットアップができるようになっています。
また、NetApp FASがクラスタ構成の場合には2つのコントローラに対してオペレーションが必要となりますが、それでも一般的なストレージの構築に比べると短時間で実行できるはずです。

初回からここまで、ネットアップFASに関するベーシックなディスク部分に触れてきましたが、vSphere環境におけるネットアップならではの機能がまだまだたくさんあります。ネットアップと言えば、Snapshotを連想される方も多くいらっしゃるかと思いますが、次回はそのSnapshotの機能について紹介する予定です。


大西宏和(Hirokazu Onishi)
技術本部 エンタープライズSE第二部 シニアシステムズエンジニア
NetApp


立教大学社会学部観光学科卒、外資系ストレージメーカを経て2002年NetCache(セキュリティアプライアンス製品)担当SEとして入社。
入社以来、パートナー及び仮想化ソリューションを担当、本年度よりハイタッチ向けプリセールスSE。
趣味は旅行とサッカー観戦。


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