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第十回
「番外編」
VDI on NetApp ~失敗しない VDI プロジェクトのために~
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本連載も10回目の記念を迎えることができました。
初回から前回(第九回)までの記事において、マルチプロトコル、NFS 接続による柔軟な運用、ネットアップならではの重複排除機能、クローン機能など紹介してきましたが、これら機能は仮想デスクトップ環境に抜群の効果を発揮する機能になりますので、今回番外編として、今が旬のVDI(仮想デスクトップ)ソリューションに合わせて、 VDI 環境用のストレージとしてネットアップ FAS が選ばれる理由を紹介します。
また、仮想デスクトップ導入事例が増えていく中で、ストレージに起因した性能問題を経験されたお客様も少なくないこともあり、最近では仮想デスクトップ環境におけるパフォーマンスサイジングの最重要事項として上げられています。
お客様のVDI プロジェクトを成功させるために必要となる、『性能』、『容量効率』、『コスト』、『運用』の各ポイント毎に、対応するネットアップの機能を紹介します。

■ 標準構成・標準機能でストレージパフォーマンスを最大化

ネットアップ FAS の特徴的な機能の一つである NVRAM は単にハードウェアとしてライトキャッシュ機能を提供するだけではなく、DataONTAP(ネットアップ FAS 専用 OS)と密接に連携してファイルシステムのレイヤーで動作し、NVRAM に書込データが入った時点で、ESX側に書込応答を返すことができます。
ストレージに対して一番負荷が高いランダムライト I/O についても、RAID グループを構成する物理ディスクに書き込む前に、NVRAM の中に溜めたデータをパリティ計算が一度で済む一つのストライプI/Oに変換しているため、一般的な RAID ストレージのように書込処理性能が劣化することはありません。

仮想デスクトップ環境構築において、一般的なストレージを使って構築する場合には、性能要件を満たすために大量のディスク本数が必要になってしまい、多くのお客様にとってサイジングは悩ましい問題となります。VDI ワークロードの書込 I/O が大半を占める特徴(一般的には I/O の 80% がライト I/O と言われています)が大量のディスク本数を必要としてしまう原因となりますが、面白いことに逆にネットアップFASとしては得意とする条件となります。
一般的なストレージ(同一価格帯製品、同一ディスクタイプ利用時)においてのパフォーマンスサイジング結果を比較すると、ネットアップ FAS の場合には 1/3~1/2 の物理ディスクの本数で同等性能を実現しています。

一般的なストレージを使ってパフォーマンスサイジングをした場合には、性能要件を満たすために大量のディスク本数が必要になってしまい、容量と性能がアンバランスな構成になってしまう傾向にあります。そのため、ネットアップ以外のストレージを使って構築するには、無駄なディスク領域、ディスクシェルフのための設置スペース、消費電力を削減するために SSD を使った階層化がほぼ必須となりますが、ネットアップの場合はお客様の負荷状況に応じて、柔軟に構成をカスタマイズすることができます。

◆ NVRAM
前段で紹介した、NVRAM はすべてのモデルに搭載しているモジュールとなり、標準機能でVDI環境において厄介なランダムライト I/O を最適化することができます。
◆ Flash Cache (256GB or 512GB/card, Max2TB/Controller)
フラッシュメモリを搭載した PCI-e カードを FAS のコントローラに組み込みことで、同一ブロックに対する読込処理はコントローラ内で実行しますので、物理ディスクに対する I/O 負荷を削減し、結果として更に物理ディスク本数を削減することができます。また、後述の高密度ブロック技術と組み合わせて、数百台、数千台分の VMDK ファイルを集約し、Flash Cache 上で処理するため、特に仮想デスクトップ環境においては絶大な効果を発揮します。
◆Flash Pool
ネットアップも SSD を使った自動階層化を提供しています。ホットスポットの改善目的、Flash Cache より大きなフラッシュ領域を必要とするケース、NVRAM 自体の標準性能を超えるランダムライト I/O の処理が必要な場合など、必要な性能要件に合わせて、SSD ディスクを既存のシェルフに増設し、様々なワークロードに対応することができます

■ ネットアップ独自の重複排除技術を使えば、ストレージ容量を50%以上削減

同一イメージから数百台・数千台の仮想マシンを展開する仮想デスクトップ環境にとって、ネットアップの高密度ブロック技術は非常に有効です。テンプレート仮想マシンを構成するブロックから参照ブロックを生成するネットアップ FAS の FlexClone を使ったクローン方式は事前に重複排除されたブロック状態を実現しているため、重複排除にかかるシステムコストは不要です。

また仮想デスクトップ環境が運用に入った後に生成される Datastore 上の重複ブロックに対しても効果を発揮し、ストレージ容量を大幅に削減することができます。
当初は参照ブロックの上限が255個でしたが、この仕様が強化され DataONTAP8.1 以降では最大 32767 ブロックまで参照ブロックとして処理できるようになりました。この機能強化により、仮想デスクトップ環境構築時において、数百台のデスクトッププールを Datastore 毎に高い密度で集約しながらシンプルに構築することができます。

■実は重複排除機能を使った方が良い性能を出せるのです

上段で紹介した、FlexClone・重複排除を使った高密度ブロックは、Flash Cache と組み合わせることで、性能面においてもかなりの効果を発揮します。
数百台、数千台の仮想マシンを構成するブロックイメージが数十GB程度に集約され、最初の数台の仮想マシン起動した後は Flash Cache 上に全体の仮想マシンのイメージが展開された状態となり、ESX・XenServer上で発生する大半のリードI/O処理をFASコントローラ上で処理することができます。
Flash Cache 自体はリードキャッシュとして動作しますが、大量のリード処理をコントローラ上で処理し、ディスクの負荷を大幅に削減しますので、結果としてライト処理に対しても効果を発揮するソリューションとなります。

また、Flash Cache モジュールの稼働と冷却に必要な電力は、シェルフ1台分のファイバチャネル ディスクが必要とする電力よりも大幅に少ないため、消費電力と冷却コストを大幅に削減できます。300GB 15K RPM のディスクを収容する標準的なディスク シェルフは、1 台あたり 340Wh の電力を消費し、最大 1,394BTU / 時間の熱を発生するのに対し、Flash Cache モジュールを使用すれば、消費電力はわずか18Wh、放熱量もわずか 90BTU / 時間です。シェルフ1台分のディスクが不要になるため、電力使用量の低減だけでシェルフあたり年間3,000kWh も削減できます。放熱量と冷却面で環境上のメリットがもたらされるほか、シェルフあたり3Uのラック スペースを削減できるというメリットもあります。実際には、ネットアップ ソリューション(Flash Cacheを主要コンポーネントとして使用)を導入することで、通常は複数台のストレージ シェルフが不要になるので、削減効果ははるかに大きくなります。

このように性能、コストを両立できるため、Flash Cache を搭載可能なミッドレンジモデル(FAS3200 シリーズ)以上を VDI 環境でお使いのほとんどのお客様は、『使わない理由は無い』と判断頂き、導入時に合わせて Flash Cache を追加オプションとして選択しています。

■ 大切なユーザーデータを簡単に保護

ネットアップFASを仮想デスクトップ基盤用のストレージとして使えば仮想デスクトップ環境上のユーザーデータまでシンプル運用管理することができます。
ネットアップといえば『実績# 1 のファイルサーバ』として覚えて頂いているお客様も多いぐらい機能も標準で豊富に取り揃えており、Snapshot 機能については、最大 255 世代、しかも瞬時に作成するため、仮想デスクトップ環境におけるユーザーデータのバックアップ運用を自動化することができます。
仮想マシン内にユーザーデータを保管した場合には、バックアップ運用(特にリストア)が困難になってしまったり、仮想マシンのバージョンアップなどメンテナンス作業に制限が発生してしまいますが、ネットアップの CIFS 機能と組み合わせて、フォルダリダイレクト、ホームディレクトリの利用、ファイルサーバ上の共有フォルダにユーザーデータを配置することで、大切なユーザーデータをシンプルな運用で保護することができます。

あわせて、利用ユーザー自身が Snapshot 領域に自由にアクセスできることも、ネットアップFASの特徴です。Snapshot 領域のアクセス(隠しフォルダ属性で閲覧可能)を有効にした場合には、ユーザーが Snapshot フォルダを経由して、今まで取得したバックアップ世代内に含まれる過去の状態の必要なファイルを簡単に取り戻すことができるため、前段のバックアップ機能と合わせて、バックアップ・リストアすべのオペレーションから管理者を解放することができます。
※ Windows OS 標準のシャドウコピークライアント機能と連携することも可能

DatastoreはNFS、ユーザーデータは CIFS を使うことにより、仮想デスクトップ環境に必要な物理構成は全てイーサーネット環境上に構築しますので、お客様の運用負荷をSAN利用時に比べて大幅に削減することができます。
また、 NetAppSnapMirror もイーサーネット環境上で簡単に構築、設定できるレプリケーションやディザスタリカバリに最適なテクノロジです。初期設定もコマンド 3 つで 1 分以内に転送設定(レプリケーションに必要な初期設定)が完了できるなど、他の DR ソリューションと比べて効率的かつシンプルで、コストも低く抑えることができるため、長年にわたりさまざまなネットアップストレージ環境で使用されています。

■ 実は一番性能が高い、NFS接続

vSphere 用の接続プロトコルは『 FC が一番性能が高く、NFSは性能がさほど良くない』といったような印象をお持ちの方も少なく無いようですが、実はNFSを使うことにより、FCP利用時以上のスループットを出すことができます。
『NFS は遅い』という、先入観は 10GbE が高価な時代に 1GbE 接続で接続した結果、仕様上の上限(約 100MB/s 程度)から、大規模環境用途のストレージに選択するお客様が少なかった背景などもあるようです。

vSphere に VAAI(SAN) – Hardware Assisted Locking(ATS) が実装されるまでは、FCストレージ内の Datastore 上で複数の仮想マシンが稼働した場合に性能が期待通りにスケールアウトしない問題を抱えておりました。しかし、NFS Datastoreの場合、複数仮想マシンの排他制御にSCSIリザベーションの仕組みを利用しない仕様であり、大量の仮想マシンを稼働させても性能が良いため、vSphere4以前からサーバー仮想化、デスクトップ仮想化用途問わず、多くのお客様がNFS接続をご利用いただいています。

また、NFS 接続であれば、Datastore の拡張だけでなく縮小も瞬時に実現できることや、ネットアップ FAS 上で仮想マシンのクローン作成作業をファイル (VMDK) 単位で簡単・高速に実行できることから、仮想環境構築当初は FC,iSCSI で構築していたのにも関わらず、多くのお客様がNFSに乗り換えています。

現在は中規模以上(5TB 以上の実行容量)の環境でFASを利用しているお客様の 90% 以上は NFS を使ってvSphereを構築していることを弊社サポートデータベースから確認しており、やはりNFS接続の性能及び運用の容易さから、当初のお試し利用が本番運用に適用されて普及していったこともデータの裏付けとしてあります。
(サポートデータベース: AutoSupport 2012 年 7 月における統計)

前回連載においても案内いたしましたが、2012 年 11 月 6 日より開催される vForum2012 にネットアップも出展します。セッション講演、ブース展示に加えて、ハンズオンラボついてもネットアップ参加することになりました。また、VMware View 環境における VCAI(VAAI-NAS/NFS-VAAI) 連携のデモ環境なども用意していますので、ネットアップ展示ブースに是非、お立ち寄りくださいませ。


大西宏和(Hirokazu Onishi)
技術本部 エンタープライズSE第二部 シニアシステムズエンジニア
NetApp


立教大学社会学部観光学科卒、外資系ストレージメーカーを経て 2002 年 NetCache (セキュリティアプライアンス製品)担当 SE として入社。
入社以来、パートナー及び仮想化ソリューションを担当、本年度より技術本部ソリューション SE 部にて仮想化ソリューションを担当。趣味は旅行とサッカー観戦。


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第一回:NetAppは昔からユニファイドです
第二回:そのストレージ縮小できますか?
第三回:ネットアップなら
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第四回:一味違うネットアップのSnapshot
第五回:ストレージのクローン機能を使ってみませんか
第六回:効果絶大!ネットアップの重複排除
第七回:最強のvCenterプラグイン:「Virtual Storage Console(VSC)4.0」
第八回:古いゲストOSを使用する場合の落とし穴―「アライメントの重要性」についてご存じですか?
第九回:「Virtual Storage Console」は、ここが違う! 最強の vCenter プラグイン Provisioning/Cloning 編
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