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vCenterによるNetAppストレージの管理

VMware®環境では、ストレージのライフサイクル中に、以下の5つのストレージ関連作業が必要になります。

  1. ストレージシステムおよび関連する監視ツールと管理ツールのセットアップと構成
  2. 新しいデータストアとVM(仮想マシン)のストレージ上への導入
  3. ストレージ環境の保守。VMに最新のパッチが適用され、ストレージが最適化され、利用できる容量が十分残っているようにする
  4. VMとVMに格納されているデータの保護
  5. 不要になったVMの廃棄とストレージのリカバリ

これらのタスクをすべて完璧に処理するのは、複雑で手間のかかる作業です。たとえその作業が一定のものであっても、誰が担当なのかが明確でないことが多く、場合によっては作業を処理すること自体が、VMware管理者とストレージ管理者双方の時間を無駄にすることになりかねません。さらに、必要なすべてのストレージ関連作業に使用するツールの多種多様さも、困難さの一因となっています。

Virtual Storage Console 2.0の紹介

Virtual Storage Console 2.0(VSC 2.0)は、NetApp Support Webサイト(旧称NOW™)からダウンロード可能な、無償のプラグインです。VSC 2.0には、旧バージョンのVSCの全機能に加えて、NetApp Rapid Cloning Utility(RCU)とSnapManager® for Virtual Infrastructure(SMVI)の機能も備わっており、エンドツーエンドのライフサイクル管理を可能にします。この新バージョンのVSCでは、VMware ESX / ESXi 3.5および4.0と、最近リリースされたバージョン4.1がサポートされています。

VSC 2.0は、VMware vCenter™ Serverと完全に統合する設計になっているため、VMware管理者は、VMwareとNetAppの環境全体を1つのインターフェイスで管理できます。vCenterのコンソールで「NetApp」タブに移動すると、ストレージ・ライフサイクルのすべての段階の監視と管理を、ストレージ管理者が管理するポリシーに従って行うことができます。ポリシーに従うことで、作業処理時にVMware管理者とストレージ管理者の間で混乱が生じたり、作業を調整しあったりすることがなくなります。このポリシーベースの管理については、最近のTech OnTapの記事でも取り上げていますが、(この記事はVSC 2.0のリリース前に発表されているため、)2.0にはバックアップ / リカバリ、プロビジョニング、クローニングの機能が新たに組み込まれた点が大きな違いです。VSC 2.0を使用すると、VM管理者は使い慣れたツールを使ってストレージ関連作業を処理できます。インターフェイスに作業が明確に定義され説明されているため、専門的なストレージの知識がなくてもVMware環境のストレージを管理できます。

図1)VSC 2.0の機能セット

(クローニング機能とバックアップ / リカバリ機能にはライセンスが必要。その他のすべての機能とVSCプラグインは無償)

*(クローニング機能とバックアップ / リカバリ機能にはライセンスが必要。その他のすべての機能とVSCプラグインは無償)

VSCプラグイン自体は無償ですが、拡張機能の中には、使用に当たってライセンスの追加が必要なものがあります。たとえば、クローニング機能にはFlexClone®ライセンスが必要です。またバックアップ / リストア機能にはSnapRestore®ライセンスやSMVIライセンスが必要になる場合があり、使用方法によってはSnapMirror®ライセンスも必要になります。VSCのライセンス要件については、Vaughn Stewartが最近投稿したブログ(英語)をご覧になると詳細がわかります。VSCはインストールの際に、一部のコンポーネントをインストールするのか、すべてのコンポーネントをインストールするのかを選択できます。

VSCの機能

前述のように、VSCは主に以下の3つの機能で構成されています。

  • ストレージコンソール:VSCの基本機能で、ストレージの検出、ヘルスモニタ、容量管理、ストレージの構成をベストプラクティスに沿って実行できます
  • プロビジョニングとクローニング(以前のNetApp Rapid Cloning Utility):プロビジョニング、サイズ変更、削除といったエンドツーエンドのデータストア管理機能を提供します。またNetApp FlexCloneテクノロジを活用して、VMサーバとデスクトップのスペース効率に優れた高速クローニング、パッチ適用、更新も行えます
  • バックアップとリカバリ(以前のNetApp SnapManager for Virtual Infrastructure):データ保護プロセスを自動化します。VMware管理者はデータストアとVMのバックアップ / リカバリを、ゲストのパフォーマンスに影響を与えることなく一元的に管理できます。またバックアップから、データストア、VM、VMDK、ゲストファイルといった任意のきめ細かな単位で、高速リカバリを実行できます

ストレージコンソール

VSCの核となるストレージコンソール機能は、多数の重要な作業を実行できるように設計されています。まず、NetAppストレージシステムの構成をVMware環境向けに最適化する機能が挙げられます。これには、HBAタイムアウト値やNFS調整パラメータ、パス構成などの設定機能が含まれます。このストレージコンソールを使用すると、ストレージシステムの全体的なステータスや、重複排除による削減効果を含めた容量に関する情報を確認できます。

VSCでは単一のビューから、NetAppストレージコントローラとESXホストすべてのステータスを、構成が不適切で注意が必要な部分も含めて素早く確認できます。拡大表示でSAN環境やNAS環境のストレージを詳細に確認したり、特定の機能やツール(ボリューム調整用のMBRツールなど)にアクセスしたりすることも可能です。

図2)VSCのストレージコンソール機能

VSCのストレージコンソール機能

プロビジョニングとクローニング

VSC 2.0のプロビジョニングとクローニング機能には、RCUの旧バージョンの機能がすべて含まれています。これには、NetApp FlexCloneテクノロジを使用してベースラインから新しい仮想マシンを効率よくクローニングする機能や、ストレージパスを管理し保護する機能、重複排除やシンプロビジョニングを設定してストレージを効率化する機能、データストアのサイズ変更機能などが挙げられます。

もう一つの重要な機能に、既存の仮想マシンに最新のパッチやその他の更新を適用して最新状態にし、再度導入する機能があります。ベースラインとなる仮想マシンには、導入済みの仮想マシンと同じOSとアプリケーションのほかに、必要な更新も格納されているため、このベースラインから再導入を行うことで、各VM固有の構成ファイルはそのまま維持しながら、既存のVMDKファイルを素早く再構築することができます。現在のカスタマイズ設定を維持するか、新たな設定を適用するかを選択することもできます。

図3)更新済みのベースラインから既存の仮想マシンを再導入

更新済みのベースラインから既存の仮想マシンを再導入

バックアップとリカバリ

SMVIは以前はVSCとは別製品でしたが、VSC 2.0のバックアップとリカバリ機能では、このSMVIのVMware vCenterインターフェイスでしか使用できなかった機能がすべて提供されます。VMware管理者はこの機能を利用して、バックアップやリカバリ、その他の処理を実行できます。以下のようなバックアップオプションをジョブごとに選択できます。

  • アプリケーションと整合性のあるVMwareスナップショットの実行(このスナップショットは、NetApp Snapshot™コピーをいったん作成後に実行できます)
  • バックアップ前 / バックアップ後のスクリプトの実行
  • 指定したデータストアのバックアップ対象からの除外
  • 独立したディスクのバックアップ対象への追加
  • SnapMirrorの更新
  • 時間ベースまたはコピーベースの保持
  • カスタマイズ可能なアラート通知

どの管理機能でも、VMware vCenterはESX Serverと通信します。VSCのバックアップ / リカバリ機能はData ONTAP® APIを使用して、SnapshotとSnapRestoreのスケジュールをNetAppストレージに設定します。SnapMirrorを実行してSnapshotコピーをDRサイトに複製することも可能です。バックアップはデータストアレベルまたはVMレベルで実行されますが、リストアはデータストア、VM、VMDK、ゲストファイルの単位で実行できます。

Single File Recovery(SFR)はNetApp独自の機能なので、詳しい説明が必要です。以下にSFRについて説明します。

  • VM全体をリストアしなくても、1つのVMDKから1つまたは複数のファイルをリストアできる
  • リストアエージェント(RA)がゲストVMにインストールされているため、リストア対象のファイルが格納されている「ディスク」を参照できる
  • ゲストOSはRAを使用して、新しいストレージをスキャンし、アクティブなファイルシステムにディスクをマウントできる
  • リストアを要求したユーザは、バックアップのリストを参照してバックアップからディスクをマウントし、必要なファイルを複製することができる
  • 次の3種類のリストアを利用できる
    • セルフサービス
    • 制限付きセルフサービス
    • 管理者

図4に一般的なSFRのワークフローを示します。リストアエージェントのインストールが必要になるのは、問題が発生した場合のみです。すべてのVMにインストールする必要はありません。

図4)一般的なシングルファイルリストアのワークフロー
一般的なシングルファイルリストアのワークフロー(ヘルプデスクが置かれているなど、エンドユーザがリクエストするに当たって何らかの手順が用意されていることが前提)

*(ヘルプデスクが置かれているなど、エンドユーザがリクエストするに当たって何らかの手順が用意されていることが前提)

まとめ

VSC 2.0は、VMware環境でNetAppストレージを管理する場合のプロセスを、今以上に簡単にするために設計されたツールです。VSCでは、VMware管理者が必要なストレージ関連作業をすべてvCenterから実行できる(実行できる作業の範囲はストレージ管理者が設定)ため、VMware環境においてストレージ管理を困難にしている問題を効果的に解決できます。また、NetAppストレージシステムに組み込まれた性能と革新的なテクノロジもすべて活用できます。VMware管理者は、統合データ保護やクローニングによるスペース効率に優れた高速プロビジョニングを利用できるほか、重複排除機能とシンプロビジョニングを利用してVMware環境で消費されるストレージ容量を削減することもできます。これらは、すべて単一の包括的なツールで利用可能です。

 VSC 2.0についてご意見をお寄せください。

ご質問、意見交換、情報提供は、NetAppのコミュニティサイトまでお願いいたします。

Amrita Das

Amrita Das
テクニカル・マーケティング・エンジニア
NetApp

Amritaは、NetAppのストレージ管理 / アプリケーション統合ビジネスユニットに勤務しています。この業界で6年以上の経験があり、主にデータセンターの統合と仮想化を担当してきました。現在は、VMware環境に対応したデータ管理ソリューションの開発に従事しています。NetApp Webキャストに仮想インフラに関するさまざまなコンテンツを投稿しており、またNetApp Enterprise Briefing Centerや国際的なカンファレンスでプレゼンターを務めることも多々あります。

 
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