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以前の状態にデータを戻せる「スナップショット」

ある時点のデータの状態に復旧できる「スナップショット」

スナップショットは、ストレージおよびデータ管理領域において広く普及している技術の1つである。これは、その名のとおり、ある瞬間の状態を写真に撮るように、ある一時点のデータの状態を保持しておくことだ。

そうして保存されたスナップショットは、必要なときに過去のデータ状態に復旧するために利用される。ディスク故障をはじめとした致命的なストレージ障害などに備えるものではなく、誤って重要なデータを失ってしまったり、データの構成に不整合が発生したりといった場合に、適切な状態に戻すための技術である。

このスナップショットをはじめ、バックアップ関連の技術は、同じような説明がなされていても、製品によって仕組みが異なることが多い。その理由としては、これらの技術がストレージベンダー各社製品の特性に依存しており、製品ごとに採用するアーキテクチャが異なっているということが大きい。

本稿では、基本的に筆者が所属するネットアップのストレージ製品をベースに解説を進める。ネットアップ製品では、「WAFL(Write Anywhere File Layout)」という独自のファイルシステムを採用している。スナップショットが過去のデータ状態を保存する技術であると前述したが、データをまるごとコピーするわけではない。スナップショットのたびにすべてのデータをコピーしていたら、すぐにディスクスペースが一杯になってしまう。

ディスクにデータを保存する際には、データ本体に加え、データの格納場所や長さ(容量)、所有者など、保存データに関する情報を含んだメタデータ(inode)も記録される。WAFL上でスナップショットして保存されるのは、データ本体ではなく、その瞬間のinodeマップ(メタデータの一覧)である(図1)。inodeマップのデータ容量は小さいうえ、inodeマップがあれば、データ本体を保存しなくても、どこにどのようなデータが保存されていたのかを記録しておくことができるというわけだ。

スナップショットは、データ本体のコピーを残すのではなく、その時点でのメタデータを記録する
図1 スナップショットは、データ本体のコピーを残すのではなく、その時点でのメタデータを記録する


阿部恵史
ネットアップ株式会社 マーケティング部 部長
製造系企業の情報システム販社、外資系ITベンダーなどを経て2007年8月より現職。その間、企業の基幹系システムの設計・開発・導入、インターネットTV開発、UNIX系ハイエンドサーバ、クラスタシステムの導入コンサルティングなどを経験し、2002年よりマーケティング職に転身。現在もデータセンターインフラの仮想化・自動化およびグリッドソリューションを担当。

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