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Back to Basics:SnapProtect
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ネットアップの代表的なテクノロジの基礎を解説するBack to Basicsシリーズの第7弾をお届けします。

ネットアップのストレージが選ばれている理由はいくつかありますが、最も大きな理由として、Snapshot™コピーやSnapMirror®レプリケーションSnapVault®ディスクツーディスク バックアップといった統合データ プロテクション テクノロジを利用できるという点が挙げられます。DRを含め、さまざまな目的でバックアップやレプリケーションを行う際、これら機能を使用すると、処理が大幅に高速化、簡易化されます。

とは言え、特にバックアップ環境の一部でテープを必要とするお客様の中には、バックアップ アプリケーションとのより緊密な統合をご希望の方もいらっしゃいます。

こうした機能を提供するため、ネットアップは、1年ほど前にSnapProtect®管理ソフトウェアを導入し、CommVaultとの協力により、CommVault® Simpana®のコア コンポーネントをネットアップの主要なテクノロジに統合しました。この統合によって、Snapshotコピー、SnapMirror、SnapVaultの機能を活用できるだけでなく、次のような大きなメリットも得られるようになりました。

  • バックアップおよびリストア処理の高速化
  • テープの完全なサポート
  • Snapshotコピー、レプリカ、テープのカタログ化
  • VMware®やHyper-V®などの主要なアプリケーションの標準サポート
  • セカンダリ ストレージの自動プロビジョニング
  • カスケード構成とファンアウト構成
  • 柔軟なスケジューリング機能と保持機能
  • レポート機能
  • シンプルな単一コンソールによる全機能の管理

本稿では、NetApp SnapProtectの仕組み、一般的なユースケース、SnapProtectを実装するにあたってのベストプラクティスなどについて解説します。

SnapProtectの仕組み

SnapProtectには、次のような様々なコンポーネントが使用されていますが、そのほとんどは、ネットアップのテクノロジとしてよく知られているものです。

  • Snapshotコピー
  • SnapMirrorレプリケーション
  • SnapVaultディスクツーディスク バックアップ
  • FlexClone®テクノロジ(クローニングと索引付け)
  • SnapRestore®テクノロジ(ボリューム全体および単一ファイルの高速リストア)
  • OnCommand®ソフトウェア(プロビジョニングとレプリケーション。旧NetApp Operations Manager)

さらにSnapProtectには、カタログ化、調整、管理などを可能にする以下のコンポーネントも追加されています。

  • SnapProtectサーバ:Windows®、Microsoft® SQL Server®、管理ソフトウェアを実行
  • MediaAgent:SnapProtectの処理中にデータ保護ワークロードを分散化するための追加サーバ
  • iDataAgent(iDA):バックアップ クライアントにインストールするソフトウェア エージェントで、バックアップ処理時にデータの整合性を維持

SnapProtectによる処理の概略

図1)SnapProtectによる処理の概略

SnapProtectは、ほとんどの処理で、まずプライマリ ストレージ上にSnapshotコピーを作成します。非常に高速な処理ですが、これだけでデータ保護の第一段階を達成できます。Snapshotコピーはどれも、決められたスケジュールどおりにSnapProtectによって作成が開始され、完了すると、SnapProtectデータベース内に索引が付けられます。

SnapVaultまたはSnapMirrorの処理が控えている場合は、このあとNetApp OnCommandサーバに制御を渡して、割り当てられているリソース プールとプロビジョニング ポリシーを使用して必要なセカンダリ ストレージをプロビジョニングします。制御を渡されたOnCommandは、データセットを構築し、必要なボリュームをプロビジョニングして、プライマリ ストレージからセカンダリ ストレージへのベースライン転送を開始します。

テープ コピーが必要な場合にSnapProtectで選択できるオプションは次の3種類です。そのうち2つのオプションでは、Snapshotコピーと同様に、SnapProtectカタログ内に索引付けすることができます(表1を参照)。

表1)テープに関するオプション

オプション iDataAgent 索引付け
NDMPダンプ NetApp NAS NDMP iDA あり 
SMTape
(SnapMirror to Tape)
NetApp NAS NDMP iDA なし Data ONTAP® 8.0.1以降が必要
メディア エージェント経由の
ストリーミング
その他すべてのiDA あり 

SnapProtectにおける各種データのサポート

SnapProtectの具体的な処理内容は、保護するデータの種類によって若干異なります。

NASデータ:Snapshotコピーの構成要素がNASデータの場合、SnapProtectは、SnapDiff APIを使用して、Snapshotコピーのコンテンツに直接索引を付けます。このAPIは、最後にSnapshotコピーが作成されたあとで更新(作成、変更、削除)されたファイルのリストを返します。

NASデータの場合、必要に応じてディレクトリ、ファイル、qtreeをリストアしたり、SnapRestoreを使用してボリューム全体をリバートしたりできます。リストアするファイルがプライマリ ストレージのSnapshotコピー内にある場合は、Single File SnapRestore(SFSR)を使用します。セカンダリ ストレージからリストアする場合は、コピーバック処理が行われます。

LUNデータ:LUNデータに対してSnapProtect処理を行う場合、LUNにアクセスするホストにiDAが必要です。これは、書き込まれるデータの形式を認識するのがホストだからです。たとえば、NTFSはWindows File System iDAによって認識されます。

Snapshotコピーの作成では、その前に、WindowsホストのVolume Shadow Copy Serviceによってファイル システムの動作が停止します。その後、LUNのクローンが作成され、クローンを使用してLUN内部のコンテンツに索引が付けられます。

アプリケーション データ:各アプリケーションには、アプリケーション ホスト別にiDAがあり、NetApp Snapshotコピーの作成前に、各iDAがバックアップ用データベースを用意します。リストア オプションは、保護対象のアプリケーションによって異なります。サポートされるアプリケーションについては、表2を参照してください。SnapProtectによるアプリケーション データのバックアップやリストアには、NetApp SnapManager®製品は使用されません。

表2)サポートされるアプリケーション

アプリケーション サポート対象OS
Microsoft Exchange Windows
Microsoft SQL Server Windows
Microsoft SharePoint® Windows
DB2 UNIX®およびLinux®
Oracle®(RACを含む) UNIXおよびLinux
SAP® on Oracle UNIXおよびLinux

仮想マシンのデータ:SnapProtectの大きな特長は、各仮想マシンにエージェントをインストールしなくても、多数の仮想マシンを高速に保護できることです。さらに、単一ファイルのリカバリをはじめ、様々なリカバリ レベルを設定した索引を、各VMのコンテンツに付けることもできます。仮想環境でSnapProtectを利用するメリットについては、最近のホワイト ペーパーで詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

SnapProtectソフトウェアは、仮想環境の保護を担うメディア エージェントで仮想サーバ エージェント(VSA)を実行して仮想環境のデータを保護します。VSA内では、使用されている仮想化ソリューションの種類が明示されたインスタンスが作成されます。

仮想マシン検出ルールを作成すれば、新しい仮想マシンの追加と保護が自動的に実行されます。たとえば、「Datastore Affinity」検出ルールを使用すると、特定のデータストアに存在する新しい仮想マシンを自動的に保護できます。

ユースケース

SnapProtectには様々なユースケースが考えられますが、おそらく最も適しているのは、NAS、仮想環境、アプリケーションなどのバックアップとリストアでしょう。SnapProtectには、完全なカタログ化機能だけではなく、ワイルドカードによる検索が可能なシンプルなリカバリ用インターフェイスも搭載されているため、必要なファイルを短時間で識別してリストアできます。また、テープの管理機能とレプリケーション機能がすべて統合されているため、データ保護に関するニーズのほとんどに単一コンソールで対応できます。

VMware:VMware環境でバックアップとリストアを行う場合、SnapProtectは、VSAを介してvSphere®と通信し、VMwareレベルのスナップショットを作成してから、NetApp Snapshotコピーを作成します。Windows VMは、単一ファイルのリカバリとライブ参照に対応しているため、VM内のファイルを個々にリストアすることも可能です。また、NFSデータストアに格納されているVMDKにSingle File SnapRestore(SFSR)を使用すると、仮想マシン全体を素早くリストアできます。

アプリケーションのバックアップは、前のセクションで説明したようにアプリケーション エージェント(iDA)で行いますが、バックアップできるのは、インストール先がVMDKではないアプリケーションのみです。Microsoft ExchangeとSQL ServerがVMDKにインストールされている場合は、VMware VSAを介して動作を停止し、バックアップの整合性を維持することができます。

Hyper-V:Windows VMをオンラインのままバックアップするには、VSSが必要です(VMでWindows 2000が稼働している場合はオフラインにする必要があります)。WindowsおよびLinux VMでは、単一ファイルのリストアがサポートされます。

カスケード構成とファンアウト構成

特定のデータ タイプを保護する機能のほかに、SnapProtectのもうひとつの重要な特長として、カスケード構成とファンアウト構成をどちらもサポートしていることが挙げられます。このサポートにより、データ保護や、ディザスタ リカバリ(災害復旧)、コンプライアンスなどの目標を容易に達成できます。

2つの構成オプションを使用することで、必要に応じてバックアップ コピーの作成とミラーリングを完全に自動化できます。たとえば、リモート サイトへのミラーリングを行い、作成したミラーコピーをその場所(または第3の場所)にバックアップして、必要なバックアップ履歴を確保できます。バックアップデータをローカルに保存してから、保存したファイルをリモート サイトにミラーリングし、重要なバックアップの完全なコピーをローカルとリモートの両方に作成することもできます。選択肢はほぼ無限にあります。カスケード構成またはファンアウト構成の任意のポイント(プライマリ、セカンダリ、ローカル、リモート)にテープへのバックアップを追加すれば、テープ コピーが必要な場所にコピーを提供できます。

SnapProtectによる処理の概略

図2)SnapProtectによるカスケード構成とファンアウト構成のサポート

SnapProtectの使用

SnapProtectの使用を開始するにあたっては、プライマリ ストレージでData ONTAP 7.2.6以降またはData ONTAP 8.0.1以降を実行している必要があります。ソフトウェアのライセンスが必要となるのは、プライマリ ストレージ システムだけですが、MetroCluster™構成(サポート対象)を使用する場合は、両方のノードにSnapProtectのライセンスが必要です。また、SnapMirrorを使用してDRサイトにミラーリングを行い、フェイルオーバー処理後にDRサイトでSnapProtectを実行できるようにする場合は、DRサイトにもSnapProtectのライセンスが必要です。

SnapProtectライセンスのほか、SnapProtectで使用するSnapMirror、SnapVault、FlexClone、SnapRestoreといった製品のライセンスも、プライマリ ストレージとセカンダリ ストレージの両方に用意してください。また、OnCommandサーバのライセンスも必要です。

スケジューリング機能と保持機能

柔軟なスケジューリング機能と保持ポリシーを備えていることも、SnapProtectの強みです。SnapProtectでは、スケジュールを個別に作成したり、スケジュール ポリシーを作成して、各種スケジュールをグループ化したりできます。また、バックアップだけでなく、リストアやクライアントのインストールといった処理をスケジューリングすることも可能です。

SnapProtectには2種類の保持ルールがあります。基本保持ルールはすべてのバックアップに適用され、長期保持ルールは、週次や月次、年次のフル バックアップといった、長期的な保持に適用されます。この2つのルールを使い分けることで、広範なビジネス要件に柔軟に対応できます。どちらのルールも、ストレージ ポリシーを使用して設定し、プライマリのSnapshotコピーやSnapVaultコピー、テープ コピーに個別に適用することができますが、SnapMirrorコピーの場合は、プライマリ コピーの保持設定が引き継がれるため、個別に保持設定を行うことはできません。

SnapProtectの利用方法に関する詳細は、ネットアップのTR-3920:『NetApp SnapProtect Management Software: Overview and Design Considerations』を参照してください。また、NetAppコミュニティのSnapProtectスレッドでディスカッションを確認したり、質問を投稿していただくこともできます。

SnapProtectとその他のネットアップ テクノロジ

SnapProtectは、設定を変更することなく、一般的なStorage Efficiencyテクノロジ(重複排除機能やシンプロビジョニング、圧縮機能など)をはじめとする、ほとんどのネットアップ テクノロジと併用できます。

ただし、すべてのテクノロジがSnapProtectと直接連動できるわけではありません。たとえば、SnapProtectからセカンダリの重複排除機能を有効にして管理することはできますが、圧縮機能に対しては 別途管理が必要となります。

Cluster-Mode:Cluster-Modeを実行しているストレージ システムの場合、SnapProtectでは現在テープのみがサポートされます。

qtree SnapMirror:SnapProtectでは、非同期Volume SnapMirrorを使用してレプリケーションが行われます。qtree SnapMirrorはサポートされません。qtree SnapMirrorを使用する場合は、別途管理が必要となります。

まとめ

NetApp SnapProtectソフトウェアは、カタログやテープに対応する重要なデータ保護ツールです。ローカルSnapshotコピーの作成やセカンダリ ストレージへのレプリケーション(SnapVaultまたはSnapMirrorを使用)、テープへの移動を単一の管理フレームワークから管理できます。SnapProtectは、複数の環境(アプリケーション、物理、仮想)のバックアップを管理しているITチームに最適なツールです。

NetApp SnapProtectの詳細については、TR-3920:『NetApp SnapProtect Management Software: Overview and Design Considerations』を参照してください。特に、仮想環境でSnapProtectを使用する方法については、WP-7131:『仮想サーバ環境におけるNetApp SnapProtect管理ソフトウェアの活用例:バックアップ / リカバリの高速化』を参照してください。

 SnapProtectに関するご意見をお寄せください。

ご質問、意見交換、情報提供は、ネットアップのコミュニティ サイトまでお願いいたします。

Chris Blackwood
ネットアップ
テクニカル マーケティング エンジニア


ChrisはIT業界で18年の経験を積んでおり、ネットアップに入社以来、4年以上にわたって、SnapVaultやOpen Systems SnapVaultといったデータ保護ソリューションに力を注いできました。現在は、CommVaultのエンジニアリング部門や製品管理部門との調整をはじめ、あらゆる面からSnapProtectに関する業務に専任で取り組んでいます。


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  • Symantec NetBackup Replication Director—Symantec™ NetBackup™フレームワークにネットアップのSnapshotテクノロジやレプリケーション テクノロジを統合します。
  • NetApp Syncsort Integrated Backup—NetApp SnapVaultのブロックレベルの差分レプリケーションを活用して、ネットアップ製品以外の異機種が混在する環境のデータをD2D方式やD2D2T方式でバックアップします。
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