NetApp Tech OnTap
ケーススタディ:San Diego Data Processing Corp.
重複排除、シンプロビジョニング、FlexCloneによるストレージ効率性の促進

当社San Diego Data Processing Corporation(SDDPC)の職務は、市および郡のさまざまな組織のITニーズをできるだけ効率的に満たすことです。当社は1999年以来、ストレージに関しては主にNetAppでニーズに対応してきました。現在、当社で使用しているNetApp®ストレージは300 TB以上に拡大しています。

NetAppシステムを初めて購入して以来、当社は最新のNetAppテクノロジをいちはやく採用して、効率性の向上とコストの削減に努めてきました。そのため、今月号のTech OnTap特集でストレージの効率性に関する記事の執筆を依頼されたときは、日頃から頼みの綱としているいくつかの重要テクノロジが、すぐに思い浮かびました。

  • VMware®環境およびホームディレクトリでの重複排除により、最大65%のスペース節約を実現
  • 全ボリュームでのシンプロビジョニングにより、ストレージ容量を27%以上削減
  • アプリケーションテスト/開発環境でFlexClone®を使用することにより、余分なストレージを消費せずに、プログラミングのエラーから数秒で回復可能

これらのテクノロジは、単独でも組み合わせた場合でも、必要なストレージ容量の削減に役立ち、スペース、電力、冷却ニーズの削減に貢献します。

VMwareおよびホームディレクトリの重複排除

NetApp重複排除機能については、すでにTechOnTapで十分に紹介されているので、このテクノロジについての詳しい説明は省略します。当社がNetApp重複排除を高く評価している理由としては、プライマリストレージへの適用が可能であること任意のストレージプロトコル(NFS、CIFS、iSCSI、FC)と併用できることアプリケーションに対して透過的であること、すでにData ONTAP®に組み込まれているため余分な費用がかからないことが挙げられます。

各種アプリケーションの重複排除による一般的なスペース節約効果

図1)各種アプリケーションの重複排除による一般的なスペース節約効果

我々は現在、重複排除をVMware環境で使用しているほか(当社における仮想化プロジェクトについては、ケーススタディ(英語)で詳しく解説しています)、ホームディレクトリにも使用しています。VMwareに関しては、25台のVMware ESX 3.5サーバのうち19台をNFS経由でNetAppストレージに接続し、残りのいくつかのサーバはFC経由でNetAppストレージに接続しています。当社では、VMware環境の重複データを排除することで、約65%のスペースを節約しています。言い換えると、VMwareに必要なスペースは、重複排除を使用しない場合と比べて3分の1程度におさえられています。

そのほかに、5つのホームディレクトリボリュームでも重複排除をオンに設定しています。これらのボリュームでのスペース節約率は12~30%程度です。

ホームディレクトリボリュームについては、ボリュームが20%増えた時点で自動的にNetApp重複排除を実行するように設定しています。VMware環境については、データがそれほど頻繁には変化しないため、毎週日曜日の夜間に重複排除プロセスを実行しています。

いくつかの簡単なコマンドを実行すると、処理されたデータ量、重複排除が実行された最終日時、節約されたスペース量を容易に表示できます。

今後は、既存のストレージシステムのData ONTAPをアップグレードしながら、さらに多くのアプリケーション(Exchangeアーカイブなど)で重複排除を有効にする予定です。最終的には、ほとんどすべてのアプリケーションで重複排除を実行する計画です。最大のI/Oと最小限の遅延が必要なアプリケーションだけは、おそらく例外になるでしょう。とはいえ、我々が見るかぎり、パフォーマンスインパクトはほとんどありません(読み取りに関しては2~3%、書き込みに関してはゼロです)。

データセットを重複排除して、どの程度の効果を得られるかどうかが不明な場合には、NetAppのSpace Savings Estimation Tool(SSET)を使用できます。このツールは、NFSまたはCIFSボリュームをチェックし、節約できるスペース量を推定します。特定のボリュームに重複排除を実行する価値があるかどうかを判断するのに役立ちます。

あらゆる場所でシンプロビジョニング

ストレージ効率を改善するために利用しているもう1つのNetAppテクノロジは、シンプロビジョニングです。ほとんどのIT部門がそうであるように、当社のアプリケーション管理者も新しいアプリケーションを導入する場合は、必要なストレージ量をたいてい多めに見積もっています。その結果、管理者から1 TB要求されても、結局は100 GBしか必要なかったというようなことが起こります。しかし、シンプロビジョニングを使用すると、実際にストレージスペースを割り当ててコミットしなくても、管理者に1 TBのボリュームを提供することができます。そのため、当社では初日から、すべてのストレージボリュームでシンプロビジョニングを使用しています。

NetApp FlexVol®の拡大/縮小する機能とシンプロビジョニングにより、従来のストレージよりもはるかに高度な柔軟性が実現しています。ストレージ量は実際に使用される分のみが消費されることがわかっているので、管理者が要求する1 TBのボリュームを問題なく提供することができます。シンプロビジョニングされた複数のボリュームを1つのストレージシステムで使用する場合、すべてのボリュームが1つのストレージプールから必要な量だけを取り出します。

NetAppシンプロビジョニングによる効果

図2)NetAppシンプロビジョニングによる効果

ボリュームをシンプロビジョニングするときでも、実際には新しいアプリケーションのストレージ使用量が安定してきたころを見計らって、そのアプリケーションの現在の使用量プラス20~30%程度にストレージを縮小しています。この方法で、オーバーコミットを避け、特定のアプリケーションがアグリゲート内の空き容量を使い果たすことがないようにしています。

このように慎重なアプローチではありますが、シンプロビジョニングを使用すると、著しいスペース節約効果が見られます。当社で使用しているデータベースボリューム(Oracle®およびMicrosoft® SQL Server™)には、合計4.7 TBのスペースを提供していますが、実際に割り当てられているスペースは3.4 TBに過ぎません。したがって、従来型のプロビジョニングと比べてスペース所要量が約27%減少していることになります。

ホームディレクトリボリュームについては、現在のところ、シンプロビジョニングによる節約は13%と、より控えめです。というのは、これらのボリュームについては、実際の所要量に合わせてできるだけサイズを縮小しているからです。それに加えて、やや複雑な事情もあります。これらのボリュームは過去の経緯から、iSCSIを使用してWindows®ファイルサーバおよびプリントサーバにマウントするLUNとして設定されています。LUNのシンプロビジョニングもNASボリュームの場合と同じように動作します。ただし最高のメリットを引き出すには、各LUNのスペース再生を定期的に行う必要があります。この点については、Tech OnTapの過去記事に詳しい説明があります。

また、シンプロビジョニングは重複排除との組み合わせによって、優れた相乗作用が得られることも判明しています。

たとえば、当社で使用しているVMware環境の1つでは、4つのシンプロビジョニングボリューム(総容量1.8 TB)を使用する4台のESX 3.5サーバ上で、100以上の仮想マシンがサポートされています。ただし、本当に利用されているキャパシティはわずか841 GBです。実際には、プロビジョニングしたキャパシティの41%しか使用されていないことになります。

この場合、VMware環境が急速に成長しつつあることを配慮して、他の環境よりも多めに準備領域を残しています。また、NetApp SnapManager® for Virtual Infrastructure(SMVI)ソフトウェアでは、一貫性のあるNetApp Snapshot™コピーをキャプチャするプロセスの一環として、VMwareスナップショットテクノロジを使用します。VMwareスナップショットは長期間、SMVIに格納されるわけではありませんが、SMVIによって生成されるVMwareデルタファイルや、VMwareスナップショットが必要になるその他の状況に対応するために、余分なスペースを残すようにしています。

ここで注目すべき点は、重複排除によってVMwareのストレージフットプリントがすでに65%も削減されているという事実です。この容量はさらに、シンプロビジョニングによって、従来型プロビジョニングと比べて59%も削減されています。重複排除の適用範囲を広げると同時に、シンプロビジョニングとボリュームサイズの変更を活用して、さらに多くのスペースを再生できるようになると見込んでいます。

テスト/開発環境のFlexClone

当社では、NetAppストレージの効率性をぎりぎりまで引き出すための最後の手段として、SAP®のテストおよび開発環境でFlexClone®を使用しています。開発プロジェクトが佳境にさしかかると、原因不明のコード変更によってアプリケーションが壊れてしまったので、開発環境をリストアしてほしいと頼まれることが週に平均5回ほどあります。

従来のテープバックアップでは、環境内で前夜に作成されたバックアップを見つけだし、テープからリストアを実行する必要がありました。開発者は1日を棒に振り、こちらも時間が無駄になって、その分だけ開発作業が遅れる結果となっていました。NetAppシステムでは、開発用のすべての仮想マシンのSnapshotコピーを4時間おきに作成しています。リストアの依頼があった場合は、最新のSnapshotコピーから該当する開発環境を見つけだして、そのボリュームのFlexCloneボリュームを作成し、クローニングしたVMを新しい仮想マシンとして登録して再起動するだけで済みます。このプロセスはわずか数分で終わり、最小限のロス時間で開発作業を再開できます。

標準的な開発環境が約450 GBであることを考えると、ストレージの効率性が重みを増してきます。このような環境を週に5つリストアしなければならない場合、従来の方式では2 TBのスペースが余分に必要です。FlexCloneを使用すれば、余分なディスクスペースをまったく消費せずに、同じ作業を実行できます

まとめ

これらのテクノロジは、単独で使用してもストレージ効率を大幅に向上させます。前述したように、SDDPCでは重複排除によってストレージ容量を65%に削減し、控えめなアプローチによるシンプロビジョニングでも30%以上の節約を達成しています。また、FlexCloneによって余分なストレージを使うことなく迅速なリカバリを実行しています。当社の推算によると、NetAppストレージの効率性によって、全体的なストレージ購入量が少なくとも5 TB分減少しています。資本支出、運用中の管理コスト、電力、冷却と、あらゆる点で著しい節約効果が上がっています。

さらに重要なことに、NetAppテクノロジは組み合わせて使用することが可能です。重複排除、シンプロビジョニング、ボリュームのサイズ変更を使用すると、必要なストレージ容量を大幅に削減できます。ボリュームを重複排除すると、そのボリュームをNetApp SnapMirror®で複製する際にスペース節約効果が自動的に引き継がれ、ストレージスペースだけでなくネットワーク帯域幅も節約できます。

たとえば、最近実施したあるパイロットプロジェクトでは、SnapMirrorを使用して仮想マシン(重複排除済み)を別の場所に複製しました。次に、NetApp FlexCloneを使用して、複製されたすべての仮想マシンをクローニングし、災害復旧機能をテストしました。このとき、余分なストレージスペースは一切使用せず、レプリケーションスケジュールも中断されませんでした。このDR方式はまだ実用化していませんが、NetAppで提供される効率性は、他の方式と比べてコスト効率に優れている(したがって実現可能である)といえます。


Rick Scherer Rick Scherer
UNIXシステム管理者、San Diego Data Processing Corporation

Rickは2001年にSDDPCに入社して以来、Windows、ネットワーク設計、セキュリティ、SAP、VMwareなど、担当する業務以外にもさまざまな分野で専門知識を実証してきました。2006年にはVCP認定を取得し、25台のVMwareサーバと、SAP NetWeaver®、Microsoft SQL Server、Symantec™ Altiris、Citrix Presentation Serverなど、ミッションクリティカルなアプリケーションが稼働する300以上の仮想マシンで構成された、SDDPCの安定した仮想環境の導入に取り組んできました。Rickは1999年以来、NetAppシステムを使用しています。


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