NetApp Tech OnTap
SANscreenによるストレージ環境の管理手法
NetApp Innovator Summit
“逆立ちのSAN”で切り拓く新次元

ネットアップは、発想の転換ひとつで、優れた信頼性・柔軟性とパフォーマンスを両立させたSAN環境の構築を可能とするストレージソリューションを実現しました。

「NetApp Innovator Summit」では、先進的な日本でのユーザ事例や最新技術動向など、発想の転換の鍵を皆さまにご紹介いたします。

■開催日:2009年9月10日(木)
■開催場所:ザ・プリンスパークタワー東京

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現在の景気情勢では、ITの効率性を高め、コストを削減することがビジネスの絶対条件です。この目標を達成するには、サーバ、ネットワーク、ストレージの管理を効率化することが重要です。ところが、ストレージの管理ツールは、サーバやネットワーク・ドメインの管理ツールに匹敵するレベルに達していません。

ストレージ管理についての次の4つの分野は、ごく基本的と思われる問いにも、正確に答えることが驚くほど難しいのが実情です。

  • 可視性:使用できるストレージ容量が、どこに、どれくらいあるか。ストレージは変更されているか。ストレージとアプリケーションの対応関係。
  • 可用性:設定を変更した場合、どのような影響があるか。環境に冗長性はあるか。どのようなリスクがあるか。
  • キャパシティ管理と利用状況:ストレージが使用されているか。誰が使用しているか。チャージバックがある場合、誰に請求すべきか。ストレージの追加購入はいつごろ必要になるか。
  • パフォーマンス:ボトルネックはどこか。ストレージ環境を最適化およびチューニングする方法。階層化を実装する方法。

NetApp SANscreenソフトウェアの目標は、ストレージ環境に関するリアルタイム、マルチベンダー、マルチプロトコル・サービスレベルのビューを提供することによって、ストレージ管理の品質と効率性を高め、上記のような問いへの答えをすばやく見つけ出せるようにすることです。この記事では、SANscreenの一般的な使用法を含めて、SANscreenについて詳しく説明するとともに、実際の使用例をいくつか示します。

SANscreenとは

SANscreenは、ストレージをエンドツーエンド・サービスとして管理し、全体的なITサービス・デリバリ・チェーンにストレージを統合するためのストレージ管理ソフトウェア・スイートです。お客様が固有のニーズに応じて、ソフトウェアの機能を選択します。

Service Insightは、ベースラインSANscreen製品です。ストレージ環境に関する可視性(ホストからストレージまでのアクセス・パス、ストレージの可用性、および変更管理)を提供します。他の多くのストレージ管理製品とは異なり、エージェントなしで動作するService Insightは、読み取り専用、ほぼリアルタイムを特色とし、すべての主要ストレージ・プラットフォームおよびプロトコルと連携します。Service Insightは、ストレージ・デバイスとその設定を継続的に検出し、ボリューム、マッピングとセキュリティ、ネットワーク・プロトコルなどを識別します。

Service Insightテクノロジは、「サービス・パス」の概念をベースとしています。サービス・パスとは、特定のサーバ上の特定のアプリケーションと、ストレージ・デバイス上のアプリケーション・データとの関係を記述したものです。Service Insightは、ストレージ・サービスのプロアクティブな管理に必要な情報を提供し、サービス品質の向上、アプリケーション障害の防止、リカバリ時間の短縮に貢献します。利用率を改善し、トラブルシューティングの時間と労力を節約できるようにして、コストを削減します。

Service Insightには、あらゆるインベントリ情報の集中リポジトリとなる、オープンなエンタープライズクラスのデータ・ウェアハウスが含まれています。このウェアハウスを利用して、マルチサイト環境を集約し、分散型インフラストラクチャ全体のグローバルな可視性を確保し、詳細な分析およびレポート機能を活用することが可能になります。このデータ・ウェアハウスによって、Configuration Management Database(CMDB)、財務会計システム、資産管理システムなど、サードパーティ製のアプリケーションやプロセスの統合も容易になります。Service Insightのレポート機能は、重要なストレージ情報を照会/表示するための集中型ポータルとしての役割を果たし、運用に関する戦術的・戦略的な意思決定に役立ちます。

Service Assuranceは、Service Insightのサービス・パス・モデルに立脚し、ストレージを1つのエンドツーエンド・サービスとして管理します。Service Assuranceは、セキュリティ、共有、最小セッション数、最小接続数などのパラメータに基づいて、グローバル、アプリケーション、およびホストベースのポリシーを定義します。その後、このサービス・モデルに加えられた変更をリアルタイムで検証し、潜在的な問題や中断を引き起こしかねないポリシー違反がないかどうかを確認します。

Application Insightは、ストレージ環境内でファブリックおよびストレージのパフォーマンス・データをほぼリアルタイムで収集し、そのデータをアプリケーション、ホスト、サービス・パスに対応付けます。SANやストレージ・デバイスでプロアクティブに負荷分散を実行し、輻輳や競合を回避することができます。

Capacity Managerは、グローバルなストレージ・リソース割り当て、ルールベースのサービス階層管理など、キャパシティ関連のさまざまな問題について、ほぼリアルタイムの可視性を提供します。SANscreenのストレージ・データ・ウェアハウスと連携するCapacity Managerは、複数のSANscreenインスタンスから、ストレージ・システムおよびネットワーク・スイッチの関連情報を集約します。

データ・ウェアハウスによって、チャージバック、消費分析、予測など、キャパシティ関連の各種レポートを容易に生成することができます。Capacity Managerには、何十種類もの既製レポートが組み込まれているほか、柔軟なレポート作成機能が備わっているため、キャパシティ・プランニング、購買、ストレージ階層分析、ストレージ・サービス・カタログ、トレンド分析、使用履歴、監査、チャージバックなど、さまざまなニーズに対応するカスタム・レポートを作成できます。

VM Insightは、SANscreenのサービス・パス認識と変更管理機能に基づいて、仮想マシン(VM)からボリュームまで、クロスドメインの可視性を提供します。これによって、ストレージと仮想サーバ・アーキテクチャの管理がさらに簡易化されます。

SANscreenの使用

SANscreenの真価を理解していただくため、運用中のストレージに関する組織的なイニシアティブに、SANscreenがどのように対応するか、具体例をいくつか示します。

キャパシティ管理:SANscreenを使用すると、ストレージの負荷を分散し、ホットスポットを発生させずに、ストレージ・インフラストラクチャのキャパシティを最大限に活用することが可能になります。1つのインターフェイスを通じて、ホストまたはアプリケーション・レベルまでドリルダウンし、使用されているストレージ・リソース(アレイ、ディスク、ボリューム)、各リソースの利用状況、同じストレージ・リソースを使用する他のホストまたはアプリケーションとの競合の可能性を、正確に把握できます。アプリケーションごとに適正なリソースの利用と、キャパシティのプロアクティブな管理によって、ボトルネックを回避し無駄を省くことが最終目的です。

図1)SANscreenを使用すると、利用率が最低(または最高)のストレージ・オブジェクト、次のボリュームを割り当てるべき場所、別階層に移行すべき候補などをすばやく識別することができます。アプリケーション・パフォーマンスに関する、ほぼリアルタイムの、エンドツーエンドでの可視性

図1)SANscreenを使用すると、利用率が最低(または最高)のストレージ・オブジェクト、次のボリュームを割り当てるべき場所、別階層に移行すべき候補などをすばやく識別することができます。
アプリケーション・パフォーマンスに関する、ほぼリアルタイムの、エンドツーエンドでの可視性

このアプローチを使用すれば、特定のストレージ・システムに対するVM、物理ホスト、アプリケーションからの過剰な負荷や、ビジネス・クリティカルなアプリケーションと他の非クリティカルなアプリケーションとの間でリソースをめぐる競合が発生する事態を確実に防止できます。

ストレージ環境のバランスが適正かどうかを容易に判別し、利用率の低いストレージ・リソースにアプリケーションを移行して、ホットスポットを解消することが可能になります。また、新しいアプリケーションをプロビジョニングする際、最適なストレージ・リソースをすばやく識別することも可能です。

サーバの仮想化:サーバの仮想化に取り組んでいる企業では、SANscreenが提供するクロスドメインの監視機能によって、仮想マシンおよび関連するストレージがどのような状況にあるかを、1つのGUIから綿密に把握することができます。その結果、仮想マシンに対応するストレージを最大限に活用することが可能になります。

たとえば、仮想環境は動的であるため、VMが一時停止またはシャットダウンされ、そのまま放置される場合が少なくありません。このような場合、SANscreenを使用して、対応する孤立キャパシティを特定し、再要求することができます。

図2)SANscreenによって仮想環境内の孤立キャパシティを特定

図2)SANscreenによって仮想環境内の孤立キャパシティを特定

仮想環境のほかに、多数の物理サーバを運用している企業が多く見られます。SANscreenを使用すると、SAN上で生成しているトラフィックが非常に少ない物理サーバをすばやく特定できます。これらのサーバは、仮想化するのが妥当であると考えられます。

図3)仮想化の候補として適している物理サーバの特定 SANscreenを使用すると、トラフィック・データに基づいて、仮想化候補の物理サーバをすばやく特定できます。

図3)仮想化の候補として適している物理サーバの特定
SANscreenを使用すると、トラフィック・データに基づいて、仮想化候補の物理サーバをすばやく特定できます。

ストレージの階層化

階層化戦略をすでに実行している場合、SANscreenを使用して、各ストレージ階層へのトラフィック・パターンを識別すると、階層化戦略の最適化に役立ちます。たとえば、階層1のストレージに対してごく少量のトラフィックしか生成していないアプリケーションを発見した場合、そのアプリケーションは、下位の(より安価な)ストレージ階層に移行するのが適しています。そうすれば、階層1のキャパシティを、より重要なアプリケーション用に解放できます。

ある世界的なWeb企業では、この戦略を採用しています。この企業はSANscreenで発見した事実に基づいて、階層化戦略の転換に成功しました。以前この企業で採用していた2階層戦略は、75%がパフォーマンスの高い階層1のストレージ、25%がパフォーマンスの低い階層2のストレージという構成でした。しかし実際には、階層1のストレージは25%、階層2のストレージは75%という構成で十分であることが判明しました。この変更によって、高価な階層1のストレージの代わりに階層2のストレージを使用できるので、将来的にストレージ・コストの大幅な節約につながる見込みです。

図4)階層1のストレージへのトラフィックが非常に少ない

図4)階層1のストレージへのトラフィックが非常に少ない

階層化戦略をまだ実装していない企業では、SANscreenによるSANトラフィック・プロファイルやアレイ・パフォーマンスの計測値など、階層化の要件を判別するのに役立つ情報を入手できます。

コスト認識とチャージバック:SANscreenで提供される履歴レポートまたはリアルタイム・レポートに基づいて、ビジネス・ユニットやアプリケーション別のキャパシティ利用状況を把握し、ストレージ階層単位で課金することが可能になります。

図5)ストレージ・コストに関する四半期レポート(ビジネス・ユニット、アプリケーション、階層別)

図5)ストレージ・コストに関する四半期レポート(ビジネス・ユニット、アプリケーション、階層別)

移行プランニング:SANscreenを使用すると、ストレージ環境全体の物理的および論理的な表示が維持されるので、移行のシミュレーションを実行し、既存のポリシーに関連して、どのような影響があるかを確認できます。シミュレーション結果に基づいて、移行中とその後に必要なストレージ・サービスを考慮した移行プランを策定できます。

ある大手のディスカウント小売企業では、データセンターの移行プランニングのための期間を最大5ヶ月と予測していました。SANscreenの移行シミュレーション機能を利用したところ、プランニング段階をわずか2ヶ月で終えることができました。

重要なのは可視性

SANscreenの重要な利点は、マルチプロトコル、マルチベンダーのストレージ環境のあらゆる側面を、ほぼリアルタイムで把握できる可視性と監視機能です。ここでは、大手企業における実例をさらにいくつか紹介します。

  • ある大手金融機関では、非常に多様性のあるマルチベンダー・ストレージ環境を運用しています。この企業では、エージェントベースのストレージ・リソース管理(SRM)ソリューションの実装に数ヶ月を費やしました。しかし、あらゆる場所にエージェントをインストールするわけにはいかないため、この製品では、ITチームが必要としていた可視性や監視機能が提供されませんでした。SANscreenのエージェントレス・アーキテクチャなら、あらゆる場所にエージェントをインストールしなくても、マルチベンダー環境についての完全な可視性が得られます。この企業は結局、SANscreenに切り替えました。
  • 別のある金融機関では、SANscreenを使用して企業合併に対処しました。ITチームが両方の企業に存在するリソースを把握できたので、移行中に余分なストレージ・キャパシティを購入する必要がなく、その結果、ソフトウェアへの投資をわずか数週間で回収することに成功しています。
  • ある大手航空会社と大手ネットワーク会社では、SANscreenを利用して、SANのボトルネックを特定および是正しています。SANscreenでトラフィック・パターンを確認し、リソースの過不足をすばやく識別して、スムーズな運用を確保しています。

まとめ

ほとんどの企業では、キャパシティ・プランニングの見込み違いに備えるバッファ(緩衝域)として、通常30%ものストレージを過剰にプロビジョニングしているのが実情です。SANscreenを使用すると、このバッファを少なくし、過少プロビジョニングや突発的な不足を懸念せずに、コストの発生を先延ばしにすることができます。

仮想化、階層化、キャパシティ管理、移行、パフォーマンスなど、どのような問題に直面している場合にも、SANscreenが役立つ可能性があります。ほぼリアルタイムのエージェントレス動作を特色とするSANscreenは、ストレージ環境の全体像を提供し、効率性の向上、より的確な意思決定、資本コストと運用コストの削減に貢献します。


Steve CohenSteve Cohen
プロダクト・マーケティング・マネージャ、NetApp

Steveはエンタープライズ・ソフトウェアの提供で20年以上の経験があります。さまざまな規模のIT組織に所属し、アプリケーション管理、サービス管理、ストレージ管理の問題に取り組んできました。現在は、NetAppのStorage Management Software SolutionsグループでSANscreenのプロダクト・マーケティングを担当しています。


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