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エンジニアが解説するFAS6200の優れた性能

FAS3200シリーズについて私が執筆した記事に対する読者の皆様の反響が大きかったことから、FAS6200シリーズの設計についても話をして欲しい、とTech OnTap編集部から依頼を受けました。再びこうして記事をお届けできることは光栄です。

以前のFAS6000シリーズは、その発表当時、コア数が多く、従来の4倍以上に相当するメモリを搭載した非常に革新的な製品でしたが、その後さらに状況が大きく変化し、対応が必要になりました。当然のことながら、NetAppユーザはさらに高度なパフォーマンスを求め、同時に、FAS6000シリーズのリリース以降、Data ONTAP®に重複排除機能や圧縮機能などの新しい機能が追加されたことで、ストレージシステムのリソースに新たなニーズが生じ、FAS6000シリーズは、いわば二重苦の状態に置かれていました。

FAS6200シリーズでNetAppが掲げた目標は、十分な余裕のあるプラットフォームを構築して、最高のパフォーマンスを実現するとともに、重要なシステムタスクに対応することでした。また、アーカイブからIOPS負荷の高いデータベースロードまで、多様なワークロードに対応し、こうしたワークロードを同時に処理できることも目指しました。これは、例えてみれば、高級スポーツカーと小型トラックを同時に製造するようなものでしたが、素晴らしい結果を出せたと自負しています。

FAS6200シリーズ

図1)FAS6200シリーズ

FAS6200シリーズの機能全般について詳しくご存じでない場合は、Chris LuethとMukesh Nigamの最近の記事をご覧ください。FAS6200シリーズについての重要な情報が余すところなく紹介されています(各FAS6200シリーズには、対応するV6200オープン・ストレージ・コントローラ・モデルがあります。V6200シリーズを使用すると、EMC、IBM、Hewlett-Packard、日立データシステムズなどの主要なストレージベンダーのディスクアレイを管理できます)。本稿では、次のトピックに重点を置きながら、FAS6200シリーズの性能について皆様に簡単に紹介します。

  • プロセッサ / メモリコンプレックスの設計
  • I / Oサブシステムの拡張
  • 厳選された新しい耐障害性機能

プロセッサ / メモリコンプレックス

Data ONTAPのあらゆる先進的な機能のエンジンとなっているのが、メモリ / プロセッサ・コンプレックスです。NetAppでは、現在入手できるさまざまなプロセッサを調べ、最終的にIntelの4コアNehalemプロセッサと6コアWestmereプロセッサを採用することにしました。これらのプロセッサでは、NetAppの以前のプラットフォームと比較して、メモリ帯域幅をほぼ3倍にできること、また1コントローラあたりのコア数を8から12に増やせる(FAS6280の場合)ことが分かったときには、かなりの興奮を覚えたものです。また、Westmereプロセッサのリリースとほとんど間隔を置かずに、Westmereプロセッサを搭載したシステムの出荷を開始することができました。これは、NetAppとIntel®の製品スケジュールを、これまでで最もうまく調整できた例といえるでしょう。

さらに、こうした処理能力とメモリ帯域幅の向上に加えて、NetAppはプラットフォームのメモリ量も3倍に増やし、FAS6280ではコントローラあたり96 GBを実現しました。このため大きな余裕が生まれ、最高のパフォーマンスを実現するとともに、NetApp® Flash Cacheなどの新機能をサポートすることが容易になりました。新しいシステムの大半に搭載されている

Flash Cacheは、一定レベルのパフォーマンスの達成に必要なスピンドル数を75%削減し、しかも読み取り処理の遅延を大幅に短縮します。ただし、Flash Cacheは、テラバイトあたり、ページテーブル用に4 GBのシステムメモリを消費します。したがって、数テラバイトのFlash Cacheを大型システムに追加すると、大量のメモリが消費されることになります (拡張スロットも消費されることになります。この点については、次のセクションで触れます)。

新しいシステムの仕上げとして、NetAppは、Data ONTAPが書き込み要求のジャーナルに使用する不揮発性RAM(NVRAM)の設計を一新しました。NVRAM 8設計は、1 GB / 秒以上の書き込みパフォーマンスを維持します。NVRAMが、さらに小さなネットワークサイズのチャンクでデータを処理することを考えると、この水準のパフォーマンスを達成するために、NVRAMは転送を100万回 / 秒で実行しなければならないことになります。1つ1つの転送は、マイクロ秒単位でセットアップされなければならないため、高速なハードウェアだけでなく、きわめて効率的な割り込みルーチンがないと、スムーズな転送とはなりません。

I / Oの向上

NetAppストレージシステムは、一般的なサーバと比較して、コアあたり10~20倍のI / Oを処理します。単一のNetAppストレージシステムの前に配置した大規模ストレージは、最大で256コア分に相当するアプリケーション処理能力を実現します。これはきわめて高いI / O処理能力です。

NehalemプロセッサとWestmereプロセッサについて、NetAppがIntelと商談を始めた当時、両プロセッサの実装に関するIntelの標準的なリファレンス設計では、単一のI / Oチップ(IOH)しかサポートされていませんでした。NetAppでは、可能なかぎりのI / O処理能力を実現したいと考えていたため、IOHを2つサポートしてI / Oを2倍にすることをIntelに提案しました。Intelとの連携によってこの要望は現実となり、新しい設計が期待どおりに動作することが確認されました。

標準的なサーバ設計ではPCIe Gen 2レーン数が20~30であるのに対し、IOHを2つ採用したことから、PCIe Gen 2レーン数が72となりました。NetAppは、スイッチを使用してこれらのレーンをさらに分割して、FAS6280ではI / O接続数を152 PCIeレーンとし、1秒あたり72 GBを超える総内部帯域幅を実現しました。

新設計のシャーシを使用すると、PCIeスロットを4つ備えるコントローラモジュールと、PCIeスロットを8つ備えるオプションのI / O拡張モジュール(IOXM)をペアにすることができます。このため、単一のコントローラ構成では合計で12スロット、一般的なHAペアでは24スロットとなります。一方、FAS6080には、PCIxスロットが3つ、PCIeスロットが5つ搭載されていました。I / O拡張スロットに加え、FAS6200シリーズには、オンボードの8 Gb FCポート、10 GbEポート、6 Gb SASポートも多数搭載されています (表1参照)。拡張スロットを追加する必要がない場合は、わずか6Uのラックスペースに2つのコントローラ(HAペア)を搭載できる、非常に密度の高い構成を選択することもできます。

表1)新しいFAS6200シリーズの3つのモデルとFAS6080(以前のハイエンドシステム)との比較

  FAS / V6210 FAS / V6240 FAS / V6280 FAS / V6080
プロセッサコア 16 16 24 16
メモリ 48 GB 96 GB 192 GB* 64 GB
Flash Cacheの最大容量 3 TB 6 TB 8 TB 4 TB
拡張I / Oモジュール なし あり なし
最大PCIeスロット数 8 24 10
オンボード8 Gb FC 8~16 8~32 なし
オンボード10 GbE 8 8 なし
オンボード6 Gb SAS 0~8 0~24 なし
最大スピンドル数 1,200 1,440 1,176
最大処理容量 2,400 TB 2,880 TB 2,352 TB**
アグリゲート / ボリュームの最大サイズ 70 TB 100 TB 100 TB
Data ONTAP 8.0.1 8.0.1 7.2.5以上
* 実際のメモリ割り当ては、Data ONTAPのリリースによって異なります。
**Data ONTAP 8.0以上が必要です。Data ONTAP 7.x.xの場合、容量は表に示す値の半分になります。

前述のように、追加スロットをFlash Cacheに使用することができます。また、ストレージ業界ではFCディスクからSASディスクへの移行が進んでいます。そのため、SASディスクへの移行を円滑化するためには、オンボードのSASポートとFCポートを提供し、この2種類の両ポートをストレージシステムで(必要に応じて)大量に同時サポートする必要があるとNetAppは考えていました。

オンボードポートを備え、拡張スロットを追加できるFAS6200シリーズは、Cluster-Mode(C-Mode)で動作するData ONTAP 8を完全にサポートできるシステムでもあります。10 GbEポートを多数搭載できるため、ネットワークがC-Mode構成の制約となることがありません。

これまでにない耐障害性

FAS6200では、Reliability, Availability, Serviceability, and Manageability(RASM;信頼性、可用性、サービス性、管理性)機能を強化することも目指しました。まず、永続的な書き込みログを作成する新機能を追加しました。バッテリバックアップNVRAMは、約72時間持続します。新しい永続的書き込みログ機能を使用すれば、ダーティシャットダウンが発生した場合にNVRAMの内容がフラッシュメモリにデステージされ、書き込みログは無期限に保護されます。次回ブートすると、作成されたNVLOGが再生されて、システムは整合性のある状態にリストアされます。

また、NetAppは、以前のモデルで使用していたRemote LAN Module(RLM)の機能をはるかに凌ぐ新しいサービスプロセッサをFAS6200シリーズに追加しました。このサービスプロセッサは、ストレージシステムの他の部分がダウンしている場合でも動作し続け、リモート電源サイクル、ダウンしたシステムのコールホーム通知、トラブルシューティングのための常時アクセスなど、RLMのすべての機能を提供します。また、RLMの機能を超える次のような新しい機能も提供します。

  • FRUのレポートと追跡
  • 電流 / 電圧と温度を感知する高度なセンサーによるレポート
  • LEDステータスの監視と設定
  • コアダンプの強制的な作成(コントローラ上のNMIボタンの代わり)

エンジニアとして私の立場から見ると、FAS6200の耐障害性機能で最もすばらしいのは、プロセッサが動作していない場合でも、その内部にアクセスし、状態を読み出すことができる点です。コアダンプと内蔵プロセッサの状態を確認し、証拠となるデータを詳細に収集できるため、問題発生時に起きていたことを正確に理解して、修正することができます。これまでに発表してきた機能と同様に、NetAppでは、今後この機能をミッドレンジ製品やローエンド製品でも利用できるようにする予定です。

まとめ

私の先入観もあるかもしれませんが、それでもFAS6200シリーズによってNetAppは画期的な一歩を記した、と私は信じています。FAS6200シリーズは、最大でFAS6000の3.6倍のパフォーマンスを発揮します。加えて、搭載メモリ、I / O帯域幅が格段に増え、拡張機能も充実しているため、最高のパフォーマンスを実現すると同時に、データ保護、重複排除、圧縮などの重要なシステムタスクにも対応します。しかも、NetAppの他の製品ラインとの互換性も完全に保たれています。ハードウェアの信頼性をさらに高める新機能も追加されたFAS6200シリーズは、将来を見据えたプラットフォームであるため、準備が整い次第、Data ONTAP 8 Cluster-Modeに移行していただくことができます。

 FAS6200に関するご意見をお寄せください。

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Steven Miller

Steven Miller
シニア・テクニカル・ディレクター兼プラットフォーム・アーキテクト
NetApp


Stevenは6年近くにわたり、NetAppのプラットフォーム・アーキテクトを務めています。以前はFAS3100、FAS3200、FAS6200シリーズに加え、Performance Acceleration Module(PAM)とFlash Cache(PAM II)の開発に携わっていました。また、NetAppエンジニアリング部門において、国家安全保障局(NSA)、国家地球空間情報局(NGA)、中央情報局(CIA)との交渉役も担っています。Stevenは現在、複数のIEEE団体と業界団体に参加しています。また、ストレージとハイパフォーマンス・コンピューティングの分野で23件の特許を取得した実績があり、現在も19件の特許を出願中です。



 
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2010年11月に、NetAppはData ONTAP 8.0.1と新しい2つのハードウェア・プラットフォームをリリースしました。詳細については、以下のTech OnTapの記事よりご覧いただけます。

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