NetApp Tech OnTap
NetAppとCisco:データセンターの仮想化
~柔軟でシンプルな仮想化ソリューションの実現~

企業のデータセンターは今、転換期を迎えています。サーバ仮想化テクノロジによって、サーバとアプリケーションのプロビジョニング方法が変わると同時に、作業負荷が様変わりし、ストレージ需要が増大しています。このようなデータセンターの転換期に、ユニファイド・コンピューティングおよびユニファイド・ストレージという概念が注目を集めています。Ciscoは2009年3月、コンピューティング、ネットワーキング、および仮想化を1つのプラットフォームに統合するUnified Computing System(UCS)およびアーキテクチャを発表しました。その直後にCiscoはNetAppとのパートナーシップを発表し、Cisco UCSをNetApp®ユニファイド・ストレージ・アーキテクチャの高度な機能と組み合わせ、ダイナミック・データセンターへの完全かつ導入しやすい仮想化ソリューションを作成する方針を示しました。

この記事では、このソリューションの技術的なハイライトを紹介します。技術的な詳細およびアプリケーションについては、最近公開された共同ホワイトペーパー(PDF)を参照してください。

仮想化ダイナミック・データセンター

現在のデータセンター・アーキテクチャは、異機種のサーバおよびストレージ・システムで構築された複雑な集合体です。そのため、利用率の低さ、限られたリソースという弊害が生じているだけでなく、管理には、複数のプロビジョニング・ツールセット、データ管理モデル、管理チームが必要です。また、データ容量の増加、厳しい景気状況、電力/冷却/スペースの物理的な限界といった条件が加わり、ITスタッフは非常に苦しい立場に追い込まれています。

CiscoとNetAppは、ネットワークとアプリケーションを可能な限り効率よく連携させる、総合的なアプローチの共同開発に取り組んできました。このコラボレーションの最大の目標は、データセンターにおける(データセンター間での)コストの削減、俊敏性の向上、ビジネスの拡大です。

これらの目標は、次の要素によって達成されます。

  • 全体的なデータセンター・アーキテクチャの簡素化
  • 管理に付随する複雑性の軽減
  • コストがまったくかからないプロビジョニングの実現
  • NetAppストレージの効率性、データ保護、可用性テクノロジの活用

データセンター・アーキテクチャの簡素化

このジョイント・ソリューションでは、データセンターはたった2つの要素で構成されます。つまり、演算能力、仮想化、ネットワーキングを提供するCisco UCSと、データ・ストレージおよび関連するストレージ機能(データ保護、レプリケーションなど)を処理するNetAppユニファイド・ストレージです。

Cisco UCSは、ネットワーク内のアクセスレイヤ・スイッチの数を減らすとともに、標準のIPプロトコルおよびFibre Channel over Ethernet(FCoE)をサポートするユニファイドI/Oファブリックに、コンピュータ・リソースを統合します。固定的なI/O構成による制約を取り除くため、サーバ単位で必要な接続を提供するようにソフトウェアを通じて変更可能なI/Oアーキテクチャを採用しています。NetAppのユニファイド・ストレージ・アーキテクチャは、ネイティブFCoEを含む複数のプロトコルをサポートすることで、投資を無駄にせず、柔軟性とシンプルな設定を実現します。

図1)CiscoとNetAppによる簡素化されたデータセンター・アーキテクチャ

図1)CiscoとNetAppによる簡素化されたデータセンター・アーキテクチャ

管理オーバーヘッドの削減

データセンターでは一般に、非常に多数の管理インターフェイスを取り扱う必要があります。このジョイント・ソリューションでは、わずか2~3のツールでデータセンター全体を管理することができます。

Cisco UCS Managerを使用する場合、UCSのあらゆる要素を、統一された冗長なリソース・プールとして管理し、オンデマンドで構成することが可能になります。ネットワーク・ファブリックに組み込まれたマネージャが、インストールされたリソースを自動的に検出し、インベントリに追加したうえで、サーバとI/O接続を自動的にプロビジョニングします。その結果、新しいサーバ・インスタンスを数時間や数日ではなく、わずか数分で利用できるようになります。

NetAppは、SANscreen®およびProvisioning Managerで、データ・ストレージとデータ管理の統一を実現しています。SANscreenは、データセンターの自動化をストレージまで拡張し、ストレージ環境について、サービス別にリアルタイムかつマルチプロトコルのビューを提供します。Provisioning Managerは、新しいストレージ・リソースを迅速に作成し、キャパシティ管理を効率化するとともに、ポリシーベースの自動的かつ反復可能なプロビジョニング・プロセスを実行できるようにします。

コスト“ゼロ”のプロビジョニング

Cisco UCSは、NetAppストレージから直接ブート可能であり、仮想環境とアプリケーション・データに1つのストレージ・システムを利用します。NetApp FlexClone®を使用して、OSとアプリケーションの「ゴールデン・イメージ」を作成し、Cisco UCSプラットフォーム上での新しい展開用にこれらをクローニングできます。これらのクローンは、変更がない限り追加のスペースを一切必要とせず、変更があった場合にのみ、その分だけストレージ・スペースを消費します。Cisco UCSのプロファイルと、FlexCloneボリュームの即時性を組み合わせて、貴重なコンピュータ・リソースやストレージ・リソースを無駄にせず、完全に検証済みのアプリケーション環境を、わずか数分でセットアップすることができます。このアプローチの基本概念については、Tech OnTapの過去の記事で説明されています。

NetAppストレージの効率性、データ保護、可用性の活用

CiscoとNetAppソリューションの強みは、ストレージ効率を高める、各種の実績あるNetAppソリューションを活用できる点です。具体的には、前述したNetApp重複排除(現在3万7,000以上のストレージ・システムで稼働中)、シン・プロビジョニング、NetApp Snapshot™コピー、FlexCloneがあります。データ保護と可用性のためのオプションとしては、Snapshotによる瞬時のポイントインタイム・コピー、NetApp SnapVault®によるディスクベース・バックアップ、NetApp SnapMirrorによるリモート・レプリケーションがあります。

詳細情報

NetAppとCiscoによる仮想化ダイナミック・データセンターについて、メリット、利用例、各構成要素に関する技術説明など、さらに詳しい情報をご希望の方は、ホワイトペーパー(PDF)をご覧ください。


Mike McNamaraMike McNamara
プロダクト・マーケティング担当シニアマネージャー、NetApp

MikeはIT業界のマーケティング領域で20年のキャリアを有し、そのうち15年間はストレージを専門としてきました。Adaptec、EMC、Hewlett Packardでの勤務を経てNetAppに入社、以来3年以上にわたり活躍。現在はFibre Channel Industry Association(FCIA)でマーケティング議長も務めています。


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