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NetApp Innovation 2011 Tokyo
イベントレポート 基調講演編


ネットアップ株式会社は、2011年2月23日に、東京 恵比寿のウェスティンホテル東京において、「ユニファイドストレージで革新するクラウドの未来」をテーマとした技術者向けカンファレンス「NetApp Innovation 2011 Tokyo」を開催しました。NetApp Innovation 2011 Tokyoでは、これからますます広がるクラウド環境に最適なストレージソリューション、NetApp製品を組み合わせた国内のユーザ事例、これから注目したい最新の技術トレンドなどを披露しました。また、NetApp製品の新機能を紹介するショーケース、スポンサー企業による最新ソリューションの展示も行われ、次世代クラウドを実現する革新的な技術やソリューションをいち早く体感できる貴重な一日となりました。なお、本イベントは当初700人の定員を想定していましたが、事前登録を済ませた方は実に1500人以上にものぼり、当日の会場にも当社の予想を大きく上回る多くのお客様が足を運んで下さいました。

受付のご案内
受付のご案内

イベントの開催に先立ち、午前中には3部構成による豪華な基調講演が開催されました。ここでは、NetApp製品によって大きな成功を収めている国内企業のITリーダーをゲストとして迎えたトークセッション、ネットアップ技術部門の責任者による製品アップデート、米国エグゼクティブによるNetAppのビジョン解説などが行われました。今回は、この基調講演の模様をお届けしていきます。

基調講演の様子
基調講演の様子


基調講演-1
国内のITリーダーに聞く、NetApp製品がビジネスにもたらす価値

best of breedの時代だからこそ多くのお客様が注目するNetAppのソリューション

米国ネットアップ バイス・チェアマンのトム・メンドーザ

米国ネットアップ バイス・チェアマン
トム・メンドーザ

ネットアップ株式会社 代表取締役社長のタイ・マッコーニー

ネットアップ株式会社 代表取締役社長
タイ・マッコーニー


基調講演 第1幕では、米国ネットアップ バイス・チェアマンのトム・メンドーザが登壇し、来場者の皆様に開会の挨拶を行いました。メンドーザは、ネットアップ株式会社 代表取締役社長のタイ・マッコーニーを壇上に呼び、NetAppの現状についてはマッコーニーからさまざまな報告がありました。ここでは、2011会計年度の売上高が過去最高の50億ドルに達する見込みであること、また日本法人(ネットアップ株式会社)としては、直近3四半期ですでに過去最高の売上高を達成し、年間成長率も30%を超えていることが伝えられました。2010年には、日本における「働きがいのある会社」ランキングにも初めて参加しましたが、「従業員250人未満」の部門で8位にランクインしています。

次に、企業が抱えているITの課題について説明がありました。多くの国内企業は、グローバル戦略の一環として海外に拠点を持ったり、オフショア開発や海外生産を積極的に進めています。結果として、企業の重要なデータもさまざまな地域に分散され、ITガバナンスの確立が困難になりつつあります。そして、変化の大きな昨今では、不確実な未来にも的確に対応できる『Future Ready』なITインフラが求められます。特にストレージに視点を置くと、爆発的に増え続けるデータへの対応、企業の柱となりつつあるIT as a Serviceやクラウドコンピューティングへの対応、グリーンITにつながるストレージの効率化などがポイントになります。NetAppは、こうした数々の要件に応えるストレージ製品やソリューションを開発するため、研究開発に対する積極的な投資を続けています。

過去をさかのぼれば、ストレージシステムは、サーバやネットワーク機器とともに一括して調達するスタイルが一般的でした。しかし近年では、特に優れたもの同士を組み合わせる『best of bleed』の時代が到来しています。このような中で、多くのお客様がNetAppのストレージシステムを積極的に採用しています。今回は、日本国内でNetApp製品を最大限に活用している3社のエグゼクティブをお迎えし、ITリーダーという立場から、企業が抱えるITの課題やNetApp製品がもたらす価値などを語っていただきました。

お客様と共に成長を続けるNetApp
図1)お客様と共に成長を続けるNetApp


株式会社三菱東京UFJ銀行
統合バックアップとIaaS型プラットフォームで数多くのNetApp製品を採用

株式会社三菱東京UFJ銀行 専務取締役 根本武彦様

株式会社三菱東京UFJ銀行 専務取締役 根本武彦様

最初のゲストとして、株式会社三菱東京UFJ銀行 専務取締役の根本武彦様が登壇されました。三菱東京UFJ銀行は国内最大手の総合金融グループで、預金残高、貸出残高ともに国内三大金融グループでトップに位置しています。同行は、2004年からNetApp製品を本格的に導入し、現在では主に統合バックアップシステムとIaaS向けの統合ストレージとしてNetApp製品を活用しています。特に同行のシステム開発を支えるIaaS型プラットフォームは、もともと開発環境のみで採用されていましたが、現在では本番環境にも広く展開されています。根本様は、同行の重要なITシステムでNetApp製品を採用した理由について「技術の先見性と先進性、世界標準をマーケットメイクする力、品質の経済性のバランス、全体を俯瞰した提案力、豊富な品揃えでありながらシンプル」と答えています。

近年、同行が抱えている主な課題は、New Normal(新たな常識)という言葉に代表されるような世界経済の大きな変革に対応できる体制を確立することです。根本様は「『何時、何処で、誰が、何を』を迅速に把握・予測して能動的に行動するためにも、システムインフラの拡充やデータインフラの高度化が不可欠です」と述べています。ストレージに関しては、Big Data(急増する構造化・非構造化データ)に向けた挑戦、そしてデータそのものの利活用が大きな焦点となります。例えば、データの利活用を進めるものとして、EBM(Event Based Marketing)やアルゴリズム・トレーディング、アンチ・マネーロンダリングなどのアプリケーションを開発しています。また、先進的な取り組みとして、大型分散並列処理やストリーム・コンピューティングなどの研究開発も進めています。

根本様は、NetAppに対する要望として「当行には既存のIT資産が数多くありますし、これからも間違いなく増え続けます。ストレージシステムはすでにペタバイト級に達していますが、いうまでもなく当行にとって非常に重要なIT資産です。NetAppには、ぜひともユーザの資産をしっかり保護できるような製品とサービスを提供していただきたいと思っています。また将来的には、画面を介した対面取引などで、映像や音声といった非構造化データを扱う機会が増えてくると予想しています。こうした大量の非構造化データを容易に扱えるストレージ製品もさらに充実していただきたいです」と語っています。


郵便事業株式会社
国内最大規模の統合データベース基盤でNetApp製品を採用する計画

郵便事業株式会社 CIO 執行役員 大角和輝様

郵便事業株式会社 CIO 執行役員 大角和輝様

2人目のゲストとして、郵便事業株式会社 CIO 執行役員の大角和輝様が登壇されました。郵政事業株式会社は、2007年10月の民営化・分社化によって誕生した企業で、日本郵政グループの中では主に郵便事業と物流業を担当しています。同社は、すでに先頭を走っていた民間の運送会社に追いつくために、業務のIT化を急速に進めてきました。同社のITシステムは、全国2万4000の郵便局で扱われる記録郵便物や宅配物のトラッキングシステムをはじめ、車両管理システム、物流系システムなど、さまざまな大規模システムから構成されます。大角様は、その規模感を伝える一例として「秒間3,000トランザクション以上の処理をこなす国内最大規模のデータベースシステムが含まれます」と述べています。

同社は、これまで個々に構築されてきたシステムをひとつに統合する共通基盤の実現に向けて取り組んでいる最中です。データベースにはOracle Database、ストレージシステムにはNASを組み合わせた次世代インフラを目指しています。そして、そのメインストレージとしてNetApp製品を採用する計画です。大角様は、NetApp製品を選択した理由について「他社製品と比べてコストパフォーマンスが優れている点を高く評価しています。また、当社のITシステムは、基本的にマルチベンダーで構成されていますので、システム検証時の接続テストなどに手間がかかります。NetApp製品なら、こうした検証工程の手間を軽減でき、カットオーバーまでの期間も短縮可能です」と説明しています。


ソフトバンクテレコム株式会社
VMwareとNetAppを組み合わせたシェアードHaaSサービス『ホワイトクラウド』

会場にて

ソフトバンクグループ各社 取締役専務執行役員
兼 CISO 阿多親市様

最後のゲストとして、ソフトバンクグループ各社で取締役専務執行役員 兼 CISOを務めている阿多親市様が登壇されました。ソフトバンクグループでは、2000年に設立されたソフトバンクBB株式会社がADSLや光接続サービスを開始したことを皮切りに、2004年に設立されたソフトバンクテレコム株式会社が固定電話関連のサービスやデータ通信事業を、2006年に設立されたソフトバンクモバイル株式会社が携帯電話やスマートフォンなどのモバイル事業をそれぞれ手がけています。近年では、競争力のあるビジネスを展開するために、グループ全体での徹底した体質改善に取り組んでいます。これに伴い、生産性向上、コスト削減、売上拡大などを目指した、次世代ITシステムを急ピッチで構築しています。

同グループは、約3年をかけて物理サーバの大胆な統合やデスクトップ仮想化を推し進めてきましたが、そのときのノウハウを生かして作られたHaaSサービスがソフトバンクテレコムの『ホワイトクラウド』です。ホワイトクラウドの上位サービス(シェアードHaaSプレミアムやプライベートHaaS)は、VMwareとNetApp FASシステムを組み合わせたプラットフォームを採用し、高いコスト効率と優れた柔軟性を達成しています。ソフトバンクテレコムは、このホワイトクラウドを通じて、国内では初、世界でも7番目となるVMware vCloud Datacenter Services認定サービスプロバイダとなっています。

阿多様は、社内システムやホワイトクラウドを支えるNetApp FASシステムについて「競合他社よりも納期が早いため、スピード感のあるビジネスに貢献しています。これまでさまざまなベンダーのストレージ製品を採用してきましたが、『ユニファイド』を標榜するNetApp FASシステムは、運用管理の面でも統一感があってとても扱いやすいという印象です。また、新しいマルチテナント機能は、ホワイトクラウド上でお客様同士の環境をセキュアに分離でき、サービス品質の向上につながります」と感想を述べています。


基調講演-2
NetAppが提供する共有ITインフラのための最新ソリューションを紹介

古くから首尾一貫してユニファイド・アーキテクチャを採用し続けてきたNetApp

ネットアップ株式会社 技術本部 本部長 近藤正孝

ネットアップ株式会社 技術本部 本部長 近藤正孝

基調講演 第2幕では、ネットアップ株式会社 技術本部 本部長の近藤正孝が「テクニカルアップデート IT競争力向上を支援するNetAppのポートフォリオの今」と題して、ネットアップが提供する最新ソリューションをご紹介しました。

ネットアップは、2010年11月に、共有ITインフラを実現する数多くの新製品を発表しています。その中核となる製品が新世代のNetApp FASシステムです。ミッションクリティカルな用途に向けたハイエンドモデルはNetApp FAS6200シリーズ/V6200シリーズに、コスト効率を重視したミッドレンジモデルはNetApp FAS3200シリーズ/V3200シリーズに入れ替わり、ストレージの基本性能と拡張性が従来モデルの約2倍に向上しています。また、ディスクシェルフとして、高密度のドライブ配置が可能な2.5インチSASドライブ向けのDS2246ディスクシェルフが追加され、既存のDS4243ディスクシェルフではアクセス性能が高速なSSDが新たにサポートされました。

NetApp FASシステムは、ローエンドモデルからハイエンドモデルに至るまで、すべて共通のハードウェア・アーキテクチャとストレージOS(Data ONTAP)を採用しています。このような真のユニファイド・アーキテクチャによって、統一感のある製品ラインナップの中から、ユーザのシステム規模やワークロードに応じて適切なモデルを選択できます。最近では、ユニファイドという言葉を使用するベンダーが増えつつあります。NetAppは古くからユニファイド・アーキテクチャを採用してきましたが、その考え方が間違っていなかったことを示す証拠ともいえます。NetAppは、製品ライン全体でユニファイド・アーキテクチャを採用し、すでに長年の実績を誇ります。こうしたNetAppならではの取り組みは、最近になってユニファイドを提唱し始めた他社とは一線を画しています。

共有ITインフラを実現する新製品
図2)共有ITインフラを実現する新製品


さまざまな新機能が追加された最新のストレージOS『Data ONTAP 8.0.1』

新世代のNetApp FASシステムには、ストレージOSとして最新のData ONTAP 8.0.1が標準で搭載されています。Data ONTAP 8は、これまでの主力OSだったData ONTAP 7Gと、主にHPC(High Performance Computing)用途で採用されているスケールアウト型アーキテクチャのData ONTAP GXをソースコードレベルで統合し、同時にさらなる機能強化を図った最新バージョンとなります。動作モードとして、Data ONTAP 7Gと同様のストレージ構成がとれる7-Modeと、スケールアウト型のストレージ構成をとれるC-Modeの2種類が用意されています。また、OSの64ビット化によって、ディスクドライブのアグリゲートサイズが約100TB(理論最大は16EB)にまで拡張されています。

Data ONTAP 8.0.1では、データ圧縮機能、データの透過的な移動をサポートするNetApp® Data Motion for Volumes、シンプルなケーブリングを実現するUnified Connectなど、いくつかの新機能が追加されています。データ圧縮機能は、ディスクにデータを書き込む際に、ファイルデータとLUNデータをインライン方式で圧縮する機能です。データ圧縮機能を使用すると、データ重複排除機能(NetApp Deduplication)では削減できなかったデータセット内のスペースも削減可能です。これにより、圧縮機能と重複排除機能の両方を併用することで、さらに多くのスペース節約につながります。

NetApp® Data Motion for Volumesは、システムを停止させることなく、同一のコントローラ上に構成されたアグリゲート間でボリュームを丸ごと移動させる機能です。データの移動中や移動後でも継続的にアクセスが可能なので、ダウンタイムはまったく発生しません。このデータ移動機能は、アクセス性能や保管コストを最適化するためにデータを別のストレージ階層(FC、SAS、SATA、SSD)に移動させたり、古いディスクドライブを新しいモデルに交換したりするときに役立ちます。

Unified Connectは、NetApp FASシステムに装着されたNetAppユニファイド・ターゲット・アダプタ(UTA)を通じて、FCP、iSCSI、NFS、CIFS、FCoEなど、すべてのストレージプロトコルを単一のケーブルでやり取りできるようにする機能です。インターコネクト技術には、10Gbit Ethernetに基づくロスレス設計の高速インタフェースが使用されます。NetApp FASシステムは、1台の筐体であらゆるストレージプロトコルを同時にサポートするマルチプロトコル設計をいち早く採用しましたが、Unified Connectによってケーブリングも簡素化され、システム構築や構成の変更がさらに容易になります。現在、この機能を提供できるストレージベンダーはNetApp以外にありません。

強化されたData ONTAP 8.0.1でさらなる価値を実現
図3)強化されたData ONTAP 8.0.1でさらなる価値を実現


ストレージの運用管理をシンプルにするNetApp® OnCommand™ 管理ソフトウェア

近年では、IT投資の約7割が運用保守に費やされています。限られたIT投資を企業の成長へと振り向けるには、運用管理コストを徹底的に削減する必要があります。NetApp FASシステムは、真のユニファイド・アーキテクチャによってシンプルな運用管理を実現し、運用管理コストの削減に寄与します。さらに、ストレージ管理ツールとしてNetApp® OnCommand™ 管理ソフトウェアを併用することで、その効果を最大限に高められます。NetApp OnCommandは、これまで個々に提供されていた運用管理ツールをひとつに統合した管理スイートで、制御、自動化、分析という3つのサイクルをすべてカバーします。

NetApp OnCommandは、ビジネスの要件に合わせてストレージシステムを制御する「System Manager」「Operations Manager」「My AutoSupport™」、運用管理の自動化を支援する「Provisioning Manager」「Protection Manager」「SnapManagerシリーズ」「SnapDriveシリーズ」、ストレージの稼働状況を把握・分析する「SANscreen®」「Performance Advisor」などから構成されます。そして、今後も新たな管理ソフトウェアが随時拡充されていきます。例えば、2011年1月に買収したAkorri Networksの「BalancePoint」もNetApp OnCommandに統合される予定です。このBalancePointは、仮想環境におけるパフォーマンスの監視と最適化を可能にするソフトウェアです。

NetAppは、運用管理のためのインタフェースを標準化する活動も積極的に推進しています。このNetApp オープン・マネジメント・インタフェースをサポートする仮想化ソリューションやサードパーティ・ベンダーの運用管理ツールなどと密接に連携することで、データセンター全体でのオーケストレーション・フレームワークが構成されます。NetApp FASシステム単体ではストレージの効率化にとどまっていましたが、ITシステムを構成する数多くのベンダーが連携することで生まれる新しいオーケストレーション・フレームワークによって、サービス全体での効率化が実現されます。

NetApp OnCommand:サービス効率への最適化
図4)NetApp OnCommand:
サービス効率への最適化

ストレージ効率化とサービス効率化の実現
図5)ストレージ効率化とサービス効率化の実現



NetApp、VMware、Ciscoとの協業によって生まれたFlexPod for VMware

NetAppは、これからますます重要性が高まっていく共有ITインフラを容易に構築するためのソリューションとして、VMware、Cisco Systemsとの協業による検証済みの仮想インフラ『FlexPod for VMware』を提供し始めました。FlexPod for VMwareは、仮想化ソリューションとしてVMware vSphereおよびvCenter、物理サーバとしてCisco Unified Computing System Bシリーズ、ストレージとしてNetApp FASシステム、サーバとストレージ間を接続するスイッチ製品としてCisco Nexusファミリを採用しています。お客様のニーズにあった共有ITインフラを一から設計するのではなく、FlexPod for VMwareによるテスト・検証済みの基本構成をお客様のニーズに合わせて最適化するという手順がとられます。お客様は、FlexPod for VMwareを通じて、最先端の仮想インフラを、よりスピーディに、そしてより低コストに構築できるようになります。

FlexPod for VMware
図6)FlexPod for VMware 三社共同で設計・検証し、基本構成済みのソリューション


基調講演-3
本社エグゼクティブが次世代クラウド時代に向けたNetAppのビジョンを紹介

大量のデータが次々と生み出される『Big Data』の時代が本格的に到来

米国ネットアップ CTOオフィス クラウド統括担当CTO ヴァル・バーコヴィッチ

米国ネットアップ CTOオフィス クラウド統括担当CTO
ヴァル・バーコヴィッチ

基調講演 第3幕では、米国ネットアップ CTOオフィス クラウド統括担当CTOのヴァル・バーコヴィッチが、ますます重要度が高まっているクラウドコンピューティングの最新動向と、これからのクラウド時代に向けたNetAppのビジョンについて解説しました。なお、NetAppが2011年に入ってお客様やパートナー企業と将来のビジョンを共有したのは、本イベントが世界で初めての機会となりました。

現在、データセンターの内部は、近年構築された仮想インフラと昔ながらの物理サーバ群が混在した状態となっています。3~5年後には、仮想インフラの割合が大きく高まり、物理サーバ群は縮小していきます。そして、5~10年後には、仮想インフラがデータセンターの中で大きな割合を占めるようになり、多くのアプリケーションが仮想化された共有ITインフラの上で運用されます。ただし、ミッションクリティカル・アプリケーションや仮想環境への移行が困難なレガシー・アプリケーションもあることから、こうした特定の用途向けに少数の物理的なシステム環境が残るものと予想されます。

そして近年、ITに大きな影響をもたらしているものには、モバイル端末、ソーシャルネットワーク、クラウド、オンラインゲーム(分析・ゲーム理論)、ビデオやユニファイド・コミュニケーション(UC)といった5つの要素が挙げられます。ここでは、数多くの機器がネットワークに常時接続され、その中で数多くのユーザが画像や音声、ビデオなどをリアルタイムにやり取りしています。結果として、大容量データが次々と生み出される『Big Data』の時代が本格的に到来しています。

アーキテクチャが混在しながら進化するIT
図7)アーキテクチャが混在しながら進化するIT


膨大な数のモバイル機器から接続される第2世代クラウドの時代へと突入

エンタープライズITの世界は、いくつかのトレンドを経て現在に至っています。1990年代には、顧客に最適化されたエンタープライズ・アプリケーションの開発が盛んに行われていました。その後、PeopleSoftやSiebel、SAPなど、パッケージ・アプリケーションを活用する形に移り変わっていき、標準化されたソフトウェア環境が重視されるようになりました。ただし、いずれもクライアントサーバ・モデルに基づくものであり、これらのアプリケーションを利用するクライアントはPCがほとんどでした。

21世紀に入ってからは、ソフトウェアの最適化や統合によってコストの削減やアジリティ(俊敏さ)の向上を目指す動きが活発化しました。そのひとつがIT as a Serviceといった言葉に代表される基盤サービスの興隆です。その多くは、サーバ仮想化技術によって共有ITインフラを構築しています。バーコヴィッチは、これを第1世代クラウドと定義しています。近年では、さらにアプリケーションを利用するクライアントの主役が、PCからスマートフォンなどのモバイル機器へと移行しつつあります。膨大な数のモバイル機器が常にネットワークに接続され、リアルタイムに情報を交換しています。

このような新しいスタイルに対応するアプリケーション・プラットフォームも次々と登場しています。例えば、Apache Cassandra、Apache Hadoop、MongoDBなどが代表例として挙げられます。これらは、大量の情報を並列的に処理する新しいタイプのデータベース(NoSQL)であり、スケールアウト型のコンピューティング技術として位置付けられます。先進的な企業は、こうした次世代のアプリケーション・プラットフォームに加え、Microsoft Windows Azure、Amazon Web Service(AWS)、Goggle Appsなどの新しいホスティング・プラットフォームを有効に活用しています。このような新世代のプラットフォームは、ネットワークに常時接続されている膨大なモバイル機器に対して最適化されたものです。バーコヴィッチは、これを第2世代クラウドと定義しています。

ITにおける変化の波
図8)ITにおける変化の波


ユニファイド・プラットフォームの採用がこれからの成功の秘訣となる

近年、多くの企業がコスト削減のために共有ITインフラを構築していますが、これまでのインフラはスケールアップしか考慮されていないものがほとんどでした。今後は、Big Data時代という新しい潮流に対応するため、スケールアップだけでなくスケールアウトにも対応可能な共有インフラが求められます。そして、多くのユーザは、これまでストレージのスケーリング手法として容量の増設だけに視点を置いてきましたが、今後はパフォーマンスや運用上のスケーリングにも配慮しなければなりません。例えば、ディスクドライブ(HDD)だけでなく、フラッシュメモリやSSDによるパフォーマンス強化も視野に入れながらシステムを設計する必要があります。

バーコヴィッチは、「10年ほど前には、ネットワークがコンピュータの中核的な存在(Network is computer)だといわれていました。それは、ネットワークがコンピュータ業界の中でさまざまな革新を起こしたからです。しかし、これからの時代はデータセンターこそがコンピュータ(Data center is computer)です。そして、システムの自動化、簡素化されたインタフェースやポリシー設定、さらにはBig Dataや膨大なトランザクションにも耐えられるスケールアウト型のデータセンターが求められます。こうした次世代のデータセンターを実現するには、ユニファイドなコンピューティング、ユニファイドなネットワーキング、そしてユニファイドなストレージの組み合わせが不可欠となります。NetAppは、このようなユニファイド・プラットフォームをストレージの側から力強く牽引する役割を果たします」と述べ、午前中の基調講演を締めくくりました。

スケーリング:三次元の要素
図9)スケーリング:三次元の要素

 
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