NetApp Tech OnTap
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NetApp Innovation 2011 Tokyo イベントレポート
技術セッション・ショーケース編

ネットアップ株式会社は、2011年2月23日に、東京 恵比寿のウェスティンホテル東京において、「ユニファイドストレージで革新するクラウドの未来」をテーマとした技術者向けカンファレンス「NetApp Innovation 2011 Tokyo」を開催しました。NetApp Innovation 2011 Tokyoでは、これからますます広がるクラウド環境に最適なストレージソリューション、NetApp製品を組み合わせた国内のユーザ事例、これから注目したい最新の技術トレンドなどを披露しました。また、NetApp製品の新機能を紹介するショーケース、スポンサー企業による最新ソリューションの展示も行われ、次世代クラウドを実現する革新的な技術やソリューションをいち早く体感できる貴重な一日となりました。なお、本イベントは当初700人の定員を想定していましたが、事前登録を済ませた方は実に1500人以上にものぼり、当日の会場にも当社の予想を大きく上回る多くのお客様が足を運んで下さいました。

受付のご案内

午前中の基調講演に続き、午後にはスポンサー企業やNetAppのスタッフによる技術セッション、スポンサー企業の最新ソリューションやNetApp製品の新機能を紹介するショーケースなどが設けられました。また、イベント終了後には、1日会場を盛り上げた社員一同と今回のイベントでご協力いただいたパートナー企業の方やエンドユーザの皆様をお招きしての懇親会を開催しました。ここでは、NetAppとパートナー企業による共同セッションを中心に、ショーケース、ミニシアター、懇親会の模様をお届けします。

会場の様子

 NetApp Innovation 2011 Tokyo イベントレポート 基調講演編

NetAppとパートナー企業との合同セッション B-1
FCoEによって実現する真のインフラ統合

ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社(以下、ブロケード)は、ネットアップと合同で「FCoEによって実現する真のインフラ」と題した技術セッションを開催しました。ここでは、インフラ統合でキーワードとなるFCoEの仕組みとメリット、FCoEをサポートする同社のスイッチ製品とNetAppが提供するUnified Connectとの組み合わせ方、さらには多くのユーザが気になる実際のパフォーマンスについて解説しました。


DCB上でLANトラフィックとストレージトラフィックの統合を図る

多くの企業では、サーバ仮想化技術を通じたサーバ統合が積極的に進められています。また、サーバに搭載されるCPUの高性能化、メモリの大容量化、さらには高密度配置の可能なブレードサーバの普及によって、サーバの集約度も大きく向上しました。一方で、ストレージやネットワークに関連するケーブリングが複雑になり、ケーブルコストの増大、エアフローの阻害、配線作業時のトラブル、構成変更のしづらさなどを招いています。そして、ストレージやLANトラフィックが急増する中で、システム全体の処理能力を高めるためにも、これまで以上に広帯域のインターコネクト技術が必要とされています。

こうした高い集約度を持つサーバ仮想インフラでは、サーバI/Oの統合によって多くの問題を解決できます。I/O統合では、DCB(Data Center Bridging)と呼ばれるデータセンター向けのインターコネクト技術を使用し、LANトラフィック(TCP/IP)とストレージトラフィック(Fibre Channel、iSCSI、NFS、CIFS)を1本のケーブルで伝送できるようにします。従来のEthernetは、輻輳、遅延、フレームドロップへの対処をすべてTCP/IPに委ねていたことから、ストレージトラフィックまで統合することは技術的に困難でした。これに対し、DCBは、10Gbit Ethernetを拡張することで、低遅延・ロスレス伝送の保証、トラフィックの優先制御、冗長構成のための柔軟なトポロジーなどを実現しています。

DCBとUnified Connectの組み合わせによって真のI/O統合が実現される

DCBでは、従来のTCP/IPとFibre Channelの通信を同時にサポートします。特にFibre Channelフレームの伝送を支えている最新のテクノロジーがFCoE(Fibre Channel over Ethernet)です。前述の通り、実際には通常のEthernetではなく、Ethernetを拡張したDCBが用いられるため、FC over DCBというのが技術的には正しい表現となります。FCoEでは、レイヤ1とレイヤ2にDCBを使用し、その上にカプセル化レイヤのFCoEをはさんでFibre Channelの上位レイヤを配置します。ここで、FCoEの代わりにIPを配置すれば、従来通りのTCP/IPを構成できます。これらのレイヤ構成を使い分けることで、例えばストレージプロトコルであれば、共通のDCB上でファイルベースのNFSとCIFS、ブロックベースのFCoE、iSCSIを1本のケーブルで同時にやり取りできます。

一般的な業務システムは、フロントエンドのWebおよびアプリケーションサーバ、バックエンドのDBサーバから構成されています。そして、サーバとストレージ間の接続として、フロントエンドサーバにはCIFSやNFS、バックエンドサーバにはFibre Channelが多く採用されています。DCBを活用すれば、サーバとスイッチ間の接続を1系統のEthernetケーブルに統合できるため、配線がシンプルになります。マルチプロトコルをサポートするストレージシステムでは、双方のサーバ群から共通のストレージシステムに接続できますが、依然としてEthernetケーブルとFCケーブルの両方が必要となります。ここで、Unified ConnectをサポートするNetApp FASシステムであれば、スイッチとストレージ間の接続も1系統になり、真のI/O統合が実現されます。

Fibre Channel over Ethernet (FCoE)

図1)Fibre Channel over Ethernet (FCoE)

DCBによるネットワーク統合

図2)DCBによるネットワーク統合


ブロケードとNetAppによる共同検証でFCoEの優れたパフォーマンスを確認

技術セッションの後半では、ブロケードとNetAppによるFCoEの共同検証について報告されました。この共同検証では、ブロケードの8Gbps対応FCスイッチ(Brocade 300)とFCoEスイッチ(Brocade 8000)、そしてData ONTAP 8.0.1を搭載したNetApp FAS 6070を使用しています。ここでは、10Gbps Unified Connectの環境下でのFCoEとiSCSIの性能差、そして10Gbps FCoEと8Gbps Fibre Channel(以下、8GFC)の性能差について具体的なベンチマーク結果が披露されました。

FCoEとiSCSIの比較では、小ブロックのアクセス時においてスループットとIOPS双方でFCoEのほうが20~30%ほど高速になります。大ブロックのアクセスは、ジャンボフレームを使用できるiSCSIのほうが若干高いスループットが得られます。レイテンシは、TCP/IPの処理が不要なFCoEのほうがiSCSIより短い傾向にあります。ストレージ側のCPU負荷はほぼ同等ですが、サーバ側のCPU負荷は処理の複雑なiSCSIのほうが20~30%ほど高くなります。FCoEによる接続環境は、I/O統合によって初期投資が抑えられ、運用管理コストも削減されます。ここで、初期投資をさらに抑えるには、光ファイバー接続のSFP(Small Form-factor Pluggable)ではなく、銅電線によるTwinaxをうまく活用するとよいでしょう。

スループット/IOPS

図3)スループット/IOPS

10Gbps FCoEと8GFCの比較では、8GFCの実効スループットが6.2Gbpsなのに対し、FCoEは9Gbpsに達しています。使い勝手についても、FCoEはFibre Channelと同様にSANブートが可能であり、またFCoEの足回りとなるDCBはETS(Enhanced Transmission Selection)によって帯域制御も確実に行えます。このような理由から、データベースサーバや非同期書き込みのあるメールサーバなどでは、昔ながらのFibre Channelではなく、FCoEを活用するのが新たなトレンドとなります。例えば、サーバ仮想環境ではデータストアとしてNFS、SANブート領域やMSCS(Microsoft Cluster Service)領域としてFCoEを使い分ければよいでしょう。ここでさらにUnified Connectを併用すれば、すべてのストレージプロトコルを1系統のEthernetケーブルで同時に伝送できます。

レイテンシ

図4)レイテンシ

8GbFCとFCoE実効速度はどのくらい違うか

図5)8GbFCとFCoE実効速度はどのくらい違うか


NetAppとパートナー企業との合同セッション B-3
Flash SSD+最新ストレージとOracleで実現するデータベース統合の新しい形

日本オラクル株式会社(以下、オラクル)は、ネットアップと合同で「Flash SSD+最新ストレージとOracleで実現するデータベース統合の新しい形」と題した技術セッションを開催しました。ここでは、最新のOracle Database 11g Release 2とSSD搭載のストレージシステムを組み合わせたデータベース統合の紹介に加え、Oracle GRID Center内に構築した共同検証環境のベンチマーク結果を披露しました。


ストレージI/Oのボトルネックを取り除くOracle Database 11g R2の新機能

サーバのCPUはマルチコア化が急速に進み、直近の5年間で約17倍も処理性能が向上しています。このため、サーバ仮想化技術によるサーバ統合が積極的に進められています。その一環としてデータベース統合に着手する企業も登場しつつあります。しかし、データベースの処理は非常に複雑で、I/Oトランザクションも多く、通常のサーバ統合と同じ方法では十分な統合効果が得られません。Oracle Direct パフォーマンス・クリニックで実際の顧客環境の性能ボトルネックを調査したところ、ボトルネック要因のうち約43%がストレージI/O(そのほとんどはHDDのI/O性能)であることが分かりました。

従来のアプローチでは、ストレージI/Oの性能が頭打ちになった状態のまま、データベースを統合していくことになります。これにより、限られたストレージI/O性能を複数のデータベースが奪い合い、各データベースのパフォーマンスは著しく低下します。つまり、データベース統合を成功させるには、サーバ全体のストレージI/Oを大きく高めなければなりません。数多くのHDDや大容量メモリの搭載によってI/O性能を高める昔ながらのアプローチもありますが、最近ではHDDの代わりにSSDを利用する方法に注目が集まっています。ただし、HDDをそのままSSDに置き換えただけでは費用対効果に優れていません。Oracle Database 11g Release 2は、Database Smart Flash Cacheと呼ばれる機能によって、特にアクセス負荷の高いデータ領域に対してのみSSDを適用します。これにより、少数のSSDを搭載しただけでもストレージI/Oのボトルネックを大幅に軽減できます。

SSDによるストレージ選択の新しい流れ

図6)SSDによるストレージ選択の新しい流れ

HDDへのI/O量を削減するアプローチ

図7)HDDへのI/O量を削減するアプローチ


オラクルとNetAppによるデータベース統合のベンチマーク結果を披露

この技術セッションでは、NetApp FASシステムを組み合わせた検証環境で実際に計測したベンチマーク結果も披露されています。ここでは、物理サーバとしてCisco Unified Computing System Bシリーズ、ストレージとして最新のNetApp FAS 3270、サーバとストレージ間を接続するスイッチ製品としてCisco Nexus 5020を使用しています。システム全体で600セッションを張り、最大限のトランザクションを発生させたところ、Database Smart Flash Cacheを利用することでTPS(1秒間あたりのトランザクション処理数)が約7.7倍に向上しています。ただし、CPU使用率がまだ低い状態にとどまっており、マルチコアCPUのリソースを使い切れていません。

そこで、NFS処理をデータベース自身が直接行うDirect NFS(dNFS)機能を併用することで、Database Smart Flash CacheとdNFSを利用しない環境と比べてTPSを約13倍にまで高められました。CPU負荷率も90%を超え、CPUリソースを最大限に使い切っていることが分かります。このように、ストレージI/O性能が大幅に改善された環境下でデータベース統合を行えば、データベースの数に比例してトータルのTPSも高まり、真のデータベース統合が実現されます。今回の共同検証でも実証されたように、Oracle Database 11g Release 2とSSDを搭載したNetApp FASシステムの組み合わせは、次世代型の統合データベースインフラを支えるベストパートナーといえます。

Database Smart Flash Cache

図8)Database Smart Flash Cache

DB Smart Flash Cache on dNFS

図9)DB Smart Flash Cache on dNFS


NetAppとパートナー企業との合同セッション C-4
FlexPod for VMwareで実現するセキュア・マルチテナントソリューション

シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は、ネットアップと合同で「FlexPod for VMwareで実現するセキュア・マルチテナントソリューション」と題した技術セッションを開催しました。ここでは、クラウドコンピューティングの最新動向と、その中で即戦力となる最先端の仮想インフラ『FlexPod for VMware』について解説しました。


より低コストに、より柔軟に仮想インフラを構築するための「FlexPod for VMware」

近年では、クラウドコンピューティングの動向に注目が集まっています。現在は、プライベートクラウドとパブリッククラウドが使い分けられていますが、近い将来にはプライベートもしくはパブリッククラウド同士の連携が進み、さらにはプライベートおよびパブリッククラウド間の連携(インタークラウド化)さえも行われるようになります。このようなクラウド時代を支えるITインフラとして仮想インフラが広く採用されていますが、仮想インフラを構成する一部のハードウェアコストや複雑化したインフラの運用管理コストが増大することで、必ずしも企業が求める方向へと向かっているわけではありません。

シスコ、NetApp、VMwareの3社は、このような課題に応えるためにIVA(Imaging Virtually Anything)と呼ばれるアライアンスを結成しました。2010年10月には、第2世代のセキュア・マルチテナントソリューションとして『FlexPod for VMware』(IVA SMT 2.0)を発表しています。FlexPod for VMwareは、仮想化ソリューションとしてVMware vSphereおよびvCenter、物理サーバとしてCisco Unified Computing System Bシリーズ、ストレージシステムとしてNetApp FASシステム、サーバとストレージ間を接続するスイッチ製品としてCisco Nexusファミリを採用しています。これにより、お客様のニーズにあった共有ITインフラを一から設計するのではなく、このソリューションによるテスト・検証済みの基本構成をお客様のニーズに合わせて最適化するという手順がとられます。スケールアップとスケールアウトの両方でサイジングが可能なため、サーバ統合、仮想デスクトップ環境、企業内のプライベートクラウドなど、さまざまな用途に対応できます。

サイロ型からセキュアマルチテナントアーキテクチャへ
図10)サイロ型からセキュアマルチテナントアーキテクチャへ

4つの新機能が追加された第2世代のセキュア・マルチテナントソリューション

マルチテナントは、複数のテナントから構成される環境を指しています。テナントはユーザによってさまざまですが、例えばクラウドサービスの事業者にとってのテナントは顧客となる各企業、プライベートクラウドを構築している企業にとってのテナントは部門や部署、グループ会社などとなります。当然、テナント間では高度なセキュリティを確保し、きちんと論理的に分離しなければなりません。3社の協業によるセキュア・マルチテナントソリューションは、システム構成の柔軟性やユーザの利便性を損なうことなく、テナント間のセキュアな分離をサポートしているのが大きな特徴です。

FlexPod for VMwareでは、第1世代のセキュア・マルチテナントソリューション(IVA SMT 1.0)が提供していた機能に加え、テナントのオンラインバックアップとディザスタリカバリ、エンドツーエンドでのFCoE接続、オーケストレーション・ツールとの連携、vCloud Directorとの連携という4つの機能が新たに追加されています。FlexPod for VMwareでは、セキュア・マルチテナント構成を実現するための詳細なデザインガイドとデプロイメントガイドが用意され、これらのガイド(いずれも日本語版あり)では高可用性の実現、セキュアなテナント分離、SLAの担保、運用管理に関する記述が網羅されています。

FlexPod for VMwareによるセキュア・マルチテナンシー(SMT)

図11)FlexPod for VMwareによる
セキュア・マルチテナンシー(SMT)

セキュアなマルチテナント、高い可用性、運用管理のオーケストレーションを実現

FlexPod for VMwareを支えるNetAppの機能は多岐にわたりますが、まずマルチテナントの機能を提供するNetApp MultiStoreが挙げられます。NetApp MultiStoreによって仮想的なストレージコントローラであるvFilerユニットを作成し、これらをテナントごとに割り当てます。また、ハードウェアのメンテナンスや過負荷時のロードバランシングなどでデータ移行が必要なときには、NetApp Data Motion for vFilerによってサービス無停止でのデータ移行が可能です。仮想マシンやその上で動作するアプリケーションのデータ保護は、NetApp SnapManagerおよびSnapDriveシリーズによって自動化されます。

仮想インフラ全体の可用性は、シスコ、NetApp、VMwareの協業による安定したハードウェアおよびソフトウェアの土台に加え、3社のソリューションが密接に連携したディザスタリカバリ機能によって担保されます。NetApp SnapMirrorとVMware vCenter Site Recovery Managerの連携によって、マルチテナント環境でもディザスタリカバリを確実に行えます。FlexPod for VMwareでは、ダウンタイムなしでフェイルオーバーを確実に実施できることが3社の検証環境ですでに実証されています。

仮想インフラを支えるストレージシステムの運用管理は、最新のVirtual Storage Console 2.0を組み合わせることで、VMware vCenter上からNetApp FASシステムの管理やプロビジョニング、データ保護などの操作を直接行えます。また、各社がマネージメント用APIを公開しているため、仮想インフラ全体で運用管理のオーケストレーションが可能です。これにより、サードパーティ・ベンダーやユーザ企業自身が独自にオーケストレーション・ツールを作成できます。例えば、NetApp FASシステムを直接管理できるサードパーティ・ツールにはBMC Atrium Orchestratorがあります。今後もFlexPod for VMwareと連携可能なオーケストレーション・ツールが登場する予定です。

マルチサイトの災害対策とデータ保護

図12)マルチサイトの災害対策とデータ保護

NetApp<span>®</span>Data Motion for vFiler

図13)NetApp®Data Motion for vFiler


米国ネットアップの技術者によるセッション B-2
分散・巨大化する非構造化データ管理の決定版
NetApp StorageGRIDのご紹介

米国ネットアップ NAS & Content Repository Solutions シニア・プロダクトマーケティングマネージャのインゴ・フックスが、「分散・巨大化する非構造化データ管理の決定版 NetApp StorageGRIDのご紹介」と題した技術セッションを行いました。ここでは、急増する非構造化データの保管に適したオブジェクトベース・ストレージ・ソリューション「NetApp StorageGRID」の解説に加え、米国内でのユーザ事例も紹介しました。

非構造化データの大量保管を対象とした次世代ソリューション「NetApp StorageGRID」

近年、画像、音声、動画などに代表される非構造化データを保管するストレージ製品、そして新たなコンテンツデポやパブリッククラウド関連の売上げが急速に増えています。2014年には、これらの市場が最大のストレージカテゴリとなり、特にコンテンツデポやパブリッククラウドに関わるデータの95%が非構造化データになると予測されています。しかし、こうした膨大な非構造化データを適切に取り扱うには、従来型のストレージシステムでは満たせなかった、いくつかの要件が課せられます。例えば、分散して配置された大容量データプールの効率的な管理、大規模で絶えず増大するデータセットの永続的な保持、場所や時間を問わない優れたアクセス性などが挙げられます。そこでNetAppは、急増する非構造化データの保管に適した次世代ソリューションとして「NetApp StorageGRID」を新たな製品ポートフォリオとして加えています。

NetApp StorageGRIDは、非構造化データを対象とする大規模でグローバルなコンテンツリポジトリを提供します。1つのコンテナに数億にのぼるデータセット(オブジェクト)を格納し、1ペタバイトの数億倍という莫大な容量を取り扱えます。NetApp StorageGRIDは、さまざまなアプリケーションから、CIFS、NFS、HTTPなどのプロトコルを使用し、複数のサイトにまたがる複雑なストレージネットワークを、1つのエンティティとしてシームレスに管理できます。データを保管するストレージシステムには、NetApp FASシステム、NetApp Vシリーズと他社製ストレージの組み合わせ、テープストレージなどが使用可能です。現在、NetApp StorageGRIDの機能はOff-Box型で提供されていますが、将来的にはNetAppストレージに統合されたOn-Box型として提供される予定です。

NetApp StorageGRID ソリューション

図14)NetApp StorageGRID ソリューション

データとメタデータからなるオブジェクトとして管理するオブジェクトベース設計

NetApp StorageGRIDは、オブジェクトベース・ストレージに分類されます。オブジェクトベース・ストレージは、サイズを柔軟に変更できるオブジェクトと呼ばれるコンテナを使用してデータを管理しています。オブジェクトにはデータとメタデータが含まれ、オブジェクトごとにユニークなIDが割り当てられます。従来のストレージシステムで用いられているファイルシステムは、ディレクトリやファイル名、タイムスタンプなどの限られた情報しか持てませんが、メタデータならアプリケーションが必要とするさまざまな属性情報を柔軟に付与できます。また、データ本体や複製の保管場所、複製の数や保持期間、廃棄期限など、データの配置、分類、アクセス制御に関するポリシー設定も可能です。

NetApp StorageGRIDに対してアプリケーションから直接アクセスするには、プロトコルとしてHTTPが使用されます。アプリケーションがデータを書き込むと、2つの処理が平行して実行されます。1つは、ファイルのメタデータを評価し、ポリシーを適用するための処理です。このポリシーに従って、複製するファイルの数と保管先、配置するストレージ階層などが決定されます。もう1つは、データ自体の圧縮と暗号化を行い、デジタルフィンガープリントを生成する処理です。これらの処理が完了すると、最後にデータとメタデータを組み合わせたオブジェクトが作成されます。これらのオブジェクトはグローバルネームスペースによって管理されます。これにより、何百というサイトをまたがる形で、高い信頼性と可用性を備えながら大容量の非構造化データを効率よく取り扱えます。

StorageGRIDの機能構成図

図15)StorageGRIDの機能構成図

NetApp FASシステムとNetApp StorageGRIDによって全方位に対応していく

NetAppは、NetApp FASシステムとNetApp StorageGRIDによってお客様のさまざまなニーズに応えていきます。トランザクションベースのブロックおよびファイルアクセスが中心となる、単一サイトでのSANやNAS環境にはDataONTAP 8の7-Mode、HPC(High Performance Computing)用途など、単一サイトでクラスタ構成をとるNAS環境にはC-Modeがそれぞれ用いられます。そして、大量の非構造化データを複数サイトで管理する用途にはNetApp StorageGRIDが適用されます。こうした用途には、ポリシーに準拠したデータの保持が求められるPACS(Picture Archiving and Communication Systems)や一般の医療分野、コンテンツクラウドやコンテンツデポを提供するクラウドストレージ・サービス、高品質の動画データなど、今までテープで個別に管理していたようなデジタルデータの保管などが挙げられます。

セッションの最後には、NetApp StorageGRIDのユーザ事例として、米アイオワ州にある医療機関 Iowa Health Systemが紹介されました。Iowa Health Systemには、13カ所の中型・大型サイト、140カ所のリモートサイトがあり、約2万名の従業員がITシステムを活用しています。ここでは、州全体に展開された3つのミッションクリティカル・アプリケーションが稼働しています。同機関は、患者のX線やMRIなどの医療画像を数多く扱っていますが、これらのデータ保管にNetApp StorageGRIDを活用しています。ここでは、地理的に離れた2カ所のデータセンターに大量のデータを分散配置し、高い堅牢性を達成しています。実際、2008年に発生したシーダーラピッズの洪水時には、プライマリDCが運用を継続できない状況に陥りました。このとき、セカンダリDCへのフェイルオーバーが数分で完了し、業務をそのまま継続できました。また、災害が収まったあとには、自動的なデータ再同期が行われ、プライマリDCの復旧が速やかに完了しています。

環境に応じた適切な製品の選択

図16)環境に応じた適切な製品の選択

2008年に発生したシーだーラビッズの洪水

図17)2008年に発生したシーだーラビッズの洪水


最先端のクラウドソリューションを一堂に集めたソリューション展示

ソリューション展示スペースには、クラウドテクノロジーをリードするパートナー各社が集結し、豊富なソリューションや最新テクノロジーを一同に展示しました。スポンサーブースでは、NetApp製品とともに使用されるサーバやネットワークスイッチ、クラウド環境の運用管理を支援するソフトウェアソリューション、ストレージシステムにNetApp製品を採用したクラウド構築サービスやICTホスティングサービスなど、パートナー各社のさまざまなソリューションが紹介されました。当日、スポンサーブースに出展したスポンサー企業は以下の通りです。

会場の様子

  • Marquee Sponsor
    • シスコシステムズ合同会社
    • ヴイエムウェア株式会社
  • Innovation Sponsor
    • 丸紅情報システムズ株式会社
    • 株式会社ネットワールド
    • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    • 兼松エレクトロニクス株式会社
    • 富士通株式会社
  • Solution Sponsor
    • アクセンチュア株式会社
    • F5ネットワークスジャパン株式会社
    • 株式会社ラネクシー
    • 日本アイ・ビー・エム株式会社
    • 株式会社網屋
    • ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
    • 日本ビジネスシステムズ株式会社
  • Cloud Sponsor
    • 株式会社インターネットイニシアティブ
    • 日本ユニシス株式会社

そして、会場中央にはNetAppの最新ソリューションやテクノロジーを紹介するNetAppブースが設けられました。ここでは、ネットアップでマーケティングや技術営業を担当している説明員が、来場者の皆様に対してさまざまなご相談を個別にお受けしました。当日、NetAppブースに用意された説明コーナーは以下の通りです

会場の様子

  • クラウド
    • Cisco/VMware/NetApp によるセキュア・マルチ・テナンシー
    • NetApp Data Motion
    • NetApp Unified Connect
    • NetApp OnCommand Provisioning Manager
    • VMware on NetApp・Hyper-V on NetApp
  • ストレージ効率化
    • Data ONTAPの標準機能:重複排除・データ圧縮
    • Flash Cache によるIO性能の向上
    • NetApp Realize
    • NetApp Vシリーズ
  • アプリケーション
    • Microsoft製品のバックアップ運用を効率化するNetAppソリューション
    • Appliance Watch 2.1 PRO
    • SAP on NetApp
  • テクノロジー&サービス
    • NetApp Data ONTAP 8
    • NetApp FAS6200/3200 シリーズ
    • NetApp University
    • NetApp プロフェッショナルサービス

ソリューション展示会場に設けられたミニシアター

ソリューション展示会場内のミニシアターでは、NetAppとパートナー各社によるクラウド成功に向けたプレゼンテーションや最新ソリューションの解説コーナーが設けられました。来場者の皆さんは、ソリューション展示で特に気になった製品やテクノロジーをさらに深く理解するため、これらのミニシアターにも積極的に足を運んでいました。当日に実施された各社のプレゼンテーションは以下の通りです(会社名50音順)。

会場の様子

  • cloudageクラウドバックアップ for NetApp 《信頼のストレージサービスを先行紹介》 【伊藤忠テクノソリューションズ株式会社】
  • MISSION:VIRTUALIZATION(仮想化最前線/NetAppを活用したクラウド環境導入事例のご紹介) 【兼松エレクトロニクス株式会社】
  • 仮想化環境におけるストレージチューニングの勘所 【ネットアップ株式会社】
  • ビジネス上の主な利点IT部門の自動化・セルフサービス化を支える、NetAppのプロビジョニング技術 【ネットアップ株式会社】
  • 「NetApp University」presents! クイズ大会 【ネットアップ株式会社】
  • ホワイトボードセッション:5分でわかるNetApp(VMware編) 【株式会社ネットワールド】
  • クラウド基盤を支える仮想化ソリューション ~ETERNUS NR1000によるストレージの効率的活用~ 【富士通株式会社】
  • MSYS仮想化パッケージ 「MVP」 VMware・サーバ・ストレージを一体化 【丸紅情報システムズ株式会社】

会場を盛り上げた社員一同と特別なお客様を招いての懇親会

イベント終了後には、会場を近隣のMLB café TOKYO 恵比寿 スポーツバー カフェ&レストランに移し、1日会場を盛り上げた社員一同と今回のイベントでご協力いただいたパートナー企業の方やエンドユーザの皆様をお招きしての懇親会『NetApp Innovation 2011 Tokyo クラウドパーティー』を開催しました。パーティーの中盤には、人気お笑い芸人 TIMのお二人(レッド吉田さん、ゴルゴ松本さん)をサプライズゲストとして迎え、子供から大人まで楽しめるTIMならではのコントで会場を盛り上げていただきました。ここでは、TIMのお二人に進行していただき、豪華賞品が当たるくじ引きも行われました。途中からは有名プロゴルファー に扮したネットアップ社長のタイ・マッコーニーが加わり、TIMのお二人と軽妙なやり取りをしながら会場全体に笑いを誘っていました。

懇親会の様子

懇親会の様子



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