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NetApp Innovation 2011 Winter Tokyo
イベントレポート 前編
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ネットアップ株式会社は、2011年12月7日に、品川プリンスホテル(東京都品川区)において「ユニファイドストレージで守り抜くビッグデータとクラウド」をテーマとした技術者向けカンファレンス「NetApp Innovation 2011 Winter Tokyo」を開催しました。NetApp Innovation 2011 Winter Tokyoでは、ビッグデータとクラウドという新しい潮流に対するネットアップの取り組みをお伝えするとともに、最新のストレージソリューション、NetApp製品を組み合わせた国内のユーザ事例などをご紹介しました。また、NetApp製品の新機能を解説するショーケース、スポンサー企業による最新ソリューションの展示、さらには体験型の新企画としてハンズオンセッション(NetApp University)やBirds of a featherも実施されました。本イベントに事前登録を済ませた方は過去最高の1700人以上にのぼり、当日の会場にも数多くのお客様が足を運んで下さいました。

イベントの開催に先立ち、午前中には4部構成による基調講演が開催されました。ここでは、ネットアップ技術部門の責任者による最新製品の紹介、NetApp製品によって大きな成功を収めている国内企業のITリーダーをゲストとして迎えたセッション、ネットアップの重要なパートナーであるトップITベンダー各社との対談、そして日本国内のITインフラストラクチャやセキュリティ分野の調査を手がける大手調査会社の責任者による特別講演などが組まれました。今回は、この基調講演の模様をお届けしていきます。

基調講演-1
オープニング:アップデート&最新製品デモ

厳しい経済状況の中でも着実な成長を遂げているネットアップ

基調講演 第1幕では、ネットアップ株式会社 代表取締役社長のタイ・マッコーニーがオープニングの挨拶とともに、ネットアップの現状についてさまざまな報告を行いました。ここでは、2011会計年度の売上高が過去最高の51億ドルに達したこと、また日本法人(ネットアップ株式会社)としては6四半期連続で2桁成長という過去最高の実績を更新していることが伝えられました。さらには、無償DRアセスメントの提供、SnapMirror無償化プログラム、被災地でのボランティア活動など、さまざまな社会貢献活動にも取り組んでいることが報告されました。マッコーニーは、ネットアップがこれからも成長し続けるためのフレームワークとして、市場におけるイノベーション・リーダーシップの確立と維持、新しい販路とパートナーの開拓および関係強化、スケーラビリティのあるサポート組織とサービス組織、ベストチームの実現に向けたベストな従業員の獲得などを挙げています。

高度な知識がなくても簡単にストレージを管理できるSystem Manager 2.0J

次に、ネットアップ株式会社 技術本部 本部長の近藤正孝も壇上に立ち、マッコーニーと二人でジョークを交えながら、ネットアップが提供する最新ソリューションを分かりやすく紹介していきました。近藤は、まずNetApp OnCommand System Manager 2.0J (以下、System Manager 2.0J)を取り上げました。System Manager 2.0Jは、国内中堅企業からの強いニーズにより、ネットアップで初めて日本語化されたストレージ管理ソフトウェアです。複数のストレージシステムを一元的に管理でき、ストレージに関する高度な知識がなくても、高度なウィザード機能を通じてボリュームの管理、共有の作成、LUNの作成、プロビジョニングなどを可能にしています。なお、System Manager 2.0Jは無償にて提供される予定で、現在はコミュニティサイトにて評価版が公開されています。

ノンストップでの運用を可能にするData ONTAP 8.1のCluster-mode

次に紹介されたのが、NetApp FASシステムを支える最新のストレージOS「Data ONTAP 8.1」のCluster-modeです。従来のData ONTAP 7Gと互換性を持つ7-Modeはスケールアップ型の動作モードなのに対し、Cluster-modeはスケールアップとスケールアウトの両方をサポートする動作モードとなります。CIFS、NFS、FC、FCoE、iSCSIといった幅広い接続性をサポートするユニファイドアーキテクチャをそのまま継承しながら、多くの操作をオンラインのままで実行できるノンストップオペレーション、その時々のワークロードに合わせてパフォーマンスを最適化できるオンデマンドでの優れた柔軟性、そして優れた運用管理性を実現しています。このように、Cluster-modeは高度なストレージ統合やノンストップ運用が要求されるプライベートクラウドなどで威力を発揮します。

近藤は、東京オフィスに置かれた実機と連動して動作するアニメーションを使用しながら、Cluster-modeの特徴を分かりやすく解説していきました。ここでは、小規模ながらもさまざまなシステムが異なるストレージプロトコルで接続されている、とある映像配信会社のストレージシステムを例にとりました。顧客の契約が増えるにつれてストレージの負荷が増加していきますが、その結果としてストレージのレスポンスが悪化したり、スムーズな映像配信ができなくなります。従来のストレージシステムでは、いったんすべてのシステムを止めてストレージコントローラを上位のモデルに交換しなければなりません。しかし、24時間365日、さまざまな顧客から映像配信サービスに対してアクセスがある関係で、ストレージシステムを停止することは決して許されません。

このようなとき、Cluster-modeを活用すれば、サービスを止めずに新たなノードを動的に追加し、即座に負荷分散を行えます。会場では、あるノードのボリューム内に保管されている映像をクライアント側で再生したまま、ノードをさらに追加しました。そして、この新しいノードにボリュームを移動し、ストレージの負荷分散も行いました。このような作業を行っている間も映像が途切れることはありません。近藤は、壇上での実機デモを通じて、ストレージ能力の増強や容量追加の作業などを行う際にも、Cluster-modeならノンストップ運用「Always On」が可能なことを実証してみせました。

基調講演-2
国内企業ITリーダーによる講演

基調講演 第2幕では、日本国内でNetApp製品を最大限に活用している、みずほ情報総研株式会社と日本通運株式会社のエグゼクティブを迎え、ITリーダーという立場から、NetApp製品の利用によって実現された付加価値や2012年に向けたITの優先課題、ネットアップへの期待などを語っていただきました。

約3.1PBものNetApp製品を保有している、みずほフィナンシャルグループ

最初のゲストには、みずほ情報総研株式会社 専務取締役の髙木和幸様が登壇されました。みずほ情報総研は、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)の戦略子会社として、みずほFG全体そしてさまざまな顧客のIT分野を支えています。みずほFGのストレージ基盤には数多くのNetApp製品が導入されており、2011年12月時点で約3.1PBもの容量を保有しています。NetApp製品が活躍する領域は多岐にわたりますが、その中でも特に大きな事例が2008年にサービスを開始した統合ストレージ基盤です。このストレージ基盤は、物理サーバと仮想サーバの両方に対してストレージリソースを提供しています。当時、ストレージシステムの選定要件として、SANとNAS構成の双方に対応できること、ディスク障害に対する優れた堅牢性を備えていること、ベースセンターとバックアップセンターを連携させたデータ保護が容易なことなどを要件として挙げましたが、これらをすべて満たす製品として選ばれたのがNetApp製品でした。すでに3年以上にわたって運用していますが、ストレージを起因とするトラブルもなく非常に安定的に稼働しています。

ストレージ戦略の立案は、大量のデータを扱う企業にとってたいへん重要です。みずほFGは、データ付加価値に応じたストレージの選定、ストレージ利用効率の改善、ディスクスペース消費量の抑制という3つの課題を解決するために、独自のストレージ戦略をとっています。例えば、各システムで個別のストレージを持たず、ストレージを最大限に統合する方向で改善を進めています。これにより、利用効率を5~6割向上させ、新規のストレージ導入を抑制します。また、グループ内のデータ量が急増していることから、さまざまなグレードのストレージを組み合わせるストレージ階層化、シンプロビジョニング、データ重複排除、データ圧縮技術などを活用し、データ量を徹底的に抑制する取り組みも進めています。これまでハイエンドストレージのみを採用してきましたが、今後はミドルレンジクラスのストレージも積極的に導入し、コスト効率をさらに高めていきます。髙木様は、「ネットアップには、私たちのストレージ戦略にミートするソリューションの提供を強く希望いたします。例えば、サイトをまたいだストレージプールの実現、バックアップサイトの有効活用につながるソリューションに期待しています」と述べています。

NetApp FASシステムでさらにきめ細かなストレージ階層化を実現した日本通運

2番目のゲストには、日本通運株式会社 常務理事 IT推進部長の野口雄志様が登壇されました。日本通運は、1937年の設立以来、鉄道、船舶、航空機、自動車を連携させた運送事業、そして倉庫業など、物流に関わるほとんどの分野で事業を展開しています。すでに50年以上も前からコンピュータ化への取り組みを進めており、全国拠点のオンライン化、在庫管理システムの構築、ITを通じた顧客への情報提供などを手がけてきました。そして、これからの経営戦略として特に重要視しているのが国際関連事業の強化です。同社は、世界中に事業を展開する顧客のサプライチェーンやサードパーティ・ロジスティクス(3PL)への対応、最適化された物流サービスの設計および提案など、事業のグローバル化を積極的に進めています。こうしたグローバル展開にはITの活用が不可欠ですが、同時に競争力のある企業経営にはITインフラ自身の全体最適化が重要な課題となります。

同社では、長年にわたるコンピュータシステムの拡張によって、サイロ型のシステムが乱立していました。そこで、次世代に向けたIT戦略を立案し、2009年よりITインフラ全体の標準化を推進しています。特にストレージに対しては、サービスレベルに即したストレージ階層の適用、活性データと非活性データのきめ細かな分類とそれぞれに適した保管を中心に手がけています。2011年より新しいITインフラがサービスインとなっていますが、そのストレージ基盤にはNetApp FASシステムを組み合わせています。従来はハイエンドおよびミッドレンジクラスのFCストレージのみでストレージを構成していましたが、現在はこれらのほかに、電子メールシステムとそのアーカイブ用として複数セットのNetApp FASシステムを導入しています。野口様は、「当社の事業に関わるデータは増加の一途をたどっています。ビッグデータという潮流に対応していくには、さらにきめ細かなストレージ戦略が必要になるでしょう。当社がこれからさらにグローバル展開を推し進めていく中で、膨れあがるデータの保管と利活用に関して、引き続きネットアップに支援していただきたいと思っております」と語っています。

基調講演-3
トップITベンダー各社との対話

基調講演 第3幕では、特にクラウド基盤の実現においてネットアップと重要なパートナー関係にあるヴイエムウェア株式会社とシスコシステムズ合同会社のエグゼクティブをゲストに迎え、クラウド基盤を支える各レイヤで各社がどのような取り組みを行っているのか、またネットアップとどのように連携しているのかを語っていただきました。

先進的な仮想化テクノロジでITを変革していくVMware

最初のゲストには、ヴイエムウェア株式会社 代表取締役社長の三木泰雄様が登壇されました。近年、ITを取り巻く環境は大きく変化を遂げています。クラウドの台頭、スマートフォンやタブレットに代表される新しいユーザ端末の登場、アプリケーションの多様化、在宅勤務などの新しいワークスタイルが挙げられます。三木様は、このような新しい時代に対する姿勢を「これまでと大きく異なる発想が必要になります。従来はサーバとPCという枠組みの中でITシステムやサービスを考えていましたが、これからは人を中心とした考え方に変えていかなければなりません」と述べています。

VMwareは、先進的な仮想化テクノロジを通じてITを変革していくことを大きな目標に掲げています。現在は、柔軟性、拡張性、効率性に優れたITインフラ、こうした次世代のITインフラ上で新しいアプリケーションを開発、実行できるようにする高効率のプラットフォーム、さまざまな端末からいつでもどこからでもアプリケーションやデータにアクセスできるエンドユーザ中心のコンピューティング環境という、3つの領域にフォーカスしたソリューションを提供しています。そして、こうした仮想環境を構築する上で最も重要なデバイスがストレージシステムです。そこで、VMwareはネットアップとの協業にも力を入れています。VMwareとネットアップの最新テクノロジを組み合わせたソリューションには、サーバ統合、仮想デスクトップ、災害対策、FlexPodなどがあります。両社は主に技術面で深く連携していますが、今後はマーケティングやセールス、そしてサポート面での連携も深めていきます。例えば、パートナー向けの災害対策ソリューションを支援する取り組みとして、VMware vCenter Site Recovery Manager(SRM)とNetApp FASシリーズを組み合わせたハンズオントレーニングを開催しています。

強力なパートナーエコシステムによってクラウドのメリットを最大化するシスコ

2番目のゲストには、シスコシステムズ合同会社 代表執行役員社長の平井康文様が登壇されました。クラウドは、メインフレーム、オープンサーバ、Webシステムといったコンピューティングの歴史の延長線上にあるものです。近年、多くのユーザがクラウド環境を積極的に導入していますが、シスコはクラウドの利用価値をモバイル、ソーシャル、バーチャル、ビジュアルという4つのキーワードで説明しています。そして、これらのメリットを組み合わせることで、企業や組織の成熟度を高めたり、企業価値そのもののバリューチェーン(価値連鎖)につなげられます。

一方で、クラウドサービスを提供する側に立つ人たちは、ハードウェアコストこそ削減できるものの、導入・運用コストが増加するというジレンマを抱えています。これに対し、平井様は「シスコは、強力なパートナーエコシステムに基づいてクラウドサービス提供者の不安を解消し、迅速なクラウドサービスの開通や提供へとつなげていきます。当社が得意とするネットワークの最適化を中心として、アプリケーションやサービスの最適化にも積極的に取り組んでまいります。最近の具体的な取り組みとしては、Cisco UCSブレードサーバを組み合わせたコンピューティングとネットワークの融合、FlexPodに代表されるストレージまでを含めた全体最適化のソリューション、さらには運用管理の負担を軽減するソフトウェアの提供などが挙げられます」と説明しています。

今後は、クラウドのメリットを最大限に引き出すために、シスコとネットアップのアライアンスをさらに強化していきます。最近では、Data ONTAP 8.1のCluster-modeでノード間を接続するスイッチ製品として、Cisco Nexus 6000シリーズが業界に先駆けて認定されました。また、世界各国でクラウド提供に最適なソリューションを共同で開発し、コンパクトでスケーラビリティに優れた「Cloud in a Box」を作り上げてきました。シスコ、ネットアップ、VMwareの3社による検証済みソリューション「FlexPod」は、世界各国で450件以上、日本では数十以上のお客様にご導入いただいています。

基調講演-4
特別講演:2012年 ITインフラの指針

基調講演 第4幕では、ガートナージャパン株式会社 リサーチ部門 ITインフラストラクチャ&セキュリティ リサーチ ディレクターの鈴木雅喜様により、「2012年ITインフラの指針」と題した特別講演が行われました。鈴木様は、多くの企業が注目すべきトレンドとして、ビッグデータや仮想プラットフォームなどの話題を取り上げました。

企業価値の向上にはビッグデータを最大限に活用することが不可欠

近年、ビッグデータの時代が到来し、多くの企業がビッグデータに対応できる次世代型のストレージインフラを構築する必要性に迫られています。ビッグデータは膨大な量のデータそのものを指すと思われがちですが、それだけでは不十分です。鈴木様は、「海外の企業と比べて、日本の企業が扱っているデータ量はまだまだ少なく感じます。つまり、多くのデータが眠っていたり、まったく活用できない状態にあることを意味しています。企業間の厳しい競争に勝ち抜くためには、このようなデータを積極的に掘り起こし、最大限に活用できる環境を構築することが不可欠です。ビッグデータの真髄は、日々性能と機能性が向上しているプロセッサやストレージを組み合わせて、これまで使いこなせなかった大量のデータから新しい企業価値を生み出すところにあります。つまり、大量のデータをいかに保管・共有するかだけでなく、ユーザがこれらのデータをいかに活用できるようにするかという点にも着目してストレージ戦略を立てなければなりません」と述べています。

最近では、ITシステムに関わるワークロードのうち仮想マシン上で処理されるものの割合が急激に高まっています。このような仮想環境を支えている仮想プラットフォームは、物理的なインフラとユーザに見せる仮想レイヤから構成されますが、IT管理者の多くは物理的なインフラしか注目していません。これに対し、鈴木様は「仮想プラットフォームを構成するストレージインフラも例外ではありません。ストレージの利用に関わるパラメータは、性能、記憶容量、可用性、RTO/RPOのみですが、アプリケーションやサービスの多様化によって、ユーザ自身がこれらのパラメータをアプリケーションやサービスに対応付けて、ストレージリソースを最大限に活用することが困難になっています。今後は、ITインフラの担当者自身が上位の仮想レイヤにも目を配り、ユーザがストレージリソースを適切に活用できるようにしっかりと支援してあげる必要があるのです」と語っています。

ITインフラの戦略立案とBCP/DRへのさらなる取り組みを強く推奨

鈴木様は、2012年のITインフラ計画の指針として「ITの戦略を持っている企業は多いですが、ITインフラに対する戦略を持っている企業は意外と少ないものです。しかし、ITインフラの戦略こそがこれからの鍵を握ります。インフラとして将来あるべき姿をしっかりと追求し、できればそれを明文化して下さい。ここでは、柔軟性や迅速性の強化、標準化、シンプル化、多様性への対応など、さまざまな方向性が見えてくるはずです。そして、ベンダーは強力なパートナーとなりえます。このとき、ベンダーと対等に話せるだけの知識を身に付け、戦略的なパートナー関係を築きましょう。特にストレージに関しては、ストレージ責任者を任命し、インフラのリーダーやCIOと密接に連携することをお勧めします。最後に、2011年3月に発生した東日本大震災の教訓を無にしないよう、事業継続計画(BCP)や災害対策(DR)に対する取り組みも怠らないようにして下さい」とアドバイスしました。

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