NetApp Tech OnTap NetApp Logo NetApp Logo
NetApp Tech OnTap
     
FlexPodにみるイノベーションと進化
David Klem
David Klem
ネットアップ
シニア リファレンス アーキテクト
Joel McKelvey
Joel McKelvey
ネットアップ
仮想化 / クラウド担当シニア マーケティング マネージャー

お陰様で、FlexPod®プラットフォームは大変好評を頂いており、Gartnerの調査によると、現在、統合インフラの分野で圧倒的な支持を集めるリファレンス アーキテクチャとなっているようです。ネットアップとCiscoが共同開発したこのデータセンター プラットフォームは、すでに世界35カ国で2,500を超える企業に導入されており、 ミッションクリティカルなアプリケーションの基盤として、このFlexPodプラットフォームを追加導入している企業は多数に上ります。プラットフォームの登場が2010年末であることを考えると、目覚ましい普及スピードといえるでしょう。

ではなぜ、FlexPodはここまで急速に受け入れられたのでしょうか。その理由は、現代の データセンターに求められる高水準のパフォーマンスや拡張性、可用性を備えたパッケージ ソリューションで、導入や管理が柔軟かつ容易に行える点にあります。ネットアップとCiscoの精力的な取り組みが、統合インフラの分野で市場をリードし続ける同製品の開発につながっているのです。

さて今回のTech OnTapでは、FlexPodに最近実装された機能強化とFlexPodの導入事例をご紹介します。導入事例では、基幹業務を支えるミッションクリティカルなアプリケー ションの基盤としてFlexPodを活用する、規模の異なる2つの企業を見ていきます。

FlexPodの機能拡張

ネットアップとCiscoは、常にFlexPodの機能拡張を図っており、多様なITニーズに応えるとともに、アプリケーション サポートを拡充して多くのビジネスクリティカルなアプリケーションへの対応を進めています。たとえば昨年10月には、clustered Data ONTAP®オペレーティング システムのサポートを追加し、Oracle® RACデータベースの仮想化について記述したCisco Validated Design(CVD)を公開しました。また、小規模~中規模環境のインフラ ニーズに応えるExpressPod™プラットフォームを発表しています。

今年1月には、ネットアップとCisco、そしてテクノロジ パートナー間のアーキテクチャ統合を一層緊密にするためのプロジェクトを発表しました。プロジェクトの目的は、ブランチ オフィスからサテライト データセンター、マルチデータセンター環境に至るまで、幅広く対応する共通データセンター基盤を構築することにあり、 具体的には、クラウド サービス プロバイダ固有のニーズに特化したFlexPodソリューションの開発、ブランチ オフィスのニーズに対応するExpressPod構成の提供、ミッションクリティカルなアプリケーションに対するサポートの拡充などが挙げられます。

そして4月には、こうした取り組みを促進するため、インフラ面とエンタープライズ アプリケーションのサポート面からFlexPodを強化する活動をさまざまに展開しました。

インフラの機能拡張

FlexPodのコア プラットフォームに、VMware® vSphere® 5.1とCisco® UCS™ Manager 2.1のサポートが追加されました。これにより、既存のFlexPodアーキテクチャが一層強化され、エンドツーエンドの(マルチホップ)FCoEが構築可能となっています。接続を多少変更する必要がありますが、スイッチやブレード サーバを追加する必要はありません。さらにUCS Manager 2.1がサポートされたことでUCS Centralとの互換性が確保され、世界規模の分散データセンターで稼働する1万超のCisco UCSインスタンスを効率よく管理できるようになっています。

また、Cisco Nexus® 7000シリーズ スイッチを、FlexPodのIPベース ストレージに使用できることが確認され、 多数のポートが必要な大規模環境でNexus 5000の代わりにNexus 7000を使用できるようになりました。Nexus 7000は、高い拡張性が求められるマルチサイトのインフラ設計に最適なスイッチで、以下の機能を備えています。

  • In-Service Software Upgrades(ISSU;インサービス ソフトウェア アップグレード)とStateful Switchover(SSO;ステートフル スイッチオーバー):パケット損失なしでのネットワーク アップグレードを可能にし、ネットワークの可用性を高めます。ISSUなどのファブリック機能とclustered Data ONTAPの機能を組み合わせることにより、FlexPod環境全体でノンストップ オペレーションを実現し、計画的停止をほぼゼロにすることができます。
  • ユニファイド ポート:UCS 2.1でマルチホップFCoEソリューションを実現できます。ユニファイド ファブリックの状態を保ったままホップ構成を拡大し、接続作業が1回で済む、真の「ケーブル ワンス」データセンターを構築できます。
  • OTVとLISP:データセンターを相互接続し、複数のデータセンター間でVMを移動できるようにします。Cisco LISP Virtual Machine Mobility(LISP VM-Mobility; LISP仮想マシン モビリティ)ソリューションを使用すると、IPアドレスを変更することなく、任意のホストをネットワーク内で移動できます。またOTVでは、多数の拠点間でセキュアにレイヤ2接続を行えるようになります。

Nexus 7000とclustered Data ONTAPを搭載したFlexPodのストレージ ネットワーク(IPベース)

図1)Nexus 7000とclustered Data ONTAPを搭載したFlexPodのストレージ ネットワーク(IPベース)

こうした機能拡張により、FlexPodはいっそう緊密に統合されました。FlexPodは急速な進化を遂げており、将来的には、複数のデータセンターの機器を相互接続し、スケールアップとスケールアウトによって、ミッションクリティカルなアプリケーションに必要なパフォーマンスと可用性を柔軟に確保することが可能となります。

2013年4月現在、UCS 2.1、vSphere 5.1、エンドツーエンドのFCoEに関して、以下の最新設計ドキュメントが公開されています。

新たなエンタープライズ ワークロード

ネットアップとCiscoでは、Cisco Verified Designs(CVD)やNetApp® Verified Architecture、ソリューション ガイドを通じて、さまざまなエンタープライズ ソフトウェアのサポートを進めています。この取り組みの目的は、お客様のビジネスを支えるエンタープライズ ソフトウェアに、今まで以上の充実したサポートを提供することです。

Microsoft® 環境向けにも、新たな検証済みアーキテクチャが多数登場しています。

また、Oracleと共同で、ミッションクリティカルなワークロードの検証作業を進めており、 以下の設計ドキュメントが近日中に公開される予定です。

上記のような構成のFlexPodを利用することで、OracleデータベースやOracleソリューションを柔軟にFlexPodへ導入できるようになります。詳細については、Oracleのブログネットアップのブログをご覧ください。

FlexPodは、拡大を続けるインフラ ソフトウェア環境とミッションクリティカルなビジネス アプリケーション環境をどちらもサポート

図2)FlexPodは、拡大を続けるインフラ ソフトウェア環境とミッションクリティカルなビジネス アプリケーション環境をどちらもサポート

FlexPodの機能は、今後も随時強化されていく予定です。どうぞご期待ください。

ミッションクリティカルなアプリケーションを強力に支援するFlexPod

ミッションクリティカルなアプリケーションの運用で鍵となるのは、可用性、パフォーマンス、そして拡張性です。FlexPodは、まず単一点障害(single point of failure)を排除することで可用性を高めて、 さらにすべてのコンポーネントを冗長構成にしています。また、新たにNexus 7000をサポートしたことで、FlexPodの可用性はいっそう強化されています。近い将来、FlexPodプラットフォームをサイト間でフェイルオーバーするだけでなく、 多数のサイトを1つの仮想分散データセンターとして集約したデータセンター ファブリックを構築して、一元管理することが可能になるでしょう。

可用性の向上がもたらす最大のメリットは、計画的停止を最小限にできることです。仮想化によってアプリケーションとハードウェアを分離すると、業務に影響を与えることなく、ハードウェアの保守やアップグレードを行えるようになります。またclustered Data ONTAPやNexus 7000スイッチのサポートなど、最近の機能拡張によっても、計画的停止をさらに低減できます。

FlexPodは、拡張性に優れているため、オーバープロビジョニングでリソースを無駄にすることなく、ビジネス パフォーマンスや容量のニーズに合わせて環境の規模を柔軟に調整できます。拡張が簡単にできることから、事前のオーバープロビジョニングが必要ありません。

多くの統合インフラ ソリューションと異なり、FlexPodではサーバやファブリック、ストレージをコンポーネントごとに追加できます。たとえば、サーバ リソースだけが必要な場合、ストレージを併せて追加する必要はありません。柔軟性に優れたFlexPodアーキテクチャでは、ビジネス ニーズに合わせて自由に環境をスケールアップすることが可能です。

またFlexPodプラットフォームを追加導入して、スケールアウトを行うこともできます。多くのお客様は、FlexPodをユニットで購入することで、調達と導入の手間を軽減しています。一例を挙げましょう。1台のFlexPodラックで、1,500台のVDIデスクトップを導入したあるお客様は、 さらに1,500台のVDIデスクトップを追加する際、まったく同じ構成のFlexPodを導入し、計画や調達、導入にかかる時間を数カ月も短縮したのです。

こうした機能性が高く評価され、FlexPodは今、規模の大小を問わず、ますます多くの企業に基幹業務用ソリューションとして利用されています。

業務システムをFlexPodに移行した中規模医療機関

2,800人の職員を擁する米国のある医療機関では、ITシステムの老朽化と性能低下に伴い、 インフラの刷新を検討していました。条件に挙げられたのは、柔軟性に優れた共有インフラであり、SLAの順守、ミッションクリティカルなアプリケーションのパフォーマンス強化、運用効率の改善、コストの削減、そして計画的停止の低減を実現できることです。

検討の結果、IT部門はFlexPodでデータセンター インフラを刷新し、IT環境の95%をCitrix XenServerで仮想化しました (残り5%は特殊な画像処理装置のため、そもそも仮想化が不可能でした)。現在、371台の仮想サーバが稼働しています。

このFlexPod環境では、サポートされたばかりのCisco Nexus 7000スイッチが使用されています。7000スイッチを導入した直接の目的はポート密度を高めることでしたが、これにより将来的に、各データセンターで稼働する複数のFlexPodプラットフォームを完全に相互接続する体制が整ったことになります。

同機関のデータセンターには、多くのデータセンターと同様に、Nexus 7000ベースの データセンター ファブリックを含め、FlexPodユニットの構築に必要なコンポーネントがすでに数多く導入されていました。柔軟性に欠ける多くのデータセンター アーキテクチャと異なり、FlexPodでは、既存のデバイスを活用できます。このため同機関では、コストを抑えながら新しいデータセンターを構築し、FlexPodプラットフォームのメリットをすべて実現することができました。

診療記録システムからカルテ システム、人事システム、画像処理システム、放射線システム、そしてVoIPシステムに至るまで、ミッションクリティカルなアプリケーションの大半をFlexPod環境に移行しています。このため万が一、FlexPodが停止した場合には、14の関連施設のシステムが停止し、患者の生命が危険にさらされることになります。

しかしFlexPodの導入効果には絶大なものがありました。ミッションクリティカルなアプリケーションで文字どおり桁違いのパフォーマンスが得られるようになり、アプリケーション全体で見ると6~7倍のパフォーマンス向上が実現しています。たとえば、カルテ システムへのアクセス時間は3分からミリ秒単位に、 レポート作成は2時間半から数分単位にまで短縮され、 医療従事者やIT担当者の生産性が大幅に向上しました。とりわけ医療従事者の作業効率の向上には、目を見張るものがあります。

加えて、データセンターの設置面積が95%縮小されたことに伴い、電力コストや冷却コストで年間20万ドルに及ぶ削減効果が生じました。また重複排除をはじめとするネットアップのStorage Efficiencyテクノロジを活用したことで、アプライアンス サーバの容量を36%削減することに成功しています。

FlexPodで生産性を向上させた会計事務所

米国有数のある公認会計事務所は、5年前に構築したITインフラでは業務処理に追い付けなくなったことと、レプリケーションで機密データを保護する必要性が生じたことを契機に、FlexPodを導入しました。

先ごろ「実務と経営の両面に秀でた米国会計事務所トップ50」の1つに選ばれた同事務所には、275人の職員が所属していますが、データセンター インフラはわずか2人の担当者によって管理されています。一般に、会計事務所というのはソフトウェア アプリケーションへの依存度が高く、税務処理や監査の準備からワークフロー管理、スケジュール管理、請求処理に至るまで、ありとあらゆる業務にアプリケーションを使用していますが、 この会計事務所も例外ではなく、1万6,000社に及ぶ顧客の文書管理ハブとして、独自のカスタマイズを施したSharePoint®システムと複数のデータベースを導入していました。

FlexPod導入後は、主要な会計ソフトウェアとMicrosoftのデータベースをVMware®で仮想化しました。将来的には、Exchangeも仮想化する予定です。またほとんどのSharePoint サーバも仮想化済みです。SharePointが使用するMicrosoft SQL®データベースのプライマリ ノードは物理サーバ上に配置していますが、パッシブ ノードはVMwareで稼働しています。

NetApp SnapMirror®ソフトウェアを導入してレプリケーション方法を刷新したことで、 データのリカバリと業務の復旧に要する時間も大幅に短縮し、 Recovery Time Objective(RTO;目標復旧時間)は従来の48時間から2~4時間に、 Recovery Point Objective(RPO;目標復旧時点)は24時間から1時間未満へと短縮されました。さらに同事務所では、ディザスタ リカバリ(災害復旧)対策を強化するため、小規模構成のセカンダリFlexPodをコロケーション サイトに導入する作業を進めています。

以上の改革の成果は、ごく短期間のうちにはっきりと実感できる形で現れています。たとえば、旧システムで2~3時間かかっていたインクリメンタル データ検索の準備はわずか3秒で完了するようになり、顧客情報の取得に要する時間が95%短縮されています。またデータをすばやくアップロードして、特定の顧客に関連付けられるようになりました。1つ1つの記録を瞬時に検索できるようになったため、コンテンツ管理や顧客サービスの質も向上しました。このようにFlexPodは、会計士の生産性向上に大きく貢献しています。

まとめ

本稿で紹介した2つの組織に共通するのは、ミッションクリティカルなアプリケーションをすべてFlexPodで運用していることです。医療機関の職員数は会計事務所の10倍以上と、両者の環境は大きく異なります。しかし、FlexPodはどちらのニーズにも対応しつつ、可用性やアプリケーションのパフォーマンス、ユーザやITスタッフの生産性、そして将来のニーズに応える拡張性を大幅に向上させています。こうしたFlexPodならではのメリットは、Forresterが先ごろ発表したTotal Economic Impact(TEI)に関する調査レポートに、FlexPodのROIは導入後9カ月で120%に達すると記されていることを考えれば、それほど驚くことではないのかもしれません。

ネットアップとCiscoは今後も、FlexPodの強化を進め、最新のITに求められる機能を実装していきます。併せて、先進のビジネス アプリケーションをいち早く導入し、パフォーマンスや可用性、拡張性を高められる検証済みの設計も提供していきますので、どうぞご期待ください。

 FlexPodに関するご意見をお寄せください。

ご質問、意見交換、情報提供は、ネットアップのコミュニティ サイトまでお願いいたします。

ネットアップ シニア リファレンス アーキテクト David Klem、ネットアップ シニア マーケティング マネージャー Joel McKelvey

Davidは、ネットアップのインフラ / クラウド エンジニアリング チームの主要メンバーであり、クラウドベース アーキテクチャのベストプラクティスとソリューションの開発を主に担当しています。Ciscoとネットアップが共同で開発するFlexPod、ExpressPod、セキュア マルチテナンシー ソリューションのリードアーキテクトとして活躍するほか、 クラウド コンピューティングや仮想化に関する業界イベントで講演活動を行っています。2005年にネットアップに入社するまではCisco Systemsにエンジニアとして6年在籍し、Cisco Catalystスイッチ サポート チームに所属していました。

Joelは、仮想化、ストレージ、データセンター インフラなどをテーマに、技術的、戦略的なホワイト ペーパーを数多く執筆しており、これまでに2冊の技術参考資料を共同執筆しています。Joelは、仮想化とIT変革に精通したオピニオン リーダーとして国際的に活躍しています。20年以上に及ぶ業界経験を持ち、エンジニアリング、マーケティング、戦略策定の分野に携わってきたJoelは、 CiscoとVMwareの認定を受けており、コロンビア大学とカリフォルニア大学バークレー校で修士号を取得しています。現在は、複数の非営利団体と民間企業で、取締役会の一員を務めています。ネットアップでは、FlexPodとその関連ソリューションの統合マーケティングを担当しています。

Tech OnTap
定期購読はこちらよりご登録ください。
Tech OnTapは、ITに関する解説のほか、実用性の高いベストプラクティス、ヒントやツール、開発の舞台裏を探るインタビュー、デモ、ピア レビューなど、貴重な情報満載の月刊ニュース レターです。

ネットアップ コミュニティのTech OnTapから今すぐご登録ください。

Explore
関連情報
Explore
 
TRUSTe
お問い合わせ   |   購入方法   |   フィードバック   |   採用情報  |   登録   |   プライバシーポリシー   |   © 2013 NetApp