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クラスタ対応の新しい FAS3200 モデル
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ネットアップは先頃、 FAS3200 シリーズに2つの新しいモデル、 FAS3220 と FAS3250 を投入しました。この2つのモデルを設計するにあたってネットアップが目指したのは、 clustered Data ONTAP® とバーチャル ストレージ ティア テクノロジを最大限に活用できるシステムの構築です。コンピューティング能力を2倍にし、メモリと容量を大幅に拡張した結果、ミッドレンジ ストレージ ワークロードの統合、クラスタ ビルディング ブロックとしての使用、クラウド環境や FlexPod® 構成といった、広範なユース ケースにおいて優れたパフォーマンスと効率をもたらす画期的なシステムを実現することができました。

また、3つあったモデルを2つに減らして、シンプルな製品ラインも実現しました。 clustered Data ONTAP では、製品ラインが NetApp® FAS2200 か FAS3200 か FAS6200 かに関係なく、複数のシステムを統合し、クラスタリング機能がもたらすノンストップ オペレーションを通じてインフラの即応性を高めるとともに、容量とパフォーマンスのニーズにも対応できるようになりました。

本稿では、 FAS3220 と FAS3250 が Data ONTAP の最新テクノロジを利用して、優れたパフォーマンスと効率を実現する仕組みをご紹介します。

柔軟な構成オプション

2010年に FAS3200 シリーズをリリース した際に私たちが実感したのは、エントリレベルとエンタープライズ ストレージの間にある大きなギャップを埋める、柔軟性と拡張性に優れたプラットフォームが必要であるということでした。その柔軟性と拡張性への追及は今もなお続けられています。

シャーシは、旧モデルと同様に3Uを使用しています。シャーシには、 PCIe v2.0 スロットを2個装備したコントローラを2台搭載して、3Uシャーシ内で HA ペアを構成することができます。また、1台のコントローラとI/O拡張モジュール (IOXM) を搭載することも可能です (IOXM により、 PCIe スロットが4個追加されます)。

FAS3200 シリーズの 3U シャーシには、2台のコントローラ( HAペア)、または1台のコントローラと  I/O 拡張モジュールを搭載できます( I/O 拡張モジュールにより、4個の PCIe スロットが追加されます)。

図1) FAS3200 シリーズの 3U シャーシには、2台のコントローラ( HAペア)、または1台のコントローラと I/O 拡張モジュールを搭載できます( I/O 拡張モジュールにより、4個の PCIe スロットが追加されます)。

FAS3220 構成では、 IOXM の搭載は必須ではありません。つまり、3U で2台のコントローラを使用したHA構成とし、 PCIe スロットを4個使用することも、6Uのラック スペースで 12個の PCIe スロットを使用することもできるというわけです。FAS3250 では、拡張性を最大限に高めるため、すべての構成に IOXM が搭載されます。HA 構成のラック スペースは6Uとなり、12個の PCIeスロットが利用可能です。以前と同様、どちらのモデルにも、他社製ストレージを仮想化できるVシリーズ バージョンが用意されています。

表1) 新しい FAS3200 モデルで可能な構成

 FAS / V3220FAS / V3250
シングルシャーシによるスタンドアロン構成FAS / V3220非サポート
シングルシャーシによる HA 構成FAS / V3220A非サポート
IOXM 搭載のシングルシャーシ構成FAS / V3220EFAS / V3250E
デュアルシャーシによる HA 構成
(各シャーシにコントローラと IOXM を搭載)
FAS / V3220AEFAS / V3250AE

ネットアップでは通常、コントローラに搭載された2個の PCIe スロットを、高性能の 10 GbE FC または8 Gb FC アダプタ用に使用することを推奨しています。IOXM が提供する追加用の拡張スロットは、 NetApp Flash Cache™ インテリジェント キャッシングやFCディスクまたは SAS ディスクの追加接続に使用できます。利用可能な IOXM スロットが4個になることで、 Flash Cache のメリットを活かしたシステム構成が可能になります。

FAS3220 の特長

FAS3220 では、従来モデルの FAS3210 と比べて性能が強化されており、 CPU コア数が 2倍、システム メモリが2.4倍、 NVMEM が3倍以上に拡張されています。また、最大ドライブ数も480本と以前の2倍になり、 IOXM を使用した構成で拡張性を高めることも可能になりました。結果として、最大1.8倍のパフォーマンスをもたらす非常に高性能なシステムが実現しました。 NVMEM 容量の増加によって、書き込みワークロードのさらなる高速化も見込めます。書き込み処理が発生すると、まず NVMEM にジャーナルが記録されます。NVMEM がいっぱいになると、チェックポイントが発生し、 NVMEM 内の書き込みがすべてディスクに書き込まれます。NVMEM を増やせば、チェックポイントの発生頻度が低くなるため、 Data ONTAP のディスク書き込み処理が最適化され、効率を最大限に高めることができます。

表2) 新しい FAS3220 と FAS3210 の比較

FAS / V3210FAS / V3220
HA 構成A構成Aまたは AE 構成
CPU コア数48
物理メモリ10GB24GB
NVMEM* 1GB3.2GB
最大ドライブ数 240480
最大容量 720TB1,920TB**
オンボード ポート 4GbE
4FC
6Gb SAS×4
4GbE
4FC
6Gb SAS×4
PCIe スロット 44または12

*NVMEM には、物理メモリの一部を使用

**4TB ドライブ使用時( FAS / V3210 では使用不可)

Microsoft Exchange Solution Reviewed Program (ESRP) の一環としてネットアップが先日実施した FAS3220 のテストにおいて、 FAS3220 システムは、 Exchange 2010 のユーザ21,000人を対象にユーザあたり0.120 IOPS を達成し、メールボックスの復元(2コピー)設定では、1.5GB のメールボックス サイズにも対応可能であるという結果が出ました。この数値は、IOPS の目標値を49%も上回るもので、テスト対象のソリューションに IOPS の余力がまだ十分に残っていたことは明らかです。他社のミッドレンジ ストレージ システムと比べても優れた結果となっています。

FAS3250 の特長

FAS3250 については、 CPU コア数を2倍、メモリを2.5倍、ディスクの最大サポート数を 720本にまで拡張しました。さらに、 clustered Data ONTAP と 7-Mode の両構成で、各コントローラに10ギガビット イーサネット カードまたは8ギガビット ファイバチャネル カードのいずれかを標準装備し、クラスタ インターコネクトもしくは高性能I/Oのニーズに対応できるようにしました。FAS3250 は、最大で FAS3240 の2倍のパフォーマンスを発揮します。

表3) 新しい FAS3250 と FAS3240 の比較

FAS / V3240FAS / V3250
HA 構成Aまたは AE 構成AE 構成のみ
CPU コア数816
物理メモリ16GB40GB
NVMEM* 2GB4GB
最大ドライブ数 600720
最大容量 2,400TB**2,880TB**
オンボード ポート 4GbE
4FC
6Gb SAS×4
4GbE
4FC
6Gb SAS×4
標準のI/Oカード 非サポート10GbE または
8Gb FC
PCIe スロット 44または12

*NVMEM には、物理メモリの一部を使用

**4TB ドライブ使用時

FAS3250 のパフォーマンス評価には、 SPECsfs ベンチマークを使用しました。FAS3250 は、 SPECsfs2008 fs.v3 ベンチマークにおいて、総合的な応答時間 1.76 ミリ秒を達成し、1秒あたり100,922処理という結果を記録しています。

clustered Data ONTAP で即応性を向上

メモリ、処理能力、容量が強化された FAS3220 と FAS3250 は、 clustered Data ONTAP 8 の一大メリットであるスケールアウト機能をクラスタ構成によって実現する最適なビルディング ブロックです(以前の Tech OnTap® の記事では、clustered Data ONTAP は「 Data ONTAP 8 Cluster-Mode 」または単に「Cluster-Mode」と記されています)。

クラスタリング機能は、データ アクセスと物理ストレージ ハードウェアの間に抽象化レイヤを提供することで、より即応性に優れたストレージ環境を実現します。すべてのデータ アクセスは、仮想ストレージ サーバである「 Vserver 」を通じて行われます。Vserver は、基盤にある特定のストレージ システムに結び付けられていないストレージ プロファイルです。この機能によって、再マウントしたり、ユーザのアクセスを中断したりすることなく、クラスタ内でワークロードを移動することができます。ハイパーバイザーがサーバ環境に新しい機能をもたらすように、クラスタリング機能はクラスタ ストレージに新しい機能セットを提供します。

たとえば、ストレージ ノードの保守が必要になった場合は、いったんそのノードのワークロードをすべて、クラスタ内の別の場所に移動させて保守を行い、その後ワークロードを元に戻すといったことが可能になります。その際ユーザ アクセスやアプリケーション サービスの中断は不要です。また、ワークロードを移動してクラスタ間で負荷のバランスを調整したり、任意のワークロードに別のリソース(別のメディア タイプなど)を割り当てたり、割り当てリソースを増やしたりといったことも可能です。このため、ニーズの変化や突発的なイベントにもすばやく動的に対応できるストレージ環境を実現できます。需要が急増した際は特定のワークロードにリソース(容量やパフォーマンス)を追加して対応し、リソースが不要になったらまた別のワークロードに割り当てるといったことが可能です。

clustered Data ONTAP にも、ユニファイド ストレージ( SAN と NAS )、高度な Storage Efficiency 機能(シンプロビジョニング、重複排除、圧縮など)、統合データ プロテクションといった、ネットアップ ストレージならではの機能がすべて備わっています。

clustered Data ONTAP では、最大24台のストレージ コントローラを使用してストレージ クラスタを構築できます。PeakColo の事例のようにすべてのクラスタ ノードを同じにして単一機種でクラスタを構成することも、種類が異なる FAS コントローラやメディアを使用して異機種混在型の単一クラスタを構築し、複数のストレージ階層とクラスで構成されたクラスタを一元管理することも可能です。

フラッシュ テクノロジでパフォーマンスと効率を向上

FAS3220 と FAS3250 は、 NetApp バーチャル ストレージ ティア テクノロジである Flash Cache™Flash Pool™、Flash Accel™ テクノロジを最大限に活用できる設計になっています。[8] フラッシュ テクノロジを導入すれば、資本コストと管理コストの両方を削減できるだけでなく、パフォーマンス面でもメリットを得られます。資本コストを削減できるのは、少ないディスク スピンドル数で、それまでと同等かそれ以上のストレージ パフォーマンスを得られるからです。また、高価な高性能 SAS ディスクを使用する代わりに、大容量の SATA ディスクとフラッシュを組み合わせて、一定レベルのパフォーマンスを達成するという選択も可能です。

FAS3220 と FAS3250 でサポートされるバーチャル ストレージ ティアの選択肢

図2) FAS3220 と FAS3250 でサポートされるバーチャル ストレージ ティアの選択肢

Flash Cache は、ネットアップ ストレージの構成に最も簡単にフラッシュを追加できる手段を提供し、ランダム リードのレイテンシを大幅に改善します。Flash Pool は、ランダム リードとランダム ライトの両方を高速化します。また、 Flash Accel は、データをサーバにキャッシュすることで、レイテンシの影響を受けやすい要件の厳しいアプリケーションに対応します。詳細については、最近の Tech OnTap でご紹介した、 VST に関する記事をご覧ください。

新しい FAS3200 モデルはいずれもメモリ容量と処理能力が拡張されているため、 Flash Cache デバイスや Flash Pool SSD を現在のみならず将来にわたっても活用できます。

表4) FAS3200 シリーズのフラッシュのサポート

FAS / V3220FAS / V3250
Flash Cache(HA ペアあたり)1TB2TB
Flash Pool(HA ペアあたり)1TB2TB
併用時(HA ペアあたり)1TB2TB

まとめ

FAS3200 の従来モデルである FAS3210、FAS3240、FAS3270 を使用されているお客様は、移行をスムーズにするために、しばらくの間そのまま従来モデルをご利用いただけます。 初期の FAS3200 シリーズから備わっている、優れた Reliability, Availability, Serviceability, and Manageability(RASM; 信頼性、可用性、サービス性、管理性)機能は、 FAS3220 と FAS3250 にもそのまま引き継がれています。さらに、ビジネスクリティカルなアプリケーション、サーバの仮想化、クラウド環境のワークロードがもたらすニーズの増大にも対応できるよう、新モデルでは、CPUコア数、メモリ、容量を拡張してパフォーマンスを高め、ミッドレンジ ストレージに求められる機能をすべて実現しています。

新しいシステムは、 clustered Data ONTAP と NetApp バーチャル ストレージ ティアに最適な設計となっているため、より優れたアジャイル データインフラを構築して、フラッシュ テクノロジをフル活用し、ストレージのワークロードを高速化することができます。

 FAS3200に関するご意見をお寄せください。

ご質問、意見交換、情報提供は、ネットアップのコミュニティ サイトまでお願いいたします。
Steven Mille

Steven Miller
コアシステム事業部 シニア テクニカル ディレクター兼プラットフォーム アーキテクト ネットアップ


Steven は6年以上にわたって、ネットアップのプラットフォーム アーキテクトを務めています。以前は FAS3100、FAS3200、FAS6200、FAS2240、FAS2220 のほか、 Performance Acceleration Module(PAM) と Flash Cache(PAM II) の開発に携わっていました。また、ネットアップのエンジニアリング部門において、国家安全保障局、国家地球空間情報局、中央情報局との交渉役も担っており、 現在、複数の IEEE 団体と業界団体にも参加しています。Steven は、ストレージとハイパフォーマンス コンピューティングの分野で31件の特許を取得した実績があり、現在も19件の特許を出願中です。

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NetApp FAS ストレージの詳細については、 プラットフォーム アーキテクト、 Steven Miller による以下の記事をご覧ください。FAS の全製品ラインについて詳しくご紹介しています。

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