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NetApp FAS6200シリーズで実現する共有ITインフラ

共有ITインフラは、大規模な仮想化による場合であれ、クラウドによる場合であれ、これからのITの姿です。将来のニーズに対応できるストレージで、柔軟性と効率に優れたこの新しいITモデルの要求に応えることができるよう、可能な限りあらゆる手段を講じる必要があります。

NetAppではストレージシステムの提供にあたって、お客様が必要とされるすべてのストレージ機能を単一のパッケージにまとめ、同時に効率と柔軟性を高めることを常に目標としています。この進化の過程における次のステップが、新しいFAS6200シリーズです。この新たなシステムが提供するパフォーマンスとスケーラビリティによって、将来の成長に対応できるストレージが実現し、最大規模の共有ITインフラプロジェクトの要求にさえも応えることが可能になります。また、各FAS6200シリーズシステムには、対応するV6200オープン・ストレージ・コントローラ・モデルがあるため、EMC、IBM、Hewlett-Packard、日立データシステムズなどの主要なストレージベンダーのディスクアレイをNetApp®ストレージと同様に管理し、NetAppのデータ管理機能とStorage Efficiency機能をすべて利用できます。

この新しいプラットフォームではData ONTAP® 8.0.1が稼働しており、最近実施した社内ベンチマークでは、NetAppの以前のハイエンドシステムと比較して2倍から約4倍のパフォーマンスが記録されました。加えて、拡張性が大幅に向上しているうえ、信頼性、可用性、サービス性、管理性を高める新機能も備わっているため、ストレージのアップタイムをさらに拡大することができます。また、NetAppでは、ソフトウェア構成を大幅にシンプルにしました。そのため、これまでよりもさらに容易に新しいシステムのソフトウェアを構成できるようになりました。

パフォーマンスが最大3.6倍向上

FAS6000シリーズの刷新にあたってNetAppが認識していたのは、ほぼすべての面において既成概念の枠を打ち破る必要があるということでした。NetAppが目標としたのは、インフラ共有化を含めたニーズに対応するために、これまでよりも多くのストレージワークロードを単一のストレージシステムに統合できるようにし、同時に、データ保護といった重要なストレージタスクに備えて多くの余裕を残すことでした。FAS6280とFAS6080を直接比較したところ、FAS6280は次のように、あらゆるベンチマークでFAS6080のパフォーマンスを簡単に上回りました。比較にあたっては、十分な数のスピンドル、ホスト、ホスト接続を使用することで理論上のボトルネックの可能性を排除しました。

  • シーケンシャルリードのパフォーマンスが3.6倍向上
  • シーケンシャルライトのパフォーマンスが2倍向上
  • NFSの全体的なパフォーマンスが2倍向上

新しいFAS6200モデルを既存プラットフォームと比較した場合の、相対的なシーケンシャル・リード・パフォーマンス

図1)新しいFAS6200モデルを既存プラットフォームと比較した場合の、相対的なシーケンシャル・リード・パフォーマンス

このようなパフォーマンスの向上が見られたのは、プロセッサコアとメモリを高速化して数を増やしたほか、NVRAMの数を増やしたり、サポートするFlash Cacheの量を多くしたり、さらにスピンドルの最大数を増やしたりするなど、アーキテクチャ全体を刷新した結果です。FAS6200シリーズは、最新のIntel® WestmereマイクロアーキテクチャとNehalemマイクロアーキテクチャに加えて、DDR3メモリも採用しているため、業界をリードするパフォーマンスを実現します。

FAS6200には、FAS6000シリーズと同様に64ビットアーキテクチャが採用されています。ただし、新しいWestmereプロセッサとNehalemプロセッサでは、はるかに優れたデータスループットを実現できます。

また、FAS6200に搭載したDDR3-1066MHzメモリは、FAS6000シリーズに搭載のDDR-333MHzメモリよりメモリの転送速度が大幅に向上しているため、FAS6200のプロセッサコアでは、メモリ転送の完了を待機する必要がありません。

また、すべてのオンボード10 GbEネットワークポートにTCP / IPステートレスオフロードが追加されています。そのため、ストレージシステムコアがネットワーク処理に専有されて、他の処理を実行できなくなることがありません。総内部帯域幅は、新しいPCIe Gen 2アーキテクチャの採用により、64ギガバイト / 秒から90ギガバイト / 秒に増加したため、オンボード接続や拡張スロットに使用できるI / O経路が増えています。PCIe v2.0(Gen 2)x8アーキテクチャは、旧世代システムのスロットあたりの帯域幅が2.5 GB / 秒であったのに対し、最大で4 GB / 秒を実現します。

表1)新しいFAS6200シリーズの3つのモデルとFAS6080(以前のハイエンドシステム)との比較

  FAS / V6210 FAS / V6240 FAS / V6280 FAS / V6080
プロセッサコア 16 16 24 16
メモリ 48 GB 96 GB 192 GB* 64 GB
Flash Cacheの最大容量 3 TB 6 TB 8 TB 4 TB
拡張I / Oモジュール なし あり なし
最大PCIeスロット数 8 24 10
オンボード8 Gb FC 8~16 8~32 なし
オンボード10 GbE 8 8 なし
オンボード6 Gb SAS 0~8 0~24 なし
最大スピンドル数 1,200 1,440 1,176
最大処理容量 2,400 TB 2,880 TB 2,352 TB**
アグリゲート /
ボリュームの
最大サイズ
70 TB 100 TB 100 TB
Data ONTAP 8.0.1 8.0.1 7.2.5以上
* 実際のメモリ割り当ては、Data ONTAPのリリースによって異なります。
**Data ONTAP 8.0以上が必要です。Data ONTAP 7.x.xの場合、容量は表に示す値の半分になります。

優れた拡張性

FAS6200シリーズは本来の性能が卓越しているだけではありません。NetAppでは、FAS6200シリーズに今までにない拡張性も持たせようと試みました。そのため、システムを複数の面(接続、容量、キャッシュ)で拡張できます。そこには理論上の制約はありません。NetAppは、次の3つのアプローチで拡張性を実現しました。

  • 8 Gbファイバチャネル、10 GbE、6 Gb SASのオンボード接続オプションを大幅に追加 (表1参照)。このため、ほとんどの場合、接続に必要な拡張スロットの数が大幅に削減されます
  • PCIeスロットの最大数を倍以上に増加
  • 垂直スロットを追加。ストレージ・ソリューション内で6 Gb SASポートと8 Gb FCポートを柔軟に選択し、最適な組み合わせで使用することができます (オンボード8 Gb FCポートと6 Gb SASポートの数に幅があるのはこのためです)。垂直スロット内のポートはData ONTAPによってオンボードポートと認識され、FCポートの場合はターゲットまたはイニシエータとして構成できます

新しいFAS6200シリーズのシャーシには、2種類の3Uコンポーネントを実装できます。

  • コントローラ
  • I / O拡張モジュール(FAS / V6240とFAS / V6280のみでサポート)

FAS / V6280とFAS / V6240の6Uシャーシには、コントローラが1台とI / O拡張モジュールが1つ含まれる

図2)FAS / V6280とFAS / V6240の6Uシャーシには、コントローラが1台とI / O拡張モジュールが1つ含まれる

エントリモデルであるFAS6210は、6Uシャーシで提供され、スモール・フォーム・ファクタに1台のコントローラ(シングルコントローラ構成の場合)、または2台のコントローラ(HAペアコントローラ構成の場合)が含まれます。FAS6240とFAS6280では、コントローラ1台ごとにI / O拡張モジュールが1つ備わっています。このため、HAペア構成の場合はラックスペースが12U消費されます。

FAS / V6280またはFAS / V6240は、コントローラごとに表1に示したオンボードポートの半分を提供します
(表1の数字はHAペア構成の場合です)。また、各コントローラには垂直I / Oスロットが2つとPCIeスロットが4つ装備されています。垂直I / Oスロットのうちの1つはNVRAMによって使用され、もう1つはNetApp FC I / OカードまたはSAS I / Oカード用に予約されています。I / O拡張モジュールによって追加される8つのPCIeスロットと2つの垂直I / Oスロットは、NetApp FC I / OカードまたはSAS I / Oカードに使用できます。

したがって、単一のコントローラに単一のI / O拡張モジュールを使用した場合、垂直I / Oスロットは4つ、PCIeスロットは12個になります。FAS6280で最大のデュアルコントローラ構成を採った場合、PCIeスロットは最大で24個となり、次のようなPCIeアダプタをサポートできます。

  • 10 GbE NIC
  • 10 GbE Unified Target Adapter(UTA;ユニファイド・ターゲット・アダプタ)
  • 8 Gb FCアダプタ
  • Flash Cache
  • FCストレージアダプタとSASストレージアダプタ

こうして、NetAppがこれまで提供したどのシステムよりも、はるかに高い拡張性と構成の柔軟性が実現しました。これまでは、ネットワーク接続やキャッシュの追加のためにストレージ接続を犠牲にしなければならない状況もあったかもしれません。しかし、内蔵ポートの数が増え、拡張スロット数も2倍以上になったことで、このような状況はもはや過去のものとなりました。

10 GbEユニファイド・ターゲット・アダプタがサポートされたことで、接続も簡易化されています。また、NetApp Unified ConnectインフラとUTAによって、すべてのストレージプロトコル(FCoE、iSCSI、NFS、CIFS)を単一のユニファイド・ファブリックで実行できます。プロトコルごとに別のアダプタを使用する必要がないため、使用可能な拡張スロットを使い切ってしまうことがありません。現在このような機能を備えているのは、NetAppストレージのみです。

Reliability, Availability, Serviceability, and Manageability(RASM; 信頼性、可用性、サービス性、管理性)

共有インフラ環境では、ストレージの信頼性、可用性、サービス性機能の重要性が増します。このためNetAppは、FAS6200シリーズにおいてRASM機能の追加、強化を行いました。

まず、永続的な書き込みログの作成新機能を追加しました。バッテリバックアップNVRAMは、約72時間持続します。バッテリが切れると、NVRAMの内容は失われます。災害の状況によっては、電力が復旧するまで長時間かかることがあります。永続的書き込みログ機能を使用すれば、ダーティシャットダウンが発生した場合にNVRAMの内容がフラッシュメモリにデステージされ、書き込みログは無期限に保護されます。次回ブートすると、システムが電源から切断されていた時間にかかわらず、作成されたNVLOGが再生されて、システムは整合性のある状態にリストアされます。

また、NetAppは、以前のモデルで使用していたRemote LAN Module(RLM)の機能をはるかに凌ぐ新しいサービスプロセッサをFAS6200シリーズに追加しました。サービスプロセッサは、ストレージシステムの他の部分がダウンしている場合でも動作し続け、イーサネット経由またはシリアルコンソール経由でアクセスできます。このサービスプロセッサは新しいFAS3200にも採用されており、リモート電源サイクル、ダウンしたシステムのコールホーム通知、トラブルシューティングのための常時アクセスなど、RLMのすべての機能を提供します。また、RLMの機能を超える次のような新しい機能も提供します。

  • FRUのレポートと追跡
  • 電流 / 電圧と温度を感知する高度なセンサーによるレポート
  • LEDステータスの監視と設定
  • コアダンプの強制的な作成(コントローラ上のNMIボタンの代わり)

NetAppでは、NetApp SASディスクシェルフのアウトオブバンド管理用に、Alternate Control Path(ACP)テクノロジを開発しました。ACPによって、ストレージコントローラはストレージチャネル経由で通信しなくても、ストレージチャネルをリセットできるため、データの可用性が向上します。チャネルがダウンしている場合や動作に問題がある場合、外部から介入しなくても、すぐにリセットしてオンラインに戻すことができます。ACPがあることで、ACPがなければリブートが必要になっていた障害からもストレージシステムをリカバリできます。これは大きなメリットです。

ACPは、ディスクシェルフにアクセスする別の入口を提供してくれます。SASのデータパスからは完全に分離されているため、個々のI / Oモジュールやドメイン全体をリセットしたり、電源サイクルを実行するなど、シェルフモジュールを無停止でリカバリする新たな選択肢を提供します。NetAppは、シェルフ全体を電源サイクルするための機能も組み込みました。ACPテクノロジは、Data ONTAPの機能を強化して、動作に問題のあるコンポーネントを自動的にリセットし、無停止で完全に動作する状態に戻します。

NetAppのサポート担当者は、Remote Support Diagnostics Toolを使用することによって、サービスプロセッサを介し、お客様のストレージシステムにある診断データやAutoSupport™情報に直接アクセスできます。Remote Support Diagnostics Toolは、問題が発生した場合に、問題のトラブルシューティングにかかる時間を短縮し、ストレージ管理者の負担を軽減します。また、セルフサービス式の管理機能も提供します。

NetAppではリモートアクセスに伴う潜在的なセキュリティの問題を考え、次のような方法でセキュリティに特別な注意を払いました。

  • 128ビットで暗号化したHTTPSアウトバウンド接続
  • デジタル認証によるスプーフィングの防止
  • 問題の優先度決定時にのみデータを収集
  • お客様によるセキュリティポリシーの制御
  • NetAppによる操作を監査ログに全て記録

Symantecが実施した独立評価によると、Remote Support Diagnostics Toolはセキュリティに関連するすべてのベストプラクティスに適合しています。

シンプルなソフトウェア構成

NetAppは、長年にわたる技術革新で新しいソフトウェア機能を開発し、Data ONTAPとNetAppストレージの中核機能に追加してきました。そして社の理念に従って、開発した機能や価値の多くを追加料金なしでお客様に提供してきました。しかし、NetAppソフトウェアを改めて確認したところ、お客様が選択するオプションが30を超えていることが判明しました。何らかの簡易化を行う時期であることには、お客様も同意していただけると思います。

NetAppでは手始めに、最も一般的なオプションをData ONTAP Essentialsにグループ化しました。この中には、以前は別途購入しなければご利用いただけなかったオプションも数多く含まれています。Data ONTAP Essentialsは、FAS6200シリーズとFAS3200シリーズに追加料金なしで組み込まれています。

Data ONTAP Essentialsに含まれる機能は次のとおりです。

  • 高可用性:クラスタ・フェイルオーバー、SyncMirror®、MetroCluster™、DSM / MPIO
  • インフラ:NearStore®、MultiStore®、Open Systems SnapVault®
  • Storage Efficiency:RAID-DP®、Snapshot™、重複排除機能、圧縮機能、シンプロビジョニング、FlexCache®
  • コアストレージ管理ソフトウェア:System Manager、Operations Manager、Provisioning Manager、Protection Manager

Data ONTAP Essentialsには、ご希望のストレージプロトコル(iSCSI、FC、CIFS、NFS)も1つ含まれます。

また、5つのソフトウェアモジュールを追加で提供します。

  • SnapRestore®
  • SnapMirror®
  • FlexClone®
  • SnapVault
  • SnapManager®スイート(サポートしているすべてのソフトウェアのSnapManager製品とSnapDrive製品が含まれます)

さらにお客様の手間を省くために、Complete Bundleもご用意しました。Complete Bundleには、すべてのプロトコルと上記の5つのソフトウェアモジュールが含まれています。

まとめ

新しいFAS6200シリーズとV6200シリーズは、大企業、クラウド・サービス・プロバイダ、仮想化アプリケーションや技術アプリケーションをサポートする最適な製品です。この新しいシステムは、大規模な共有ITインフラなどの要求の厳しいIT環境に必要なパフォーマンス、拡張性、RASM機能を提供するように設計されています。またNetAppでは、FAS / V6200システムとFAS / V3200システムについて、ソフトウェアのインストールと設定のプロセスを大幅に簡易化しました。このため、新しいシステムを立ち上げてオンライン状態にするまでの操作がさらに容易になりました。

NetAppコミュニティ
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ご質問、意見交換、情報提供は、NetAppのコミュニティサイトまでお願いいたします。

Chris Lueth

Chris Lueth
テクニカル・マーケティング・エンジニア
NetApp

Chrisは業界で18年以上の経験を積んでいます。NetAppに入社して以来、今日までの7年以上で身に付けた技術知識は、NearStoreの導入、RAID-DP、SnapLock、エントリ / ミッドレンジ / ハイエンド・プラットフォーム、ストレージの耐障害性など、その幅広さには驚くばかりです。以前はチップ設計エンジニアとして、初のマルチプロセッサ・マザーボード・チップセットにも携わり、その後UNIX®システムの管理を経てストレージへと転じました。

Mukesh Nigam

Mukesh Nigam
プロダクトマネージャー
NetApp

MukeshはNetAppのハイエンドFASポートフォリオを管理しています。NetApp入社後5年以上の間に、製品管理、テクニカル・マーケティング、開発部門のさまざまな職務に就いてきました。ハイエンド・プラットフォームとシステムのサービス性に注力する日々を送っており、時には仕事が深夜に及ぶこともあります。NetApp入社前は、ストレージセキュリティ、ネットワーク、UNIXの内部構造、フォールトトレランスの開発にさまざまな立場で関わってきました。ペンシルベニア大学ウォートンスクールでMBAを取得しています。

 
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