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ビジネスクリティカルなアプリケーションの仮想化を実現する、Data ONTAP 8 Cluster-Mode
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Vaughn Stewart
ディレクター兼仮想化エバンジェリスト

ネットアップのお客様は、私の貴重な情報源です。お客様の傾向が変化するたびに、さまざまなヒントが得られます。ビジネスクリティカルなアプリケーションの仮想化件数は、この1年半ほどの間に目覚しく増加しています。こうした仮想化イニシアチブの最大の目標は、プライベート クラウドのメリットをアプリケーションの運用に活かし、アプリケーションの可用性とビジネス即応性を同時に向上させることです。仮想化プロジェクト全体を成功させる上で鍵となるのは、多くの場合インフラの選択です。

仮想インフラのメリットの中で最も見落とされやすいのは、データセンターの運用を画一化できるという点です。つまり、コンピューティング リソースの消費をハードウェアのレイヤから抽象化させることで、ソフトウェア主導型データセンターのメリットを引き出せるのです。たとえば、ワークロードのピーク時にはより多くのコンピューティング リソースをビジネスクリティカルなアプリケーションに動的に割り当てたり、ワークフローの自動化やインフラのオーケストレーションを行うことが可能となります。

従来のストレージ インフラでは、リソースをこれほどスピーディかつ自在に管理することはできません。ネットアップは、Data ONTAP® 8 Cluster-Mode アーキテクチャを導入することにより、ソフトウェア定義型ストレージ インフラの実現に向けて、大きな飛躍を遂げました。そのため、サーバとストレージの運用を標準化し、リソースを動的に割り当てることが可能となり、仮想化されたビジネスクリティカルなアプリケーションの運用効率を大幅に向上することができるのです。

ビジネスクリティカルなアプリケーションとは?

では、ビジネスクリティカルなアプリケーションとは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか?一般的に言って、Microsoft® Exchange、Microsoft SQL® Server、Microsoft SharePoint®、Oracle® データベース、 Oracle アプリケーション、SAP® などが、ビジネスクリティカルなアプリケーションに含まれます。広義には、サービスの停止によって生産性、顧客満足度、収益の低下を招くアプリケーションはすべて、ビジネスクリティカルなアプリケーションと定義できるでしょう。この定義に基づくと、実に様々なタイプのビジネスクリティカル アプリケーションが存在していると言えます。一般に市販されているものも、知名度の低いものもあります。その多くは多層アプリケーションであり、特定の業界や市場を対象としているものもあります。また、大半のアプリケーションには、高度なカスタマイズ機能がついています。

個々のビジネスクリティカル アプリケーションの何%が仮想化されているのか、といった数値を具体的に調査するのは不可能ですが、市販されている一部のエンタープライズ アプリケーションに関しては、下記のようなデータがあります。

VMware®上で運用されているビジネスクリティカルなアプリケーション インスタンスの割合(出典:VMwareの顧客調査[2010年1月と2011年6月に実施])

図1)VMware® 上で運用されているビジネスクリティカルなアプリケーション インスタンスの割合(VMware の顧客調査 [2010 年 1 月と 2011 年 6 月に実施])

ビジネスクリティカルなアプリケーションの要件

ビジネスクリティカルなアプリケーションを仮想化する際には、以下の「絶対条件」をクリアする必要があります。

  • 可用性:物理環境で稼働しているアプリケーションと同程度か、それより優れている。
  • パフォーマンス:物理環境と同程度か、それより優れている (仮想化によってパフォーマンス オーバーヘッドが高まる場合は、それを補う手段を検討する必要があります)。
  • 管理の容易さ:膨大な量のデータを運用するために欠かせない、アプリケーションのバックアップやりストア、ディザスタ リカバリ(災害復旧)、データ移行といった機能の管理が容易である。

上記の条件は、サーバとストレージの両方に該当します。今日のハイパーバイザー プラットフォームは、非常に高いアプリケーション ワークロードに対応するのに十分なリソースを備えているだけでなく、高可用性機能を十分に備えていないアプリケーションにも、高可用性を提供します。

また、ハイパーバイザーには、高度なデータ管理機能も備わっており、リソースに制約がある場合やインフラを更新する場合にも、システムを停止させずにデータセットを移動できます。しかし、このようなデータ管理手法は、かなり事後対応型のアプローチといえるでしょう。ストレージのパフォーマンスが低下するなど、最適な状態を維持できなくなった場合は、データ移動が完了し、ワークロードの変化にリソースが対応できる状態になるまで「困難な状態を乗り切る」必要があるからです。またこうした管理方法は、レプリケーション、データのリストア、ストレージ容量の削減などの重要な分野に影響を及ぼす、その他各種の「ダウンストリーム」を引き起こす可能性があります。

ビジネスクリティカルなアプリケーションのニーズに対応する Cluster-Mode

ネットアップは、Data ONTAP 8 Cluster-Mode のリリースによって、画期的なストレージ プラットフォームを実現しました。このストレージ プラットフォームは、プライベート クラウドに導入されているあらゆる仮想ワークロードの要件に対応するよう設計されています。Cluster-Mode は、従来の 2 ノード構成ネットアップ ストレージ クラスタを、大規模な 24 ノード構成のストレージ インフラへと変身させます。Cluster-Mode の新しいクラスタリング機能は、ストレージの一元管理を可能にするだけでなく、大容量とパフォーマンスの拡張性を実現します。

Data ONTAP は、データのアクセスと管理機能をハードウェアと切り離して行う初のストレージ プラットフォームで、ハイパーバイザーのようにソフトウェア インターフェイスを使って、システムを停止させずに管理できる機能を備えています。ネットアップは、Vserver と呼ばれるストレージ プロファイル メカニズムを通じて、このプラットフォームを実現させました。この Vserver により、必要に応じてストレージ リソースを動的に割り当てることが可能になり、「強引な」コピー方法によるデータ管理手法に頼っているときに起きがちなダウンタイムや再設定などの問題も起こりません。

Cluster-Mode は、アプリケーション対応機能、Snapshot ベースのバックアップとレプリカ、業界で最も多様なストレージ効率化テクノロジ(重複排除、シンプロビジョニング、圧縮、スペース効率に優れたクローン)、実績のある可用性と信頼性といった、ネットアップの代表的なテクノロジをすべて駆使して、新しいストレージ サービスを実現します。

Cluster-Mode は、ストレージ インフラを変革し、以下のような機能を実現します。

  • ノンストップ:保守、データ移行、アップグレード、テクノロジ更新などのハードウェア関連の作業中にも、データを常時利用可能。
  • インフィニット:クラスタリング機能によって、ストレージ リソースを数テラバイトから 50 ペタバイトに、IOPS を数千から 100 万以上に拡張でき、複数のネーム スペースにも、単一の論理ネーム スペースにも対応可能。
  • インテリジェント:大規模データ用に設計された高度なデータ管理機能が各種の新しい常時稼働機能を実現し、運用を合理化。

こうした機能が業界トップレベルのハイパーバイザーの機能と連携し、ビジネスクリティカルなアプリケーションの仮想化をサポートします。

ノンストップのインフラ

当然のことながら、ビジネスクリティカルなアプリケーションは、24時間稼働というサービスレベル要件を満たさなければなりません。前述した市販のアプリケーションには、高可用性を維持するためのオプションや機能が標準搭載されていますが、その主な理由は、インフラに高可用性機能がないためです。ダウンタイムを防ぐためには、まずビルトイン機能をどのようなタイミングで導入すべきか検討し、コスト効率のよいタイミングで、こうした機能を活用する必要があります。

さらに、インフラ自体も高可用性であることが必要です。データ ストレージを使用する場合は、I/O パスを冗長化し、ハードウェア コンポーネントを冗長構成にするだけでは不十分です。ネットアップは可用性の保護と拡張に貢献する、重要な各種のテクノロジを提供しています。このテクノロジは優れた信頼性で実績を持つ NetApp® HA ペアと RAID-DP ® テクノロジを基盤に構築されているため、データを保護するばかりでなく、重要なデータセットをほぼ永遠にオンラインの状態で維持できます。

ノンストップ オペレーション:ストレージ クラスタを複数のノードで構成し、アクセス ポイントをソフトウェアによって提供することにより、複数の VM を使用する大規模ワークロードを、クラスタ内のストレージ コントローラ間や、異なる種類のディスクドライブ間で移動できます。移動の際にシステムを停止させる必要はありません。つまり、ハードウェアの保守、IT 資産の撤去、ハードウェアの更新などによって計画停止する必要はもうありません。

ビジネスクリティカルなアプリケーションと統合されたレプリケーション機能:ネットアップのレプリケーション テクノロジは、Exchange、SQL Server、SharePoint、Oracle、SAP と緊密に統合されているため、ディザスタ リカバリ サイトに複製されたデータの整合性を維持し、サービスを高速でリストアすることができます。

容量とパフォーマンスを無限に拡張

ビジネスクリティカルなアプリケーションでは、必要な容量が急増することがある一方、ピーク時とそれ以外の時間帯では、求められるパフォーマンス要件が大きく異なります。Cluster-Mode のツールを使用すると、リソースを無駄遣いしたり、高価なハードウェアを未使用状態にすることなく、容量とパフォーマンスのニーズに対応できます。

動的に拡張:ストレージ プロファイルを使用してリソースを抽象化することで柔軟なデータ管理を実現しているため、各ワークロードニーズに応じてリソースを動的に割り当てることができます。また、そのリソースが不要になった場合は、別のワークロードに割り当てることができます。

ビジネスクリティカルなアプリケーションのニーズに応じ、割り当てるストレージ リソース(容量と IOPS )の量を自在に変更できるため、アプリケーションのライフサイクルに合わせて、システムを拡張できます。開発 / テスト段階から本番環境へ、そして運用のピークを越えて最終的に撤去するまでアプリケーションをライフサイクルを通じて移行させていくことが可能です。

必要に応じてストレージ リソースの急激な拡張や縮小ができるため、新しい業務形態が可能になります。また、環境の構成を変更することなくコンピューティング リソースやストレージ リソースを、同時に再割り当てできるので、さらに動的で効率的なクラウド インフラを実現できます。

ワークロードの変化に瞬時に対応:クラウド環境では、アプリケーション ワークロードの想定外の変化にも対応しなければなりません。こうした状況により動的に対応するため、ネットアップはバーチャル ストレージ ティア(VST)を開発しました。Flash Cache は、アクセス頻度の高いランダム リード データ用のコントローラ キャッシュで、モジュラ式に拡張できます。Flash Pool は、SSD とハードディスクの併用を可能にし、ランダム リードとランダム ライトに最適な、ハイブリッド型のFASストレージを実現します。Flash Accel は、VST のメリットを vSphere® ハイパーバイザーに拡張し、遅延の影響を受けやすいアプリケーションのI/Oを最大限に高速化します。

これらの機能の組み合わせにより、必要に応じたパフォーマンス向上を可能にする階層が構成され、負荷が想定外のタイミングで急上昇した場合にも、ビジネスクリティカルなアプリケーションの即応性を守ることができます。

インテリジェントな管理

Cluster-Modeを使用すると、卓越した情報モビリティ機能によって、ストレージ インフラを可視化できます。また、ビジネス上の重要度に関わりなくユーザのニーズに応じて、クラスタ内でデータを自在に移動できます。アプリケーションによって消費されるリソースが増えると、それに併せてデータの移動、バックアップ、レプリケーションといった重要な管理機能も拡張します。

ハイパーバイザーでのデータ移動(ストレージでは非対応)は、サーバ レベルで行われます。データは、元の場所からサーバへとブロック単位で読み込まれ、その後、新しい場所へと書き込まれます。これとは対照的に、クラスタ構成のネットアップ システムで行われるデータ移動は、専用の高速クラスタ インターコネクトを介して、ストレージのスピードで行われ、クラスタが拡大すると、データの移動に使用できる帯域幅も拡張します。その成果は実証済みです。

VMworld 2012では、ネットアップの創立者、Dave Hitz が、PeakColo の Luke Norris 氏と対談しましたが、この対談で Norris 氏は、Cluster-Mode によって複数のテナント VM を一斉移動させることが可能になり、会社に即応性がもたらされたと語っています。その事例として、Norris 氏は、Oracle 環境で 30 台の VM を稼働させていた顧客から、ストレージのパフォーマンスに問題があるとクレームを受けたときの話を紹介しました。

そのとき、PeakColo は、SATA から SSD へとほぼ瞬時にワークロードを透過的に移動させることによって、パフォーマンス低下の原因がストレージではなく、プログラミングにあったということをその顧客に証明したのです。こうして、ストレージは問題の原因から速やかに排除され、顧客はすぐにアプリケーション開発者に問題の解決に当たらせることができたのです。

リカバリ ポイントをディスク上に保存:データの急増は、ビジネスクリティカルなアプリケーションに大きな影響を及ぼします。そのため、単にできるだけ高速なデータ伝送手法を採用してバックアップ ウィンドウに対応するというアプローチは、もはや通用しません。そこで解決策となるのが、ローカルのプライマリ ディスクにリカバリ ポイントを作成し、ストレージ アレイから別のターゲット ストレージへとデータを自動的にレプリケート(複製)するという手段です。Cluster-Mode は、NetApp Snapshot™ コピーと、SnapMirror® レプリケーション テクノロジを活用して、この手段を実行します。そして、実績のあるStorage Efficiency 機能に基づいて、拡張性に優れた統合データ プロテクション アプローチを提供します。現代では、1TB の VM があっという間に 10TB に膨れ上がり、バックアップウィンドウの変更や、レプリケーション時間の延長が間に合わないこともありますが、こうした状況にも対応できます。Cluster-Mode に搭載されている NetApp SnapManager® 製品スイートは、これらのテクノロジを Exchange、SQL Server、SharePoint、Oracle、SAP と緊密に統合させることによって、バックアップとレプリケーションを高速化するだけでなく、アプリケーションとの整合性も維持します。

透過的な拡張:Cluster-Mode のストレージ プラットフォームなら、クラスタにノードを追加するだけで拡張できます。ホストに変更を加える必要は一切ありません。また、追加するハードウェア ノードは、既存のノードと同じモデルでなくても構いません。クラスタ環境に最新のネットアップ プラットフォームを導入して既存のハードウェアと混在させたり、データをオフラインにせずに古いプラットフォームを撤去することが可能です。このように、Cluster-Mode には、システム停止無く変更を可能にする機能が標準搭載されています。

適切にアラインメントされていない仮想マシンの検出と修正:すべてのストレージ プラットフォームに共通する課題として、VM 内のパーティションが適切にアラインメントされないという問題がありますが、ネットアップの VMware vCenter™ 向けプラグイン、Virtual Storage Console(VSC)は、システムを停止させることなく、アラインメントの問題を検出し修正する、最適化機能と移行機能を提供します。

アプリケーション所有者による管理が可能:Cluster-Mode を使用すると、アプリケーション所有者が、各ストレージ プロファイル内の機能の一部、あるいはすべてを管理することができます。そのため、アプリケーションの所有者の即応性が向上し、日々の業務で発生するニーズにも、より素早く対応できるようになります。

まとめ

ビジネスクリティカルなアプリケーションを運用する仮想インフラには、高度な可用性やパフォーマンス、管理機能の容易さが求められます。最新型のハイパーバイザーと Data ONTAP 8 Cluster-Mode を組み合わせて使用すると、運用アプローチを画一化して、信頼性に優れた、ソフトウェア主導型のデータセンターを構築できます。こうしたデータセンターは動的な拡張が可能なほか、従来型インフラより容易に、効率よく管理することができます。Cluster-Mode のテクノロジでアプリケーション環境を仮想化すれば、物理環境より優れた可用性を確保しながら、物理環境と同様、あるいは、それ以上のパフォーマンスを実現できるのです。ピーク時以外に、貴重なリソースが未使用状態で放置されることもありません。また、非仮想化環境では実現できない高度で容易な管理が可能になります。

NetApp Data ONTAP 8 Cluster-Modeの 革新的な設計は、サーバ ハイパーバイザーに匹敵するメリットをもたらし、高度な仮想化とクラウド コンピューティングのニーズに応えます。Cluster-Mode は、データの管理とアクセスを、ハードウェアから切り離して行うことにより、ビジネスクリティカルなアプリケーションを使用する環境に、卓越したパフォーマンス、容量と即応性を提供します。

 Data ONTAP 8 Cluster-Mode についてご意見をお寄せください。

ご質問、意見交換、情報提供は、ネットアップのコミュニティ サイトまでお願いいたします。

著者紹介:Vaughn Stewart(クラウド コンピューティング ディレクター兼仮想化エバンジェリスト)

Vaughnは、ネットアップのクラウド コンピューティング ディレクターであるとともに、「仮想化エバンジェリスト」でもあります。ネットアップを代表して Open Virtualization Alliance に参加し、ブログ「The Virtual Storage Guy」を執筆。先日発売された『Virtualization Changes Everything』 も共同執筆しています。また、1件の特許を申請中で、VMware から vExpert として認定されているほか、業界の認定資格をいくつも保有しています。

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『Virtualization Changes Everything: Storage Strategies for VMware vSphere and Cloud Computing』

ネットアップの Vaughn Stewart と Mike Slisinger が共同執筆したこの新しい本には、高可用性、効率、統合性、パフォーマンスに優れたクラウド ストレージを実現するための的確なアドバイスが盛り込まれています。序文は VMware の CTO、Stephen Herrod が、前書きは YellowBricks ブログでお馴染みの Duncan Epping(VMware)が手がけています。

ご購入は、Amazon.co.jpBarnes & Noble から行えます。

Cluster-Mode に関するその他の情報

以下の Tech OnTap® 記事でも、Cluster-Mode の情報を紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

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