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NetApp OpenStack ソリューション キットでクラウドを思いのままに構築
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人工降雨は、空に浮かんでいる雲に手を加えて、雨や雪を必要に応じて降らせるといった特定の目的を達成する科学です。 この能率の良さをITクラウドの開発の世界でも実現できたら、 と考えるのは当然のことでしょう。 その役割を今果たすようになっているのが OpenStack® テクノロジです。

クラウドを設計するには、数百人、数千人、ひいては数百万人ものユーザが共有インフラ、ノンストップ オペレーション機能、複数のアプリケーションを利用することを前提とした、 新しいインフラ設計戦略が必要です。パブリック クラウドを利用するか、 OpenStack などのオープンソース ソリューションでクラウドを構築するかを決定する際には、クラウドの構築コストと運用コストのほかに、制御、コンプライアンス、柔軟性などの問題を考慮する必要があります。

データ ファブリック ソリューションの Essentials ソリューション キットに関するシリーズの3回目となるこの記事では、クラウド型インフラのシンプルな導入を可能にする NetApp® OpenStack ソリューション キットについてご紹介します。 OpenStack ソリューション キットを使用すれば、カスタマイズした自社クラウドを開発して、必要なパフォーマンス、経済性、柔軟性を思いどおりに備えたクラウドを実現できます。

OpenStack の導入から推測を排除

次世代のデータセンターに求められる要件を満たすために、多くの企業が柔軟性に優れたクラウド インフラを構築しようと OpenStack ソリューションを検討し始めています。 OpenStack の魅力の1つは、 クラウドネイティブなワークロードやWebスケールのワークロードに加えて、従来からのエンタープライズ アプリケーションをホストできることにあります。このため、 OpenStack は、スケールアップ戦略と、あとから登場したスケールアウト トレンドとのギャップを埋めることができます。

OpenStack は、コミュニティベースのプロジェクトであるという性質上、成熟するまでにはいくつかの難局をくぐることになります。 完全にオープンであり、柔軟であるために不確実性も伴いがちですが、企業が安心して採用するためには、こうした不確実性を取り除く必要があります。 このため、メリットがリスクを大幅に上回っていても OpenStack は難しい、という見方をする人もいます。

私たちは、これを変えたいと考えました。

NetApp は、 Cisco、 Red Hat と連携して、クラウドを効果的に活用するための OpenStack ソリューション キットを構築しました。このソリューション キットは、認定済みの統合ソリューションによって、構成、導入、サポート関連のリスクを軽減します。 OpenStack プライベート クラウド ソリューションを構成して運用を開始するまでの期間を数カ月から数日に短縮することが、このキットの狙いです。

図1) OpenStack ソリューション キットは、 OpenStack の構想から運用開始までの期間を大幅に短縮する、 検証済みの手法を提供します。

出典:ネットアップ、2016年

OpenStackソリューション キットは、完全に検証済みのリファレンス アーキテクチャを提供します。Cisco® Validated Design(CVD)とFlexPod® Datacenter 統合インフラが基盤となっているため、 OpenStack の導入を推測に頼って行う必要がなく、リスクもありません。 このキットは、完成された汎用的な OpenStack ソリューションとしてではなく、典型的な OpenStack 構成をリスクを抑えながらシンプルに導入できる手段として提供されています。

導入を終えたら、御社の特定の環境について特性を分析することができます。 実際のパフォーマンスはどのようになっているか。 構成して運用を開始するまでにどれだけのハードウェアが実際に必要になりそうか。 構築した場合にはどのくらい費用がかかるか。 クラウドをレンタルするか購入するかを決定する際に必要なこうした分析を、 理論的な計算から実証データにいたるまで短期間で終えることができます。

新しいワークロードが必要とする新しい柔軟性

大きく見ると、企業のデータセンターは、Gartner Inc.のアナリストが呼ぶところの「2つのモードを持った」ITモデルで運用されています。モード1では、従来からの一貫性があり予測可能な、正確さと安定性が求められるミッションクリティカルな処理が実行されます。つまり、あらゆる企業にとって実績のある中核的なシステムが該当します。モード1アプリケーションの例としては、金融取引に使用されるMicrosoft® SQL Server®データベースを挙げることができるでしょう。モード1アプリケーションは、データ主権上の理由からオンプレミスに留まる傾向にあります。

モード2では、柔軟、動的、移り変わりが激しい、 試験的、ノンリニアな環境といった特徴を持つ新しいシステムが実行されます。 その典型としては、多数の顧客やユーザとエンゲージするシステムを挙げることができるでしょう。モード2は、 DevOps、 アジャイルな開発、継続的な導入が行われる場所です。 モード2の柔軟性は、これまでほとんどの場合、 少数の大規模なハイパースケール クラウドによって提供されてきました。 ただし、ハイパースケーラを利用するには、 法的な問題やコンプライアンス上の問題のほか、 長期間にわたって利用する場合に高額になりやすいレンタル モデルである、といった障壁があります。

データセンターの世界のクラウドは、 空に浮かんでいる雲と同じように束の間で消えるという性質があるため、 当然モード2での運用が適しています。そのため、 一部の企業は、クラウド型の環境に新しいモード2アプリケーションを導入し、 一方でモード1アプリケーションを従来のシステム上に維持することを検討しています。 OpenStack を活用すれば、 さまざまなハードウェア アーキテクチャを使用して、 拡張性、パフォーマンス、 管理属性を自在に決定しながらモード2の柔軟性を実現することができます。

OpenStackなら、企業やサービス プロバイダは、CAPEX(設備投資)をハイパースケールのレンタル モデル並みに抑えながら、高度なモード2環境を構築できます。

図2) ネットアップのデータ ファブリック ビジョンによって 、データをクラウドとオンプレミスのリソース間で自在に移動できます。

出典:ネットアップ、2016年

ここで登場するのがデータ ファブリックと OpenStack ソリューション キットです。 この2つによって、 データの配置場所と、 コンピューティング リソース、 ネットワーク リソースの配置場所を選択できるようになります。 たとえば、すべてのモード1データを社内ストレージに残しながら、 一部またはすべてのコンピューティング リソースを OpenStack クラウドへ移動するという選択が可能になります。 一部またはすべてのモード2データを OpenStack クラウドへ移動することも可能です。 あとで考えが変わった時に元に戻すのも簡単なため、 安心して移動できます。

データ ファブリックがすべてを結び付けるため、 データモビリティとシームレスなデータ管理を手に入れることができます。 選択したワークロードに対してモード2の柔軟性を必要なだけ提供しながら、 モード1の制御性を諦める必要もありません。

NetApp、 Cisco、 Red Hat が統合ソリューションとサポートを提供

OpenStack ソリューション キットは、 Red Hat Enterprise Linux ソフトウェアを採用しています。 そして RHEL を基盤に、 ブロック ストレージ(Cinder)、 オブジェクト ストレージ(Swift)、 ネットワーク(Neutron)、 コンピューティング(Nova)、イメージ(Glance) サービスなどのさまざまなOpenStackサービスが稼働します。 Ciscoは、 UCS、 Nexus シリーズなどのハードウェアを提供しています。

ネットアップは、高可用性ストレージ プラットフォームである NetApp AFF8020 All Flash FAS (AFF) をソリューション キットに組み込みました。 また、先頃買収した SolidFire のパワフルなオールフラッシュ アレイを OpenStack ソリューション キットにまもなく追加することを予定しています。 これにより、キットの柔軟性がさらに増すことになります。

OpenStackソリューション キットには、NetApp、Red Hat、Ciscoのストレージ、コンピューティング、ネットワーク テクノロジが統合されているということ以外に、もう1つ特筆すべき点があります。それは総合サポートが提供されるソリューションである、という点です。このソリューション キットはCVDをベースとしているため、参加各社から全面的なサポートを受けられます。

3社とそれぞれ連携しながら、ストレージ、ネットワーク、コンピューティングの要素を1つにまとめる労力をかけなくとも、総合サポートが提供される統合ソリューションを手に入れることができるのです。現場でのリスクを軽減するための3社の連携の結果、それがOpenStackソリューション キットです。

導入の目的を明確化し、目的に合ったアーキテクチャを選択

このソリューション キットは、受賞歴のあるAll Flash FAS製品をベースとしていますが、ネットアップのOpenStackに関する専門知識は、EFシリーズ、新しいSolidFire製品を含むネットアップのどの製品を選んだ場合でも活用できます。

ネットアップは、業界で最も幅広いオールフラッシュ アレイ ポートフォリオの全製品で、サーバ、ストレージ、コンピューティング、ソフトウェア リソースを統合するOpenStackに対応しています。目的に合ったハードウェア アーキテクチャを選択することは、OpenStackに関する意思決定プロセスの重要な要素であり、ネットアップなら、スピード、管理、拡張性に関する優先事項に最も適合する製品を選ぶことができます。

All Flash FAS は、オールフラッシュのパフォーマンスと業界をリードする Data ONTAP® のデータ管理機能を1つにした、エンタープライズクラスのオールフラッシュ アレイです。 Data ONTAP® のデータ管理機能は、 OpenStack を通じてフルに利用できます。

SolidFire は、 クラウドに匹敵する拡張性をストレージ インフラに求める企業にとって魅力的なストレージです。 シンプルでシームレスなスケールアウト アーキテクチャによって、 多数の共有ユーザに高品質のサービスを提供し続けながら、 サーバのコストに応じて論理的な拡張と物理的な拡張が行えます。

EF シリーズは、実績のある低レイテンシのオールフラッシュ システムで、 一貫したパフォーマンスを高密度フォーム ファクタで実現したい場合に最適です。 全世界で80万台の出荷実績が、 その信頼性の高さを実証しています。

クラウドを自在に活用

以前の記事で、私はフラッシュの導入を簡易化するアプリケーション高速化ソリューション キットと、 クラウドへのバックアップを実現する Snap-to-Cloud ディザスタ リカバリ ソリューション キットを紹介しました。 第3弾となる OpenStack ソリューション キットは、 カスタム クラウドの導入をシンプルにするキットです。

ネットアップは、極めて柔軟性に優れたクラウド型のアーキテクチャを構築し、過度のリスクを負うことなくOpenStackの革新的なテクノロジを活用できるよう支援します。また、ネットアップのデータ ファブリック ビジョンは、パブリック クラウド、プライベート クラウド、オンプレミス ディスクやフラッシュ ストレージの区別を問わず、またそれらを動的に組み合わせた場合であっても、最適な時に最適な場所をデータの保存先として柔軟かつ自由に選択できるようにします。

クラウドの自在な活用に向けた第一歩をシンプルかつ確実に踏み出すことができるネットアップの OpenStack ソリューション キットを、ぜひご活用ください。

 

Kristina Brand Lee Caswell
ネットアップ
プロダクト ソリューション&サービス マーケティング担当バイス プレジデント

Lee Caswellは、ネットアップのプロダクト ソリューション&サービス マーケティング部門のバイス プレジデントとして、お客様による新製品の採用と、パートナーシップ、統合の促進に取り組んでいるチームを率いています。 Lee は Fusion-IO のマーケティング担当バイス プレジデントおよび VMware や Adaptec で要職を歴任しました。カールトン カレッジで経済学の学士号を、ダートマス大学で MBA を取得しています。
関連情報

OpenStack ソリューション キットの概要

OpenStack ソリューション キットは、 次のような基本要素で構成されています。

ソフトウェア
  • Red Hat Enterprise Linux OpenStack プラットフォーム6
  • Red Hat Enterprise Linux バージョン 7.1
OpenStack のサービス
  • Glance: イメージ サービス
    • 重複排除
    • ネットアップのコピー オフロード ツール
  • Cinder: ブロック ストレージ サービス
    • ストレージ サービス カタログをネットアップのポリシーベースのストレージ自動化機能を使用して定義
    • インスタンス キャッシング
  • Neutron: ネットワーク サービス
    • KVM に対応する Cisco Nexus 1000v がセキュリティと可視化を実現
  • Nova: コンピューティング サービス
    • 1vCPU 、ストレージ 60GB、 RAM 4GB の VM プロファイルを想定
    • コンピューティング ホストあたり90インスタンス、または全部で360インスタンスをサポート
  • Swift: オブジェクト ストレージ サービス
    • NetApp E シリーズの E5660 を追加して、 大規模なオブジェクト ストレージ要件に対応することが可能
ハードウェア
  • Cisco UCS 6248UPファブリック インターコネクト×2
  • Cisco UCS 5108シャーシ×1
  • Cisco UCS B200 M4ブレード×8—E5-2660 2.6-GHz CPU×2、384GB RAM
  • Cisco Nexus 9372PX 48ポート 10Gbps SFP+ポート スイッチ×2
  • NetApp AFF8020高可用性ストレージ プラットフォーム
    • All Flash FAS
    • 包括的なソフトウェア バンドル: CIFS、 FC、 iSCSI、 NFS、 NetApp SnapManager® スイート、 SnapVault®、 Premium Bundle / Flash Bundle、 SnapRestore®、 SnapMirror®、 FlexClone®
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