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clustered Data ONTAPへの移行を成功させるには

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Data ONTAP® 7-Modeからclustered Data ONTAP®への移行は、すでに多くのお客様が完了されています。ネットアップ システムの一部またはすべてで、依然7-Modeが稼働しているというお客様は、clustered Data ONTAP 8.3がリリースされた今が、またとない移行のチャンスです。clustered Data ONTAPに移行すると、ノンストップ オペレーションやスケールアウトなどの高度な機能をフルに活用できます。

Avanadeがclustered Data ONTAPを選んだ理由についてお聞かせ願えますか?

図1)7-ModeからNetApp clustered Data ONTAPへの移行(「移行の基本的枠組み」の拡大図は図2を参照)

Tech OnTapでは以前、7-Modeからclustered Data ONTAPへの移行に関する記事を取り上げましたが、これを読まれた方なら、本稿を読むことで、移行の手法やサポート用の資料、ツールに大幅な改良が加えられ、移行プロセスがさらに明確で簡単になっていることに気付かれるでしょう。最新の手法は、移行を成功させるうえで必要なタスクとアクティビティの「実践方法」を重視したものとなっています。

本稿では移行プロセスの基本を解説し、併せて、テクニカル レポートやツール、サービス、トレーニングといった関連性の高いリソースへのリンクを提供します。ネットアップが先日立ち上げたTransition Fundamentalsポータルにアクセスすると、必要なものがどれも簡単に見つかります。

移行プロセスの基本的枠組み

当初の移行アプローチは、移行を計画、実行する方法に具体的な情報が欠け、従うべきプロセスばかりがやたらと強調されていました。新しいアプローチはフィードバックとツールの改良に基づき、筋の通った方法で移行を実施できるよう、必要な情報をまとめた枠組みとなっています(移行のタスクとアクティビティをまとめた目次のようになりました)。

移行の基本的枠組みとは、現行のプロセスに組み込むことができるアクティビティとタスクで構成された1つのセットで、TR-4052『Successfully Transitioning to Clustered Data ONTAP』にすべて文書化されています。枠組みはほとんどが、シナリオごとに関連する手順に対処できる設計になっていて、特に、ディザスタ リカバリ(災害復旧)、バックアップ、qtreeのシナリオに最適です。TR-4052にはすべての用語の定義も掲載されているので、それぞれの用語が何を意味しているのかで戸惑うことがありません。有用性の高いもう1つのテクニカル レポート、TR-4336『Enterprise Application Transition to Clustered Data ONTAP』には、一般に普及している各種のアプリケーションやハイパーバイザーを使用して、アプリケーション ベースのデータ移行を実施する方法が説明されています。

以前の移行アプローチは、clustered Data ONTAP環境を新たに構築することが前提でしたが、現在はclustered Data ONTAP環境が多数存在しているので、この枠組みでは、7-Modeシステムから構築済みのクラスタに移行する例も扱っています。

この移行の基本的枠組みはプロセスではありません。適用すべきすべてのアクティビティとその遂行方法をトピックとし、筋道立ててまとめたものです。お客様には、プロジェクトを実施するための独自のワークフローやプロセスがすでにあるかもしれませんが、この基本的枠組みは、そうした既存のプロセスやワークフローに組み込めるよう設計されています。

移行に関するアクティビティには、筋の通った1つの流れがあります。移行の基本的枠組みでは、特定、設計、導入という3つの主要なアクティビティに関して情報が提供されます。3つのアクティビティはこの順に実行するのが自然ですが、必ずしもこの順番である必要はありません。また、1つのワークフローやプロセスにいくつものタスクを適用した場合、ワークフローやプロセスの繰り返しが必要になると予想されます。たとえば、複数のワークロードを移行する場合、数回の移行処理を通じて多くのタスクを繰り返すことになるでしょう。

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図2)移行の基本的枠組みの概要図

お客様の目標、管理者層からの指示、環境の複雑さなどの要因によっては、移行の基本的枠組みに挙げられているアクティビティやタスクのうち、一部は自社の移行に不要と判断して構いません。この枠組みはプロセスではないため、移行プロジェクトにタスクの一部だけを適用すると決定しても、まったく問題はありません。

以下のサブセクションでは、枠組みの要素をさらに詳しく説明します。ある企業、ACME, Inc.(仮名)を基にしたシンプルな例で、いくつかのポイントをわかりやすく解説します。

特定

枠組みの特定部分は、「環境面の調査」と「範囲の定義」の2つのタスクに分けられます。

環境面の調査:調査を通じて、既存の7-Mode環境に存在するストレージ システム、ワークロード、アプリケーション、構成グループ、ビジネス上の要件をすべて特定します。

ここでの目標は次のとおりです。

  • 使用しているストレージ システムのほかに、アプリケーションとワークロードも網羅したリストを作成
  • すべてのアプリケーションとワークロードについて、ビジネス上の要件とカットオーバーに関する要件を把握

実例1

ACME, Inc.の主なワークロードは、Microsoft Exchange、Oracle、ホーム ディレクトリの3つです。環境面の調査では、現在、Microsoft Exchangeとホーム ディレクトリのストレージが、7-Modeを搭載した2台の別々のネットアップ ストレージ システムに配置されていることが判明しました。Oracleは他社のストレージがホストしていました。2台のネットアップ システムが特定され、ビジネス上の要件とカットオーバーに関する要件も確認されました。

範囲の定義:このタスクでは、お客様の7-Mode環境を複数の論理グループに分割し、グループを1つずつ移行するための優先順位を決定します。

ここでの目標は次のとおりです。

  • clustered Data ONTAPに移行するために、7-Mode環境を1つにまとめてグループ化、または複数のグループに分割
  • グループの移行順を決定(少なくとも、最初に移行するグループを決定)

実例2

ACME, Inc.は次の2つの理由から、まずホーム ディレクトリをclustered Data ONTAPに移行しようと決めました。1)機器更改(Tech Refresh)の時期を迎えた古いFASシステムでExchangeが稼働しているのに対し、ホーム ディレクトリは、クラスタ機能を備えた保証期間内の新しいFAS3200システムで稼働している。2)ユーザ ベースの点で、ホーム ディレクトリのカットオーバー要件の方が柔軟である。ホーム ディレクトリは既存のシステムから取り除いた後、すぐ新しいクラスタ環境に組む込むことができます。Microsoft Exchangeシステムは2番目に移動します。こうすれば、カットオーバー プロセスを計画するだけの時間的余裕が生まれ、現行の保守時間内にカットオーバーを完了させることができます。

設計

枠組みの設計部分も、「移行の計画」と「クラスタの設計」の2つのタスクに分けられます。

移行の計画:このタスクでは、対象となるグループを7-Modeからclustered Data ONTAPへ移行できるよう、詳細なプロセスを計画します。プロセスは、データ移行、運用環境の更新、トレーニングで構成されます。

ここでの目標は次のとおりです。

  • 技術面から詳細な調査を実施
    • 既存の7-Modeストレージ コントローラに対応する、clustered Data ONTAPの同等モデルを確認
    • 7-Modeの機能を検証
    • ディザスタ リカバリとバックアップについて、現在の関係を確認
    • 移動するストレージ コントローラごとに移行方法を決定
  • 運用に欠かせない管理アプリケーションなどの機能で更新が必要なもののリストを作成
  • 7-Mode管理者に必要なトレーニングを計画
  • ZAPIや7-Modeコマンドを使用していて、更新が必要なスクリプトのリストを作成

実例3

ACME, Inc.は、7-Mode Transition Tool(7MTT)の収集と評価機能を利用し、ネットアップ環境で稼働しているストレージ オブジェクト、ホスト、アプリケーションの詳細な調査を自動で実行しました(7MTTの詳細は「リソース」セクションを参照)。Acmeが移行に7MTTを使用しようと考えたのは、このツールだとNASとSANのどちらのワークロードも移行できるからです。

クラスタの設計:このアクティビティでは、ターゲットとなるclustered Data ONTAPシステムのアーキテクチャを設計します。設計の際には、後々どうにもできない状態に陥らないよう、今後を見通して要件を確定します。

ここでの目標は次のとおりです。

  • デスティネーション クラスタに必要な構成要素を具体化
  • 7-Modeで処理していたワークロードの特徴を把握し、使用率を検証
  • クラスタのサイズを決定(新規クラスタの場合)。または余力を評価(既存のクラスタの場合)
  • クラスタのアーキテクチャを設計(新規クラスタの場合)。または必要な構成上の変更を判断(既存のクラスタの場合)

実例4

ACME, Inc.は、新しいFAS8040で2ノード クラスタを構成することを決定しました。ホーム ディレクトリを移行したら、現在使用中のFAS3200 HAペアをこのクラスタに追加して4ノード クラスタを構成します。こうすれば将来(Oracleなどの)ワークロードが追加されたりビジネスが成長したりしても、必要に応じて負荷を分散できます。ホーム ディレクトリとExchangeにはそれぞれ別のStorage Virtual Machine(SVM)を使用し、この2つのワークロードの運用を論理的に分離します。

導入

枠組みの導入部分では、設計フェーズで計画した移行を実際に遂行します。この部分は、「導入と構成」、「データ移行」、「環境の更新」の3つのタスクに分けられます。

導入と構成:このアクティビティでは、新しいクラスタ環境を準備して導入するか、既存のクラスタの構成に必要な変更を加えるかのいずれかを実行します。

ここでの目標は次のとおりです。

  • 新しいクラスタを導入して構成。または、既存のクラスタの構成を変更
  • クラスタの構成や外付けソリューションの必要性をテストし検証

実例5

ACME, Inc.は2ノードのFAS8040クラスタを新規に導入し、CIFSホーム ディレクトリの移行と、その後のExchangeの移行に備えて構成しました。

データ移行:このアクティビティでは、デスティネーションのclustered Data ONTAP環境にデータを移動し、ワークロードを移行します。

ここでの目標は次のとおりです。

  • データ移行を実施し、計画に沿ってカットオーバー アクティビティを実行
  • データ アクセスを検証し、移行後の構成を実施

実例6

ACME, Inc.は7MTTを使用し、計画どおりにホーム ディレクトリを移行しました。7MTTはデータを移行するだけではありません。このツールを使用すると、既存のCIFS構成のタイプに関わらず、ほぼすべての構成をクラスタ環境に移行することができます。2回目の移行フェーズでも、ExchangeのLUNを残らず移行することができました。

環境の更新:このアクティビティでは、運用環境に必要な更新をすべて完了します。また必要な担当者向けトレーニングも終了します。

ここでの目標は次のとおりです。

  • 管理アプリケーションの更新
  • 必要なスクリプトの更新
  • 未了の担当者向けトレーニングを終了
  • 新しい手順を作成。または既存の環境向けの手順を更新

実例7

ACME, Inc.にとってclustered Data ONTAPの新機能はどれも必要なものばかりですが、その1つが、システムを停止することなくクラスタ内でボリュームを移動し、容量やパフォーマンスのリバランシングを実行できる機能です。新しい環境向けの手順には、ホーム ディレクトリやExchangeのボリュームを移動する場合、移動先の候補に最適なノードをクラスタから選び出す方法が述べられています。

ツール

ネットアップには、お客様の移行を支援するように設計されたツールが多数揃っています。

Transition Advisor:NetApp AutoSupport™ をご利用のお客様向けに、現在My AutoSupport(ログインが必要です)ではTransition Advisorツールを提供しています。1台のストレージ システムを評価することも、所有しているシステム全体を一度に評価することもできるシンプルなツールです。

7MTT:7-Mode Transition Tool(7MTT)は、負担の大きい移行をお客様に代わって実行するよう設計されたツールです。「収集と評価」機能と、フルセットのデータ移行機能がどちらも揃っています。収集と評価の機能を使用すると、クライアント(ホスト)と7-Modeストレージ システムを評価して主要な構成情報を検出したり、clustered Data ONTAPへの移行にあたって考慮すべき重要なポイントを特定することができます。

7MTTを使用すると、データ移行プロセスの多くを自動化することもできます。7MTTの最新バージョン(バージョン2.0)でデータ移行を実行すると、次のような大きなメリットが得られます。

  • SANボリュームとMetroCluster構成を7-Modeからclustered Data ONTAP 8.3へ移行
  • カットオーバー前に7-Modeの設定をクラスタに適用
  • 読み取り / 書き込みのテスト機能が備わっているので、カットオーバーに先立ち、デスティネーションのストレージ コンテナをテストすることが可能
  • 差分のみの更新や設定の変更が可能
  • CIFSとNFSの両方のボリューム移行をサポート。大半のデータ移行ツールはCIFSとNFSのいずれかをサポートし、両方には対応していない
  • 事前チェックを実行し、ソースの7-Modeストレージ システムとボリュームがデータ移行可能な状態にあるかどうかを確認
  • 7-Modeストレージ システムの重要な設定情報をclustered Data ONTAPへ自動で移行
  • 7-ModeボリュームのSnapMirror®複製関係をclustered Data ONTAPへ移行
  • カットオーバー フェーズでは、ストレージのカットオーバーを自動で処理したり、クライアントの切断や再接続を通知するなどでプロセスを調整
  • エンドツーエンドのデータ移行プロセスをユーザに提供

その他のツール:ネットアップが提供しているツールについてはすべて、TR-4052のセクション3で詳細を説明しています。新しい基本的枠組みでは、データの移行にお客様がどのツールを使用するかはあまり重視されません。最も使いやすいツールを自由にご利用ください。

アプリケーションベースのデータ移行:アプリケーション固有のデータを最小限のダウンタイムで、またはダウンタイムなしで移行するには、多くの場合、そのアプリケーションを使用するのが最良の方法と思われます。Oracle、Exchange、SQL Serverなど、広く普及しているエンタープライズ アプリケーションに関しては、TR-4336『Enterprise Application Transition to Clustered Data ONTAP』で詳しく解説しています。

リソース

本セクションでは、clustered Data ONTAPへの移行に関するリソースの中から、最も重要なものを紹介します。ネットアップのclustered Data ONTAPへの移行ポータルも忘れずにチェックしてください。

テクニカル レポート

トレーニング

NetApp Universityでは、clustered Data ONTAP関連のクラスを多数提供しています。

プロフェッショナル サービスとサポート サービス

ネットアップは、移行プロセスのサポート サービスを幅広く提供しています。提供しているサービスについては、移行ポータルで詳細をご確認ください。

clustered Data ONTAPへの移行を成功させるには に関するご意見をお寄せください。

ご質問、意見交換、情報提供は、ネットアップのコミュニティ サイトまでお願いいたします。

Jay White Jay White
ネットアップ
シニア テクニカル マーケティング エンジニア

Jayは、NetApp Data ONTAPグループのメンバーとして、clustered Data ONTAPの最大構成の構築とベストプラクティスを担当しています。ネットアップ ストレージのサブシステム、耐障害性、移行、パフォーマンスなどに関して、テクニカル レポートやFAQも多数執筆しています。
Roy Scaife Roy Scaife
ネットアップ
テクニカル マーケティング エンジニア

Royは、ネットアップのコア テクノロジに関して何本ものテクニカル レポートを執筆しています。扱ったテクノロジは、32ビットと64ビットのアグリゲート、FlexClone®、エンタープライズ アプリケーションの移行とデータ移行、プラットフォームのサイジング、パフォーマンスと多岐にわたります。カリフォルニア ポリテクニック州立大学でコンピュータ サイエンスの理学士号を取得し、エンジニアリングとテクニカル セールスで15年以上の経験を積んでいます。現在は、clustered Data ONTAPへの移行とベストプラクティス、QoS(サービス品質)、High File Count環境を担当しています。
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