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FlexPod Day 2015 イベントレポート

シスコシステムズ合同会社とネットアップ株式会社は、2015年4月22日、六本木アカデミーヒルズ(東京都港区)において、エンドユーザおよびパートナー企業向けのカンファレンス「FlexPod Day 2015 – Your Business Powered by Cisco & NetApp」を国内で初めて開催しました。FlexPod Day 2015では、Cisco Unified Computing System(UCS)サーバ、Cisco Nexusスイッチ、NetAppストレージを統合したコンバージドインフラ・ソリューション「FlexPod」の特徴とそのメリット、そしてFlexPodに関連する最新ソリューションをご紹介しました。本イベントに事前登録を済ませた方は300人以上にのぼり、当日の会場には数多くのお客様が足を運んで下さいました。今回は、基調講演、ブレイクアウトセッション、パネルディスカッションを中心に、FlexPod Day 2015の模様をお届けします。

FlexPod Day 2015 イベントレポート

【ゲスト基調講演】
ビジネスを効率化するプライベートクラウド基盤導入のポイント

FlexPod Day 2015の最初を飾るゲスト基調講演では、日本仮想化技術株式会社 代表取締役兼CEOの宮原徹氏が、仮想化技術を中心とするご自身のコンサルティング活動で得られた経験に基づき、これからのプライベートクラウド基盤の導入ポイントを解説しました。

第一サーバ仮想化ブームから次世代型仮想化基盤へと刷新する時代へ

サーバ仮想化が急速に普及した第一次サーバ仮想化ブームでは、物理サーバを次々と仮想化していくことでシステムの部分最適を行ってきましたが、その当時に導入された仮想化基盤はすでにサポート終了期限を迎えつつあります。また、サーバ仮想化のコモディティ化もいっそう進み、誰もが簡単に仮想化環境を構築できるようになった一方で、仮想化環境の運用管理に悩むユーザも増えています。既存の仮想化環境を刷新するにあたり、これから構築すべき仮想化基盤には、リソース要求への迅速な対応、サイロ化した仮想化システムの全体最適、ランニングコストの削減、サーバとデスクトップ双方の仮想化、アプリケーション開発サイクルの自動化・標準化などが強く求められます。

このような次世代型の仮想化基盤では、サーバおよびデスクトップ仮想化の基盤統合、ハイパーバイザーの混在、OpenStackのような統合運用管理環境の導入、ビッグデータやIoT/M2Mへの対応などが目指すべき方向性となります。そして、特に仮想化基盤を構成するストレージに関しては、仮想ストレージ、オブジェクトストレージ、SSD/NAND型フラッシュ、分散ストレージ、クラウドストレージの活用がトレンドとして挙げられます。また、ネットワークに関しては、通信量の増加に対応可能な10/40ギガビット・イーサネット、Software-Defined Network、仮想ネットワークの一元管理ソリューションなどが注目のキーワードです。こうした数々の要素技術を見ても分かるように、次世代型の仮想化基盤ではネットワークやストレージの仮想化も取り入れた動的基盤が主流となるでしょう。

FlexPod Day 2015

リファレンスアーキテクチャに基づく設計と標準化・自動化が不可欠に

従来のシステム設計は、勘と経験と度胸 (KKD)に基づいて行われ、特に日本ではベンダーやシステムインテグレータに協力を得て、ひとつずつオーダーメイドで作り上げていくのが一般的でした。しかし、そのような構築のスタイルでは、昨今のビジネスで求められているスピード感に追従することができません。これからの仮想化基盤は、KKDに頼ることなく、リファレンスアーキテクチャに基づいて迅速に設計を行い、同時に開発・テスト・運用などの標準化と自動化を進めていくことが重要になります。宮原氏は、特に標準化や自動化を促進するものとして、DevOps、継続的デリバリ、Immutable Infrastructure、コンテナ技術、PaaSレイヤの活用などを挙げています。

また、パブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドによって全体最適を図ることも視野に入れなければなりません。パブリッククラウドは、コストによって差別化を図る段階がすでに過ぎ去り、その主戦場はIaaSレイヤからPaaSレイヤへと移行しつつあります。そして、冗長化やDB、ストレージサービスなど、ユーザのニーズにあわせた多様なサービスも続々と登場しています。宮原氏は、こうしたパブリッククラウドと自社の仮想化基盤(オンプレミス環境)を使い分けるアプローチとして、要求リソースの変動度合いやコスト対効果の特性を踏まえながら、システム内の仮想マシン単位ではなく、システムそのものの単位で最適な配置を考えたほうが運用しやすい形になるという見解を示しました。

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【基調講演】
シスコとネットアップの協業により生み出されたFlexPodが見据えるクラウド基盤のあるべき姿とは?

ゲスト基調講演に続き、シスコシステムズ合同会社 Data Center solutions, APJ DirectorのDamian Ryan氏とネットアップ株式会社 APAC CTOのKarthik Ramaraoが、シスコとネットアップによる協業の経緯、導入実績No.1の統合インフラを達成できた背景、両社がFlexPodを通じて目指しているクラウド基盤のビジョンなどを語りました。

FlexPod Day 2015

統合インフラの導入によってビジネスに即応できる体制を整える

クラウド、モビリティ、ビジネスソーシャルメディア、ビッグデータは、多くの企業が投資したいと考えている4つの主要な分野です。そして、これらの分野が市場の大きな原動力となり、企業の競争力や顧客価値を高めることに貢献しています。現在のスマートフォンやタブレットは、米国の宇宙飛行士が月面に初めて着陸した時代のコンピュータをはるかに上回る性能を備えています。そして、このような高性能デバイスから、クラウドやビッグデータを駆使して運営されているオンラインサービスにアクセスすることで、さまざまな商品の購入、情報の取得、サービスの利用などを可能にしています。新しいアイディアのもとに生まれたオンラインサービスの数々は、過去の常識さえも打ち破るパワーを秘めています。例えば、スマートフォンの画面をタップするだけでタクシーを呼べるUberは、長年かけて築かれてきた運輸・交通業界を大きく変革しました。

サービスを提供する側となる企業には、現在のビジネスに即応できることはもちろん、これから起こる新しいビジネスチャンスにも迅速に対応できるITインフラが求められます。そして、ITに関連する運用コストをできる限り削減し、イノベーションのための投資に振り向けられるようにすることも重要です。そのためには、単一のアーキテクチャであらゆるワークロードに対応できるITインフラが適していますが、近年ではリファレンスアーキテクチャに基づく統合インフラに人気が集まっています。シスコとネットアップの先進的なテクノロジを組み合わせたコンバージドインフラ・ソリューション「FlexPod」は、まさにそのような統合インフラの中でもベストな選択肢となります。

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シスコとネットアップの協業によって生まれた統合インフラ「FlexPod」

シスコとネットアップは、データセンターとクラウドに関する共通のビジョンを持ち、その結果としてFlexPodが誕生しました。FlexPodは、Cisco UCSサーバ、Cisco Nexusスイッチ、NetAppストレージから構成され、それらを高度に組み合わせたソリューションとして仕上げられています。また、お客様の多様なニーズに応えるため、中堅企業やブランチオフィス向けのFlexPod Express、大企業やサービスプロバイダ向けのFlexPod Datacenter、ビッグデータ分析や科学技術計算、HPCといった特定のワークロードを対象とするFlexPod Selectが提供されています。壇上の2人は、FlexPodがお客様のビジネスを成功へと導く要因として、検証済みのアプリケーションスタックによるリスク軽減、ニーズに応じてカスタムサイジングが可能な柔軟性、高密度設計やデータ削減機能などによる効率性、充実した統合管理ツールによる管理性の4つを挙げています。

FlexPodは業界での評価も高く、FlexPod with Microsoft Private Cloudが2013 Partner of The Year Winner Server Platformを獲得したほか、ForresterのTotal Economic Impact調査では、FlexPodが最も効率的な統合インフラソリューションであると発表されています。また、シスコとネットアップは、FlexPodの発展に向け、業界をリードするアライアンスパートナーとも強固な関係を築いています。最近では、シトリックスとマイクロソフトが新たなサポートパートナーとして加わり、シスコ、ネットアップ、ヴィエムウェア、レッドハット、シトリックス、マイクロソフトによる共同サポートラボを立ち上げました。同時に、統合インフラならでは強みを発揮できるように、企業間のエスカレーションを必要とするケースでも窓口をひとつに統一し、迅速に解決策を提示できる体制を整えています。

FlexPodは、80以上のデザインと17のアプリケーションが検証済みで、アプリケーションを中心としたシステム設計をとることができます。実績ベースでは仮想ワークロードでの採用がとりわけ多く、次いでMicrosoftアプリケーション、デスクトップ仮想化、OracleやSAPなどの用途で活用されています。アジアパシフィック地域では500社以上のお客様がFlexPodを導入し、主に銀行、教育機関、小売業で大きな成功を収めています。基調講演では、アジアパシフィック地域のFlexPodユーザとして、環境全体のプロビジョニングを数ヶ月から数分に短縮したING DIRECT(オーストラリアの金融機関)、サービス向上とコスト削減につなげたゲームオン(日本のオンラインゲーム企業)、優れた可用性とIOPSを実現したSingapore Polytechnic(シンガポールの公立大学)、電力および運用コストを削減したMantra Hotels(オーストラリアのホテル)が紹介されました。

FlexPod Day 2015

ハイブリッドクラウド環境に向けた最新テクノロジをすでに提供中

データセンターのトラフィックは、2018年になるとクラウドデータセンターの比率が従来のデータセンターと比べて約3倍に達すると予測されています。金融や医療といった規制の厳しい業界でもクラウド化が進んでいる背景もあり、これからは業種を問わずハイブリッドクラウドによる運用が主流となっていくでしょう。ここで重要になるのが、クラウド間でワークロードやデータを自由に移動できるようにするテクノロジです。こうしたテクノロジとして、シスコはCisco Intercloud Fabric、ネットアップはNetApp Data Fabricをすでに提供しています。壇上の二人は、「Cisco Intercloud FabricとNetApp Data Fabricは、ハイブリッドクラウドによる運用を力強く支援します。これらのテクノロジと統合インフラのFlexPodを効果的に組み合わせていただくことで、お客様のビジネス成長がさらに加速していくと考えています」と述べ、講演を締めくくりました。

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【ランチセッション - SAPジャパン】
SAPの挑戦、SAP HANAがもたらすITイノベーション

ランチセッションでは、SAPジャパン株式会社 プラットフォーム事業本部 プリンシパルデータベースアーキテクトの花木敏久氏が、IT基盤の最適化とビジネスプロセスの変革を加速させるSAP HANAの特徴を紹介しました。

SAP HANAは、超高速データベース、ビッグデータ処理基盤、アプリケーション実行基盤を統合したインメモリ情報システム基盤です。また、インメモリならではの高速性を最大限に引き出せるように、予測分析、テキスト解析、位置情報、業務分析などの多様なライブラリもSAP HANA自身が提供しています。SAP HANAに基づく超高速プラットフォームにERP、分析ツール、カスタムアプリケーションなどを統合することで、真のリアルタイムビジネスが実現されます。これにより、意志決定の高速化、業務プロセスの改善、消費・サービスの改良、新しいビジネスモデルの創造などへとつなげられます。

SAP HANAは、インテル製プロセッサーに最適化され、大容量メモリを最大限に活用できるように設計されています。また、SAP HANAのようなインメモリデータベースにとって、ディスクストレージはデータを安全・確実に保管するための重要なデバイスであり、優れた堅牢性とデータ保護機能を備えたストレージ製品との組み合わせが不可欠となります。Cisco UCSサーバとNetAppストレージを組み合わせたFlexPodは、まさにSAP HANAのニーズに応える最良の選択肢といえます。また、このFlexPodとVMware vSphereを組み合わせたSAPのシステム構成は、SAP Validated Designにもなっています。

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【ブレイクアウトセッション1 - ヴイエムウェア】
業界をリードする仮想化基盤 - VMware vSphere 6

ブレイクアウトセッション1では、ヴイエムウェア株式会社 パートナーSE 2部 シニアシステムズエンジニアの安齋宗一郎氏が、業界をリードする仮想化ソリューション「VMware vSphere 6.0」の特徴を紹介しました。

3年半ぶりにメジャーバージョンが更新されたVMware vSphere 6.0は、大陸横断レベルの長距離にサポートする業界初のLong-Distance vMotionや大規模アプリケーションにも利用可能な4 vCPU FT(Fault Tolerant)、帯域幅を予約してサービスレベルを保証可能なNetwork I/O Control 3.0など、650以上の新機能と技術革新が取り入れられています。また、優れたスケーラビリティを備え、スケールアップ型のSAP HANAからスケールアウト型のApache Hadoopまで、あらゆるアプリケーションを単一のプラットフォームで統合的に運用可能です。さらには、OpenStackとの連携やvCloud Airを用いたパブリッククラウドとの連携もサポートしています。

こうしたVMware vSphere環境の土台としてふさわしい統合インフラが、シスコ、ネットアップ、ヴイエムウェアの協業によって生まれたFlexPod for VMwareです。FlexPod for VMwareは、2009年に初の認定構成をリリースし、現在までに数多くの導入実績を積み重ねてきています。そして、最新のVMware vSphere 6.0は、Software-Defined Storageを実現するストレージ機能が大幅に強化され、FlexPodを構成するNetAppストレージの役割もさらに高まっていくでしょう。VMware vSphere 6.0によって提供される高度なストレージ機能のひとつがVirtual Volumesです。Virtual Volumesは、あらかじめ定められたポリシーに従い、各ストレージの特性に応じて仮想マシンを適切なストレージへと自動的に格納します。ストレージが持つ機能をVMware側に伝える仕組みが必要なことから、外部ストレージを使用する場合には、Virtual Volumesに対応したストレージ製品との組み合わせが必須となります。現在、ネットアップを含む29社のパートナー企業が参加し、Virtual Volumesへの対応を進めているところです。

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【ブレイクアウトセッション2 - レッドハット】
ITの革新~OpenStackとコンテナ&PaaSによるハイブリッドクラウド・プラットフォームの実現

ブレイクアウトセッション2では、レッドハット株式会社 アジア太平洋地域 事業開発戦略本部 OpenStackソリューションアーキテクト クラウドエバンジェリストの輿水万友美 氏が、プライベートクラウドの構築に適したOpenStackをはじめ、レッドハットが手がける最新ソリューションについて紹介しました。

企業のITにはさまざまな課題と要求があり、その結果としてクラウド、IaaS/PaaS、モバイル、ビッグデータといったトレンドを次々と生み出してきました。現在は、ITの工業化の時代からデジタル化への過渡期にあり、従来型のITとデジタル時代の新しいITを併用するバイモーダルITのスタイルが求められています。レッドハットは、こうようなバイモーダルITを推進していくため、オープンソースに基づくOS、ミドルウェア、仮想化、クラウド、ストレージという5つの分野のソフトウェアソリューションを提供しています。

本セッションでは、レッドハットのビジョンであるOpen Hybrid Cloudと、その土台となるRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platformが紹介されました。Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformは、クラウド対応ワークロードのためのインフラソリューションで、モジュラー型かつスケーラブルなアーキテクチャに加え、レッドハットによるエンタープライズグレードのサポートを特徴とします。レッドハットは、ハードウェアとソフトウェアの認定パートナーとともにエコシステムを構築し、シスコ製品と組み合わせたUCSO(Cisco UCS Integrated Infrastructure for Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform)やFlexPodを組み合わせたリファレンスアーキテクチャなどを提供しています。また、セッションの後半では、DevOpsを推進するDocker対応のLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Host」やOpen Hybrid CloudアーキテクチャのためのPaaSソリューション「OpenShift」についても紹介がありました。

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【ブレイクアウトセッション3 - シトリックス・システムズ・ジャパン】
FlexPodで構築! シトリックスの最新ワークスタイル変革のソリューション

ブレイクアウトセッション3では、シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 チャネルアンドマーケティング ストラテジックアライアンスマネージャーの田中大輔氏が、シトリックスの最新ソリューションと、それを支えるインフラとしてFlexPodがもたらすメリットを実際の事例とともに紹介しました。

企業のワークスタイル変革を支援しているシトリックスは、より充実した仕事と生活を実現し、社会に貢献していくことを目指しています。同社は、さまざまな環境から仕事ができるモバイルワークスタイルを可能にするものとして、デスクトップおよびアプリケーション仮想化ソリューション(XenDesktop、XenApp)を提供しています。同社の仮想化ソリューションは、カメラやVoIPを利用したリアルタイムコミュニケーション、3Dグラフィックス・アプリケーションへの対応など、とりわけユーザ体験を重視した設計がとられています。また、モバイルワークを取り入れた企業環境では、モバイル端末の管理と活用が求められますが、このようなニーズに応えるのがセキュアなモバイル環境を提供するXenMobileです。XenMobileは、モバイル端末の利用環境に個人の領域と企業が管理するセキュアな領域を同時に持てるほか、XenDesktop/XenAppによるWindowsアプリケーションも含めて、あらゆるタイプのアプリを統合的に扱えます。これにより、個人端末を業務で利用するBYODのような新しいトレンドにも柔軟に対応できます。

シトリックスは、シスコやネットアップと強固なパートナーシップを持ち、FlexPodはシトリックス製品による仮想デスクトップ基盤で検証済みのリファレンスアーキテクチャにもなっています。本セッションでは、シトリックス製品とFlexPodを組み合わせた事例として、3ヶ月という短時間の構築と大幅なコスト削減を達成した大分県豊後高田市の仮想デスクトップ基盤について紹介されました。また、Citrix XenDesktopとFlexPod Expressを組み合わせたCitrix Validated Solutionsに関して、日本語化されたドキュメントが2015年6月に公開予定であることも伝えられました。

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【ブレイクアウトセッション4 - 日本マイクロソフト】
マイクロソフト版FlexPodにご注目!

ブレイクアウトセッション4では、日本マイクロソフト株式会社 デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統轄本部 エバンジェリストの高添修氏が、マイクロソフトの最新動向とともに、シスコおよびネットアップとの協業によって実現されたマイクロソフト版FlexPodの魅力を紹介しました。

マイクロソフトは、ハードウェアパートナーと共同でMicrosoft Private Cloud Fast Trackプログラムを推進しています。このプログラムを通じて事前構成済みのソリューションを提供することにより、プライベートクラウドを実装する際の複雑さとリスクを軽減します。FlexPodは、Microsoft Private Cloud Fast Trackを支える重要なリファレンスアーキテクチャにもなっています。FlexPodとWindows Azure Packを組み合わせてプライベートクラウドを構築すれば、Microsoft Azureによって培われた圧倒的なスピード感と利便性を社内のオンプレミス環境にも持ち込むことができます。

シスコとネットアップのハードウェアは、Windows Azure Packに基づくプライベートクラウドにおいて多くの強みを持ちます。高添氏は、マイクロソフト製品との優れた親和性を示す例として、NetAppストレージがSMB3やODX(Windows Offloaded Data Transfer)のサポートによって疎結合のストレージアクセス環境を実現していること、さらにはNVGREのハードウェアオフロードに対応したシスコの第3世代VIC(ネットワークアダプタ)、Windows Azure Packと連携して仮想ネットワークの管理を行えるCisco ACIなどを挙げています。このような数々のメリットを兼ね備えた統合インフラ「FlexPod」とマイクロソフトのソリューションを効果的に組み合わせることで、ハードウェアからサービスまでを一気に立ち上げ、仮想化の延長線上でプライベートクラウドを構築・運用できるようになります。

FlexPod Day 2015

【FlexPodデモセッション】
FlexPodデモンストレーション:一石三鳥の統合基盤

FlexPodデモセッションでは、シスコシステムズ合同会社 ソリューションズシステムズエンジニアリング シニアシステムズエンジニアの畝高孝雄氏と樋口美奈子氏、そしてネットアップ株式会社 システム技術本部 シニアシステムエンジニアの大西宏和が、デモンストレーションを交えながら最新のFlexPodについて紹介していきました。

FlexPod Day 2015

シスコ、ネットアップ、シュナイダー製品の特徴と最新動向を解説

FlexPodは、米国シェアNo.1のブレードサーバ(Cisco UCSサーバ)、世界シェアNo.1のDCスイッチ(Cisco Nexusスイッチ)、ストレージOSシェア世界No.1のNetAppストレージを組み合わせたコンバージドインフラ・ソリューションです。Cisco UCSサーバは、仮想ワークロードとベアメタルの両方に対応し、統合管理機能のUCS Manager、きわめて柔軟なネットワーク構成をとれるVIC(Virtual Interface Card)、サーバ構成の確実な定義と割り当てを可能にするService Profileなどを特徴とします。そして最近では、こうしたUCSの機能を小規模な環境でも使えるようにしたUCS Miniがラインナップに加わっています。UCS Miniは、ファブリックインターコネクトをサーバ側のシャーシに統合して省スペース化を図ったモデルで、FlexPod Expressの構成にも対応します。

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Cisco Nexusスイッチは、既存の2000から7000シリーズに加え、9000シリーズが新たに登場しています。Cisco Nexus 9000シリーズは、シンプルな筐体設計とともに、自社開発のMerchant+ ASICや既存のファシリティで40ギガビット・イーサネットにも対応するBiDiトランシーバを搭載しています。これにより、Price (価格)、Performance(性能)、Port Density(ポート密度)、Programmability(プログラミング性)、Power Efficiency(電源効率)という5つのPを最適化しています。また、Cisco Nexusスイッチは、ネットワークの設定を迅速に行う機能としてCisco Application Centric Infrastructure(ACI)にも対応します。ACIは、アプリケーションの視点でエンドポイント同士の接続ポリシーを定義することにより、それに応じたネットワーク機器の設定を自動的に実行します。

FlexPod Day 2015

NetAppストレージは、2014年に登場したclustered Data ONTAP 8.3からスケールアウト型の動作モードのみをサポートするようになりました。clustered Data ONTAPでは、ストレージOS自体がストレージハイパーバイザのような形で動作し、Storage Virtual Machine(SVM)がソフトウェア環境から見える仮想的なNetAppストレージとして振る舞います。このような仕組みによって、完全計画無停止でのオペレーションやリソースの最適化を可能にし、ストレージ運用の自動化をさらに加速させます。

FlexPod Day 2015

壇上には、シュナイダーエレクトリック株式会社 エンタープライズ・ソフトウェア(DCIM)ビジネス・デベロップメント マネージャの鈴木良信氏をお招きし、FlexPodとの組み合わせに適したシュナイダー製品についても紹介されました。シュナイダーは、IT機器を下支えする無停電電源(UPS)、冷却設備、ラック、配電装置などを提供しており、例えばセッション中に取り上げられたNetShelter CXは、FlexPod Expressに対応可能なサーバラックとなります。NetShelter CXには、無停電電源、冷却機構、監視機能などが組み込まれ、統合管理ソフトウェア「StruxureWare管理ソリューション」を通じて、高度なITモニタリング、ファシリティモニタリング、運用・資産管理などが行えます。また、StruxureWare管理ソリューションは、Cisco UCS Managerのほか、インテルやマイクロソフト、ヴイエムウェアの管理ソリューションとも連携を図ることができます。例えば、ラック内の電源や冷却設備に障害が発生した場合には、仮想化環境との高度な連携によって、正常なラック内に仮想マシンを自動的に移動させるといったアクションをとれます。

FlexPod Day 2015

壇上で仮想デスクトップ環境を即座に作り上げるデモンストレーションを披露

セッションの後半では、ネットアップとシスコのスタッフが、実際のデモンストレーションを交えながらFlexPodのメリットを紹介しました。まずは、とある企業のIT部門で繰り広げられる場面として、営業部門の責任者から営業効率を上げるために仮想デスクトップ環境の導入を依頼されたときの様子が披露されました。ここでは、Service Profileによる迅速なサーバ構築、OnCommand System ManagerによるVDI用SVMと論理ボリュームの作成、そしてユーザ認証のためのActive Directoryサーバや営業部門だけが見られるWebサーバへのネットワーク接続をACIで簡単に設定できる様子を紹介しました。さらに、営業部門の仮想デスクトップ環境が立ち上がった当日には、財務会計部門からも導入の依頼を受けました。壇上では、仮想デスクトップ環境のワークフローを事前に定義しておけば、UCS Directorによってサーバ、ストレージ、ネットワークに関する設定作業を自動化でき、さまざまな部署にも容易に展開していけることが示されました。

FlexPod Day 2015

【パネルディスカッション】
業界TOPベンダー各社が語るデジタルビジネス時代の展望

終日にわたって行われたFlexPod Day 2015の最後には、FlexPodのアライアンスパートナーである業界トップベンダーの皆様をお招きし、デジタルビジネス時代の展望を語り合うパネルディスカッションが開催されました。壇上では、株式会社インプレス IT Leaders 発行人の田口潤氏がモデレーターを務め、FlexPod Day 2015を共催するシスコシステムズ合同会社 執行役員 システムズエンジニアリングの財津健次氏とネットアップ株式会社 執行役員 Chief Technology Officer システム技術本部の近藤正孝に加え、業界の最前線で活躍する以下の皆様がパネラーとして参加して下さいました。

  • ヴイエムウェア株式会社 マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャ 桂島航 氏
  • シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 チャネルアンドマーケティング ストラテジックアライアンスマネージャー 田中大輔 氏
  • 日本マイクロソフト株式会社 デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統轄本部 エバンジェリスト 高添修 氏
  • レッドハット株式会社 アジア太平洋地域 事業開発戦略本部 OpenStackソリューションアーキテクト クラウドエバンジェリスト 輿水万友美 氏

パネルディスカッションでは、田口氏からは4つの質問が投げかけられ、各社がそれに回答する形がとられました(質問によっては一部のベンダーのみが回答)。

FlexPod Day 2015

■ 質問1

クラウド、モバイル、ビッグデータ、IoTなど、ITが津々浦々に浸透しているデジタルビジネスの時代が到来しています。このようなトレンドが各社の事業にどのようなインパクトを与えていますか? また、今の進化の状況を富士登山に喩えると何合目になりますか?

ヴイエムウェア 桂島氏

富士登山に喩えれば現在は2合目ですが、進化の度合いは年々加速しているように感じます。例えば、当社の製品ポートフォリオは、私が入社した4年前にはサーバとデスクトップ仮想化しかありませんでしたが、現在はネットワークやストレージ仮想化、運用の自動化、ハイブリッドクラウド、セキュリティなど、非常に多岐にわたっています。これはデジタルビジネス時代の到来とともに、お客様のニーズが多様化している証拠といえます。

シスコ 財津氏

現在は富士登山の5合目にいると感じています。近年では、お客様の業務内容を深く理解する必要が出てきていまして、ベンダーの営業やSEがそういった現場の状況を把握できるだけのスキルセットを備えていかなければならないと考えています。

シトリックス 田中氏

富士登山に喩えると5合目だと感じています。最近では、IoTのようなものから多種多様な情報を取得し、これらを保存・処理する手立てが出揃いました。今後は、そのような仕組みを通じて、情報をどのように活用していくかが大きな課題となるでしょう。

日本マイクロソフト 高添氏

将来に対する期待値を込めて、現時点ではまだ富士登山の裾野にいると感じています。現在のソリューションは、まだ仮想化の延長線上にあります。今後、まったく新しいことが起こり、そのときに初めて富士登山が始まるのではないでしょうか。

ネットアップ 近藤

現在は、富士登山の3合目にいると感じています。半世紀にわたるITの歴史の中で、システムの集中と分散が繰り返されてきましたが、現在は史上最大ともいえる分散の時代です。ストレージの観点で言えば、近年ではデータの分散とサイロ化が課題となっています。当社は、このようなデータ分散とこれからのハイブリッドクラウド時代において、データを一元的に管理するソリューションに注力していきます。

レッドハット 輿水氏

富士登山に喩えると3合目にいると感じています。2010年に登場したOpenStackがようやくメジャーなものになり、クラウド、モバイル、ビッグデータなどへと広がりを見せています。2020年を過ぎた頃には、何が起こるか予測さえできない世界が訪れていると思います。私は、機械学習や人工知能などの進化が大きな鍵を握っていると考えます。

■ 質問2

今後、ITと経営および事業の距離感はどのようになっていくと見ていますか?

ヴイエムウェア 桂島氏

近年では、シャドウITに代表されるように、事業部門がIT部門と関係なくITを独自に調達するという傾向が問題視されています。IT部門が企業の中で存在価値を発揮するためには、事業部門が求めるITを迅速に提供し、ビジネスにもきちんと貢献していくことが重要になります。だからこそ、両者の距離感は縮まざるを得ないと考えています。

シスコ 財津氏

ITと経営の距離感はかなり縮まってきていると感じていますが、ITの利用ルールやセキュリティの確保がますます求められるでしょう。テクノロジ面でのイノベーションだけでなく、利用のためのガイドライン、人材の育成や確保が経営者にとっての大きな課題になると考えています。

シトリックス 田中氏

少子高齢化社会によって労働人口がこれからさらに減少していきます。ビジネスの生産性を高めていくには、女性や高齢者の雇用がますます求められます。そして、このような経営課題に対し、ITが強力な武器となってくれると考えています。今後、経営とITの距離はさらに縮まっていくはずです。

日本マイクロソフト 高添氏

コンシューマ製品を出している当社の立場からすると、両者の距離感はすでに縮まっているという印象です。しかし、すでにITが目の前にありながら、それをきちんと活用できていないことが大きな問題なのです。今後は、ユーザのそばにあるはずのITをもっと仕事や生活に役立ててもらえるようにする取り組みが求められるでしょう。

レッドハット 輿水氏

バイモーダルITというトレンドに代表されるように、現在はITの工業化の時代からデジタル化への過渡期にあります。また、企業の中に最高デジタル責任者(CDO)のような役職を置くことも提唱されてきています。特に日本ではITと経営にまだ距離を感じますので、それをさらに縮めていく努力が求められるでしょう。

FlexPod Day 2015

■ 質問3

デジタルビジネスの時代において、FlexPodのようなソリューションの役割をどのように考えますか?

ヴイエムウェア 桂島氏

FlexPodのようなコンバージドインフラは、米国の市場で急成長を遂げています。コンバージドインフラなら、お客様が必要とするシステムを迅速に構築し、すぐに使い始められるからです。また、運用コストの削減にもつなげられます。このように、ビジネスの土台として信頼性とコスト効率に優れたシステム基盤を手に入れることで、これからのニーズを見据えたビジネス上のチャレンジもさらにしやすくなります。

シトリックス 田中氏

クラウドには迅速性や柔軟性といったメリットがあるものの、すべてのシステムをクラウドに移行できるわけではありません。このため、クラウドとオンプレミスを併用するハイブリッド型の運用は今後も続いていくでしょう。FlexPodは、とりわけオンプレミス環境を構築する際に、クラウドに匹敵する柔軟性も両立できる点が大きなメリットといえます。

日本マイクロソフト 高添氏

ユーザ側から見ると、究極的には仮想化レイヤもOSも見えない存在になり、最後に残るのはアプリケーションとそれを処理するハードウェアの2つになります。特にオンプレミス環境では、どうしてもハードウェアのレイヤを立ち上げる必要があるため、スピードの面でクラウドには太刀打ちできていないのが現状です。FlexPodは、そのようなギャップを縮める役割を果たし、それによってさらなる変革が起こることを期待しています。

■ 質問4

2020年に向けて注目しておくべきテクノロジは何でしょうか?

ヴイエムウェア 桂島氏

当社は、2020年に約40%のアプリケーションが、マイクロサービス技術などを活用したクラウドネイティブの形式になると予測しています。そして、残りの60%は、主にエンタープライズアプリケーションがオンプレミス環境で引き続き運用されます。今後は、これらのアプリケーションをいかにして一元管理していくかが課題となるでしょう。

シトリックス 田中氏

ちょっと切り口を変えまして、今後はITを活用するためのリテラシー教育が重要になると考えています。世の中にあるさまざまな情報を活用するには、人間自身がそれを実現したいと強く希望しなければなかなか先には進みません。だからこそ、リテラシー教育の強化によって、そのようなモチベーションを強化していくことが求められます。

日本マイクロソフト 高添氏

プラットフォーム技術の進化という観点では、コンテナ技術に注目しています。また、ITは情報を入力し、それを処理し、最後に出力するという流れを基本としています。このため、入出力の世界を変えるバーチャルリアリティ(仮想現実)の未来にも期待しています。

レッドハット 輿水氏

2020年頃になると、人間の脳が処理しているようなことを機械でも処理できる時代が訪れます。豊富な入力情報、圧倒的な処理能力、ビッグデータの活用、それによる学習と自律的な動作、いわゆる機械学習と呼ばれる世界です。それによってITがどのような変遷を遂げるのか、たいへん興味を持っています。

FlexPod Day 2015

最後に、シスコの財津氏は「FlexPodはたいへん柔軟性のあるコンバージドインフラ・ソリューションです。お客様のビジネスに必ずやお役に立てるものになりますので、ぜひとも私たちにお声がけいただければ幸いです」、またネットアップの近藤は「FlexPodは、本日協賛してくださったアライアンスパートナーをはじめ、数多くの企業とエコシステムが確立されています。NetAppは、その中でストレージの進化を力強く支えていきます」と述べ、FlexPod Day 2015の1日を締めくくりました。

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