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FAS8000:エンタープライズ向けスケールアウト ストレージ
Steven Miller
Steven Miller
ネットアップ、シニア テクニカル ディレクター兼プラットフォーム アーキテクト

FAS8000:エンタープライズ向けスケールアウト ストレージ1993年に初のネットアップ ストレージ システムが登場したとき、CPUはIntel® i486が1つだけ、rawディスクの容量は最大で14GBでした(そう、ギガバイトです。今ではスマートフォンのほとんどが、この総容量を上回っています)。現在のFASストレージは、プラットフォームこそ当初のものを引き継いでいますが、容量は30万倍以上の数ペタバイトに拡張できるようになり、20年前はほとんど夢でしかなかった機能を備えるまでになりました。

こうして生まれたのが次世代のネットアップ ストレージです。FAS8000 の開発では、FASプラットフォームにあらゆる角度から磨きをかけ、機能強化を図りました。そしてそのプロセスから、今日のエンタープライズのニーズに独自の方法で最もよく応えるハイブリッド ストレージ システムをつくり上げました。FAS8000は、業務の高速処理を可能にしながらも管理オーバーヘッドは軽減し、IT運用をシンプルにして投資回収率を高めるように設計された製品です。

柔軟性重視で設計されているので、変化するニーズに応えるために計画的停止が必要になったり、サービス停止を伴うハードウェア交換が必要になることは一切ありません。FlexArrayストレージ仮想化ソフトウェア(今月のTech OnTapの別の記事を参照)を使用すれば、FAS8000で既存のストレージ アレイを仮想化し、管理することもでき、Data ONTAP®オペレーティング システムの機能がほかのストレージ インフラにまで拡張されます。

本稿では、FAS8000のアーキテクチャについて解説します。特に、プロセッサやメモリ、フラッシュ、I/Oに加えた多くの拡張機能を中心に、この拡張によって、お客様がFASストレージに期待するパフォーマンス、拡張性、信頼性、柔軟性がどのようにもたらされるのかを説明します。

FAS8000の紹介

ストレージ容量の拡張は、多くのIT部門にとってシステム停止を招きかねない作業です。大半のストレージ システムは、容量や機能を拡張できる幅がかなり厳しく限られています。いくつものストレージ システムが必要になったり、ストレージのサイロ化が生じたり、未使用の容量が発生したり、管理が複雑きわまりなくなったりといった状態に陥るのは、この拡張性の乏しさが原因です。ユニファイド スケールアウト ストレージのFAS8000は、お客様のビジネス ニーズに最もかなった方法でストレージ環境を拡張し、この問題を解決します。柔軟性に優れたハイブリッド ストレージ構成を選択すれば、ワークロードごとに最適なレベルの処理速度が提供されます。

FAS8000は、革新的なハードウェア設計に、実績のあるclustered Data ONTAPの機能と業界最高水準の管理機能を組み合わせた製品です。さらに、代表的なハイパーバイザーやアプリケーション、管理とオーケストレーションのツールが、他社ストレージとは比べものにならないほど強力にサポートされているため、スケールアウト ストレージのメリットを得るために、業務遂行に必要な機能を諦める必要はありません。

FAS8000は次世代のハードウェアにclustered Data ONTAPとOnCommandを搭載。各種アプリケーションとの統合でも業界をリード

図1)FAS8000は次世代のハードウェアにclustered Data ONTAPとOnCommandを搭載。各種アプリケーションとの統合でも業界をリード

スケールアウトとスケールアップ

FASは業界唯一のユニファイド スケールアウト ストレージ アーキテクチャです。FAS8000も従来製品と同様、ニーズに応じてSANとNASのプロトコルを同時にサポートします。またFAS8000は、clustered Data ONTAP専用に設計された初のFASアーキテクチャで、どのモデルも、最大24ノードまでスケールアウト可能です。

FAS8000はスケールアップ機能にもきわめて優れています。必要に応じてFASコントローラをスケールアップし、容量を追加したり、種類の異なるメディアを追加したり、あるいはFlash Cacheインテリジェント キャッシングや拡張用のインターフェイス カードを実装するなどして、お客様の要件に的確に応えるストレージを実現できます。コントローラはオンラインのまま別のモデルにアップグレード可能です。この「ヘッド」のデータインプレース アップグレードは、システム停止を伴うデータ移行なしでパフォーマンスや容量を拡張できる方法として、長く評価をいただいています。

FAS8000システムでは、FlexArrayを使用して、スケールアウト クラスタの一部に既存のEMC、HDS、NetApp Eシリーズのストレージ アレイを統合することもできます。統合のために追加のハードウェアを購入する必要はありません。

FAS8000の設計は、スケールアウト、スケールアップ、既存のアレイの統合に最適

図2)FAS8000の設計は、スケールアウト、スケールアップ、既存のアレイの統合に最適

機器更改によるダウンタイムなしで、様々な世代が混在するクラスタを構成

すでにFASクラスタが導入されている環境では、既存のノードにFAS8000モデルを組み合わせてクラスタを組むことができます。これは、クラスタをそのまま拡張し続けていくこともできれば、最新のコントローラ テクノロジに移行することもできるということです。どちらの場合も、ダウンタイムは一切発生せず、重要な業務が中断されることもありません(製品の世代が異なるノードを混在させる場合、各コントローラに定められている最大ノード数の中で最も低い値が、クラスタ ノードの最大数となります)。

FAS8000モデル

旧世代のFASもスケールアウト機能を備えていますが、FAS8000はスケールアウトを目的に一から設計された初の製品です。コンセプトがこのように異なることから、FAS8000では製品ラインがいっそうシンプルでスリムになっています。コントローラ(ノード)やメディア タイプ、ネットワーク接続を様々に混在させ、組み合わせることで、パフォーマンスにしろ容量にしろ、ストレージ階層や接続性にしろ、真に必要な機能を手にできます。

FAS8000シリーズは、FAS8020、FAS8040、FAS8060の3つのビルディング ブロックで構成されています。FAS8020はFAS3220の後継モデルで、FAS8040はFAS3250の、FAS8060はFAS6220の後継モデルです。

FAS8000モデルは、最大24ノードまで自由に組み合わせることができますが、SANプロトコルを実行するクラスタの場合は最大8ノードとなります。ノードに同じモデルを使用して同機種構成のスケールアウト インフラを構築することもできれば、種類や構成の異なるノードで異機種混在のスケールアウト インフラを構築することもできます。

FAS8020(3U)とFAS8040 / 8060(6U)のコントローラ

図3)FAS8020(3U)とFAS8040 / 8060(6U)のコントローラ

FAS8000のエンクロージャはどれも、コントローラを2台まで搭載できるため、シングルエンクロージャHA構成を組んでパッケージをきわめて高密度に保つことができます。表1に示したように、機能が強化されたこの3つのプラットフォームは、オンボードI/Oが大幅に増えているため、I/Oカードを増設する必要が最小限で済みます。

表1)FAS8000モデルの比較

FAS8060 FAS8040 FAS8020
最大容量 4,800TB 2,880TB 1,920TB
最大ディスクドライブ数 1,200 720 480
コントローラのフォーム ファクタ シングル エンクロージャHA:
6Uシャーシに2台の コントローラを搭載
シングル エンクロージャHA:
6Uシャーシに2台の コントローラを搭載
シングル エンクロージャHA:
3Uシャーシに2台の コントローラを搭載
メモリ 128GB 64GB 48GB
Flash Cacheの最大容量 8TB 4TB 3TB
Flash Poolの最大容量 18TB 12TB 6TB
VSTフラッシュの最大総容量 18TB 12TB 6TB
NVRAM 16GB 16GB 8GB
PCIe拡張スロット 8 8 4
オンボードI/O:10GbE 8 8 4
オンボードI/O:UTA2 (10GbE / 16Gb FC) 8 8 4
オンボードI/O:6Gb SAS 8 8 4
OSのバージョン Data ONTAP 8.2.1 RC2以降

FAS8020(3U)とFAS8040 / 8060(6U)コントローラの背面図

 FAS8020(3U)とFAS8040 / 8060(6U)コントローラの背面図

図4)FAS8020(3U)とFAS8040 / 8060(6U)コントローラの背面図

FAS8000のアーキテクチャ

ネットアップのスケールアウト設計を最大限に活用し、フロントエンドのパフォーマンス ニーズを満たしつつ、バックエンドのデータ管理とストレージ効率化機能のニーズにも応えるため、ネットアップはFASアーキテクチャの領域の中から、ハードウェア リソース拡張のメリットがclustered Data ONTAPにもたらされる部分を入念に検討しました。そしてその結果に従って、リソースを調整し最適化しました。ハードウェアに関しては、ほぼすべての値を大幅に拡張し、信頼性、可用性、保守性、管理性(RASM)を全体的に高めました。

表2)新しいFAS8000モデルと対応する旧世代モデルの比較

FAS8060 FAS8040 FAS8020
対応する旧世代モデル FAS6220 FAS3250 FAS3220
コア 2倍 1倍 1.5倍
メモリ 1.3倍 1.6倍 2倍
メモリの帯域幅 1.6倍 4倍 3倍
NVRAM 2倍 4倍 2.5倍
I/Oの帯域幅 2倍 10倍 10倍
フラッシュ(VST用) 1.5倍 3倍 3倍以上
総パフォーマンス 1.7倍 1.9倍 2.3倍

マルチコアSandy Bridgeプロセッサ

FASアーキテクチャは、10年にわたってマルチコア プロセッサによる運用に対応してきました。並行処理能力を着実に向上させ、Intelがコア数の増やすと同時に、Data ONTAPでもコアの増えたプロセッサを活用できるようチューニングを図ってきました。

FAS8000にはSandy Bridgeアーキテクチャが活用されており、どのモデルも旧世代製品よりコアの数と処理能力が拡張されています。その結果、この新しいプラットフォームではコンピューティングの処理量が飛躍的に高まったため、それを活かして、フロントエンド処理とバックエンド処理の並行化をさらに進めています。ネットアップは、暗号化と圧縮のほか、Advanced Vector Extensionsに関する新しい命令でもIntelと緊密に連携し、複数のデータに1つの命令を適用できるようにしています。

メモリの拡張

コンピューティング能力の増強に加え、メモリ アーキテクチャも大幅に強化し、各モデルでサポートするメモリの容量を増やし、帯域幅を旧モデルの最大4倍に拡張しました。

FAS8000コントローラでは、プロセッサごとに利用可能な最大メモリ帯域幅が提供されるため、I/O要求に対するスループットを最大限に高めることができます。メモリ チャネル1つにつき1枚のDIMMを使用し、他のSandy Bridge実装の2倍に相当する帯域幅が最大帯域幅としてメモリに提供されるよう設計したので、FAS8060では、メモリとコア間に85GB/秒の帯域幅を提供することができます。

新しいNVRAM設計

現時点では、お客様はワークロードのパターンの検出に着手したばかりではないでしょうか。FAS8000に使用されている新しいNVRAM9アーキテクチャは、NVRAM8の2倍の帯域幅を提供します。ネットアップは今回すべてのモデルで容量を大きく引き上げました。NVRAM9はマザーボードにそれぞれ組み込まれるため、拡張スロットは一切使用しません。NVRAMに格納されたデータは、停電が発生すると自動的にフラッシュにデステージされるため、停電が何時間続いてもデータは保護された状態で維持されます。

NVRAMの拡張は、特にラージ シーケンシャル ライトのパフォーマンスにメリットをもたらします。シーケンシャル ライトは、ランダムI/Oの多くにも要素の一部として含まれており、たとえばOLTPの場合、ログの取得はシーケンシャル ライトです。Data ONTAPは、FAS8000で実行されるOLTPや同様のワークロードのパフォーマンスを最適化するよう調整されています。大量のシーケンシャル ライトが発生するアプリケーションとしては、ほかに、バックアップ、メディア アプリケーション、衛星通信データの取得、地殻解析処理があります。

I/O:強力なPCIe Gen3

FAS8000のI/Oアーキテクチャは、特に自信をもって紹介できる部分です。FAS8000は全モデルにPCIe Gen3を採用し、提供可能なI/O帯域幅を強化しています。FAS8060はGen3 80レーンをサポートし(FAS6220はGen2 72レーン)、2倍の帯域幅を実現します。FAS8040とFAS8020はそれぞれGen3 40レーンをサポートし、旧モデルの10倍のI/O帯域幅をオンボードで提供します。

ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、PCIe Gen3のスタートはやや波乱含みでした。早期に導入された先で、電源サイクルが必要なシステム停止が時々発生するという難しい状況にあったのです。ネットアップのエンジニアリング部門は2年の歳月をかけてGen3に取り組み、根本的な原因を突き止めて問題点をすべて修正し、強力さでは申し分のない拡張バスをつくり上げました。

FAS8000では、I/Oカード増設用やFlash Cache搭載用の拡張スロットも含め、すべてにPCIe Gen3が使用されています。FAS8020はコントローラあたり2スロット(HAペアでは4スロット)を提供し、FAS8040とFAS8060は、コントローラあたり4スロット(HAペアでは8スロット)を提供します。

優れた柔軟性を発揮するオンボード ポート

FAS8000では、オンボード ポートの数と種類が、I/Oアーキテクチャの重要な要素となっています。PCIe拡張スロットを使用しなくても、システム搬入後すぐ、ユーザが自由に設定できる柔軟性が高まっているのはこのためです。従来のFASモデルは設定が固定されており、あまり融通がききませんでした。

FAS8000は、各コントローラに4種類の主要なオンボード ポートとして、GbE、SAS、10GbE、ユニファイド ターゲット アダプタ2(UTA2)が装備されています。FAS8020は、コントローラごとに各ポートが2つ(HAペアではそれぞれ4つ)、FAS8040とFAS8060はコントローラごとに各ポートが4つ(HAペアではそれぞれ8つ)装備されています。

業界初の柔軟なUTA2ポート 新登場のUTA2ポートは、業界初のアダプタです。光ポートをUTA2ポートに取り換え、ソフトウェアをアップデートして切り替えることで、(FASプラットフォーム初の)16Gb/秒ファイバチャネルや10GbEを提供できます。これにより、現在と将来にわたってお客様に優れた柔軟性がもたされると私どもは考えています。

既存のFC SANには、広帯域幅を提供するFCで接続できます。16Gb FCは、FlexArrayで既存のストレージを接続し、仮想化するのにも最適です。現時点でFC接続の必要がない場合は、ポートを10GbEに設定し、FCoEやiSCSI SANの接続をサポートしたり、NFSやCIFS / SMBによるクライアント接続をサポートすることができます。つまり、無駄になるものが何もないということです。

新しいUTA2カード UTA2ポートの柔軟性に興味がある方なら、ネットアップが、同じ機能を持つ2ポートのPCIe Gen3アダプタを新たにリリースする予定があるという話も歓迎されることでしょう。FAS8000にこの2つのアダプタを装着すれば、接続性がさらに高まります。この2つのアダプタは、FAS3220とFAS3250のほか、FAS6200の全モデルでもサポートされます。

オンボード10GbE オンボードの10GbEポートは、クラスタ インターコネクトや、クライアントとホストのネットワーク接続に使用します。FAS8020では、クラスタ インターコネクトにデュアル接続が使用され、FAS8040とFAS8060ではデュアル接続に加えて、クラスタの帯域幅を拡張するためにクアッド接続もサポートされています。

FAS8000では、オンボードUTA2ポートを併用することでかなりの数の10GbEポートが提供されます。この多数のポートの帯域幅をフルに活用することで、ミッションクリティカルなアプリケーションやクラウド接続に必要なパフォーマンスと柔軟性を得ることができます。

新しい10GBase-Tカード 10GbE接続がさらに必要な場合は、前述のUTA2アダプタを追加するか、従来の10GbE NICをどれか追加します。ネットアップは、新しい10GBase-T NICもポートフォリオに追加していますので、FASシステムの接続にCAT 6A(またはそれ以上の)ケーブルを使用することができます。ポートの速度は、10GbEからGbEの間で自動的に設定されます。

フラッシュのサポート

ネットアップは近年、フラッシュ ソリューションの機能を大幅に拡張してきました。FAS8000クラスの新しいFASシステムは、ほとんどがハイブリッド ストレージ構成で出荷されており、パフォーマンスにはフラッシュが、容量にはHDDが使用されています。これはつまり、FAS8000のフラッシュ機能も他の機種と同様に強化する必要があり、実際に強化が望まれていたということです。

ハイブリッド ストレージ 読者の皆様はすでにご存じのように、ネットアップ バーチャル ストレージ ティア(VST)ポートフォリオは複数の選択肢で構成されており、どれを選んでも、従来のHDDにフラッシュを組み合わせ、ホット データ用の高速キャッシュとして利用することができます。ポートフォリオの内容は、FAS8000の各コントローラに搭載できるFlash Cacheアクセラレータ カード、HDDとSSDを併用して1つのネットアップ アグリゲートを構築するFlash Pool構成、サーバサイドのキャッシングを実現するFlash Accel™サーバ キャッシュとなっています。

FAS8000モデルでは、サポートするFlash CacheとFlash Poolの容量を一段と引き上げました。フラッシュの容量が最大3倍に拡張されているため、より多くのワークロードを高速化し、個々の要件に合わせてストレージ構成をさらに最適化できます。

オールフラッシュ アグリゲートとオールフラッシュ構成 VSTフラッシュによる高速化機能に加え、FAS8000システムでは、SSDだけで構成したオールフラッシュ アグリゲートもサポートされます。オールフラッシュ アグリゲートは、ディスクだけで構築したアグリゲートやFlash Poolアグリゲートと併せて実装することも可能です。またFAS8000システムを、オールフラッシュ構成で導入することも可能です。このため、複数のストレージ階層をストレージ システム1台で提供することもできれば、スケールアウト クラスタで提供することもできるという、きわめて高い柔軟性がもたらされます。

オールフラッシュを選択すると、すべてのトランザクションに絶対的な低レイテンシが求められるアプリケーションに、最適なパフォーマンスが提供されます。

幅広く選択できるSSD Flash Poolを導入する場合でも、オールフラッシュを選択する場合でも、ネットアップにはSSDの容量を200GB、400GB、800GB、1.6TBから幅広く選べるポートフォリオが用意されています。このため、お客様それぞれのニーズに合わせ、最適な容量のフラッシュで簡単に構成を組むことができます。Data ONTAP 8.2.1対応の新しいAutomated Workload Analyzerを使用すると、Flash Poolを導入する前に必要なキャッシュの容量を正確に割り出せるので、ワークロードのサポートに最適なSSD構成を容易に選択できます。

信頼性、可用性、保守性、管理性(RASM)

FAS8000は全モデルが、99.999%以上の可用性を提供する設計になっています。お客様が期待されるとおり、FAS8000は旧世代製品のRASM機能をベースに開発されており、ディスク シェルフ管理用のAlternate Control Pathや前述のNVRAM設計が採り入れられています。また、どのコントローラにもサービス プロセッサが統合されています。サービス プロセッサはコントローラの主回路とは分離されているため、システムの他の部分がダウンしても動作し続けます。

プロセッサの全面診断 問題が発生した場合は、イーサネットまたはシリアル コンソール経由でサービス プロセッサにアクセスし、トラブルシューティングを実行できます。たとえば、プロセッサが動作していない場合でも、その状態を完全に読み出すことができます。Sandy Bridgeは、Intelの旧世代プロセッサよりも多くの情報を提供してくれるので、マザーボードに組み込まれたプロセッサからも、PCIeスロットに搭載された各種のI/Oデバイスからも、今までにないほど詳細なデータを得ることができます。

FAS8000のパフォーマンス

さてここまで、FAS8000の各モデルについて、ハードウェアの機能がどのように強化されたかを説明してきました。次は当然、FAS8000のパフォーマンスの説明になります。ネットアップはFAS8020とFAS8040のベンチマーク結果をいくつか発表しています。またFAS8000のパフォーマンス特性については、社内で広範囲にわたって評価済みなのは言うまでもありません。

ここで少々本題から外れ、ベンチマークについてしばらく説明させていただきます。昨今のオールフラッシュ アレイの人気により、IOPSの値がかなり気軽に大量生産されていますが、その結果を得るためにどのようなワークロードを使用したかについては、あまり具体的に言及されておりません。時々耳にする驚くような数字は、512Bから4KBの読み取りで全体が構成された「低負荷」ワークロードが基になっていることが一般的です。ところが、ほとんどではないにせよ、多くの場合、実際のワークロードは明らかにされていません。このため、パフォーマンスについて語るにも、意味のある比較をすることが難しくなっています。

今回比較に使用したSPECsfsSPC-1は、実際のアプリケーションを再現するよう設計されたワークロードを基に、独立機関の注意深い監視の下で実施されるベンチマークです。どちらのベンチマークも書き込み処理が大半を占めるため、たとえオールフラッシュ構成を使用したとしても、IOPSの値が100万を超えることは滅多にありません。ネットアップは2011年下旬に、24ノード構成のFAS6240でネットアップが達成した結果として、SPECsfs2008_nfs.v3で150万処理/秒という数字を正式発表しました。この記録は、主要なストレージ ベンダーのSPECsfs NFSベンチマークの中で今も首位の座を守り続けています。

FAS8000のSPECsfsと SPC-1によるパフォーマンス テストの結果

図5)FAS8000のSPECsfsとSPC-1によるパフォーマンス テストの結果

SPECsfs

ネットアップはFAS8020で、SPECsfsベンチマークのNFSとCIFSの両バージョンを実行しました。どちらのケースも構成は同じで、2ノード構成のFAS8020クラスタにディスクを144本搭載し、各コントローラに512GBのFlash Cache 2カードを実装しました。

FAS8020では、ここに示したように非常に目覚ましい結果が得られました。このことから、FAS8000製品ラインがスケールアップとスケールアウトのどちらにも優れ、高いスループットときわめて低いレイテンシを提供する様子が伺えます。

NFSでは、SPECsfs2008_nfs.v3でFAS8020が110,281処理/秒を達成しました。Overall Response Time(ORT;総応答時間)、つまり平均レイテンシは1.18ミリ秒でした。

  • この2ノード構成での結果は、スケールアウトを謳う他社の14ノード構成(コントローラの台数が7倍)の処理/秒に匹敵します。また、他社のORTはほぼ3倍の高さでした。
  • この構成では、処理/秒が最大65,000の場合、1ミリ秒未満のレイテンシが提供され、処理/秒が最大で約10万の場合はレイテンシが2ミリ秒以下に抑えられました。ここから、オールフラッシュ ストレージのレイテンシに近い値が得られたことがわかります。

CIFSでは、SPECsfs2008_cifsでFAS8020が105,050処理/秒を達成しました。ORTは1.42ミリ秒でした。

  • この2ノード構成での結果は、スケールアウトを謳う他社の7ノード構成の処理/秒に匹敵します。また、他社のORTは2倍を超える高さでした。
  • この構成では、処理/秒が最大50,000の場合、1ミリ秒未満のレイテンシが提供され、処理/秒が最大で約85,000の場合はレイテンシが2ミリ秒以下に抑えられました。

SPC-1

2ノード構成のFAS8040をSPC-1ベンチマークでテストしました。合計192本のディスクと、各コントローラに512GBのFlash Cache 2カードを搭載した構成を使用したところ、86,072SPC-1 IOPSを達成できました。

このFAS8040の結果から、FAS8000ハイブリッド ストレージ構成を使用すると、優れたパフォーマンスと低レイテンシが実現することがはっきりわかります。つまり、パフォーマンスに併せて容量も必要な場合は、実際のアプリケーションに幅広く対応できるという点でハイブリッド ストレージを選択するのが、おそらく今も最適な方法だということです。

数百万IOPSまでリニアに拡張

ネットアップの社内テストに基づくと、FAS8000では、きわめてリニアに拡張できるパフォーマンスが得られると予想されます。つまり、2ノード構成で提供されるパフォーマンスを1とすれば、4ノードでは2倍、6ノードでは3倍といった具合に増えていくということです。また、FAS8020、FAS8040、FAS8060は、パフォーマンスの開きが均等になるように設計されています。FAS8060はFAS8020の約2倍のパフォーマンスを提供し、FAS8040のパフォーマンスは両者の中間に位置します。社内テストからは、FAS8060クラスタで標準的なNFSワークロードを実行した場合、260万回を超えるIOPSが提供されることが読み取れます。

このリニアな拡張性により、お客様は今日のスケールアウト クラスタに最適なビルディング ブロックを選択し、たとえ要件が増大しても、ニーズと予算に見合った幅で容量やパフォーマンスを拡張できると安心していただけます。

今日の、そして将来に向けたストレージ

ネットアップは今、FAS8000が発揮する数々の能力に沸きかえっています。フラッシュによる高速化とクラウド統合を特徴とするこのエンタープライズ ストレージ システムは、並外れて優れたI/Oをアプリケーションとエンドユーザに提供し、それと同時に、IT運用とビジネスの成功に欠かせないデータ管理タスクを実行します。ネットアップは、いっそうコンパクトになったフォーム ファクタで高い柔軟性を提供することを第一に、変化する今日のIT環境に独自の方法で最適に応えるストレージのビルディング ブロックをつくり上げました。このビルディング ブロックなら、ビジネスの中断を招くことなく拡張し、将来のニーズに合わせて最適化できます。

 FAS8000に関するご意見をお寄せください。?

ご質問、意見交換、情報提供は、ネットアップのコミュニティ サイトまでお願いいたします。

Steven Miller
シニア テクニカル ディレクター兼プラットフォーム アーキテクト
ネットアップ、

Stevenは6年以上にわたって、ネットアップのプラットフォーム アーキテクトを務めています。以前はFAS3100、FAS3200、FAS6200、FAS2240、FAS2220、FAS8000のほか、Performance Acceleration Module(PAM)とFlash Cache(PAM II)の開発に携わっていました。また、ネットアップのエンジニアリング部門において、国家安全保障局、国家地球空間情報局、中央情報局との交渉役も担っており、現在、複数のIEEE団体と業界団体にも参加しています。ストレージとハイパフォーマンス コンピューティングの分野で38件の特許を取得した実績があり、現在も16件の特許を出願中です。

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FAS8000の詳細について

FAS8000の詳細情報を希望されるお客様は、 今月号のFlexArrayの記事と下記のリソースを併せてご覧ください。

FAS独自のメリットとは?

ネットアップでは、非常に優れたパフォーマンス、拡張性、可用性を実現するべく、FASハードウェア製品ラインの全モデルを設計しています。FASは卓越した管理機能を備えており、保守と操作が簡単に行えます。 最高レベルのI/Oを実現するネットアップのハードウェア。その仕組みを是非ご確認ください。

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