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【3PARにNetAppをつないでみた】
第1回:
FlexArray機能の概要 (2017/05/26)
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はじめに

ハイブリッドクラウド環境が主流になりつつある今日、データの管理は非常に複雑になっています。ほとんどの企業は基幹系・情報系など用途によってストレージを使い分けていると思われますが、ここに新たにパブリッククラウドのストレージも加わるとデータの管理の手法が多岐にわたり、新しい技術の習得に時間がかかるようになります。オンプレミスのストレージであれば異機種ストレージをまとめて仮想化・抽象化する製品を導入することで管理を統一することも可能ですが、パブリッククラウドとのデータ連携も視野に入れるとストレージ仮想化製品の選択肢はかなり狭まることになります。
FlexArray 機能は他社のブロックストレージの上にかぶせてNetApp独自の機能を使えるようになるソリューションです。 ONTAP OSの機能がほぼすべて使えるようになり、異機種ストレージの統合・仮想化・抽象化に使えるだけでなく、ONTAP Cloud といったパブリッククラウド上で動くONTAPとの連携にもご利用いただけます

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     ※ クリックすると拡大します。

今回は具体的な利用シーンやメリットなどを中心にご紹介します。

一般的なストレージ仮想化・抽象化製品

ストレージ仮想化製品(ハードウェアベース)には以下のような製品があります。
        EMC     VPLEX
        Hitachi  Universal Volume Manager (UVM) - VSP/HUSシリーズの機能
        IBM      SAN Volume Controller(SVC)/ V7000
        NetApp  FlexArray - ONTAP OSの機能

NetAppのFlexArrayはサーバ接続用のプロトコルとしてCIFS/NFS/iSCSI/FC等に対応しています。そのためこれらのプロトコルをNetAppコントローラ経由で利用できますが、SANの用途だけは直接バックエンドストレージの機能を利用するといった使い分けも可能です。 課金はFlexArrayの場合コントローラ単位のライセンス課金となっており、下に接続するストレージ容量による追加課金はありません。他社は接続するストレージ容量に比例した課金のことが多く、増設時にはハードウェア増設コスト以外にコントローラ側の容量課金を追加コストとして考慮しておく必要があります。(初期購入時に増設時のライセンス費用の単価を保証してもらわないと、あとで高額な請求が発生することがあります。)

どんな時に使うのか

【1】 オンプレミス基盤の場合:
例えば既存環境のブロックストレージの容量が余っていて、そこにNAS機能を追加したい場合に FASコントローラを後付けできます(NetAppのディスクシェルフは不要)。もしくはNetApp FASシリーズに慣れているお客様が、NASヘッドだけNetAppにしたい場合にも活用できます。
(1) 神戸大学、学内ファイルサーバの容量拡張に最新のNetApp Vシリーズを採用
http://www.netapp.com/jp/system/pdf-reader.aspx?m=cs-6780.pdf
   (VシリーズはFlexArrayの旧名称です)
(2) 豊田自動織機が ストレージ基盤を全面刷新し 新たな成長戦略を推進
http://h50146.www5.hpe.com/products/storage/casestudy/3par/toyota-shokki/
お客様によっては差別化要素の少ないブロックストレージの価格競争をさせたいという要望もあります。もちろん弊社から純正シェルフを購入しても良いのですが、単一のFASコントローラに純正シェルフと他社ストレージを混在させることも可能です。この場合、異なるバックエンドストレージ間のデータ移行機能(通称vol move)もサポートされています。
【2】 プライベートクラウド基盤の場合:
例えばVDI用途で他社のブロックストレージを利用している場合でも、プロファイル置き場やファイルサーバ領域としてCIFSサーバが必要になります。このとき独立してNASを購入するのではなく、FASコントローラだけを購入してCIFSサーバ機能を後付けすることができます。
また、OpenStack基盤のGlance/Cinderの用途にも最適です。仮想サーバのOSイメージをCinder Volumeに展開する際に、そのコピー処理をサーバではなくストレージにオフロードさせたい、となるとNetApp以外の選択肢はなくなります。他社のブロックストレージにそのような機能がなくても、NetAppFASコントローラとCinderドライバー、copyoffloadツールを使うことで実現します。
OpenStack Manilaのファイル共有を使うにはNAS機能のあるストレージが必要になるので、やはりFASコントローラの出番となります。
【3】 パブリッククラウドとの連携用:
【1】や【2】のような使い方をしたユーザは、もれなくパブリッククラウドとの連携ができるようになります。オンプレ側にFlexArraySnapMirrorライセンスがあれば、クラウドにデータレプリケーションすることができます。
過去のブログ「OpenStackNetApp」第2回でハイブリッドクラウド環境でのデータ連携について紹介しました。AWSAzure上のONTAP CloudとオンプレミスのFASシリーズの間でデータ転送ができるというものですが、FlexArrayを使えば他社のストレージもこのデータ連携の輪に参加できるようになります。
補足:「OpenStackAWS/Azure連携 ~ Manilaを使ったデータレプリケーション ~ 」
http://www.netapp.com/jp/communities/tech-ontap/jp-tot-201701-openstack-netapp-manila-share-replication.aspx

パブリッククラウドとデータ連携するには

ここまでは簡単な機能の紹介と利用シーンについてご説明しましたが、ここからはデータ連携のために何が必要なのかをご説明します。

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※クリックすると拡大します。

(1) オンプレミス環境:
  • FASコントローラ (FAS8000/8200/9000シリーズ with FlexArray and SnapMirror license)  ※NetAppの純正シェルフやDISKは不要。(ONTAP OSも他社ストレージ内に格納します)
  • 他社ブロックストレージ
  • FCスイッチ
(2) パブリッククラウド環境(AWS/Azure)
  • ONTAP Cloud(時間課金 or BYOLを選択可能)
  • OnCommand Cloud Manager (無償)
  • 上記の2つのソフトウェアが稼働するためのクラウド上のインスタンスとストレージ
       ※ ONTAP CloudにはCIFS/NFS/iSCSIとSnapMirrorライセンスが標準で含まれます。

ONTAP CloudAWS/Azure上で簡単に利用できます。短いデモ動画もあるので、初めての方は是非ご覧ください。

Deploying ONTAP Cloud in Microsoft Azure

  https://youtu.be/wti34gXMdJQ

どのストレージをバックエンドに接続できるか

少し古い情報ですが、2016年春の時点では以下をサポートしています(Clusterd DataONTAP 8.3.2の場合)。新機種には定期的に対応しておりますので、最新の情報は弊社営業、もしくはパートナー様までお問合せください。

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※クリックすると拡大します。

ちなみにこの表には記載しておりませんが、NetAppE/EF-Seriesも対応しています。大規模案件で純正FASのシェルフでは価格が収まらない、などの場合には検討の余地があるかもしれません。

まとめ/次回予告

FlexArray機能はV-Seriesという名称で2004年頃から存在していました。特にFlexClone機能のためにFASコントローラだけを購入するようなお客様が多く、ヨーロッパの銀行や石油会社では社内でソリューションパッケージ化してワールドワイドで購入していただいています。またデータ移行機能(vol move)を使ってバックエンドストレージのデータ移行が楽になるというメリットもあり、特にClusterd DataONTAP 8.2以降は国内でも製造業や教育機関などで隠れたヒット商品となっています。
FlexArrayの技術情報はネット上にあまりなく、国内では知名度が低い状況でした。そこで次回以降はセットアップ手順だけでなく設計上の注意点、ベンチマーク結果(3PAR StoreServ8440と接続)、保守の切り分け範囲なども含めて公開したいと思います。

井谷 寛(いたに かん)
ネットアップ株式会社
システム技術本部 コンサルティングSE部
コンサルティング システムズ エンジニア

  SIerでインフラ全般を学び、その後はメーカーとSIerを交互に経験。前職ではOpenStackの実装やAWSのシステム運用・構築をしたのちに、2014年にネットアップに入社。その後はオブジェクトストレージ、SolidFireなど新しい技術を中心に提案活動を行う。

2017年 5月

関連情報

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【3PARにNetAppをつないでみた】


第1回:
FlexArray機能の概要

第2回:
FlexArrayを実際に構築してみた
~ 3PARとの接続ノウハウを丸ごと公開! ~
  • 掲載予定


第3回:
FlexArrayの構成ガイドライン
~ 設計ノウハウや注意事項、性能サイジング ~
  • 掲載予定


第4回:
サポートは大丈夫?
~ 障害時の切り分けとNetAppの体制 ~
  • 掲載予定

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