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FabricPoolを一足お先にご紹介:オールフラッシュ データセンターとクラウドをつなぐ架け橋
Jeff BaxterJeff Baxter
ネットアップ
ONTAP担当ストラテジスト兼チーフ エバンジェリスト
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先日ラスベガスで開かれたNetApp Insight 2016カンファレンスで、私達は2つの点で大きな進捗があったことを最新情報としてご報告しました。1つはオールフラッシュ アレイ(Gartnerの見解IDCの検証をご覧ください)について、もう一つはデータ ファブリック ビジョンの実現という偉業についてです。思えば、このビジョンが最初に発表されたのはInsight 2014でのことでした。データ ファブリックの実現に向けて、ネットアップはさまざまな新製品や新機能を投入しましたが、そこにONTAP 9.1や新型のオールフラッシュ アレイが含まれているのは言うまでもありません(詳細については、EVPのJoel ReichJeff Baxterの解説もご覧ください)。

Insightの3日目の全体セッションでは、FabricPoolという実に特別なテクノロジの先行案内がありました。FabricPoolが提供するのは、オンプレミスとクラウドのきわめて緊密な直接統合です。オンプレミスのデータセンターではオールフラッシュの革新性を活かしつつ、クラウドでは既存のサービスにはない優れた経済性を活かし、両者をつなぐことで技術的に洗練されたソリューションを形成し、ビジネスに大きな効果をもたらすというものです。

革新的なテクノロジとして設計されるFabricPoolを導入すると、ONTAPシステムで稼働するワークロードがSANとNASのいずれでも、ホット データをオールフラッシュに残したまま、アクセス頻度の低いコールド データを低コストのオブジェクト ストレージに移してストレージを階層化できます。オブジェクト ストレージの配置場所はオンプレミスとクラウドのどちらでも構いません。実はストレージの設置面積は、全体の80%近くをこのコールド データが占めていることが多いため、FabricPoolを実装すれば、かなりの削減効果が見込まれます。FabricPoolは透過的で自動化された機能として導入されるので、クラウドによる飛躍的な経済性の向上が期待できる一方で、フラッシュの優れたパフォーマンスやユーザ エクスペリエンスも維持できます。また、アプリケーションの再構築も不要です。

ネットアップのCTO、Mark BregmanとシニアテクニカルディレクターのJoe CaraDonnaによるFabricPoolの先行案内プレゼンテーション(Insight 2016のメイン会場にて)

今回のブログでは、やや詳しく解説するために、次の2点に絞って話を進めていきましょう。

  • 1. クラウドへの架け橋としてオールフラッシュ データセンターを実現
  • 2. 妥協のないエンタープライズ環境

FabricPool:クラウドへの架け橋としてオールフラッシュ データセンターを実現

この1年、IT業界は「オールフラッシュ データセンター」という言葉で沸き返りました。実際、テクノロジの劇的な進歩により、ほとんどのワークロードに最適なソリューションとしてオールフラッシュ アレイが選ばれる機会が増え、その結果、アプリケーションやデータベースのパフォーマンスはもちろん、エンドユーザの使い勝手も大幅に向上しました。ネットアップもこのトレンドに乗り、業界のリーダー的存在となっています。

現在のオールフラッシュは、「物理容量のコスト」で見ると従来の15K / 10K SAS HDDよりまだ若干高めですが、ストレージ容量を3:1以上の比率で効率化すれば、この差は埋められます。つまり全体的なTCOで捉えた時、オールフラッシュでは設置面積、電力、冷却コストが削減され、さらにユーザ エクスペリエンスも向上することを思えば、導入をためらう必要はないということです。

ただしSATAドライブに関しては、GBあたりの価格に今も大きな開きがあり(約10分の1)、また、アーカイブ ドライブとして今後も5年以上の存続が見込まれることから、価格の差がすぐに埋まることはないでしょう。アーカイブ ドライブの役目は現在は次世代型ハード ドライブが担っていますが、将来は一部の高密度ソリッド ステート ストレージが引き継ぐと思われます。1つ気を付けていただきたいのは、この「一部」のソリッド ステート ストレージは、ハイパフォーマンスが必要な連続したランダム リード / ライトには不向きだということです。

このアーカイブ テクノロジは画期的ですが、「オールフラッシュ データセンター」では活用できないため、非効率で競争力に劣るリソースということになります。そうなると、実際にはほとんどのデータセンターが、既存のディスクを使ったり、クラウドのディスクを間接的に使うなど、今後何年にもわたってディスクを利用していくのかもしれません。

しかし、FabricPoolがあれば「オールフラッシュ データセンター」を実現できます。具体的には、「オールフラッシュ データセンター」の定義を見直し、アプリケーション、データベース、ワークロードのすべてをオールフラッシュ ストレージ システムでサポートすることが重要です。これにより、アプリケーションのパフォーマンスを向上し、エンドユーザの満足度を高めることができます。同時にFabricPoolでは、使用頻度の低いコールド データを低コストのオブジェクト ストレージに移動し、オンプレミスやクラウドのHDDにアーカイブできます。前述のように、データの60~80%近くはほとんど使用されないコールド データなので、この機能はかなりの削減効果につながります。

つまり、クラウドとデータセンターをつなぐ架け橋としてFabricPoolを使えば、将来のデータセンターが次のような姿に生まれ変わるのです。

FabricPool:妥協のないエンタープライズ データセンターを構築

将来性の高い製品として開発されるうえで、FabricPoolには以下のような、包括的なエンタープライズ ソリューションの要素が組み込まれています。

あらゆるワークロードに透過的

FabricPoolは、ユーザによる操作をデータ ブロックごとに監視し、ブロックがホットかコールドかをマークするよう設計されています。マークはメタ データとしてSSDに残り、アクセス頻度が低下したデータはすべて、(より大きなオブジェクトにパッケージされて)オブジェクト ストレージに移動されます。プライマリ ストレージにスタブやスマートリンクが作成されることはありません。このプロセスは、すべてがエンドユーザやアプリケーションに対して透過的になる予定です。アプリケーションの再構築が不要なので、どのアプリケーションのアクセスも途切れることがありません。NASとSANのいずれかのプロトコルを通じてアクセスが継続されます。

クラウドの自由な選択を可能にする柔軟なクラウド統合

FabricPoolは、プライベート オブジェクト ストレージとしてStorageGRIDを、またパブリック オブジェクト ストレージとしてAmazon S3をサポートする予定です。将来は、S3準拠のオンプレミスのオブジェクト ストレージやその他のクラウド ハイパースケーラもサポートする予定です。どのクラウド プロバイダを使うか、オンプレミスにするかオフプレミスにするかは、お客様が自由に選択できます。

フラッシュでもクラウドでも効率性を発揮

FabricPoolでは、業界をリードするONTAPのStorage Efficiencyをそのまま活用できます。中でも、All-Flash FASのインライン重複排除、圧縮、コンパクション、シンプロビジョニングのテクノロジを使用できる点は特筆に値します。しかも、どのテクノロジもシステムの停止を伴いません。このStorage Efficiencyを使用すれば、オンプレミスに必要なオールフラッシュの容量や、クラウドとの間でやり取りするデータの量を最小限に抑えて、最終的にはソリューションの全体的なコストを削減できます。

組み込み済みのセキュリティ

ONTAP 9では、組み込みのセキュリティ機能が拡張されています。中でも、(暗号化ドライブをサポートする)NetApp Storage Encryption(NSE)による保存データの暗号化と、ONTAP 9.1で初めて実装されたソフトウェアによる暗号化のNetApp Volume Encryption(NVE)が特徴です。FabricPoolでも、プライマリ データ ストレージに対してこの暗号化機能をそのまま使用できます。アクセス頻度の低いコールド データをアレイから別の場所に送信する場合は、転送中のデータがTLS 1.2暗号化機能で保護されます。クラウドやオンプレミスに用意したコールド データ格納用の大容量階層では、オブジェクト ストレージ(NetApp StorageGRIDやAmazon S3)がサポートする暗号化機能でデータを保護できます。

簡単なセットアップ:運用中の管理は不要

FabricPoolのセットアップは、2つの簡単な手順を踏むだけで完了です。前掲のビデオには、おそらくこの手順を踏んでいると思われる画面が含まれています。最初の手順では、オブジェクト ストレージのバケットに詳しいアクセス情報を提供し、コールド データを格納できるようにします。次の手順では、該当のアグリゲートやボリュームに階層化ポリシーを適用します。この階層化ポリシーは動的に機能し、オールフラッシュ階層のデータが上限を超えそうになると、アクセス頻度の低いデータをコールド データ用のオブジェクト ストレージ階層に自動で移動します。そのため、プライマリ ストレージの容量不足に悩まされることも、階層化が必要になる前から、データの格納用に有料のクラウド ストレージを用意しておく必要もなくなります。

独自のアプローチ

最後に、一部の方からFabricPoolと他社のソリューションの違いを尋ねられていますので、その疑問にお答えしましょう。そもそも、1つのストレージ アレイを使ってデータを階層化するというコンセプトは、少なくとも10年前からあった考えで、今では一部のデータをクラウドに移して階層化するサービスがいくつか登場しています。FabricPoolは他社のソリューションと、次の3つの点で大きく異なります。

  1. FabricPoolは、ONTAPがサポートするすべてのワークロードとプロトコル(SANとNAS)に対応します。ONTAP 9搭載のAFFが提供するエンタープライズ機能、効率化機能、オールフラッシュのパフォーマンスもすべてそのまま利用できます。
  2. 階層化では、データをクラウドのオブジェクト ストレージに移動できます。最初のリリースではStorageGRIDとAWS S3に対応し、以降のリリースではクラウドの選択肢を増やしてさまざまなオブジェクト ストレージに対応することを検討中です。
  3. 将来はFabricPoolで、複数のAFFアレイとアグリゲートから1つのオブジェクト ストレージにデータを移動できるようにします。つまり、いったんFabricPoolを導入すれば、これまでのように階層化に必要なフラッシュとHDDの容量をアレイごとに細かく見積もり、サイジングする必要はなくなります。お客様は、頻繁にアクセスするホット データ用に、十分な容量を搭載したAFFを1台用意するだけです。必要な拡張も簡単に行えます。AFFの用意ができたら、クラウドをデータの移動先に指定するか、オンプレミスに大容量のオブジェクト ストレージを1台準備します。オブジェクト ストレージの容量が上限に近付いてきたら、HDDで容量を追加します。必要なのはこれだけです。

以上の説明からおわかりのように、私どもはFabricPoolの登場を心待ちにしています。免責事項であらかじめお断りしているように、このブログの情報は、弊社の製品の全体的な方向性をおおまかに説明するものであり、変更になる場合があります。ここに記載された情報は、資料、コード、または機能の提供を意図するものではないため、製品購入を決断する際の判断基準としないようお願いいたします。ネットアップはFabricPoolテクノロジの開発に全力で取り組んでいますので、今後さらに詳しい情報をお届けできると思います。その日を楽しみにしております。

このブログの情報は、全般的な製品の方向性を要約することを意図しています。情報提供だけを目的とし、いかなる契約にも組み込まれないものとします。ここに記載された情報は、資料、コード、または機能の提供を意図するものではないため、製品購入を決断する際の判断基準としないようお願いいたします。ネットアップは、将来の機能とスケジュールについて、明示的または黙示的を問わず、いっさいの保証を行いません。ネットアップの製品に関して記述された機能の開発、リリース、時期は、ネットアップの単独の裁量に委ねられるものです。ネットアップの戦略と将来の開発、製品、またはプラットフォームの方向性、および機能は、予告なく変更される場合があります。NetAppは、本ブログまたは関連するプレゼンテーション内に記載された業務に対し、一切の履行責任を負いません。また、本ブログまたは関連するプレゼンテーション内で言及された機能を開発およびリリースする責任も負いません。

2017年 3月 /4月

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