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【FASに3PAR StoreServを接続してみた】
第1回:
FlexArray機能の概要  (2017/03/22)
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はじめに

ハイブリッドクラウド環境が主流になりつつある今日、データの管理は非常に重要になっています。用途(情報系, 勘定系, 他)によってストレージを使い分けている企業が多いと思いますが、さらにパブリッククラウドのストレージも使い始めるとデータの管理の手法が多岐にわたり、新しい技術の習得に時間がかかるという課題が生じます。オンプレミスのストレージであれば、異種ストレージをまとめてストレージの仮想化・抽象化をする製品を導入することで管理を統一することが可能ですが、パブリッククラウドとのデータ連携も視野に入れるとストレージ仮想化製品の選定には注意が必要となります。

今回はNetAppのFlexArray機能を使って3PAR StoreServ 8440とFAS8060の接続検証を行いました。NetAppのONTAP OSを使うことでストレージの仮想化・抽象化だけでなくオンプレミスとパブリッククラウドのデータ連携も可能となります。第一回はFlexArrayの概要について記載しますが、次回以降は基本的な接続手順やベンチマーク結果とともに制約や注意事項も公開予定です。

また、3PARの機材セットアップに関しては日本ヒューレット・パッカード テクノロジーサポート営業統括本部にご協力いただきました。この場を借りて御礼を申し上げます。

一般的なストレージ仮想化・抽象化製品

ストレージ仮想化製品(ハードウェアベース)には以下のような製品があります。
        EMC     VPLEX
        Hitachi  Universal Volume Manager (UVM) - VSP/HUSシリーズの機能
        IBM      SAN Volume Controller(SVC)/ V7000
        NetApp  FlexArray - FASシリーズの機能

このうち、NAS用途にも使えるのはHitachi HUSシリーズのUVMとIBM V7000、NetApp FASシリーズとなります。

ライセンス課金についても各社異なります。NetAppの場合はコントローラ課金を採用しているため、下に接続するストレージの機種や台数、ストレージ容量によって費用が変わることはありません。他社は容量課金を採用しているところが多く、ディスク増設とともにストレージ仮想化製品のライセンスを追加購入しなればならないので注意が必要です。(初期購入時に増設時のライセンス費用をコミットしてもらわないと、あとで高額な請求が発生することがあります。)

どんな時に使うのか

オンプレミス基盤:

  • 例えば既存環境に大型のブロックストレージが存在していてディスク容量が余っていて、NAS機能を後付けしたい場合にFASコントローラだけを後付けで購入することができます。以下にオンプレミスでの事例をご紹介します。
  •       (1) 神戸大学、学内ファイルサーバの容量拡張に最新のNetApp Vシリーズを採用
  •         http://www.netapp.com/jp/system/pdf-reader.aspx?m=cs-6780.pdf
  •     (VシリーズはFlexArrayの旧名称です)
  •       (2) 豊田自動織機が ストレージ基盤を全面刷新し 新たな成長戦略を推進
  •         https://www.hpe.com/h20195/v2/GetPDF.aspx/4AA6-2885JPN.pdf
  • 新規でストレージを調達する際にもFlexArrayは活躍します。差別化要素の少ないブロックストレージを価格競争させるために複数のベンダーから調達したい、という時にはFASコントローラを頭にして、下のストレージはそのとき安いものを選定されているお客様がいます。(国内でも大規模に利用されています。)

プライベートクラウド基盤:

  • VDI用途で他社のブロックストレージを利用している場合でも、プロファイル置き場やファイルサーバ領域が必要になります。このときにFASコントローラだけを購入し、ディスク装置は他社ブロックストレージを利用できます。
  • OpenStack基盤のGlance/Cinder/Manilaの用途にも最適です。仮想サーバのOSイメージをCinder Volumeに展開する際に、そのコピー処理をサーバではなくストレージにオフロードさせたい、となるとNetApp以外の選択肢はなくなります。FASコントローラの下に接続される他社ストレージにそのような機能がなくても、NetAppのFASコントローラとNetAppのCinderドライバーを上に被せることで実現できます。またManilaのファイル共有を使うには、NAS機能のあるストレージが必要になるので、やはりFASコントローラの出番となります。

補足(1):

  • Tech OnTapブログ「OpenStackとNetApp」の第2回でハイブリッドクラウド環境でのデータ連携について紹介しました。ここに記載したManilaのレプリケーション機能はNetAppとHuaweiしか対応していません(2017年2月時点)。そのためCinder用途に他社ストレージを利用した場合でも、Manila用にはFlexArray構成でFASコントローラを購入して横に付け足すような使い方があります。

補足(2):

  • FASコントローラに他社ストレージを接続する場合、ストレージ間はFC接続でなければなりません。またFASコントローラと他社ストレージの間のダイレクト接続はサポートされておらず、必ず間にFCスイッチが必要となりますが、サーバ→他社ストレージ接続用のFCスイッチとFAS→他社ストレージ接続用のFCスイッチを共有することは可能です。
  • (NetApp E-SeriesはFCスイッチなしの構成もサポートされています。)

クラウドとのデータ連携に必要なもの

データ連携に必要なものは、以下となります。

  • (1) オンプレミス環境:
  •   FASコントローラ (FAS8000/8200/9000シリーズ with SnapMirror and FlexArray license)
  •   ※NetAppの純正シェルフやDISKは不要。(ONTAP OSも他社ストレージ内に格納)
  •   他社ブロックストレージ(with FC Switch)
  • (2) パブリッククラウド環境(AWS/Azure):
  •   時間課金で利用できるONTAP Cloud(NFS / CIFS / iSCSIに対応)
  •   ONTAP Cloudが稼働するEC2インスタンスとEBSストレージ
  •   OnCommand Cloud Manager (ソフトウェアは無償)

ONTAP CloudにはSnapMirrorライセンスも含まれているため、オンプレミス側にSnapMirrorライセンスがあればNAS用途のVolumeだけでなく、FCやiSCSIのLUNもデータ節約効果を維持してクラウド上に転送することができます。

SnapMirrorの特徴

  • 4Kブロック単位の差分転送
  • Snapshotの世代を保持したリモートレプリケーション
  • 重複排除や圧縮効果を維持したレプリケーション
  • 帯域制限による回線使用量の節約
  • 逆同期する際もフル転送が不要 (レプリケーション先をPrimaryとして利用後の逆同期が差分転送)

補足:クラウド連携イメージ


※クリックすると拡大します。

このようにCIFS/NFS /iSCSI /FCをサポートしてパブリッククラウドとも連携できるのがNetAppの特徴です。

どのストレージをバックエンドに接続できるか

2016年春の時点では以下をサポートしています。(Clusterd DataONTAP 8.3.2の場合)


※クリックすると拡大します。

もちろんNetAppのE/EF-Seriesも対応しています。大規模案件で純正FASだと価格が収まらない、などの場合にはE-Seriesを接続することで安くなるかもしれません。(ただし構成が多少複雑になるので、SANストレージに慣れているお客様向けとなります。)

まとめ/次回予告

FlexArray機能はV-Seriesという名称で2004年頃から存在していました。ONTAP OSのSnapMirrorやFlexClone機能を使いたいがためにFASコントローラだけ購入するようなお客様が多く、あるヨーロッパの銀行や石油会社ではワールドワイドで型番化して標準採用してもらっています。そして国内でも同様のお客様がおり、隠れたヒット商品となっています。
しかし構築となると情報が少なく、国内では知名度が低い状況でした。そこで次回はセットアップ手順も公開したいと思います。一連の検証は日本ヒューレット・パッカード様(以下HPE様)に全面協力いただきましたが、HPE様はマルチベンダーサポートに力を入れられており(※2)、FASシリーズも自営保守が可能となっています。3PARとセットでFASの製品・保守をHPE様から購入することも可能なので、ぜひ担当営業にご相談ください。

※2) HPEマルチベンダーサービス
  http://h50146.www5.hpe.com/services/cs/availability/mvs/multivender_service.html

 

井谷 寛(いたに かん)
ネットアップ株式会社
システム技術本部 コンサルティングSE部
コンサルティング システムズ エンジニア

SIerでインフラ全般を学び、 その後はメーカーとSIerを交互に経験。前職ではOpenStackの実装やAWSのシステム運用・構築をしたのちに、 2014年にネットアップに入社。その後はオブジェクトストレージ、 SolidFireなど新しい技術を中心に提案活動を行う。

2017年 3月

関連情報

関連情報
【FASに3PAR StoreServを接続してみた】


第1回:
FlexArray機能の概要

第2回:
FlexArrayを実際に構築してみた
~3PARとの接続ノウハウを丸ごと公開!~
  • 掲載予定

第3回:
FlexArrayの構成ガイドライン
~ 制約や注意事項、性能サイジング ~
  • 掲載予定

第4回:
サポートは大丈夫?
~ 障害時の切り分けとNetAppの体制 ~
  • 掲載予定
関連情報
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