NetApp Tech OnTap NetApp Logo NetApp Logo
NetApp Tech OnTap
     
【検証結果から理解するネットアップのフラッシュ技術】
第8回
検証結果から導かれるFlash Cache、Flash Pool、Database Smart Flash Cacheの特徴
シェアする NetAppオフィシャルFacebook

前回のおさらい

第7回「NetApp Flash PoolとOracle Database Smart Flash Cacheの組み合わせ ~DB統合の密度を極限まで高める~」の検証では、DWH / BI系SQLの実行中は、HDD使用率が増加した(図3)一方で、各データベースの構成ファイルは同じアグリゲート上に配置されているにもかかわらず、OLTP系データベース システムのスループットはDWH / BI系SQLの実行中も劣化しませんでした(図2)。

検証環境の概念図


図1. 検証環境の概念図


OLTP系データベース システムのスループット合計値の推移


図2. OLTP系データベース システムのスループット合計値の推移


ストレージ リソース使用率の推移


図3. ストレージ リソース使用率の推移

本検証結果から、H/Wスペックの向上や仮想化技術の進化によって統合が進んでいる小 / 中規模OLTP系のデータベースに加え、Flash Poolの使用によりDWH / BI系のデータベース、Database Smart Flash Cacheの使用により極めてI/O負荷が高いOLTP系のデータベースでさえ、同じアグリゲート上に統合可能になることが確認できました。

詳しくは第7回の内容(下記URL)をご参照ください。

はじめに

本Tech ONTAPのフラッシュ連載では、第3回から第7回に分けて、Oracleデータベース環境でのNetApp Flash CacheおよびFlash Pool、そしてOracle Database Smart Flash Cacheの特徴と効果についてご紹介してきました。今回(第8回)は、これまでの連載内容について、総括としてまとめたいと思います。なお、本検証結果は、『Oracleデータベース環境におけるNetAppバーチャル ストレージ ティアの有効性と次世代の統合インフラの実現』と題して、Technical Reportを公開しています。

検証結果から導かれるFlash Cache、Flash Pool、Database Smart Flash Cacheの特徴

一般的に、フラッシュ デバイスを活用したキャッシュ機能は、S/WやH/Wの再起動によってキャッシュされたデータが無効化されます。フラッシュ デバイス自体は不揮発性のデバイスですが、そのキャッシュ上のデータを管理するメタデータが揮発性のメモリ上で管理されているためです。これはネットアップのFlash Cacheでも同様です。

※ ストレージの再起動および計画停止時に、キャッシュされたデータが無効化されない設定がData ONTAP 8.1.1から追加されました(デフォルトで有効)。

一方、Flash Poolはメタデータを不揮発性のSSD上で管理しているため、計画停止時やストレージシステムの障害などによる計画外停止時もキャッシュされたデータが無効化されません。

フラッシュ デバイスを活用したキャッシュ機能は、その機能の有効化によって性能が向上すればするほど、何らかの原因で機能が無効化された場合の性能劣化に大きく影響します。それに対して、計画停止時のみならず障害時もキャッシュされたデータが無効化されないFlash Poolは、エンタープライズに相応しい可用性を誇り、多くのケースにおいて優位なソリューションであると言えます。

また、Flash Poolは、本検証で使用したミッドレンジ モデルのFAS3270のほか、エントリクラスモデルのFAS2200シリーズから使用可能な機能であり、比較的安価に導入できます。

アグリゲート単位のキャッシュとなるFlash Pool内のSSDはRAID-DP(またはRAID 4)で構成する必要があるため、可能な限り多くのHDDとSSDを1つのアグリゲートでプール化することでH/Wリソースの使用効率を最大化できます。

一方、多数のアグリゲートが存在し、Flash Poolで使用するSSDを複数のアグリゲートに分散しなければならない環境においては、Flash Poolの効率性が減少します。このような環境においては、ストレージ システム全体のキャッシュ ソリューションであるFlash Cacheが有効であると言えます。

Database Smart Flash Cacheは、データベース サーバのリソースを使用するキャッシュ機能であり、ストレージ側のキャッシュ機能と組み合わせることで、システム全体のリソース使用率を最適化できます。また、Database Smart Flash Cache上にキャッシュされたデータが無効化された場合に、キャッシュの永続性を持つFlash Poolと組み合わせて使用していれば、大幅な性能劣化を防ぐことが可能です。ただし、フラッシュ デバイスの性能を最大限引き出し、高い効果を得るためには、高性能なサーバを使用する必要があります。

システムが扱うデータ量の肥大化が課題となっている近年においては、キャッシュ インが必要なデータ量も増加する傾向にあります。Flash Cache、Flash Pool、Database Smart Flash Cache使用時も、キャッシュ ヒット率を100%に近づけることが困難であるこのような環境では、高負荷時、キャッシュ ミスによるHDDアクセスがボトルネックにならないようにHDDスピンドル数は多めに搭載することも重要です。

次に、Flash Cache、Flash Pool、Database Smart Flash Cacheの特徴をまとめた表(表1)を示します。

Flash Cache Flash Pool Database Smart
Flash Cache
対応ワークロード ランダム読み込み ランダム読み込み
ランダム書き込み
(上書き)
※シーケンシャルI/OとランダムI/OをData ONTAPが自動判別
ランダム読み込み
キャッシュの適用範囲 コントローラ単位 アグリゲート単位 データベース
インスタンス単位
キャッシュの永続性 永続
(ストレージの計画外停止時は非永続)
永続
(ストレージの計画外停止時も永続)
非永続
使用可能
プラットフォーム
(現行ラインナップ)
ミッドレンジ クラスから搭載可能
(FAS3200シリーズ から)
エントリ クラスから
使用可能
(FAS2200シリーズ から)
Oracle Database
11g Release 2以降
Enterprise Edition
Oracle LinuxかSolaris
備考 複数のアグリゲートに対してキャッシュを有効化したい場合は、Flash Cacheが効率的 できるだけ多くのHDD、SSDリソースを1つのアグリゲートに 集約 高性能なサーバにフラッシュ デバイスを搭載する 計画停止 / 計画外停止に備えて、データベースはFlash Pool構成のアグリゲート上に作成

表1. Flash Cache、Flash Pool、Database Smart Flash Cacheの特徴

総括

マルチコア化により急速な性能向上を続けているCPUに対して、HDD回転速度の高速化が限界を迎えている近年、ストレージのI/O性能に課題を持つシステムは増加する一方であり、HDDに変わるフラッシュ デバイスの活用は急務と言えます。本検証にて、VSTを実現する各機能の特徴を把握できたことにより、システムが持つ課題に対して、より適切な解決策を提示することが可能になりました。本検証から得られたフラッシュ技術活用の適用ケースを次の表(表2)に示します。

データベース
システムの種類
最適なフラッシュ機能 補足
小、中規模 OLTP Flash Pool
  • ランダムI/OはSSDで対応(Data ONTAPが自動判別)
  • キャッシュしたデータの永続性を担保
大規模 OLTP Flash PoolとDatabase
Smart Flash Cache
の組み合わせ
  • 高負荷I/Oはサーバ側で対応(サーバ側のフラッシュ デバイスをDatabase Smart Flash Cacheで使用)
  • Flash Poolによってキャッシュしたデータの永続性を担保
OLTP とDWH / BIの混在 Flash Pool
  • ランダムI/OはSSDで対応
  • Flash Poolにより空いたHDDリソースを活用することで、シーケンシャルI/Oに対応

表2. データベース システムの種類と最適なフラッシュ機能

従来よりネットアップが推奨する、可能な限り多くのHDDを1つのアグリゲートでプール化する構成は、Flash Poolを使用する環境において更に有効です。このアグリゲートにSSDを追加し、Flash Poolを構成することで、ランダム リードとライト、シーケンシャル リードとライト、といった全てのI/Oワークロードに対応可能なディスク プールを構成できます。更に、ネットアップのVSTは、各I/Oワークロードに対してData ONTAPが自動的に最適なH/Wリソースで処理するため、コストの増大やストレージ構成の複雑化を防ぐことができます。これにより、多様なワークロードのデータベース統合を実現できます。

適切なチューニングが施され、データベース サーバのCPUリソースを使い切るほどI/O負荷が高いデータベース システムに対しては、Database Smart Flash CacheとFlash Pool(もしくはFlash Cache)の組み合わせを検討します。極めて高いI/O性能を誇るフラッシュ デバイスを高性能なサーバに搭載することで、ITシステム全体の導入コストや設置面積を大幅に削減できる可能性があります。ただし、サーバ側のフラッシュ デバイスはDatabase Smart Flash Cacheとして使用し、データベースはストレージ上に作成することを推奨します。サーバ側のフラッシュ デバイスでI/O性能要件を満たしたとしても、バックアップ / リカバリをはじめとした運用や、データの可用性の面においてはネットアップのストレージに配置した方が優位だからです。

最後に、エンタープライズ領域においてキャッシュの永続性は必須の要素と言えます。フラッシュ デバイスで確保したTB級のキャッシュ領域のウォームアップには非常に時間がかかり、業務に多大な影響を与える可能性があります。現状、永続性を持ったキャッシュ機能を提供するのはネットアップだけであり、他社では実現できていません。以上のことから、ネットアップのVSTはデータベースの統合インフラを構築する際に最適なソリューションの1つであると言えます。導入 / 運用コストを抑えつつも多様なワークロードに対応し、データベース統合の実現を加速させることができます。

NetApp Innovation 2014のご案内

ネットアップが開催する年に1度のお客様向け最大イベント、NetApp Innovation 2014の早期ご登録に特典が付きます(早期ご登録URL:http://netappevent.com/)。東京、大阪、福岡、名古屋と以下の日程で開催されます。招待コードは『5306』をお使いください。

  • 東京開催   2014年1月16日(木) ザ・プリンスパークタワー東京
  • 大阪開催   2014年1月22日(水) ヒルトン大阪
  • 福岡開催   2014年2月13日(木) レソラNTT夢天神ホール
  • 名古屋開催 2014年2月25日(火) ミッドランドホール

私はフラッシュに関するセッション(A-2セッション)を担当させていただきます。当日に向けて、最新のフラッシュ技術と製品で実機検証を行い、そこから得られたノウハウをご紹介できればと思います。是非、ご登録およびご参加ください!

【A-2】検証結果から理解する失敗しないフラッシュ活用法! 年々、フラッシュの注目度が上がる一方で活用形態は多岐に渡り、検討事項も増えてきました。本セッションでは、フラッシュデバイスの基本的な特徴を理解した上で、ネットアップ流のシンプルなフラッシュ技術に加え、数々の実機検証の考察から導き出した、失敗しないフラッシュ活用法についてご紹介します。

jp-201311-flash-page

岩本 知博(いわもと ともひろ)
システム技術本部 パートナーSE部 システムズ エンジニア
ネットアップ株式会社




会津大学大学院 コンピュータ理工学研究科卒、外資系データベース メーカを経て2012年パートナーSEとして入社。入社以来、パートナー支援とフラッシュ ソリューションおよびデータベース ソリューションを中心に活動。

関連情報
関連情報
【検証結果から理解するネットアップのフラッシュ技術】
第1回:フラッシュ技術をリードするネットアップの
ポートフォリオとその棲み分け


第2回:バーチャル ストレージ ティアとオール
フラッシュ アレイでオーバーサイジングを解決

第3回:バーチャル ストレージ ティアの強み
~ Flash Cache と Flash Pool の検証結果~

第4回:Flash CacheとFlash Poolの特徴(詳細編)
~キャッシュ ヒット率とキャッシュの永続性に
ご注意を!!~

第5回: Flash Poolの特徴(応用編)
~マルチ ワークロード対応の最強の
ディスク プールを構成する~

第6回:NetApp Flash PoolとOracle Database Smart Flash
Cacheの検証結果から理解するサーバ側キャッシングソ
リューションの特徴

第7回:NetApp Flash PoolとOracle Database Smart
Flash Cacheの組み合わせ ~DB統合の密度を極限まで高める~
関連情報
 
 
Go further, faster TRUSTe
お問い合わせ   |   購入方法   |   フィードバック   |   採用情報  |   登録   |   プライバシーポリシー   |   © 2013 NetApp