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【検証結果から理解するネットアップのフラッシュ技術】
第7回
NetApp Flash PoolとOracle Database Smart Flash Cacheの組み合わせ ~DB統合の密度を極限まで高める~
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前回のおさらい

第6回「NetApp Flash PoolとOracle Database Smart Flash Cacheの検証結果から理解するサーバ側キャッシングソリューションの特徴」の検証では、Database Smart Flash Cacheにより読み込み処理をストレージ側からデータベース サーバ側にオフロード可能であることが確認できました。しかしながら、Database Smart Flash Cacheは読み込みキャッシュの用途であるため、書き込み処理はストレージまで到達し、そのI/O要件分はストレージで満たす必要があることが分かりました。

ユーザ数の増加に伴うスループットとDBサーバのCPU使用率の推移(TX1:TX2=0:100)


図1.ユーザ数の増加に伴うスループットとDBサーバのCPU使用率の推移(TX1:TX2=0:100)


ユーザ数の増加に伴うストレージ リソース使用率の推移(TX1:TX2=0:100)


図2.ユーザ数の増加に伴うストレージ リソース使用率の推移(TX1:TX2=0:100)

また、Database Smart Flash Cacheの領域上のデータは非永続であるため、計画停止 / 障害に起因したデータベース インスタンスの再起動が発生すると、キャッシュされたデータが無効化され、データベース システムの性能は大幅に劣化します。このとき、Flash Poolも合わせて使用していれば、高速なFlash Poolから読み込むことが可能であるため、性能劣化を防ぐことが可能であることが分かりました。

詳しくは第6回の内容をご参照ください。

Database Smart Flash CacheによるI/O負荷が高いOLTP系データベースの統合

従来、高いI/O性能が求められるデータベース システムのストレージには、大量のHDDを搭載した高価格なモデルが使用されていました。近年では、VSTの登場により、最小限のコストで高いI/O性能を満たせるようになりました。しかしながら、VSTを使用している場合であっても、I/O負荷が高いデータベースを統合することで統合環境のストレージ リソースを圧迫し、統合済みである他のデータベース システムの性能劣化を引き起こす可能性があります。そのため、高いI/O性能を求めるデータベースの統合は高コストかつ困難であると言えます。

本検証では、Database Smart Flash Cacheによりストレージに求められる性能要件を最小化することで、従来から統合可能であったOLTP系のデータベースに加え、極めてI/O負荷が高いOLTP系のデータベースも統合することが可能であるか確認しました(図3)。

Database Smart Flash CacheによるI/O負荷が高いOLTP系DBの統合


図3. Database Smart Flash CacheによるI/O負荷が高いOLTP系DBの統合

図3の下段の構成が、検証環境の概念図です。Flash Pool構成のアグリゲート上に4つのデータベース(DB1~DB4)を作成し、OLTP系を想定したデータ(データベース スキーマ)を作成しました。4つのOLTP系データベース システムに対して以下の設定の負荷を同時に生成し、図中の赤色のデータベース システム(DB4)に設定したDatabase Smart Flash Cache機能の有無によって、統合環境全体への影響を確認しました。

  • オンライン ショッピング サイトを想定したOLTP系のワークロード
  • トランザクションの比率はTX1(読み込みのみ):TX2(読み込みと書き込み)= 90:10
  • Flash Pool、Database Smart Flash Cacheにおけるキャッシュ ヒット率は約100%

各データベース システムのスループット


図4. 各データベース システムのスループット

リソース名 【ベース】
Flash Pool
DB4統合】
Flash Pool
【DB4統合】
Flash Pool & Database
Smart Flash Cache
ストレージCPU 90% 100% 90%
SSD使用率 96% 100% 96%

表1. ストレージ リソース(CPU、SSD)使用率

3つのデータベース システム(DB1~DB3)を同時稼働させたときのスループット(図4の点線より左の棒グラフ)を基礎値として、4つ目のデータベース システム(DB4)を同時稼働させた際のDatabase Smart Flash Cache機能の有無による傾向の違いを確認しました(図4の点線より右の2つの棒グラフ)。Database Smart Flash Cacheを使用していない構成の場合、基礎値と比較して全てのデータベース システムのスループットが劣化しました。表1から、ストレージ リソースのCPU、SSDとも限界値に到達していることが分かります。それに対してDatabase Smart Flash Cacheを使用した構成の場合は、いずれのデータベース システムのスループットも劣化しませんでした。Database Smart Flash Cacheはサーバ側のリソースを使用するため、ストレージ リソース使用率が増加していないことが、表1から分かります。

本検証結果から、Database Smart Flash Cacheを活用することで、従来は統合できなかった極めてI/O負荷が高いデータベース統合が可能になることを確認できました。

DWH / BI系データベースとI/O負荷が高いOLTP系データベースの統合

ここまで、第5回(http://www.netapp.com/jp/communities/tech-ontap/jp-201308-flash-page.aspx)ではFlash Poolを活用した、コストの大幅な増大やストレージ構成の複雑性を伴わない、多様なワークロードのデータベース統合、今回はDatabase Smart Flash CacheによるI/O負荷が高いOLTP系データベースの統合について検証しました。次に、これらの2つの検証結果を組み合わせて、VSTによる多様なワークロードのデータベース統合の実現可能性について検証しました。次の図(図5)は、検証環境の概念図です。Flash Pool構成のアグリゲート上に5つのデータベースを作成しました。図中の4つのデータベース(DB1~DB4)はOLTP系、残る1つのデータベース(DB5)はDWH / BI系を想定し、データ(データベース スキーマ)を作成しました。

検証環境の概念図

図5. 検証環境の概念図

本検証では、統合環境のデータベース システムが全て同時に稼働していることを想定しています。そのため、4つのOLTP系データベース システムに対して以下の設定の負荷を同時に生成し、一定時間が経過した後、大規模な表のフルスキャンが実行されるSQLをDWH / BI系データベース システムから発行しました。なお、図中(図5)の赤色のデータベース システムのみDatabase Smart Flash Cacheを設定し、機能を有効化しました。

  • オンライン ショッピング サイトを想定したOLTP系のワークロード
  • トランザクションの比率はTX1(読み込みのみ):TX2(読み込みと書き込み)= 90:10
  • Flash Pool、Database Smart Flash Cacheにおけるキャッシュ ヒット率は約100%

次のグラフは、OLTP系データベース システムのスループット推移(図6)およびストレージ リソース使用率の推移(図7)を表し、図中の薄い紫色の枠内がDWH / BI系のSQL(テーブル フルスキャン)が実行されている期間を表しています。

DOLTP系データベース システムのスループット合計値の推移

図6. OLTP系データベース システムのスループット合計値の推移

ストレージ リソース使用率の推移

図7. ストレージ リソース使用率の推移

図7からDWH / BI系SQLの実行中は、HDD使用率が増加していることが分かります。一方で、各データベースの構成ファイルは同じアグリゲート上に配置されているにもかかわらず、OLTP系データベース システムのスループットはDWH / BI系SQLの実行中も劣化していません(図6)。

本検証結果から、H/Wスペックの向上や仮想化技術の進化によって統合が進んでいる小 / 中規模OLTP系のデータベースに加え、Flash Poolの使用によりDWH / BI系のデータベース、Database Smart Flash Cacheの使用により極めてI/O負荷が高いOLTP系のデータベースでさえ、同じアグリゲート上に統合可能になることが確認できました。

次回の内容

次回は、これまでの連載内容から導かれるFlash Cache、Flash Pool、Database Smart Flash Cacheの特徴を総括としてまとめたいと思います。

jp-201308-flash-page

岩本 知博(いわもと ともひろ)
システム技術本部 パートナーSE部 システムズ エンジニア
ネットアップ株式会社




会津大学大学院 コンピュータ理工学研究科卒、外資系データベース メーカを経て2012年パートナーSEとして入社。入社以来、パートナー支援とフラッシュ ソリューションおよびデータベース ソリューションを中心に活動。

写真はラスベガスでのカンファレンス(NetApp Insight 2013 Las Vegas)での一コマ。

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