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新連載:ビッグデータを考える
第1回:いま注目を集めるビッグデータ。データに価値を見出し、活用する
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はじめに

SAP連載が終了してほっとしたのもつかの間、今号からビッグデータに関する新しい連載を開始することになりました。もともとSAP関連のソリューションをお客様に紹介してきたわけですが、新しく業務システムを刷新するというだけの話ではなく、情報をどのようにして活用するかというご相談を受けることが多いのです。それは単純に製品やシステムアーキテクチャという話にとどまらず、ビジネス戦略に役立てることを目的とした話です。そのような話の中にビッグデータに対する強い関心があります。

この連載では、特定の製品に特化するというよりも、市場の動向やお客様の関心事項からどのような手法があるのか、その中で適応例としてのNetAppのソリューションも少しご紹介していきたいと思います。まずその1回目はそもそもビッグデータとは何なのか、ということですが、ビッグデータのセオリーと踏襲しつつ、視点を変えて解説したいと思います。

ビッグデータの定義とは

さて、「ビッグデータ」という言葉が注目を集めてはじめてから幾年かの年月が経っています。しかし、ビッグデータがなにをさすのかその定義はさまざまです。一般的な例として挙げられるのは、電子メール、ブログやソーシャル・メディア(SNS)に掲載された投稿、インターネット上に保存されたデジタル写真やビデオストリーミング、携帯電話のGPS信号、ICタグなどのセンサーなど、さまざまなソースで生成された大量の情報が含まれたデータ、またその集まりとされています。これらの情報はこれまでも存在していたわけですが、なぜこうまで注目されるようになったのでしょうか。

それは、インターネットやスマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスの普及によって、インターネット上を飛び交う情報が爆発的に増えたことが一因です。

実際、多くの巨大なECサイトでは会員の閲覧情報や購入履歴から会員が好むであろうお奨めの商品を提示していますよね。また、購入した商品には色や形、大きさなどの属性が含まれていますから、これらをさらに分析すれば会員の趣味趣向をより正確に解析することができるので、新たな商品の購入に結びつくことが期待できるのです。また、サイト内のコメントや口コミサイトの情報、あるいはTwitterやFacebookなどのSNSに投稿された商品に関する感想や意見などを分析することで、SNS上の話題を分析して市場や消費者の興味の方向性を探ったり、消費行動を予測することも考えられます。もちろん、新商品の開発にフィードバックすることもできるわけです。こうしたフィードバックはモニタープログラムや購入登録のハガキなどからも従来得られていたものですが、モバイルデバイスの普及は投稿の機会を大幅に増やすことになりました。その結果、インターネットへのリアルタイムの情報やコメントに対するコメントなど量、質ともに増えているのです。また、店頭販売であれば、試着時間、フィッティングしている箇所なども反映されてくるでしょう。あるいは対応中の音声を分析することもあるかもしれません。このような消費者の行動/ 購買履歴や行動心理などもビッグデータの一例ともいえます。

ビジネスだけではなく、社会インフラを支援する

話を変えて、冒頭で紹介したセンサーからの情報とはいったいどのようなものがあるでしょうか?少し考えてみましょう。ボストンマラソンの悲しい事件はまだ記憶に新しいですが、わずかな期間で容疑者を確保できたことにもビッグデータが一役買ったといわれています。その情報には街中に設置された防犯カメラの映像が含まれていました。不審人物を解析し、その人物がどのような経路でどのような荷物を持って動いていたのか、事件後その荷物がなくなったことなどを時系列で追って容疑者の行動を把握し、特定していたわけです。防犯カメラは犯罪発生を抑止する効果はもちろんありますが、事件が起こらなければ使われることのない情報です。しかし、このような事件が起きた場合には有益な情報として瞬時に活用できるわけですから、データが価値を見出したということになります。

センサーの情報の活用の観点では、気象情報や電車、バスなどの交通機関の運行状況、幹線道路の渋滞情報、SUICAやPASMOなどのICカードによる乗降情報など公共公益機関が所有するデータの活用も今後進んでいくのではないかと考えられています。実際、気象情報は活用されていますし、交通情報については試験的な活用をしているケースも一部あるようです。しかし、これらの情報にはプライバシーや著作権の観点から法的な議論を要するとされているものの、純粋なデータ活用だけでいえば、さまざまな効果が期待できるものです。

こうした中、JR東日本がSUICAの情報を販売するということが大きなニュースになりました。SUICAの情報販売は議論を生み、一時的に販売を中止しているようですが、このような情報を持つ事業者がプライバシーを保護した形で提供できれば、よりビジネスを大きくすることができるかもしれません。なお、NTTドコモも携帯電話利用者の位置情報を含んだビッグデータの提供を検討しているといいますし、ビッグデータ活用のための各種団体も設立されていますので、こうした動きはより広がりを見せていくのではないかと思います。このようにビッグデータとは大量のデータからデータの価値を見出し、知見に変え、ビジネスを成長させるためのソリューションであることがわかります。

企業内データに価値を見出す

もう1つ視点を変えた話をしたいと思います。ここまでのお話しは社会インフラレベルのある意味で壮大なストーリーでした。次にお話しするのは企業の中のお話しです。お気付きの方も多いと思いますが、企業ではかなり多くのデータを活用することなく捨てているという現実があります。最大の理由はそのようなデータは必要とされていなかったということです。活用するあてのないデータを所持していてもROIが低い、というより無駄とされるのはいうまでもありません。しかし、ビッグデータの流れによって企業の中でも活用されずにいた情報を活用できるのではないかという検討が始まっているのです。これには不要とされていたデータや用途が限定されていたものが含まれます。

たとえば、運送会社の仕分けの仕組みにはICタグやバーコードが活用されていますが、配送が進んでいくにあたってトラッキングもされています。こうしたトラッキングの情報はユーザに開放され、荷物追跡システムから今荷物がどこにあるのかを把握することができるようになっています。もともとは仕分けを自動化することで業務効率を向上する目的からこのような仕組みが登場したと思いますが、これらのデータを限定的な活用からユーザにも使える形にすることでサービスの差別化を図ることにつなげているのです。これをビッグデータということはないのですが、着目するべきはデータの新しい価値を見出し、ビジネスに役に立てることであって、やみくもに大量のデータを格納するということではないのです。そして、そのような情報は数多く存在すると思われているのです。

まとめ

ビッグデータが注目される背景には社内に蓄積されたデータを活用するだけでは昨今の競争が激しいマーケットのニーズに応え、より高い成長が望めないことがあります。これからは、これらのデータから有用な情報を掘り起こして知見に変えることで、競争力を強化し、お客様のニーズに応えた新しいビジネスを創造すること。そして企業を成長に導く経営戦略のカギとなることが期待されているのです。そのデータはどこから出てくるのか、といえば一般的にビッグデータと呼ばれるもので、モバイルやソーシャルなどの技術革新とその普及によるライフスタイルの変革から爆発的に増え続ける膨大な情報に加えて、利用価値の見直しによるさらなる情報活用ということなのです。

今号ではビッグデータとは何か、どのような活用が考えられているか、ということをご紹介していますが、価値を見出すことのできる情報を活用するという視点を持つことが重要だと思っています。さて連載第2回ではそれぞれのデータ活用の例から具体的な取り組みを紹介したいと思います。


平野 和弘 (ひらの かずひろ)
ビジネスアライアンス部 エバンジェリスト
NetApp




3 年間の外資系ストレージメーカー勤務を経て 2003 年 CTC 営業部長 として入社。
2007 年から大阪支店長として支店の開設に携わり、2009 年には東京に戻り ERP ソリューション推進を担当。
2012 年からは Bigdata も担当に加わり、Hadoop による分析ソリューションも推進。
1962 年 8 月 24 日生まれ
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