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【SAP ERP を NetApp で徹底活用:SAP on NetApp ソリューション】
第 5 回:SAP 環境は高コストで大掛かり?スケールアウトによる低コストで最適な構成を。
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前回の記事では、SAP ERP 環境に最適なパフォーマンスを実現するためのネットアップの最新技術やソリューションをご紹介しました。豊富なノウハウに基づく適正なサイジング情報のご提示、フラッシュなどの NetApp ストレージの最新技術やさまざまな機能、それらを駆使した最適なストレージ構成のご提示をご説明してきました。これまでにご紹介したソリューションを組み合わせることでパフォーマンスと容量効率、リソースの有効活用などが実現できるようになっています。これはかつて SAP ERP 環境を構築するのに、大規模サーバを用いたことで大きな課題となっていた初期導入コストや年々増加する運用コスト、そしてエンドユーザに対する最適な顧客体験の観点からも大きな改善効果が見込まれます。

すでに現在の SAP ERP 環境は大規模サーバ上に構築するのではなく、仮想化環境上で構築されるようになったことは第1回で申し上げました。サーバ環境上ではリソースが足りなくなった場合には新しいサーバを構築し、ワークロードを分散したり、新しいアプリケーションを導入することが容易かつ低コストで行えるようになっており、今ではごく当たり前のアプローチとなっているのが周知の事実です。次にお客様がお考えになっているのはストレージに対しても同じようなアプローチができないかということです。

連載第5回となる「SAP ERP を NetApp で徹底活用:SAP on NetApp ソリューション」では、NetApp ストレージの大きな特徴でもある、スケールアウト型ストレージを取り上げます。スケールアウトのメリットがどのように SAP ERP 環境に寄与するのかをご紹介したいと思います。

ありそうでなかったストレージの「スケールアウト」

どのようなアプリケーションであっても、パフォーマンスやリソース消費が大きく変わってしまうことはありうることです。このことはデータを大量に格納しているストレージにも当てはまります。レスポンスが悪いと感じられた際、サーバの状況には大きく目立ったところがなくても、よく調べてみるとストレージの I/O がネックになっていたということもありますし、データ量が膨大となり、容量を増加しなければならないこともあるでしょう。このような場面に遭遇した場合、ストレージを増強するということになるのですが、従来の考え方では、ストレージのコントローラをより高速な上位のコントローラに交換したり、ディスクの本数を増やすためにシェルフとディスクを増設するというアプローチをとります。これは一般的にはスケールアップと呼ばれる手法で、サーバの世界 において大規模な SMP サーバに CPU を増設するものと同じく、一般的な考え方でした。

Clustered Data ONTAP8.1

しかし、サーバの世界では低価格で高性能な x86 サーバの登場により、サーバを複数台並べて利用するスケールアウトという考え方がすでに定着しています。つまり、個々のサーバを連携させて単一の大きなリソースとみなし、サーバの追加で拡張していくという考え方です。

ストレージの世界でもこのスケールアウトの概念を取り入れた製品が近年登場してきています。これがスケールアウト型ストレージと呼ばれるものです。スケールアウト型ストレージではサーバのスケールアウトと同じく、ストレージシステムそのものを追加するだけでリソースを拡張し、単一のストレージリソースとして活用できる仕組みです。スケールアウト型ストレージは今後主流となっていくものと思いますが、NetApp FAS シリーズもその1つなのです。

「スケールアウト」で SAP ERP 環境がどのように変わるのか

ビジネスの成長やビジネス情勢の変化は IT インフラそのものも大きな影響を与える要因となります。初期導入の際、サイジングが重要になるわけですが、先に紹介したように、時間の経過によって新たな要件が生まれてくることがあります。そのため、想定していないトランザクションが発生することもあります。極端な話からもしれませんが、ビッグデータを活用するとなればそれだけで膨大なデータ管理が必要となるのはご想像いただけることでしょう。そうした際に備えて、当初から必要な要件は「想定外のデータ量をサポートするリソース」ではなく、「想定外のデータ量にも迅速に適応できる柔軟なインフラ」なのです。

SAP ERP環境もビジネスの要となる代表的な基幹業務アプリケーションです。こうしたスケールアウト型ストレージは SAP ERP 環境におけるインフラ基盤として、日々の業務を円滑にする安定したパフォーマンスの継続やユーザ数、トランザクション量、データ量の増減にも対応できる柔軟性、そしてビジネスの損失機会となりうるシステム停止の排除などの効果があります。このことはビジネスの変化に柔軟かつ迅速、そして適正なコストで追従できるということなのです。

ネットアップの「スケールアウト」はなにがよいのか

ネットアップのスケールアウト型ストレージはストレージ専用 OS 「clustered Data ONTAP」を搭載した NetApp FAS シリーズです。clustered Data ONTAP を搭載した NetApp FAS シリーズの場合、使用中の NetApp FAS シリーズに新しい NetApp FAS シリーズを追加するだけでパフォーマンスや容量を強化することができます。使用されているリソースが無駄にならないため費用対効果も高くなります。また、無停止オペレーションは常にオンラインが要求されるSAP ERPには必須の要件ですが、スケールアウト構成であればコントローラのメンテナンスやライフサイクルにおけるリプレースを行う際にもシステムを停止することなくオンラインで交換作業を行うことができます。

Better Scalability and Flexibility with cDOT

ネットアップのスケールアウト型ストレージでもっとも特徴的な機能は、マルチプロトコルに対応したユニファイド・ストレージのままスケールアウトできることです。NetApp ストレージは、同一筐体において、FCやNFS、iSCSI、CIFS などのさまざまなプロトコルを介したアクセスを同時にサポート可能ですが、他社のスケールアウト型ストレージは NFS しかサポートしていないのです。つまり、複雑な要件をもつ SAP ERP 環境にはマルチプロトコル対応は必須ともいえるわけですが、このような要件に対応できる唯一のスケールアウト型ストレージなのです。

Data ONTAP 8.1

QoS を設定することで SAP に複数のサービスレベルを実現

共用ストレージ環境では、さまざまなサービスが同一のストレージリソースを活用することができますが、たとえば、夜間バッチジョブ処理など、特定のサービスが多大な I/O 要求を発行することでリソースが占有されるケースがあります。マルチテナント環境において、このような状況になってしまうと、他のサービスに多大な影響を及ぼすこととなるため、同一インフラ上のリソース使用を制御しなければなりません。このようなことから QoS が設定できることが不可欠となっています。clustered Data ONTAP ではストレージオブジェクトごとにポリシーを定義することで、QoS を設定することができます。実際の設定は IOPS やスループットで指定することができ、透過的にパフォーマンスを制御することができます。これらの設定は動的に変更することができ、リアルタイムに反映されます。また、Vserver(仮想サーバ)、ボリューム、LUN、ファイル単位など、クラウド環境や仮想化環境など、お客様のご要望にあわせて設定することができるため、複数のサービスレベル を実現します。また、NetAppOnCommand ソフトウェアによって QoS の管理も含めたストレージの統合管理が可能です。

Windows Server 2012 上で構築する SAP ERP への機能拡張

ネットアップや最新の Windows Server や Hyper-V にいち早く対応することで、Windows 上で構築するシステム基盤のメリットを高めてまいりました。このメリットは SAP ERP 環境でも活かされます。とくに日本ではSAP ERP環境をWindows 上で構築するケースが増えているということをこの連載の最初にも申し上げましたが、そのようなお客様にも最適化されたストレージ環境を提供することができるようになっています。たとえば、clustered Data ONTAP が Windows Server 2012 より採用された SMB 3.0 に対応することで、Hyper-V のゲスト OS 領域として CIFS 共有することが使用可能となり、NAS 最大のメリットであるボリューム運用の柔軟性を生かした仮想マシン保存領域の拡大/縮小/追加/削除をいつでもオンラインで行うことが可能になります。また、仮想化によって物理サーバにシステムが集中すると、Windows を動かしている物理サーバ自体に負荷が集中します。負荷が高すぎてライブマイグレーションなどの処理に失敗するケースもあります。Windows ODX(Offloaded Data Transfer)に対応することでデータのコピー処理をストレージ側にオフロードすることが可能になります。サーバを経由することなく処理を行うことができるため、サーバの負荷軽減や処理時間の短縮という効果につながります。

SAP ERP での「スケールアウト」、将来の HANA スケールアウトを視野に

これまで紹介してきた clustered Data ONTAP の機能は、スケールアウトという考え方によって、複雑な SAP ERP 上における柔軟性、可用性、そして高パフォーマンスなストレージ基盤を実現するものです。さらにその先にはインメモリデータベースのSAP HANA も視野に入っています。インメモリによるビジネスアナリティクスソリューションとしてのHANAだけではなく、SAP AG 社が計画している ERP on HANA にも柔軟に対応できるストレージ基盤を提供していく予定です。そのため、SAP AG 社とも協業して進めておりますので、ERP on HANA が市場に登場する際のネットアップにも注目していただきたいと思います。

以上、第 5 回では、ネットアップのスケールアウト型ストレージがもたらす、SAP ERP 環境における即応性と柔軟性の高いストレージ基盤をご説明しました。この連載も残すところあと1回で最終回を迎えます。ぜひ次回もご期待ください。


平野 和弘 (ひらの かずひろ)
マーケティング本部 ビジネスアライアンス アライアンスエグゼクティブ
NetApp




3 年間の外資系ストレージメーカー勤務を経て 2003 年 CTC 営業部長 として入社。
2007 年から大阪支店長として支店の開設に携わり、2009 年には東京に戻り ERP ソリューション推進を担当。
2012 年からは Bigdata も担当に加わり、Hadoop による分析ソリューションも推進。
1962 年 8 月 24 日生まれ
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第 1 回:ご存知でしたか?
NetApp ストレージは SAP でもすごいんです
第 2 回:開発環境、テスト環境も簡単に
構築できるんです。しかも低価格で!
第 3 回: SAP の運用管理は難しい?
いえ、お作法さえ守れば大丈夫!
第 4 回:最適な SAP 環境のために。
必要なサイジングを考える。
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