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1から学ぶ VMware on NetApp
第十三回
「特別番外編」
ネットワンシステムズ様ご提供コンテンツ
VMware View on FlexPod ~ 検証から見るサイジングのポイント ~
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VMware View 導入プロジェクトを成功させるためには『ストレージが最重要項目の一つ』であることを、ネットアップのようなストレージベンダーだけでなく、現在では各社サーバベンダー、システムインテグレーターの皆様も注意喚起のアナウンスを出しております。 このような情勢の変化もあり、私自身がお客様と会話をしていても、むしろお客様側からVDI 環境におけるストレージの特性やベストプラクティスについて積極的にお問い合わせを頂く事が多くなったこと実感しています。

ネットアップのパートナーであるネットワンシステムズ様では、VMware View 環境に FlexPod を使って詳細な性能検証を昨年度より実施頂いておりましたが、特別に検証結果をご提供頂ける運びになりましたので、今回は番外編として実検証からみるサイジングのポイントをお届けします。

VMware View on FlexPod ~ 検証から見るサイジングのポイント ~

近年、情報漏えい対策や従業員のワークスタイルの変革のために VDI の導入に取り組む企業が増加しています。ところが実際に導入した事例を見てみるとサイジングのミスにより正常に稼動せず、あとから機器の追加や構成の変更が発生してしまうということが多く起こっています。

この度、ネットワンシステムズではこのようなサイジングのミスによる問題に対処するため、ネットアップ社およびシスコシステムズ社の両社の協力の元、ネットアップ社の FAS およびシスコシステムズ社のUCS、Nexus を組み合わせた FlexPod 構成で、適切な VDI のサイジングを行うためのパフォーマンス検証を実施しました。

今回は取得した検証データの一部を用いて、VD I環境におけるストレージにかかる負荷の傾向や、ストレージの負荷を軽減する VMware View Storage Accelerator の効果についてご紹介いたします。

検証構成

  • 検証構成

FlexPod は、シスコシステムズ社のサーバ(UCS)とネットワーク機器(Nexus)、およびネットアップ社のストレージ(FAS)を組み合わせ、柔軟性の高い共有インフラを基盤とした検証済みのプラットフォームです。

今回は仮想環境を構成するストレージとしてネットアップ社の FAS3240 を使用し、リンククローン環境を構成する際に必要となる移動プロファイル用の CIFS ストレージとして FAS3210 を使用しています。また、サーバとしてシスコシステムズ社の UCS を、ネットワーク機器についてもシスコシステムズ社の Nexus を使用しています。仮想環境を構成するハイパーバイザには VMware vSphere 5.0u1 を、仮想デスクトップ環境を構成するソフトウェアとして VMware View 5.1 を使用しています。

パフォーマンス検証を行う上で負荷をかけるツールには Login VS I社の VDI ベンチマークツールである Login VSI を使用しています。
Login VSI は仮想デスクトップに実際にログインを実行、ビデオ再生や Word や PowerPoin tなどのオフィスツールの動作をシミュレートし、実際の使用に近いワークロードを発生させることができるベンチマークツールです。

仮想デスクトップログイン時のIO負荷の傾向

  • 仮想デスクトップログイン時の IO 負荷の傾向

こちらのグラフはリンククローンとして展開された 500 台の VMware View VDI 環境に対して Login VSI を使いログイン負荷をかけてストレージ(FAS3240)上で取得したIO値となります。
検証では VMware View Storage Accelerator を ON にした条件(上段)と OFF にした条件(下段)で実施しました。

Login VSI がシミュレートするログイン動作ですが、500 ユーザが7分間に分散させてログインを行っています。(1分辺り約 70 台の仮想デスクトップにログインが実行されます)

グラフから、どちらの検証パターンにおいてもテスト序盤に高い負荷がかかっていることが確認できます。このことから、VDI 環境ではログイン後よりもログイン時により高い負荷がかかる傾向にあることがわかります。
(“仮想マシン通常稼動時の平均 IOPS ×合計台数”からは算出出来ないため、ログイン時のサイジングが重要)

続いて VMware View Storage Accelerator が ON、OFF の条件での比較となります。
OFF の場合は約 20,000ops もの IO が定常的に発生するため、ストレージ側の CPU も 100% に張り付いてしまい IO 処理が追いついていません。
逆に ON にした場合は ESX 上でキャッシュがヒットするため、ストレージ側への IO 量も最大でも 13,000ops 程度に減らすことができ、結果として CPU 利用率も 100% に達しない状態(ストレージ側がボトルネックにならない状態)であることが計測値から確認できます。

この結果から、VDI 環境において VMware View Storage Accelerator を使用することで、ストレージに対する負荷を大幅に軽減し、ストレージの性能を有効に利用できるように変化したことがわかります。

なお、VMware View Storage Accelerator を使用する場合、ESX ホスト毎に最大 2GB の物理メモリ領域を利用することが可能です。ESX ホストのメモリのサイジングに影響がありますが、積極的に使用していくことが望ましいでしょう。

実際のログイン時間への影響

  • 実際のログイン時間への影響

VMware View Storage Accelerator によりストレージへの IO が大幅に軽減されることがわかりました。では、実際にユーザから見た動作はどうなるのでしょうか。それを調査した結果がこの表になります。

Login VSI でログインを行っている仮想デスクトップの各ウィンドウを観察し、時刻の経過と共にログインに要した時間がどのように変化するのかを調査しています。

VMware View Storage Accelerator が OFF の環境では、試験開始時には 19 秒でログインできていますが、試験開始から 5 分 45 秒が経過(既に約 400 台の仮想デスクトップがログイン済み)したころにログインを開始した仮想デスクトップについては、ログインに 1 分 36 秒もかかっており、実際に使用するユーザの体感に大きな影響を与える結果になっています。

逆に ON の環境では、最後のほうにログインする仮想デスクトップでも 26 秒とほとんど負荷の影響を受けていません。

このことから、ストレージの処理が追いつかない状況になると、ログインに要する時間などユーザの体感でわかる形で影響が出てくることが確認できました。

VMware View のリンククローン環境では IO が増加する

  • VMware View のリンククローン環境では IO が増加する

上のグラフはフルクローンとリンククローンのそれぞれの環境で、ストレージアクセラレータを ON/OFF したそれぞれのパターンで、ストレージの特定の LUN にかかる負荷を比較したものです。LUN に格納されている仮想マシンは約 83VM で、リンククローンのレプリカも同じLUN内に格納されています。

このグラフを見るとフルクローン、リンククローンに関わらずストレージアクセラレータの効果により IO の負荷が軽減できていることがわかりますが、同時にフルクローンよりリンククローンのほうがストレージへの IO が多くなっていることがわかります。

例としてストレージアクセラレータをONにした場合について見ると、フルクローンの Read が 8 ops、Write 456 ops であるのに対し、リンククローンの Read が 92 ops、Write が 555 ops と大幅に IO が増加しています。

ストレージアクセラレータを OFF にした場合についても同様にフルクローン IO が多くなっています。

この理由について次の図で説明します。

IO が増加するロジック

  • IO が増加するロジック

上図では VMware View のリンククローンの環境において IO が増加するロジックを紹介しています。

この事象はリンククローンがスナップショットの仕組みを利用したテクノロジによって実現されているため発生します。

Read、Write のどちらの場合も最初にメタデータの確認(Write の場合はさらに編集)を行ってから実データの Read や Write を行う必要があるため、通常の VMDK 形式(フルクローン利用時)に比べて大幅に IO が増加してしまいます。

VDI アセスメントによりサイジングの精度を向上

  • VDI アセスメントによりサイジングの精度を向上

ここまで Login VSI を使用した検証から得られたデータを元に、VDI のストレージサイジングに関するポイントをご紹介してきましたが、実際には、各デスクトップユーザが同じ操作するわけではなく、業種や職種ごとに負荷の傾向が異なってくるのが実情です。

そこでネットワンシステムズでは、実際に使用している物理環境からリソースの使用状況を収集し、お客様ごとに VDI に移行する際に必要となる仮想環境のハードウェアリソースや考慮事項を調査する VDI アセスメントサービスを提供しております。

検証から得られたデータと、VDI アセスメントから得られた情報を組み合わせてサイジングを行うことで、より精度の高い適切なサイジングを行うことが可能になります。

本サービスによって、ミスサイジングによる性能不足、レスポンス遅延を未然に防ぐことができるだけでなく、VDI 構築時にありがちなハードウェアに対する過剰な投資を防ぐことができるため、多くのお客様において VDI プロジェクトを成功させるためにご利用頂いている実績のあるサービスとなっております。

  • 今後の取り組みについて

今回 FlexPod 構成で現在正式にサポートされている構成・機能での VDI 検証データや取り組みについてご紹介させていただきましたが、今後は VCAI(VMware View Composer Array Integration)のように最新の機能についても同様の検証を実施し、いち早くサービスとして提供する予定です。

VCAI は VMware View 5.1 の Tech Preview として搭載された機能で、View Composer から仮想マシンをプロビジョニングする際に、ストレージのクローン機能を直接利用することができるようになりました。

VCAI 利用時には、ストレージのクローン機能を使うため、リンククローン時の IO が増加する問題を回避することができます。また、View Composer を利用することによる管理性の向上というメリットと合わせて、性能・管理性を両立できるため、これから主流となっていく注目の技術です。

VCAI についてはネットアップ社の大西様の記事に詳しく紹介されておりますので、詳細を知りたい方はご参照ください。

1 から学ぶ VMware on NetApp 第十一回 「番外編」
 vForum2012 ネットアップセッション紹介

<お問合せ先>
ネットワンシステムズ株式会社 <ソリューション/サービス お問い合わせフォーム>

<参考>
Net One Systems
 ネットワンシステムズ株式会社

ネットワンシステムズ株式会社 <デスクトップ仮想化 ソリューション(VDI)>

  • 最後に

今回のコンテンツは如何でしたか。ご提供頂いたコンテンツの中で、『Linked Clone vs フルクローン』の性能比較に触れて頂きましたが、やはり従来型の Linked Clone を使った I/O 負荷は悩ましい仕様となってしまいます。
もちろん、フルクローンを使えば、性能を向上させることはできますが、デスクトップ仮想マシン必要台数分のディスク領域が大量に必要になってしまうだけでなく、展開時間も長時間必要としてしまいます。
これからは VCAI(View Composer Array Integration)を使うだけで、このような悩みを解決でき、VCAI の正式サポート後は VMware View 用のストレージは NFS が標準になっていくことが想定されるため、ネットワンシステムズ様を含むネットアップのいくつかのパートナー様においてもいち早く検証を既に実施頂いております。

Hirokazu Onishi

大西宏和 (Hirokazu Onishi)
技術本部 ソリューション SE シニアシステムズエンジニア
NetApp

立教大学社会学部観光学科卒、外資系ストレージメーカーを経て 2002 年 NetCache (セキュリティアプライアンス製品)担当 SE として入社。
入社以来、パートナー及び仮想化ソリューションを担当、本年度より技術本部ソリューション SE 部にて仮想化ソリューションを担当。
趣味は旅行とサッカー観戦。


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