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1 から学ぶ VMware on NetApp
第十一回
「番外編」
vForum2012 ネットアップセッション紹介
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11 月 6 、7 日に開催された vForum ですが、サンフランシスコ、バルセロナで開催された VMworld2012 と同様に、ネットアップはダイヤモンドスポンサーとして参加しました。最上位スポンサーということでセッション枠を頂き、今回は VMware View の新技術 VCAI とネットアップFASを使った、これからの VMware View 運用のベストプラクティスを紹介したところ、反響が大きくお問い合わせをたくさんいただいてしまったこともあり、今回も番外編として vForum セッションにて紹介した VCAI についてお届けしします。
なお、vForum セッション用資料は35スライドとなり、この中から厳選したスライドを利用しています。
そのため、VCAI,NFS VAAI などベースになる技術の紹介、検証手順、条件などが省略されていますが、こちらについては vForum イベントサイトよりオリジナルスライドを入手し、ご確認くださいませ。

VAAI NAS(NFS VAAI)

みなさま、VMware View 5.1 から実装された VCAI をご存知ですか? View Composer Array Integration の略称となり、View Composer から直接ストレージアレイのネイティブクローニング機能を利用して、VMware View 環境でのストレージの運用負荷を軽減できる機能となります。
ただ、どんなクローニング機能を持ったストレージであればどれでも連携できるわけではなく、VAAI NAS(NFS VAAI) に対応したストレージが前提となります。
『ストレージアレイのネイティブクローニング機能』や『 NFS VAAI 』というキーワードを聞いて、ネットアップの FlexClone が思い浮かんだ方も多いのではないでしょうか。はい、ネットアップ FAS にとっては一番の得意機能になりますので、他社に先駆けてこの VCAI 連携機能をいち早く実装しました。
また、VCAI 機能の位置付け、メッセージを聞くと、大量の仮想マシン展開時間が短縮され、運用が楽になるような印象を持ちますが、実はストレージだけでなく、vShere 環境全体の性能が向上し、コスト削減もできる画期的な素晴らしい機能であり、これから VMware View 環境において必須となる注目機能なのです。

Linked clone

VDI 環境において、大量の仮想マシンを展開するには、ハイパーバイザー側のクローン機能を使う運用が一般的ですが、実は多くの問題を抱えておりました。
VMware View において、View Composer の Linked Clone を利用した場合には、レプリカ VMDK と差分管理用の checkpoint VMDK を生成して大量の仮想マシンを展開する動作になりますが、この差分管理用の VMDK の I/O 処理がストレージだけでなく ESXi 側にも負荷となっていました。

図では Linked Clone を使って展開された仮想マシン上で Write I/O が発生した時の動作を紹介しています。
差分管理用 VMDK の仕様上仕方の無いことですが、仮想マシン上の更新ブロックを計算するために先ずは既存のブロックをストレージから読み出す必要があり、ストレージに余計な Read I/O が発生してしまいます。
また、更新ブロックを ESXi 上で計算するため、通常の VMDK ファイル( Linked Clone を使わない場合の VMDK ファイル)と比べて CPU の負荷も高くなってしまう特徴があります。
そして、ストレージネットワーク越しにオリジナルブロックを読み込むため、ESXi とストレージの間に余計なトラフィックが発生していました。

CPU 、ネットワーク、ストレージそれぞれにオーバヘッドが発生してしまう Linked Clone の動作ですが、FC, iSCSI ストレージを利用している場合にはストレージのクローン機能が VMDK ファイル単位のクローンを上手く処理できず、結果として View ComposerLinked Clone の選択肢を選ぶしかありませんでした。このようなこともあり、Linked Clone が実質標準的な運用になっていたため、動作仕様の問題という形ではなく、一般的な性能問題、サイジングの問題として扱われていた背景があります。

ネットアップの場合には NFS 接続でご利用頂いているお客様がほとんどであり、VSC プラグインとネットアップ FAS の FlexClone を使い、View 環境の数百、数千台の仮想マシンを通常の VMDK 形式で簡単、高速にクローンすることができるため、展開された VMDK も Linked Clone 利用時の様に ESXi 上で差分ブロックの処理を行う必要が無く、問題とはなっておりませんでした。
※NFS 接続の場合にはファイルシステムをストレージ側で管理するため、ネットアップ FAS が自由に VMDK をクローンを実行し、ESXi 側に渡すことができます。

Linked Clone vs VCAI Clone

図では View Composer の Linked Clone、VCAI それぞれの内部動作概要を紹介しています。
VCAI Clone を利用した場合にもレプリカ VMDK が生成されますが、レプリカ VMDK から同一ストレージ上に NFS VAAI(VAAI NAS) 機能を使って高速にクローン VMDK を作成します。
また、VCAI 利用時も Linked Clone と同様に差分管理用の Checkpoint VMDK を生成しますが、VCAI の場合には、 Checkpoint-flat.VMDK 形式で VMDK を作成する動作が特徴となります。
この様に VCAI を使ったクローンの動作も『レプリカ VMDK と差分管理用の Checkpoint VMDK の仕組みを利用』していることと、『View Composer の従来と同じウイザード(プール作成)から実行』できるため、全く新しい技術ということではなく、View Composer の優れた管理機能とストレージ側が持つ高速クローン機能を組み合わせてブラッシュアップされて実装した技術とお考え下さい。

VMDK

前段で Linked Clone、VCAI Clone どちらとも差分管理用ファイルは Checkpoint VMDK で管理されていること紹介しました。 この Checkpoint VMDK は vCenter の Datastore ブラウザから確認すると、両方ともに 『vmname-checkpoint.vmdk』 として表示されるため、初めて VCAI に触れる方は何が変わったのか区別が付かないかもしれません。
実は ESXi のコンソールシェルから確認するとそれぞれ 『vmname-checkpoint.vmdk』 はメタデータとなっており、Linked Clone 差分管理用のファイルの実体は 『vmname-checkpoint-delta.vmdk』 、VCAI 利用時は 『vmname-checkpoint-flat.vmdk』 であることがわかります。
delta.vmdkでピンときた方は多いのでは無いでしょうか。通常の仮想マシン運用において VM スナップショットを発行された時に生成される差分管理用 VMDK と同じフォーマットとなり、サーバー仮想化時の仮想マシンにおいても I/O 負荷が高い本番環境などでは注意が必要となるスナップショットファイルを利用しています。
これに対し VCAI クローンの差分管理用 VMDK は flat.vmdk の形式となり、通常の VMDK フォーマットと同じ仕組みを利用しているため、性能劣化もなく高い性能で I/O を処理できることが特徴です。

>VDI Workload-Read20%.Write80%

vForum イベントに合わせて、Linked Clone/VCAI Clone それぞれの機能を使って作成した仮想マシンの性能がどれぐらい異なるか実際に検証しました。
検証環境には、各クローン機能を使って、それぞれ 10 台展開しましたが、今回は純粋に仮想マシンの負荷特性を確認することが目的のため、それぞれ1台しか利用しておりません。
また、ESXi をインストールしたサーバーは同じスペックの IA サーバーを利用しています。
負荷については仮想マシン上から Simulated I/O (ネットアップ製の負荷ツール)を使い、VDI ワークロードを想定して Read 20%/Write 80% の 4KB ランダム I/O を設定し 300 秒間の負荷を掛けました。

※負荷ツールとして一般的に利用される Iometer を当初利用しましたが、ESXi 上のメモリにキャッシュヒットしてしまう結果となってしまったため、今回はネットアップが提供する Simulated I/O(SIO) を使い、仮想マシン上の 40GB テスト用ファイル (ESXi のメモリサイズ 24GB 及びストレージのメモリサイズ 8GB より大きいサイズ)に対して ESXi、FAS それぞれのメモリに対してキャッシュヒットしにくい条件で負荷テストを実行しています

Linked Clone vs VCAI

検証結果からは VCAI 機能によって作成された仮想マシンを使うことにより、ストレージの負荷を削減出来るだけでなく、『仮想マシンの性能向上』、『ESXi、ストレージ側の負荷も削減』できることが確認できました。
やはり、ストレージの負荷については、Linked Clone 特有の Read I/O が発生しなくなったため、ディスクの使用率(Disk busy 率)が大幅に改善された結果となりました。
このように Linked Clone 利用時はディスク負荷が高くなってしまうこともあり、ネットアップをご利用している多くのお客様が FAS の FlexClone 機能を使って通常の VMDK 形式で仮想マシンを展開していた背景になります。
今回の負荷テストは ESXi、ネットワーク、ストレージ共にボトルネックが発生しない条件で検証していますので、ここで紹介しているデータは単純に仮想マシン一台辺りの性能及び負荷の違いとお考えください。
Linked Clone 利用時には、仮想マシン毎にオーバヘッドが大きいため、ESXi およびストレージの性能上限に早く達してしまい、結果として収容できる仮想マシン数も少なくなってしまうことが想定されます。
※今回の TechOntapでは検証結果比較のスライドのみ掲載となってしまいましたが、vForum のオリジナル資料には検証環境詳細、Linked Clone/VCAI Clone 仮想マシンの I/O 状況など紹介したスライドも含まれていますので、是非 vForum サイトより入手しご確認頂ければ幸いです。

VCAI

前段でネットアップ FAS の FlexClone と VSC(Virtual Storage Console) プラグインを使って仮想マシンを展開した方が性能が良いこと紹介しましたが、やはりお客様によっては仮想マシンのクローンを View Composer と連携させて全ての運用を VMware View 上から実行したいという要望も有りました。
このような要望に全て応える技術が VCAI となります。管理面として VMware View の機能をフルに利用でき、性能面においてはストレージの負荷を削減出来るだけでなく、ESXi の負荷も下げ、仮想マシン内の性能も上げることができる素晴らしい技術となり、今後は VCAI を使った運用が主流になっていくでしょう。

VCAI

ただ、このVCAIの技術ですが、一点だけ注意点があります。VMware Viewとしては正式製品版ですが、このVCAIの連携機能部分については『Tech Preview』として部分的にベータ機能として提供されていますので、本番環境におけるご利用にあたっては、VMware社およびネットアップの営業、SEに事前にご相談頂く形になることご了承下さい。

VCAI を使うに当たって、VMware 社サイトの Compatibility Guide を確認する必要があります。
"Storage/SAN" を選択し Features Category 上で "VAAI NAS"、Features 上で "Naïve SS for LC"、Plugins では "NetAppNASPlugin" を選択します。その後 "Update and ViewResults" を押下し、サポートされている構成が出力する予定となっています。(2012 年 12 月時点では各社未対応の状況)
また、この Compatibility Guide の項目からも各社の状況が確認できる通り、やはり Linked Clone を使った運用も限界があることから、これからは各社ともに NAS ストレージのラインナップで VCAI を使う構成になっていくことが想定されます。

VMware View on Netapp

今回紹介した VMware View の新技術 VCAI を使うだけで、仮想マシン、ESXi 、ストレージの性能が向上することご理解いただけたかと思います。ESXi の CPU 負荷を軽減できるため、結果として仮想マシンの収容率を上げることができ、View 環境に必要なハードウェア機器のコストも削減できることは、大きな魅力です。
ネットアップがパートナー(代理店)様向けに提供している最新の VDI 用のサイジングツールでは、Linked Clone の I/O 動作仕様を反映しており、ストレージ側のクローンを使った場合には約半分のディスク本数で Linked Clone 利用時と同等の性能を出せること紹介しています。
また、この VCAI という技術はストレージ側のクローン機能を使いながら、Datastore 上の VMDK をファイル単位でクローンする仕様のため、NFS にしか実現出来ない技術となります。『 NFS ってどうなの? NFS ってちょっと・・・』など懸念を示されるお客様もまだまだ多くいることと思いますが、実は VDI 用途には、そもそも NFS の方が向いていたことから、この VCAI 技術が生まれたことについて皆様に伝わること願っています。

VMware

現在 VCAI はベータ版機能ではありますが、既にVMware社からホワイトペーパーがリリースされています。
英語版のみとなってしまいますが、非常に興味深い資料になっていますので、是非こちらの資料につきましてもご参照ください。
The VMware® View™ 5.1 Reference Architecture for Floating Desktops on NetApp Storage Including Performance Data Using View Storage Accelerator (VSA) and View Composer Array Integration (VCAI)
http://www.vmware.com/files/pdf/techpaper/vmware-view-reference-architecture-floating-netapp-storage.pdf
こちらの資料は VMware View 環境をネットアップ FAS で構成したリファレンスアーキテクチャだけでなく、 View Storage Accelerator (VSA) と VCAI を使う事により、Linked Clone(NATIVE Clone と表記)利用時と比べて展開時には 93%、ブートストームについては 80% も負荷を削減できること紹介されています。

今回のコンテンツについていかがでしたか。
11 月の vForum、12 月の NetApp Innovation 2012 各イベントにおいて、この VCAI を紹介した所、早速検証を実施したり、導入を検討していただいているお客様も少なくないようです。
実はネットアップとしては、昔から Linked Clone 独特の I/O オーバヘッドについて把握しておりましたが、VMware 社との強固なアライアンスパートナーシップのもと、この問題を材料として営業活動(特にセールストークとして利用)を行うことはありませんでした。
このように両社の米国本社も地理的に近いだけでなく、エンジニア、SE 、営業レベルで非常に親密な関係を築いております。
そして、この度 VCAI(VAAI NAS/NFS VAAI)という新技術により解決できることができたため、紹介出来る運びになりました。

さて今回の写真ですが、vForumの会場にてご一緒した VMware 菊本様(中央)、cisco 中本様(右)となります。
VMware 菊本様には vForum 向けコンテンツにおいて多々相談に乗って頂き、いち早く VCAI という新技術について皆様にお届けすることができましたこと御礼申し上げます。
また、中本様には FlexPod(cisco/NetApp コンポーネントを柔軟性に優れたシングル アーキテクチャに統合した、検証済みのデータセンター プラットフォーム)拡販活動において常日頃からお世話になっており、VMware View on FlexPod として構築した場合には他社のリファレンスアーキテクチャを寄せ付けない圧倒的なプラットフォームになること別の機会でご紹介出来ればと考えております。

■ vForum2012 セッション資料
vForum 2012 アフターイベントサイト ログインページ
http://vforum.jp/aes/(ユーザー登録情報必要)

■ NetApp Innovation2012セッション資料
https://nai2012-dl.jp/(ユーザー登録情報必要)
[E-4] NetApp しか実現できない VDI の技術解説。2013 年に向けてのベストプラクティスを大公開!
(vForum セッション資料と同様に VCAI の情報を紹介)

Hirokazu Onishi

大西宏和 (Hirokazu Onishi)
技術本部 エンタープライズ SE 第二部 シニアシステムズエンジニア
NetApp

立教大学社会学部観光学科卒、外資系ストレージメーカーを経て 2002 年 NetCache (セキュリティアプライアンス製品)担当 SE として入社。
入社以来、パートナー及び仮想化ソリューションを担当、本年度より技術本部ソリューション SE 部にて仮想化ソリューションを担当。 趣味は旅行とサッカー観戦。


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